結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年12月09日(金曜日)

「艱難は人を鍛える」とパブロフの「自由を求める反射」

今日は1日中、
横浜商人舎オフィス。

午前中に来客。

㈱商業界の元社員。

私は2007年8月末に、
代表取締役社長を辞任した。
彼は会社に残った。

その後、東日本大震災が起こり、
出版不況は深刻さを増し、
最後に新型コロナウイルスの感染拡大。
2月ゼミナールの参加者は激減した。

2020年4月、会社は自己破産した。
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そして、仕事がなくなった。

もともと実力があった。
専門領域をもっていた。

いろいろと就職先を探した。
それでも世間は甘くはない。

思案した挙句、
自分の道を探して、
独立した。

今、新しい仕事にも挑戦する。

そして驚くほどの成長を遂げていた。

自分ではそれほど、
認識していないのかもしれない。
だが15年も話をしていなかった私には、
彼の成長ぶりがよくわかった。

生きることにポジティブになった。
率直になったし、快活になった。
それでいて謙虚になった。

話をしていても、
知見の広さが表に出るようになった。

一緒にランチをして、
私の知らないことなども教えてもらった。

本当にうれしいことだ。
若い人たちが、
人間として大きくなっていく。

「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」
(新約聖書・ローマ人への手紙より)
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つまり、
艱難は人を鍛える。

日経新聞巻頭コラム「春秋」

イワン・パブロフの話。
条件反射の研究で知られるソ連時代の生理学者。
(1849年~1936年)
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「犬を使って実験をしているとき、
思わぬ障害につまずいた」

「実験机の台に乗せ、
足にゆるい輪をはめてみたところ、
時間がたつにつれて興奮し、
逃げようとして暴れ出した。
これがずっと続き、
実験をいったん中断した」

「犬のこの反応は何を意味しているのか。
いろいろな仮説を考えてみて、
パブロフはある結論にたどり着いた」

「たいへん単純なことで
自由を求める反射である」

「自分の活動が
縛られ続けることに耐えられない」

「これは、あらゆる生物の持つ、
極めて重要な反応のひとつだと指摘した」

なるほど。
「自由を求める反射」か。

そこで現在の中国。
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ゼロコロナ政策を緩めた。

住民の抗議を受けた決定だ。

コラム。
「服従が条件づけられたかに見える国で、
反発の声をあげる勇気に驚かされる」

しかしそれは「自由を求める反射」である。

「暮らしを昨日より豊かにしさえすれば、
国民は文句を言うまいとの発想が
この国にはある」

古代ローマでも、
「パンとサーカス」と言われた。
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「パブロフは実験を続けるため、
餌づけをして犬をおとなしくさせた。
だが人間は、食べ物が足りれば
それで満足するような生き物ではないはずだ」

そう、人間には尊厳がある。

「現代の皇帝たちが
力を誇示した年が暮れようとするなか、
自由の尊さをかみしめる」

ウクライナにも、
香港や台湾にも、
そしてローマ市民にも、
「自由を求める反射」がある。

私自身も、
15年前に商業界を去った。
そして株式会社商人舎をつくった。

あれは自由を求める反射だった。

商人舎のスローガンは三つ。
自主独立、
自己革新、
社会貢献。

今日、やって来てくれた彼の生き方も、
自由を求める反射なのだと思う。

それにしても、
かつての部下や後輩や仲間や、
教え子たちが、
成長しているのを見るのは、
本当にうれしいことだ。

〈結城義晴〉

2022年12月08日(木曜日)

12月には新店続々オープン/西友・イオンタウン・ロピア

2022年最後の満月。mangetu

アメリカではコールドムーンという。
それを日本語にすると「寒月」。mangetut2

おづおづと冬満月へ手を伸ぶる
〈川崎展宏〉

川崎は1927年生まれ、2009年没の俳人。
明治大学法学部教授。

夕方には、
低い空にオレンジ色の満月が出た。
いよいよ、年の瀬に向かう。

商人舎流通SuperNews。
12月に入っても、
新店がオープンしている。

西友news|
12/15「和光市駅前店」オープン/限定商品やコーナー化に試み
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東武東上線和光市駅南口から徒歩約3分。
東京メトロ有楽町線・副都心線が乗り入れる。
複合ビルの1階・2階に出店。
売場面積は1578㎡。

