結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年05月16日(月曜日)

フィンランド大統領の「鏡を見よ」と糸井重里の「力仕事」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑳]

2022年第20週。
5月第3週。

関東甲信地方の梅雨入りは、
平年で6月7日ごろだが、
もう梅雨に入った気がするほど。

1年で一番いい季節なのに、
連日の雨模様だ。

木本昌秀先生の言う極端気象だ。
極端気象
今週は大阪出張がある。

月曜日は東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。

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ポスト・コロナに向けて、
すべての企業は、
決断をしなければならない。

拙著『コロナは時間を早める』
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第六章「ポスト・コロナ時代への決断」

マイケル・オークショット。
「選びうるのは、確実な損失か、
不確実な利益かのいずれかである」

北欧のフィンランドが、
決断をした。
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北大西洋条約機構への加盟。
第12代大統領、
サウリ・ニーニスト。
73歳。

ウラジーミル・プーチンと電話会談して、
ウクライナへの大規模な侵攻が、
フィンランドの安全保障環境を、
根本的に変えたことを直接、説明した。

プーチンは警告した。
「両国の長年の善隣友好関係に、
否定的な影響をもたらす。
過ちになるだろう」

二ーニスト大統領。
“You caused this,
Look at the mirror!”
「あなたが原因をつくった。
鏡を見よ」

見事。

結城義晴。
「ポスト・コロナ時代への決断とは
“不確実な成果”に対して、
目隠しで一歩、踏み込む
心の在り方である」

「ほぼ日」の糸井重里さん。
今日のダーリンで書く。
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「いろんなものごとを
やりとげた人たちのことを思う」

たとえば、映画が完成したとか、
絵が描けたとか、
一冊の本が書けたとか、
いいイベントができたとか、
野菜や果物の収穫ができたとか、
授業が終えられただとか、
なにかのチェックが済んだとか、
ごはんができただとか、
いい考えがまとまったとか、
だれかの賛同が得られたとか、
一見したら筋肉を使ってない仕事も含めて、
すべてが”力仕事”だよなぁと思うのだ」

同感だ。

「ぼくなんかのやっていることは
特にかもしれないけれど、
どうにも”力”とは関係ないように思われやすい」

「どういう仕事もかたちはちがうけど
“力仕事”だよ」

商売も「力仕事」だ。

「まぁ、映画の制作現場なんて
とんでもなく力仕事だけど、
観客として画面だけ見ていたら、
夢のような世界に感じられたりもしている」

「”
送り手=つくり手”として
なにかするというのは、
受け手”でいるのと、
力の使い方がずいぶんちがう
(もちろん、”受け手”として
しっかり力を使うということは
あるのだけれどね)」

売り手と買い手、
商人と顧客。

そこで糸井の考察。
よく考えてみると
“気力”と言われているものも、
実は”力仕事”に必要な”体力”なのだとわかる」

「”力仕事”から逃れたくなったり、
力が入らなくなっていたら、
なにかするのは無理だ」

「そういうときは、休むか、
やめるかしたほうがいい」

それは簡単にはできないけれど。

だから糸井も言う。
かなりこのあたり、
じぶんに言ってる感じなのだけれど、
力仕事”にならないように
仕事をすることはできない」

「全体の仕事量を減らしてでも、
“力仕事”をしたいものだ」

「そのためにも、
基礎的な体力をつけておかなきゃねー」

そこで糸井の対策。
「めしを食うよく寝る運動する」

「”力仕事”に大事なことです」

商人にも大事なことです。
そして結城義晴にも。

めしを食う。
よく寝る。
運動する。

10年前になるけれど、
2012年9月の商人舎「今月の標語」。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
平櫛田中の言葉。

平櫛田中(ひらぐし・でんちゅう)は、
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。
107歳まで生きた彫刻家。
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100歳を超えても、
現役として作品を創り続けた。

彫刻も「力仕事」だ。
それを100歳を超えて続けた。

平櫛はこの後に続けて言う。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」

では、みなさん、今週も、
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年05月15日(日曜日)

沖縄返還50年の「自治・自立」とサンエーの52期連続増収

沖縄の施政権が返還されてから50年。

1972年の「本土復帰」は、
私が二十歳のときだった。

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その沖縄には地方紙が二紙ある。
「琉球新報」と「沖縄タイムス」。

この二紙の複占状態で、
発行部数はほぼ均衡している。
二紙で90%台などと言われている。

読売、朝日、毎日、日経など全国紙も、
読まれているが、
他県と比べると圧倒的に少ない。

「新報」と言いながら、
琉球新報が一番古い新聞で、
1893年9月15日に発刊。
左派的・進歩的と言われている。
琉球新報
毎日、読売、産経、時事通信の支局は、
琉球新報本社内にテナント入居している。

