結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年01月06日(土曜日)

セブン・ローソンのアセアン戦略の可能性と意義

令和6年能登半島地震。
死者が100名になった。

安否不明者は221人。
まだまだ増える。

痛ましい。

自衛隊の逐次投入ではなくて、
初動から全力投入できないのだろうか。

ヘリコプター総出動で、
迅速な救助・救済はできないのだろうか。

命を救うことはできないのだろうか。

それにしても岸田文雄首相の防災服姿。
20240105_bura

閣僚も対策会議メンバーも、
揃って防災服姿。20240105kaigi_01

災害が起こるとこの青色の作業服姿で現れ、
記者会見や会議に出てくる。

「現場で作業にあたる人であれば
しっくりきますが、
政治家が下ろしたてのような
アイロンの効いた作業服で
会議に臨む姿が滑稽に映るという人は
やはり多い」

ネット上の揶揄。
「作業するわけでもないのに、
なんで作業服姿で会見するのだろうか」
「誰も行かないのに作業着コスプレ」

岸田政権に限ったことではない。
東日本大地震発災のときも、
菅直人首相、枝野幸男官房長官らが、
「安易なパフォーマンス」と皮肉られた。

現地に飛ぶのならばまだしも、
首相官邸で語るだけならば、
やはりパフォーマンスと言われても仕方ない。

商人舎流通SuperNews。

能登半島地震news|
チェーン各社で店頭募金活動広がる

チェーンストア各社の店頭募金活動。
意義のあることです。

松井秀夫さん。
大木ヘルスケアホールディングス会長。
フェイスブックのコメント。

「今年の大木の団結の象徴一文字は、
『交わる』『力』、 すなわち『効』」

「国際経済の中でも交わる力を発揮して
一人負けはなんとか挽回していきたいものです」

同感です。

交わる力、効。
素晴らしい。

「セルコレポート」新年号が届いた。
私の連載はもう21回。
タイトルは「艱難は商人を鍛える」
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今回のテーマは、
「虚子とドラッカーの貫く棒のごときもの」

去年今年貫く棒の如きもの
1950年(昭和25年)、
高濱虚子が76歳の12月に詠んだ句。

この句は高く評価され、
虚子が在住した神奈川県鎌倉駅に掲示された。
それを偶然、川端康成が見て、
えらく衝撃を受けた。

去年(こぞ)と今年(ことし)、
まっすぐな棒のように変わらないものだ。
そんな意味の句である。

虚子の孫にあたる俳人・稲畑汀子が書いている。
「時間の本質を棒というどこにでもある
具体的なものを使って端的に喝破した
凄味のある句である」

「この棒の、ぬっとした
不気味なまでの実態感は
一体どうしたことであろう。
もしかすると虚子にも説明出来ず、
ただ『棒』としかいいようがないのかも知れない。
敢えて推測すれば、
それは虚子自身かも知れないと私は思う」

私たちもそれぞれに、
「棒」の意味を実感したい、この正月です。

日経新聞一面トップ
「セブン・ローソン、
アジアでコンビニ1万店増」

セブン-イレブンとローソン。
23年2月期時点のアジア・オセアニアの店舗数。
両者合わせて約5万3000店。

国内は現在、約3万6000店。
すでに日本国内を上回る。

そのアジア・オセアニアで、
今後3年間、1万店を増やして、
6万3000店規模にする。

セブンは現地企業とのライセンス契約方式で、
23年2月期約4万6000店。
今後3年でさらに3600店増やす。

これによってアジアの店舗数は、
26年2月期までに5万店体制になる。
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ローソンは中国5620店、タイ181店、
インドネシア256店、フィリピン101店。
それを3年で約6800店増やして、
アジアで約1万3000店体制にする。

セブンが3600店増で、
ローソンが6800店増。

両社合わせて1万店増は、
意味のある数字ではないが、
日経記事はローソンがセブンを、
出店数で上回ることを示したかったのだろうか。

人口減少傾向の日本国内市場は、
飽和感状態だ。

鈴木敏文前セブン&アイ会長は、
頑として「飽和はない」と言い続けたが、
鈴木さんがいない今、限界は近づいている。

23年2月期のセブンとローソンの出店数は、
純増数で50店にとどまる。

業界全体の国内総店舗数は6万店弱。
これも頭打ち。

一方、東南アジアのコンビニ市場規模は、
年率2桁ペースで拡大している。

人口対比のコンビニ店舗数の割合も、
日本の半分程度で、
成長余地は大きい。

1人当たり国内総生産(GDP)が目安となる。
3000ドルを超えるとコンビニ普及期に入る。
ちなみに2000ドルを超えると総合スーパーが成立する。

イオンはこの基準でアセアン戦略を採用している。

22年のベトナムが4110ドル、
21年のフィリピンが3572ドル。
多くの東南アジア諸国がコンビニ普及期に入る。

ラオスは21年に2595ドルで、
3000ドルをうかがう水準だ。
だからセブンが23年9月に初出店した。

日本のコンビニは、
4大原則をはじめ、格段に経営水準が高い。
それがある意味で成長を保証する。

ファミリーマートは、
フランチャイズ方式で提携する現地企業と、
昨夏に契約解消してタイから撤退した。

セブンなどとの競争で劣勢だった。

それでもマレーシアや台湾などで再拡大を狙う。

アジアでは現地コンビニとも競う。
中国最大手の美宜佳控股(メイイージアー)は、
22年末で中国で3万店規模。

ただしアジア各国のコンビニの平均日販は、
日本に比べてはるかに低い。

だから日本のコンビニ各社は、
アジアからの利益がほとんど得られていない。

重点課題は店舗数よりも利益だろうが、
それは平均日販にかかっている。

そしてそれは各国のGDPの向上に影響される。
時間が経てば必ず利益が出る。

そんな考えで店舗数を増やす競争をしている。

チェーンストアは人口増の地域で展開せよ。
商売は1人あたりGDPが増えるエリアでせよ。

これは成長戦略の鉄則である。
ただしその地域で競争力を持つ店でなければならない。

〈結城義晴〉


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