駅のそばの2層のスーパーマーケット。
西友は今、立地や建物構造をあまり気にしない。
つまり出店条件に影響を受けにくい小売業だ。

集客力があるからだ。

そして新しい試み満載。
「大久保マジック」を見ることができる。

イオンタウンnews|
12/17「イオンタウン旗の台」オープン/東京23区内初出店aeontown_hatanodai-768x490

全国で154カ所目のNSCだが、
東京23区内へは初出店。

都市型ショッピングセンターとして、
「ヘルス&ウエルネス」に軸足をもつ。

ウエルシア薬局や多様なクリニック、
それからビオセボンが入る。

オーガニックスーパーマーケットが、
核店舗となりうるか。
ビオセボンがそこまで力を蓄えたか。

このSCも見ておきたい。

スーパーバリューnews|
12/15「越谷店 食品館」リニューアルオープン
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㈱スーパーバリューは、
スーパーバリュー越谷店の食品館を、
12月15日にリニューアルオープンする。

食品館のほかにDIY館、園芸館、
そしてホームセンター館がある。

つまりホームセンターとスーパーマーケットの、
コンビネーションストアだ。

東武伊勢崎線大袋駅から東に約300m。
越谷と春日部を結ぶ国道4号線バイパス沿い。

スーパーバリューはロピアの連結子会社となった。
つまりロピア化しての再出発だ。

さらに12月24日のクリスマスイブには、
ロピア越谷大里店(仮称)がオープン予定だ。

この店も東武伊勢崎線大袋駅から徒歩15分ほど。
わざわざクリスマスイブに開業。
何を仕掛けてくるか。

越谷エリアのスーパーバリューとロピア。
ドミナントを形成していく。

ヤオコーとエイヴイ、フーコット。
ロピアとスーパーバリュー。

こういった連携での競争が展開されていく。

そしてこのとき大切なことは、
現場の事実を見きわめていくことだ。

構図は構図として鳥の目で見る。
そして現場を虫の眼で見る。
時の流れは魚の眼で見る。

エドワード・ハレット・カー。
E・H・カーと略されることが多い。

イギリスの外交官・国際政治学者。
国際政治における理想と現実の関係を考察した。
ロシア革命史の研究でも名高い。

「事実というのは決して
魚屋の店先にある
魚のようなものではありません」

「むしろ、事実は、広大な、
時には近よることも出来ぬ海の中を
泳ぎ廻っている魚のようなもので、
歴史家が何を捕えるかは、
偶然にもよりますけれども、
多くは彼が海のどの辺で釣りをするか、
どんな釣道具を使うか――
もちろん、この二つの要素は
彼が捕えようとする魚の
種類によって決定されますが――
によるのです」
(『歴史とは何か』清水幾太郎訳より)

鳥の眼と虫の眼、
それが魚の眼になる。

「全体として、歴史家は、
自分の好む事実を
手に入れようとするものです」

歴史家にかぎらない。
学者もコンサルタントも、
ジャーナリストも経営者も、
自分の好む事実を収集したがるものだ。

「歴史とは解釈のことです」

越谷の歴史から辿って、
ロピアとスーパーバリューを見る必要もある。

〈結城義晴〉

2022年12月07日(水曜日)

米国では「もうコストコとトレーダー・ジョーだけでいい」?!

