結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年04月21日(火曜日)

生活必需品のサプライチェーンと永守重信「75歳の反省」

今日は車で遠出。

といっても、
横浜から第三京浜道路に乗って、
川崎で降りて、
府中街道を西北に走り、
多摩川を渡って、
調布、国分寺から小平へ。

多摩川にかかった是政橋。
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それから3億円事件が起こった府中刑務所。
1968年12月10日のことだった。IMG_62270

府中競馬場横を抜けるときは、
ユーミンを口ずさむ。
中央フリーウェイ♪
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こうした一人のドライブも、
なかなか楽しい。

やはり車は多くはない。
トラックばかり。

マイカー通勤も増えているから、
時間帯によっては混むのだろうか。

第一屋製パン㈱の取締役会。
フィジカルディスタンシング。
豊田通商㈱のお二人の非常勤取締役は、
本社からテレビ会議で参加。

コロナ禍での食品業界の動向を、
ちょっとだけレクチャーして、
私は、戦略の方向性と、
製パン事業の社会的意義を確認した。

帰りも車を運転して、
中央フリーウェイ♪

日経電子版「経営者ブログ」
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
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テレワークと散歩と読書の毎日。
「ビジネス活動が半減したせいか、
東京の大気は、汚染する要素が減少、
すっかり昔に戻ったようだ」

東京都心はそうかもしれない。

日経新聞で連載が始まった。
「コロナ禍 小売り奮闘」
その第1回は、
「生活必需品を絶やすな」

流通トップの声を拾っている。

富山県の池田和男アルビス㈱社長。
「まとめ買いの傾向が鮮明だ」

アルビスでも客数は減ったが、
1人あたりの買い上げ点数は増えた。

吉田昭夫イオン㈱社長はつぶやく。
「急な需要増にどう応えるか」

自粛要請後の週末に、
イオン東雲店を視察して、
「即席麺など一部商品の品切れを
目の当たりにした。
メーカーからの供給は十分でも
物流が追いつかない」

そこで3月28日以降、
人海戦術で対応した。

イオン関東RDC。
千葉県市川市の大型物流センター。
段ボールを運ぶフォークリフトが、
ひっきりなしに動き回る。
食料品など数千種類の商品を集めて、
店舗へ配送する供給網の要。

約700人が働くが、
本部で働く社員たちが十数人加わって、
荷物運びなどを手伝う。

記事には、
「普段は事務仕事を担う男性社員」だとか、
「畑違いの仕事」だとか書いてあるが、
イオンの本部社員は、
必ず現場を経験している。

㈱いなげや。
東京都立川市の物流施設。
「センターの回転を上げなければ」

東京都の外出自粛要請直後の3月27日。
週末の来店客の増加を見込んで、
冷凍食品などの発注が殺到。
発注は前週比で5割増えた。

発注翌日の昼すぎに届く通常便に加えて、
当日夜に到着するトラックも
臨時に増やした。

藤田正美キユーピー㈱物流担当上席執行役員。
卸からの注文を、
配送の2日前までに受ける仕組みを、
2019年末に本格導入した。
既に7割の取引先が受け入れている。
需要が急増した今回も、
ほぼ予定通りに配送できた。

「導入していなければ、
今ごろパンクしていた」と藤田物流担当。

記事のまとめ。
「日々の暮らしを支える
小売店の商流の維持は、
綱渡りが続く」

製配販のサプライチェーンは、
「後工程はお客様」で協力し合う。

製造よりも物流。

緊急事態宣言のときは、
イギリスのように、
産業を挙げて商品を必需品に絞り込み、
製造・物流・販売を効率的に進めるべきだ。

4月20日の日経新聞。
永守重信さんが発言。
日本電産会長兼CEO。
「利益至上」見直す契機
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永守さんの発言は常に、
チェックしておかねばならない。

「どんなに経済が落ち込んでも
リーマンの際は
“会社のために働こう”と言い続けた。
だが今回は自分と家族を守り、
それから会社だ」

「人命について
これほど真剣に考えたことはない」

わかる。

「今は見えない敵と戦う
第3次世界大戦だ。
当社は40カ国以上に工場があり
様々な情報が錯綜する。
指揮官の私が全貌を把握し、
すべて決める体制にした」

緊急事態。
第3次世界大戦。

指令系統は一本化し、
即断即決。

これが戦時のセオリー。

「グローバル化の限界」の指摘に対しては、
「逆だ。もっともっと進む」

「自国にサプライチェーンを全部戻すのは
リスクを増すだけだ」

グローバル化はさらに進む。

「40カ国以上に工場を持ち、
リスクを分散したと思っていたが、
部品のサプライチェーンまで
思いが完全には至っていなかった。
猛省している」

「新型コロナで自国優先主義は揺らぎ、
改善に向かうと期待している」

「各国の首脳の発言を聞くと
少し反省していると感じる」

「リーマンの際は、
中国が世界経済の回復を引っ張ったが、
今回は経済的にも政治的にも
リーダー役の国がいない」

「コロナは去っても、
世界不況はとどまる」
このリスクを念頭に、
経営者は俊敏に対応しなければいけない。

コロナ終息後は、
「まったく違った景色になる。
テレワークをどんどん取り入れる、
劇的な変化が起きる」

たとえば、
「東京都内の会社に勤める人が
山梨県に仕事部屋のある
広い家を建てるようなケースが増える」

「企業は通勤手当をなくす代わりに
給与を上げるほか、
サテライトオフィスを作るなど
抜本的に環境を改善すべきだ」

そして根本的な考え方が変わる。
「利益を追求するだけでなく、
自然と共存する考え方に
変えるべきだ」

「地球温暖化がウイルス感染に
影響を及ぼすとの説もある。
自然に逆らう経営はいけない。
今回は戒めになったはずだ」

[極端気象]と「新型コロナ」
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「50年、
自分の手法がすべて正しい
と思って経営してきた」

[だが今回、それは間違っていた。
テレワークも信用してなかった」

正直な人だ。

「収益が一時的に落ちても、
社員が幸せを感じる
働きやすい会社にする。
そのために50くらい
変えるべき項目を考えた」

「反省する時間をもらっていると思い、
日本の経営者も
自身の手法を考えてほしい」

社員が幸せを感じる、
働きやすい会社にする。

そのための反省の時間。

永守重信。
75歳にして、
反省しきり。

この若い心。
見習いたい。

〈結城義晴〉

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