一方の沖縄タイムスは、
戦後の1948年7月1日に創刊。
リベラル・左派で、
琉球新報と似ている。
沖縄タイムス
こちらは朝日と共同通信が、
沖縄タイムス本社内に入居。

その琉球新報の社説。
「未来の沖縄 私たちの意思で決める」

「県民が復帰に込めた思いは、
基本的人権の回復であり、
平和憲法の下で
“基地のない平和な沖縄”の実現であった」

「しかし、米国は
施政権を日本に返還するが、
日本政府の同意を得て
沖縄の米軍基地の自由使用権を
手放さなかった」

「50年前の5月15日、
屋良朝苗知事は記念式典で
“沖縄がその歴史上、常に(日米の)
手段として利用されてきたことを
排除”すると述べた」

「沖縄県民には
自らの未来を自ら決める権利がある。
その権利を行使することを誓う日としたい」

同感だ。

社説は力説する。
「沖縄戦を経験した沖縄は
“軍事力で平和は実現しない”と
身にしみて知っている」

一方、沖縄タイムスの社説。
「”自治・自立”いまだ道半ば」

「復帰後、沖縄に8人の知事が誕生した。
初代の屋良朝苗から平良幸市、
西銘順治、大田昌秀、稲嶺恵一、
仲井真弘多、翁長雄志、
そして玉城デニーの各氏へ続く」

「歴代知事たちの足跡を
振り返って気付くのは、
政治的立場や手法は違っても
“沖縄の自治・自立”という
共通の課題に向き合ってきたことだ」

「復帰50年を迎える今も、
その実現は道半ばである」

沖縄の「自治と自立」
忘れてはならない。

その琉球新報4月5日版の記事。
「サンエー52期連続の増収」

商人舎流通スーパーニュース。
サンエーnews|
’22年2月期営業収益2044億円0.8%増・経常利益6.3%増

営業収益2044億円(前年同期比0.8%増)、
経常利益102億円(6.3%増)。

経常利益率は5.0%。

立派な成績だが、
52年連続増収こそ強調されねばならない。
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サンエーの前身は、
創業者故折田喜作氏の「オリタ商店」に遡る。
1950年1月、沖縄県宮古島市で創業された。

そして1970年5月、
沖縄県那覇市に㈱サンエー設立。
同年7月に那覇店を出店。

経営の目的は、
第1に事業基盤の確立、
第2にチェーンストアの経営。

サンエー設立2年後の1972年、
沖縄が米国から返還された。

サンエーはこの創業以来、
52年間ずっと、増収を続けている。

凄い。

政治・行政的、経済・社会的には、
「自治と自立」が道半ばであっても、
サンエーは商業の王道を歩み続けた。

そして沖縄県民は、
その恩恵を受け続けた。

それが52期増収に表れている。
サンエーは沖縄県で、
クリティカルマスを達成している。

さらに、
サンエーnews|
27年ぶりの交代/新社長に新城専務・上地社長は相談役

そのサンエーの代表取締役社長が交代する。
27年ぶりだ。

上地哲誠社長は任期満了で相談役に就く。
折田譲治会長も特別顧問に退く。

新社長には、
新城健太郎専務取締役が就任。
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田崎正仁常務取締役は、
代表権のある専務に就任する。

新城さんは53歳、
田崎さんは59歳。

頑張れ。

経営の自治と自立を貫徹せよ。
創業以来の記録を伸ばせ。

そして上地さん、
ほんとうにご苦労様でした。
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もう一度、言おう。

政治・行政的、経済的には、
「自治と自立」が道半ばであっても、
沖縄県民はサンエーの恩恵を、
享受し続けた。

〈結城義晴〉

2022年05月14日(土曜日)

ヤオコー川越美術館の「三栖右嗣専門店」はヤオコーそのままだ。

日経新聞総合一面の記事。
「最高益、国内3社に1社」

上場企業の決算発表がピークを迎えた。
2022年3月期に最高益となった企業は、
全体の30%で、
約30年ぶりの高水準になった。

3月期決算の約1890社。
純利益では7割の企業が前の期より増えた。
最高益となった企業は3割で、
1991年3月期以来の多さだった。

追い風は資源高と円安。
鉄鉱石や石炭の高騰。
為替相場は3月で1ドル112円程度、
1ユーロ131円程度。
円安が進んだ。

新型コロナウイルス禍の影響も和らいだ。

小売業では、
㈱ヤオコーが33期連続の増収増益。
もちろん最高益だ。

そのヤオコー川越美術館。IMG_26422

2011年竣工。
設計は伊東豊雄建築設計事務所。
ヤオコーの本社は、
サポートセンターと呼ばれるが、
その設計も伊藤豊雄さんだ。

2013年にプリツカー賞を受賞。
建築界のノーベル賞と言われる。

若いころは菊竹清訓事務所に所属した。
菊竹さんはセゾンの堤清二さんと親しくて、
小売業にも理解が深かった。

シンプルでユニークなデザインだ。IMG_27782

私は美術館巡りが好きで、
海外でも国内でも機会を見つけて訪れる。
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このヤオコー川越美術館は、
三栖右嗣記念館と称して、
洋画家・故三栖右嗣(みすゆうじ)の作品だけを展示する。
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三栖右嗣は1927年、神奈川県厚木に生まれ、
2010年、埼玉県嵐山に没した。