浅野秀二先生、
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サンフランシスコから来日して、
10日ほど経つ。
熱海にコンドミニアムを持っていて、
今月22日まで滞在する。

向こうでクリスマスを過ごす。

いい生活だ。

しかしアメリカはインフレが激しくて、
物価が高い。

そして重要なことだが、
スーパーマーケットは、
「劣化」している。
カスタマーサービスのレベルが、
格段に落ちた。

もちろんCOVID-19パンデミックで、
非接触の営業を強いられたからだ。

しかし、いい企業はいい。

浅野さんの個人的な感想だが、
トレーダー・ジョーとコストコさえあれば、
あとはいらない、らしい。

日本もそうなるのだろうか。

しかし万が一、そうなると、
ナショナルブランドメーカーは逼塞する。
トレーダー・ジョーは、
プライベートブランド小売業だし、
コストコはナショナルブランドを、
恐ろしい価格で販売する。

だからメーカーは、
レギュラーのスーパーマーケットを、
一定程度、なんとしても残すよう努力する。

さらにネット販売は、
ほとんどの企業が実施していて、
アマゾンは売上げが下がっている。

ポストコロナ時代には、
顧客はリアル店舗にもどってくる。

浅野さんの生活実感が確かならば、
そんな状況が今のアメリカなのだろう。

トレーダー・ジョーとコストコだけで済む。

そういう状況が、
日本にもやってくるかもしれない。

そうだとしたら。
そのときのトレーダー・ジョーは、
どの企業だ?

浅野さんとは来年早々、
アメリカでご一緒する。

亀谷しづえゼネラルマネジャーが加わって写真。IMG_75052
来年もよろしくお願いします。
しかしちょっと太り過ぎ。
気をつけましょう。
お互いに。

さて、
FIFAワールドカップ。
日本代表が敗退してしまうと、
心のなかにぽっかりと穴が開いたようで、
ちょっと空虚だ。

生活も変わる。

夜が淋しい、
明け方が空しい。

チームはもう帰国して、
大歓迎を受けている。

よく、やった。

昨日、いろいろと書いたが、
一番悔しいのは、
選手たち自身だろう。

ドイツとスペインに歴史的勝利を収めた。
スペインはグループEの2位で、
決勝トーナメントに進出したが、
モロッコにPK戦で負けた。

かつての強豪国も、
レベルが落ちている。

そしてアフリカやアジアのチームが、
どんどん強くなっている。

その意味で、
世界のサッカーは、
急激にグローバル化が進んでいる。

ジャパンもそのグローバル化の中にある。
日本の選手たちがヨーロッパで揉まれて、
今回の快挙を成し遂げた。

つまり日本サッカーは、
グローバル化の恩恵を受けた。

そして世界基準の中で、
日本らしさを追求する。

それがグローバル化の中の生き残り方だ。

大丈夫。

三苫薫が、
伊東純也が遠藤航が、
久保建英が、
それに続くティーンエージャーたちが、
やり遂げてくれるだろう。

大谷翔平や藤井聡太のような若者が、
どんどん出てくる。

日本の若者たち、
捨てたもんじゃない。

頼もしい。

朝日新聞「折々のことば」
第2579回。

高く心を悟りて、
俗に帰るべし
(松尾芭蕉)

「詩精神は高く保つように心掛けて、
その後俳諧固有の俗な対象に
帰っていくべきである」

芭蕉は説いた。
それを門人の服部土芳(どほう)が記した。

「一方に普遍的で高い志があり、
もう一方にきわめて具体的な
暮らしの情景がある」

編著者の鷲田清一さん。
「対極にあるこの二つが
じかに接するところ、
高い理想と泥まみれの現場感覚との往還が、
俳諧にかぎらず大事なのであろう」
『三冊子』(復本一郎校注・訳)から。

高い志と、
泥まみれの現場感覚。
その往還。

ジャパンの選手たちも、
これからの若者たちも、
そして私たち自身も、
絶対に忘れてはいけないことだ。

芭蕉に感謝しよう。

〈結城義晴〉

2022年12月06日(火曜日)

