結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年02月08日(金曜日)

結城義晴、自問自答「自分を変えることについて」

自分が変わらなければ、
会社は変わらない。

自分が変わらなければ、
相手は変わらない。

自分が変わらなければ、
社会を変えることなどとんでもない。

影法師

しかし、自分は自分である。
自分を変えたくない、という自分が、
当然ながらでんと、座っている。

そんなときのために、
会社のビジョンはある。
企業の理念はある。

別に、個人としての自分が変わるか否かは、
それこそ自分の問題でよい。

しかし、仕事をする自分である限り、
会社を、店をやっている自分である限り、
弱音を吐いてはいけないし、
自分を変え続けねばならない。

イノベーションし続けねばならない。
顧客のために、会社のために。

それができない者、
それをしようとしない者を、
「悪しき職人」という。

この「職人」という言葉、
とても難しい。
使い方が。

日本のスーパーマーケットの、
とりわけ生鮮食品の世界では、
かつて「職人」が存在した。

中には、自己変革をし続ける「職人」もいたし、
イノベーションを拒否した「職人」もいた。

一つの言葉には、
必ず、良い面と悪い面がある。

現在、かつての「職人」がやっていた仕事は、
ほとんど女性パートタイマーによって遂行されている。

会社の中には「出来高評価の仕事」と
「出来映え評価」の仕事がある。

スーパーマーケットのオペレーションを変えるとき、
この出来高評価の仕事は、
単純化、標準化していかねばならなかった。

すべての職人が、最初は、これに反抗した。

しかし、標準化の必要性が認識されてくると、
職人は二手に分かれた。

変革を受け入れ、
それを積極的に推進しようとするイノベーターと、
それを阻止しようとする「職人」とに。

自分を変えるとき、
この「職人論義」は重要である。

ただし出来映え評価の仕事には、
今でも、職人的な技術が要求される。
「匠の技」と言ったりするが、
それが不可欠だ。

ここにも、コモディティとノンコモディティの概念分岐が、
顔を出す。

コモディティは、職人否定か。
ノンコモディティは職人肯定か。

いずれにしても、
自分を変えることを拒否する者は、
会社を変えることはできない。

個人の生活では、わざわざ自分を変える必要はない。
それは自分に任されている。
それだけは確かだ。
<結城義晴>


0 件のコメント

  • 俺の為に書いて頂いてるかと錯覚するくらぃ、タイムリーな内容です(笑)
    いつも、いつも、参考になります。

  •    ナンバさん、実はインスピレーションを、
       あなたからいただいたのです。
       だから感謝します。ありがとう。
      

  • 「出来高評価の仕事」は、工夫の世界。標準化、単純化を推 し進め、如何にして効率を上げるかと言う現実的な作業。

    「出来映え評価の仕事」は、創造の世界。盛り付けの素晴ら しさ、カラーコントロールの美しさ、陳列技術の巧みさ。
     どれも商品がお客様に訴えかけ、主張しているという空想 的な世界。

     しかし、どちらも職人としてのイノベーターでないと出来 ては行けないと思います。
     変化し続ける事は絶対必要。
     自分が変化し続けることに対する自問自答は、永遠のテー マであると思います。

     社会を変えるなんて言う大それた考えはありませんが、自 分が変わることにより、自分の周りや会社を変えると言う 事に自身の存在価値を見出す。
     そんな企業人(職人イノベーター)でありたいです。
     とにかくガンバリます。
     

  •  難しいですね…。
     昨今、『周囲の目』が今まで以上に『気になる世の中』になって来ていますからね。
     商談に行くといつも『Aはどうよ。じゃあBはどんな感じ?』てなことが必ず見え隠れ。そんな内容が営業レベルにも伝わり、『商品価値>値段』のはずが『商品価値<値段』の商談になってしまう。メーカーがこうだと自ずと川下へ行けば…。(ご想像にお任せします)
    『確定された価値基準』でしか見られないのかもしれません。

  •    酒バイヤーさん、素晴らしい。
       自身の存在価値を見出す自分がいる。
       それが「自己客観化」ですが、
       どんなときにもそれが出来る人が、
       自分を変えることを実現させるのだと思います。
       だから「心は燃やせ、頭は冷やせ」なのです。
       

  •    ゴトウさま、ありがとう。
       川上の営業は「商品価値>値段」を主張し、
       川下のバイヤーは「商品価値<値段」を言い張る。
       しかし川下はエンドユーザーの生活者から、今度は
       「商品価値<値段」と値切られる。
       小売のバイヤーはセラー(売り手)でもあります。
       だから正札販売が生まれたのです。
       本来は「商品価値=値段」であるはず。
       例えば商談の時間も、互いにコストです。
       コストは「商品価値」を下げる。
       だとしたら、それを出来るだけ削減するために、
       最初から「商品価値=値段」で押し通す。
       そのために最初からギリギリの値段をつける。
       これが、サム・ウォルトンが考えた方式です。
       すなわちエブリデー・ロープライス。
       そしてこの方式を採用して問題が起こらないのが、
       コモディティの世界。
       ノンコモディティの世界は、
       おっしゃるとおり、「価値」が
       最初から確定されているわけではありません。
       ここにチャンスも生まれます。

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