True Data上場承認と万代知識商人大学最終講義

東京証券取引所マザーズ市場。
上場日は12月16日(木)の予定だ。
それ以降、株式の売買が可能となる。
愛でたい。
まだまだ、小さな会社だ。
しかし、「世のため、人のため。」
True Dataはビジネス社会のインフラになる。
パブリックな存在になる。
私は取締役会でも、
ずっとそう発言してきた。
ビッグデータ・マーケティング企業。
コーポレートスローガンは、
「見えない真実を、
見に行こう」
企業理念は、
「データと知恵で未来をつくる」
――ビッグデータは、
人びとの行動の積み重ねです。
わたしたちは、
「データの真実」と「人間の知恵」で価値を生み、
より良い未来をつくります。
私は2008年から、
この会社の社外取締役を務めている。
いまや最古参となった。
会社の上場に、
主体者として立ち会うのは、
初めてのことだ。
実に感慨深い。
しかし玉生弘昌さんは、
自ら企業内起業した㈱プラネットと、
今度のTrue Dataで、
二度もそれを経験することになる。
すごいことだ。
玉生さんはTrue Data取締役で、
プラネット代表取締役会長。
その玉生さんが、
この会社の実質的な生みの親だ。
そして何よりも、
米倉裕之代表取締役社長が、
強い意志の力と広くて深い知見によって、
会社の上場までの道のりを牽引した。
もともとは1冊の本がスタートだった。
㈱商業界刊『顧客識別小売業』
2000年12月1日発行。
著者はゲーリー・E・ホーキンス。
私が商業界の編集担当取締役のころの出版。
ホーキンスは、
グリーンヒルズ・ファームCEO。
ニューヨーク州シラキュースに本部を置く、
スーパーマーケットチェーンだ。
この会社においてホーキンスは自ら、
他に先駆けたFSPを実践した。
フリークエント・ショッパーズ・プログラムという。
顧客が紐づけられたPOSデータに基づいて、
マーケティングとマネジメントを展開する。
立教大学大学院の講義でも、
私はこの本を使って、
ワン・トゥ・ワン・マーケティングを説明した。
一方、この本の翻訳者たちは、
本の通りにサービスを提供する会社を創業した。
それがカスタマー・コミュニケーションズ㈱だった。
それを米倉社長が中心となって、
大きく進化、発展させ、
社名を変更して飛躍させた。
その結果、日本でトップの、
全国顧客情報パネルが構築された。
それに基づいたマーケティングサービスは、
次々に新展開を見せた。
まだまだ小さな会社だ。
しかしその未来は無限だと思う。
社員、幹部、取締役のみなさん、
これからですね。
よろしく。
さて私は終日、
東大阪市の㈱万代本社。
来年1月には修了式を行う。
だから講義としては、
今日が最後になる。
テーマは、
ストラテジックマネジメント。
戦略は経営において、
どう位置づけられるのか。
経営戦略の本質は何か、
そして代表的な経営戦略はどんなものか。
それらを1日で学ぶ。
冒頭では、
1年を通して学んできたことを、
マネジメントの体系図で説明する。
第2・第3講義は万代の経営戦略。
芝さんはまず全員を立たせて、
そのうえで6期生に質問。
「今、ハンカチを持っている人は、
座ってください」
32名のうち、
これだけの受講生が不携帯。
これには、苦笑。
1人の社会人として、
ハンカチ一つ持たないのはNG。
社会人としての自覚を持とうと訓示。
芝さんは店長会議などでも、
同じことをやって、
根本のところから変えようとしている。
講義は万代の2大ビジョンから始まって、
地域社会への貢献、
企業の成長と人の成長、
成長方針と中期経営計画、
そして営業部門の方針まで、
丁寧に、かつ具体的な説明だった。
第3講義は、
コーポレート部門の経営戦略。
加藤健常務が講義。
コーポレート部門は、
人事、開発、総務、財務、システム・物流など、
バックスシステムを統括する。
講義では特に開発について、
人口動態を背景にしながら、
万代の方針とその戦略を語った。
企業内大学の良さは、
会社のトップたちが直接、
具体的に講義できることだ。
両常務の講義は、
幹部を目指す6期生にとって、
万代の戦略を知る良い機会だった。
ありがとうございました。
ジェイ・バーニーとマイケル・ポーター、
そして本物の「ブルーオーシャン戦略」。
もちろんフィリップ・コトラー、
ヘンリー・ミンツバーグ。
彼らの競争戦略とその手法を、
万代のチーフや店長、バイヤーに向けて、
わかりやすく整理する。
これら戦略論に則って、
万代はどんな会社で、
どんな戦略を採用しているのか。
それらを説明する。
それを分析して示せば、
外から見られている会社の印象とは、
まったく異なっていることがわかる。
最後にコモディティ化現象と、
その商品戦略論。
マーケティング論。
一番最後は、
修了論文執筆のための、
「結城義晴の執筆法」講座。
コロナ禍中の3月から始まった第6期、
こうしてすべてのプログラムを終えた。
あとは修了論文の考査をして、
無事、修了式を迎えるのみ。
12月15日に論文の仮提出を受け、
最終提出は1月15日。
第6期生はおのおの準備を始めているから、
いい論文が出来上がるに違いない。
大いに期待している。
講義の締めくくりはいつも、
阿部秀行社長。
新庄剛志ファイターズ新監督の話を交えて、
阿部さんらしく、実にわかりやすく、
行動に結びつく講話してくれた。
そして記念のツーショット。
6時に講義を終えると、
そのままタクシーで、
ニューオータニ大阪へ。
加藤徹さんとの会食。
加藤さんは、
㈱万代リテールホールディングス社長。
このたび日本食料新聞社主催の、
食品産業功労賞を受賞。
そのお祝いの席。
美味い焼き肉と美味い酒をいただきながら、
話題は尽きなかった。
左は前田仁さん。
万代ドライデイリー会事務局長。
True Dataのマザーズ上場。
そして朝9時から夕方6時までの講義。
疲れ切ってはいたが、
これ以上ないくらいに満足していた。
すべてのひとに、
ありがとう。
〈結城義晴〉