World Cup Qatarベスト16の「和を以て貴しと為す」を考える

細貝正統さん来社。
第一屋製パン㈱代表取締役社長。IMG_E74892
報告を聞いて、意見を言った。

ますますリーダーシップを発揮して、
会社を引っ張ってほしい。

そう思った。

商人舎オフィスには、
「セルコレポート」12月号が届いた。IMG_E74962

私の連載記事は、
「艱難は商人を鍛える」

その第8回「清水信次の「100%の覚悟」IMG_E74922
ライフコーポレーション名誉会長。
故清水信次さんのことを書いた。

ご冥福を祈ります。

その後、月刊商人舎12月号の最後の原稿書き。
そして責了。

疲れ切った。

けれどいい雑誌となった。
表紙も素晴らしい出来栄え。
誌面デザインも最高の仕上がり。

デザイナーの七海真理さん、
ありがとう。

ブラボー!!

読者の皆さん、
デザインも楽しんでください。

それが月刊商人舎のポジショニングです。

さて、
FIFA World Cup Qatar2022。
終わってしまった。

日本チームにとって。
日本国民にとって。

まだまだ試合は続く。
準々決勝には、
さすがに強豪国が残った。

そして準決勝、決勝。
楽しみではある。

しかしジャパンが負けたことは、
本当に本当に残念だった。

これまではここまで来た、
よくやった、
といった感慨があった。

日本は1998年のフランス大会から、
ワールドカップに出場した。
このときは1次リーグ敗退。
中田英寿がいた。
名波浩が、小野伸二が、
そして中山雅史がいた。

2002年は日韓大会。
予選リーグを勝ち残り、
決勝トーナメント1回戦で、
トルコに1対0で惜敗した。
中田が中核で稲本潤一がいた。
宮本恒靖、森島寛晃、
三都主アレサンドロがいた。

しかしはじめてのベスト16で、
よくやったと総括した。

2006年のドイツ大会は、
1次リーグで敗退した。
最終戦でブラジルに4対1で負けた。
ロナウドに2点も入れられた。
それでも中田英寿は健在で、
中村俊輔が出てきた。

2010年は南アフリカ大会。
ベスト16に入った。
決勝トーナメントでは、
パラグアイにPK戦で負けた。
そのPK戦は、
遠藤保仁がゴールし、
長谷部誠が入れたが、
駒野友一が外した。
本田圭佑が決めたが、
パラグアイは全員がきっちり決めて、
日本は負けた。

それでも決勝トーナメントで、
120分引き分けと半歩前進した。

2014年のブラジル大会は、
1次リーグで敗退。
3回戦のコロンビアには、
ジャクソン・マルティネスと、
ハメス・ロドリゲスにやられた。
内田篤人、吉田麻也、長友佑都が守備陣、
岡崎慎司、香川真司、大久保嘉人、
そして本田圭佑が攻撃陣だった。

そして2018年のロシア大会。
決勝トーナメントに進んだが、
ベルギーに3対2で負けた。
本田圭佑が悔しがった。

今回のカタール大会は、
だからベスト8を目指した。
「新しい世界」を見ようとした。

午前零時。
私は地上波のフジテレビと、
アベマTVで同時に見た。

前半、前田大然が得点して、
勝てるかもしれないと思った。

前半が終わったとき、
アベマTVは突然、
つながらなくなった。
アクセスが集中し過ぎたからだ。
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後半、さすがにクロアチアが、
センタリング⇒ヘッドで得点。
俄然、元気を取り戻した。

延長戦に突入すると、
アベマTVは再び……
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日本中が注目して、放送が遮断された。

試合は結局、1対1のドロー。

そしてペナルティキック戦は惨敗。

前回のロシア大会で、
クロアチアはPK戦で2試合を勝利した。
そして準優勝だった。

クロアチアは延長戦とPK戦を、
経験していた。

日本はまだ足りなかった。

そのあとは、
玉虫色の解説ばかり。
その報道は見ていられない。

正しく厳しく総括し、
4年後を目指すべきだ。

試合が終わって三苫薫が号泣していた。
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プロ棋士になってからも、
惜しい将棋に負けて号泣した藤井聡太を、
私は思い出した。

