結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年05月06日(火曜日)

清水信次さんと父・結城義登に遭遇/セザンヌ「首吊りの家」を思う

2014年の安近短黄金週間。
最終日の5月6日。
振り替え休日。

といっても、今日の振り替えは、
昨日のこどもの日の振り替えか、
一昨日のみどりの日の振り替えか。

のっけからクイズみたいだが、
答えは、みどりの日の振り替え休日。

1948年7月20日公布・即日施行の『祝日法』。
正式には『国民の祝日に関する法律』。

その第三条の2。
「『国民の祝日』が日曜日に当たるときは、
その日後においてその日に最も近い
『国民の祝日』でない日を休日とする」。

今年の場合、みどりの日が日曜だから、
その後の日で、国民の祝日でない日は、
今日の5月6日。

なぜならみどりの日の翌日は、
国民の祝日のこどもの日。
だからその後の本来の平日の今日が、
みどりの日の振り替え休日となる。

だから、国民はみな、
今日の祝日をみどりの日に、
感謝しなければいけない。

商売をする人たちも、
みどりの日に、
感謝しよう。

さて、今日、まったく偶然にも、
店頭で清水信次さんに出会った。
20140506230015.JPG
㈱ライフコーポレーション会長。
大正15年4月18日生まれの88歳。
満で数えて今年、米寿。

二人そろって、
カートを持ちながら写真。
20140507111751.jpg
清水さんはいつも、
店回りの時には、
カートを押しながら、
細かくチェックする。

清水信次、88歳の現役。

ゴールデンウィーク最終日の今日、
清水さんは朝9時から店を回っていた。
20140506230100.JPG
この店で9店目。

清水さんは、
業界活動や政治活動の、
様々な会議に、
実によく顔を出す。
そして意見を発する。

しかし、一見、そう見えて、
現場をよく回っている。

だからこそ、
ライフコーポレーションの店、
最近、とてもいい。
20140506230047.JPG
もちろん、私もできる限り、
世界中の店を見る。

神は現場にあり。

それができない人は、
経営者やジャーナリストを辞めた方がいい。

今日は清水さんに出会って、
なんだか気分がすっきりした。

その後、夕方、
またまた、偶然にも、
私の父親に出会った。
20140506230113.JPG
結城義登。
大正15年12月20日生まれ。

清水信次さんと同年。

仕事は既にリタイアしたが、
今は碁会所通いが日課。
その日課からの帰途。

今日二度目の、
大正15年生まれとの遭遇。

気分は盛り上がって、
父親と杯を傾けた。

2014年のゴールデンウィーク、
とてもいい終り方だった。

このブログでは何度も書いているが、
私には大正15年生まれの恩人が多い。

早稲田大学名誉教授の壽里茂先生。
s1
〈写真は2009年10月25日〉

学生時代に産業社会学ゼミで、
本当にお世話になった。

そしてもうおひとり。
故渥美俊一先生は、
2010年7月21日に亡くなられた。

しかし、私も、
命ある限り、
現役生活を続ける。

そんな活力がわいてきた。

さて、昨日の日経新聞文化欄。
ポール・セザンヌの『首吊りの家』が、
掲載された。
20140506231428.jpg
(提供はMondadori/アフロ)

現在はパリのオルセー美術館にあるが、
1873年に制作され、
1974年の第1回印象派展に出品され、
酷評された。

私は高校の美術の授業で、
この『首吊りの家』を、
貼り紙で模写した。

貼り紙といっても、
既成の色紙(いろがみ)を使ったものではない。
写真集や週刊誌のカラーページなどから、
生きた自然の色を細かく千切りとって、
点描のようにして、名画を模写する。

3カ月ほどかかった記憶がある。
そんな授業だったから、
この絵は思い出深い。

日経新聞では、
写真家の鷹野隆大が評する。

「なんとなく見づらい絵だ。
かすみ目になったような。
すべてにピントが合っているのに、
すべてがボケている感じだ」

だから私の貼り絵には、適していた。

「人の認識を画面に反映できる絵画は、
本質的に写真より遥(はる)かに
空間や立体感の再現性が豊かである」。

「それを考えると、
この作品の『見づらさ』には、
意図を感じる」。

「身勝手な解釈だが、ここには
写真的視覚を体験した人の
造形への志向が
ほのかに現れている気がする」。

セザンヌは、自ら書いている。
「自然を円筒、球、
円錐によって扱いなさい」。

それがキュビスムに影響を与えたとされる。
キュビスムは二人の前衛画家によって創始された。
パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラック。

写真家・鷹野は、
当然そのことを知った上で、
「写真的視覚を体験した人」と、
セザンヌを評する。

私は10歳の時に右目の怪我をした。
視力はずっと0.001くらい。

それ以来、左目に手を当てて隠して、
右目だけでこの世を視ると、
光景は印象派の絵画のように見える。

貼り絵模写者の私は、
自分が絵を描く才能があるなどとは、
間違っても思わないが、
そんな見方があるのだろうとは、
想像がつく。

天才画家はもしかしたら、
視力的欠陥者だったのかもしれない。

フィンセント・ファン・ゴッホも、
アメデオ・クレメンテ・モディリアニも、
たしかに精神を病んでいた。

ポール・セザンヌは1839年1月19日、
南フランスのエクサン・プロヴァンス生まれ。

1906年10月15日、
野外で絵画制作中、
大雨に打たれて肺炎にかかった。
そのために10月22日か23日に死去。

67歳だった。

しかし最後まで、
彼は現役だった。

貼り絵模写者としてではなく、
結城義晴は現役を続けて、
清水信次や壽里茂、そして結城義登に、
負けない人生を送る。

そんなことを決意した、
黄金週間最終日だった。

〈結城義晴〉


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