艱難は人を鍛える。

三苫は成長する。
伊東純也も遠藤航も成長する。

そして4年後の大エースになる。
世界一のドリブラー、
世界一のストライカー、
世界一のミッドフィルダーになる。

それが救いだ。

一つだけ言っておきたいことがある。
「日本チームは仲良し」的な総括がある。

しかしこの、サッカーのベスト8の世界は、
そんな仲良しチームでは絶対に勝ち切れない。

和を以て貴しと為す。
これは聖徳太子の言葉で、
日本人の在り方を示す。

しかしワールド8やワールド4は、
最後の最後に「俺が俺が」の天才が切り拓くものだ。
さらに厳然たる指導者の勇敢な決断が必須だ。
それなくしては勝ち取れない世界である。

「マネジメント」は、
通常の業務において、
チームワークを最重視する。
チームマネジメントという。

しかしいざという緊急のとき、
大事故が起こったとき、
大災害や戦争が勃発したときには、
一元化された命令系統で、
迅速に一糸乱れず動かねばならない。

サッカーでは、
延長戦やPK戦などがそのときだ。

仲良しクラブ的なマインドで、
延長やPKを制することはできない。
「自分たちで決める」といった、
小中学校の学級会レベルでは勝てない。
「立候補制」などもってのほかだ。

PK戦は一人の監督が、
相手を研究し尽くして、
自軍選手の精神力・技術力・体力を完全掌握して、
作戦を練りに練って、
その上で臨むものだ。

そして何よりも、
中田英寿を、本田圭佑を、
彼らをはるかに超える、
世界一のストライカーが求められる。
それがわかった。

その意味で4年後は期待できる。

楽しませてもらった。
ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年12月05日(月曜日)

結城義晴「矛盾だらけの写真ファイル法と情報整理法」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊾]

2022年第49週。
12月第2週。
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FIFA World Cup Qatar。
これから決勝リーグの2週間。

ベスト8に残るための試合。
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日本は対クロアチア戦。

カタール・ドーハの時間は、
ロシア・モスクワと同じだが、
その現地時間12月5日18時、
日本時間5日24時にキックオフ。

クロアチアに勝てば、
次はブラジル対韓国の勝者が相手。

そして決勝は12月18日の24時。

優勝はブラジルか、
はたまたフランスか。

さて今週の私のスケジュールは、
今日月曜と明日の火曜が、
月刊商人舎12月号の最後の原稿執筆。

この12月号、
最新の対象に向けて、
「商人舎的比較分析」を行う。

どことどこを比較するか。
今、一番面白い比較です。

乞う! ご期待。

それから今週は、来客が続く。

アメリカからは、
浅野秀二先生がやって来てくれる。
もう3年ぶりか。
お会いするのが楽しみです。

さて毎日毎日休むことなく、
さまざまな文章に目を通す。
いろいろな情報を入手する。

気になるものは記録する。
その記録の仕方も、
パソコンやインターネットが登場して、
すごく便利になっている。

私の駆け出しのころは、
一所懸命、ノートにメモした。

あるいは新聞記事の切り抜きを、
スクラップブックに貼って記録した。
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ファッション販売の丸木伊参編集長は、
実に几帳面な人で、
記事を丁寧にハサミで切り抜いて、
スクラップブックに、
糊で貼り付けて整理していた。

交換した名刺も、
机の引き出しにずらりと並べて、
これも見事なほどに分類整理していた。

まるで他人に見せることを、
目的にしているようだった。

一方、私の直属の上司、
故緒方知行販売革新編集長は、
スクラップなどしたことがなかった。

気になる新聞記事があると、
その部分を手で破って、
ポケットやバッグに入れていた。

名刺も机の周辺に散らかりっ放し。

整理とは正反対のジャーナリストだった。

それでも緒方編集長の文章は、
商業界では群を抜いた量と質を有していた。

一方の丸木さんはその後、
㈱商業界社長になった。

一概にどちらがいいとは言えない。

私は欲張りで、
両方を志向した。

どちらかと言えば緒方派だ。

現在の情報整理は数段、
いや何百倍、何千倍、何万倍と、
便利になった。

どんどんコピペして、
パソコンにファイルしていくだけで済む。

現在は新聞や雑誌の記事ですら、
スマホで撮影してストックできる。
「写メ」と称する。

lineのシステムを使うと、
その写真の文章をテキストデータ化までできる。

写真の整理はさらに便利だ。

40年以上も前に、
1年先輩の高濱則行さんと、
写真整理の方法を何度も議論した。

まずネガをストックしておいて、
それから紙焼きの写真を、
分類に則って大量に整理する方法など考えた。

しかしそうして分類した写真は、
少し古くなると使わなくなって、
役に立たなくなる。

写真整理体系はすぐにレガシーとなった。

使う量とストックする量との、
ギャップが大き過ぎるし、
検索の方法が面倒過ぎるのだ。

現在、私は、
すべての写真をパソコンの中に、
日別にファイルしている。

2021年は1年間に、
ちょうど250個のファイルになった。
2020年は234個、2019年は224個。
今年はこれまでで221個。

1日に100回シャッターを切れば、
1個のファイルに100枚の写真が入る。

1日100枚と仮定すれば、
1年で約2万5000枚となる。

アメリカ視察などしたら、
1日に300枚撮ることもある。

かつての36枚の手巻きフィルムにすると、
8本にもなるか。

だからアメリカには30本も持って行った。
足りなくなったら向こうで、
コダックのフィルムを買った。

今、1年で考えれば、
1万枚から2万枚くらいの写真を撮るだろうか。

それがパソコンの中に日付管理されている。

これは実に便利だ。
検索も自由自在だ。

パソコンの容量が一番の問題となるが、
最後にはグーグルドライブにストックする。

情報整理は格段に便利となった。

高濱さんと二人で考え、実行した、
あのファイル法は何だったのだろう。

70歳を超えたけれど、
これらITの恩恵に浴して、
文章や記事を書く仕事を続けることができる。

本当にほんとうに、ありがたいことだ。

それでも私の机の周りは、
本や雑誌、紙の資料で、
散らかり放題に散らかっている。

見るに見かねてときどき、
亀谷しづえGMが片付けてくれる。

彼女の割り切り方が、
恐ろしいほど的確だ。

私は、何でもストックしておいて、
あとで探せばいい、という考えである。

だから自分ではなかなか、
捨てることができない。

しかし本来、それではいけない。

パソコンと人間の手助けで、
私の文章書きは一応、
つつがなく捗(はかど)る。

遅れることも少なくはないけれど。

でも、ありがたい。

感謝しています。

では、みなさん、今週も、
朝に希望、昼に努力、夕に感謝。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年12月04日(日曜日)

息子の結婚式の「朝に希望・昼に努力・夕に感謝」

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一昨年、籍を入れて、
式を予定していたが、
コロナ禍で2年延期した。

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おめでとう。

美しい花嫁。
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私もモーニングを着こんで参列し、
新郎の父の挨拶をした。

最後の言葉は勿論、
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
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このブログにはこれまで、
家族を登場させなった。
けれど結婚式だから、
ちょっとだけ紹介。
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朝日新聞「折々のことば」
12月1日の第2573回。

家族という小さな共同体を
うまく回転させるため、
記憶担当者と忘却担当者で
自然に役割分担をするのである。
〈星野博美『世界は五反田から始まった』から〉
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「記憶の冷凍保存が得意で、
それを面白く語れる人がいる。
一方、過去をどんどん消して、
忘却を生きる原動力とする人もいる」

「共同体には両方の種族が必要だ」

家族にも、
会社にも産業にも、
そして国家にも。

「過去にこだわってばかりだと
経済活動が停滞するし、
忘れてばかりだと
知恵や技術が蓄積されないから」

こだわりつつ忘れる。
忘れつつこだわる。

オクシモロンであるし、
トレードオンだ。

今日はここまで。

幸せになってほしい。

〈結城義晴〉

2022年12月03日(土曜日)

藤井聡太・中田英寿・堂安律・三苫薫の「内なる青さ」と「成熟」

第35期将棋竜王戦。

藤井聡太竜王の初めての防衛戦。
20歳。
藤井聡太
挑戦者は広瀬章人八段。
35歳。

かつて独特の四間飛車穴熊戦法で、
王位のタイトルを奪取した。

その後、当時の羽生竜王を破って、
竜王位も獲得した。
つまり天才の強豪。
現在、A棋士。

この七番勝負第5局までは、
藤井の3勝2敗。

第6局も角換わり腰掛け銀となった。

初日が終わって、
広瀬が封じ手。

二日目は封じ手に対して、
藤井が4六飛車と浮いた。

これはすごい手だった。

AIはそれまでの優勢度を、
藤井の68%、広瀬32%と示していた。

しかしこの4六飛車で、
50%対50%になってしまった。

しかし藤井聡太はAIを超えていた。

その後、飛車を取らせている間に、
藤井が圧倒的な優位に立ってしまった。

評価は70対30へと変わった。

「この組み立てを出来る人は
他にいないと思います」

解説の長岡裕也六段は舌を巻いた。

報知新聞はこの一手を、
「堂安律のミドルシュート」と称した。
堂安1

凄い将棋が指された。
素晴らしい棋譜が残された。

そのFIFA World Cup Qatar 2022。
いよいよ決勝リーグが始まる。
日本の若者たちの活躍を期待しよう。

水を差すつもりはまったくないが、
詩人・茨木のり子。

球を蹴る人
――N・Hに――

二〇〇二年 ワールドカップのあと
二十五歳の青年はインタビューに答えて言った
「この頃のサッカーは
商業主義になりすぎてしまった
こどもの頃のように
無心にサッカーをしてみたい」
的を射た言葉は
シュートを決められた一瞬のように
こちらのゴールネットを大きく揺らした

こどもの頃のサッカーと言われて
不意に甲斐の国 韮崎高校の校庭が
ふわりと目に浮ぶ
自分の言葉を持っている人はいい
まっすぐに物言う若者が居るのはいい
それはすでに
彼が二十一歳の時にも放たれていた

「君が代はダサいから歌わない
試合の前に歌うと戦意が削れる」
〈ダサい〉がこれほどきっかりと
嵌った例を他に知らない
やたら国歌の流れるワールドカップで
私もずいぶん耳を澄したけれど
どの国も似たりよったりで
まっことダサかったねえ
日々に強くなりまさる
世界の民族主義の過剰
彼はそれをも衝いていた

球を蹴る人は
静かに 的確に
言葉を蹴る人でもあった
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茨木のり子は、
1926年生(大正15年)生まれ、
2006年没。
詩人、エッセイスト、童話作家、脚本家。

中田英寿は若かったけれど、
哲学を持っていた。

茨木のり子の代表作。
教科書に載って、
多くの子どもたちに読まれた。

わたしが一番きれいだったとき

わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった

わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように

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最後に朝日新聞「折々のことば」
11月27日の第2569回。

人生は青いほうがいい。
熟れないほうがいい。
最後まで青いままで行く。
(安藤忠雄)
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編著者の鷲田清一さん。
「建築家は、
建設費を自身で引き受けてまでして、
子どもたちの図書館を建て、
各地で植樹をする」

「いくらバカと言われても、
いつか何かの実がなると信じ、
行ける所まで行く、
そんな人間もいないといけない」

「まあ言うたら私は、
暴走族みたいなもんやな」

鷲田さん。
「内なる青さをきちんと護(まも)りきれずに
成熟などないのかも」
(NHK・Eテレの「日曜美術館」より)

そう、藤井聡太も、
中田英寿、堂安律や三苫薫も、
若き日の茨木のり子も、
内なる青さを護りながら、
すでに成熟していたのだ。

頼もしいかな、
日本の若者たち。

ありがとう。

〈結城義晴〉

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