米国のアンドリュー・ワイエスに師事し、
日本現代リアリズムの巨匠と称される。

ワイエスはアメリカン・リアリズムの代表的画家だ。

ヤオコー美術館は、
敷地面積1824㎡、建築面積471㎡。

展示室1は印象的だ。 IMG_27572

ここに20点の作品が飾られていた。
比較的に小品が多く、
欲しいと思わせる絵画もある。

「冬の静物」60号。
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鳥の描写が素晴らしい。IMG_27742

第2展示室は真ん中にソファーがあって、
ゆっくり休みながら鑑賞することができる。
そして大作が多く展示されている。

「爛漫」150号。IMG_27582

500号の「麦秋一風」
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1997年の「光る海」120号。
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そして衝撃的な「老いる」
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1974年の習作で30号。
1976年、第19回安井賞受賞作品。
老いた母親の裸像。

さらに「生きる」
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これも74年作の100号。

カフェラウンジには、
作家のアトリエの写真と、
愛用の筆や絵の具、
パレットなどが展示されている。
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入口のところでビデオが流されている。
作家が「老いる」を製作した心境を語る。IMG_27762

いい美術館で、いい作品を観た。
満足した。

展示は24点だったが、
200点の所蔵があり、
春夏秋冬、テーマごとに入れ替える。

ヤオコーの店のようだと思った。

スーパーマーケット業態の専門店を志向する。
それがヤオコーである。

ヤオコー川越美術館は、
ペインティングの三栖右嗣専門店である。
四季折々に企画を変える。

そして四季折々、楽しめる。

ヤオコー30期連続増収増益と、
まったく同じコンセプトが、
この美術館だ。
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ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2022年05月13日(金曜日)

13日の金曜日のRetail DX論議と「ほんとうのぞろっぺい」

13日の金曜日。

英語で”Friday the 13th”と表現されて、
不吉なことが起こると言われる。

現在のグレゴリオ暦では、
1年に必ず1回以上、最大で3回、
13日の金曜日がやってくる。

今年は今月5月の1回。
昨2021年は1回、2020年も1回。
2019年は2回、2018年も2回。

21世紀に入ってからは、
2009年と2012年、2015年に、
3回のFriday the 13thがあった。

これからは2026年に、
2月、3月、11月と、
3度もやってくる。

私はまったく気にしないけれど。

今日は朝10時から、
㈱True Dataの臨時取締役会。
オンラインで開催された。

株式公開して、
四半期決算発表をする。
その決算短信の最終承認。

おかげさまで順調に伸びています。

午後は横浜商人舎オフィスに来客。
コニカミノルタ㈱のお二人。
川瀬英梨さん(中)と齊藤宏さん。IMG_26722
川瀬さんはコニカミノルタ㈱の、
マーケティングサービス事業部コンサルタント。
齊藤さんは、
コニカミノルタマーケティングサービス㈱の、
ショッパーデータプラットフォーム執行役員。

コニカミノルタの「Go Insight」は、
同社特有のカメラ技術を使った、
新しいマーケティング事業だ。
セルフサービス店舗において、
ショッパーの購買行動を科学的に解析する。

このブログでも報告したけれど、
テレ東ビズの番組が収録され公開されている。

「SURVIVE2030」。
ニューノーマルで
消費者行動はどう変わる?
最前線から考える小売りのDX推進
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今でもYouTubeで無料視聴できる。

今年2月1日に収録した番組だ。
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MCは入山章栄さん。
早稲田大学大学院経営管理研究科教授。
パネラーは㈱カスミ社長の山本慎一郎さん、
そして齊藤宏さんと結城義晴。

私は網(ネット)と紙(ペーパー)の話や、
DXは技術問題ではなく、
経営イシューであること、
そして「禁欲円と享楽円」などを語った。
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入山さんのMCもさすがなもので、
私たちパネラーも真剣に、楽しく、
一発撮りで仕上げた。
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そして、
こういった専門ビジネスの番組としては、
最高レベルの視聴率だった。

今日はそのお礼を兼ねて来社してくれた。

「Go Insight」の今後の展開など、
興味深い話で盛り上がった。

齊藤さんは、
立教大学大学院のマスター。
私の講義を履修して、
熱心に学んだ。

うれしいものだ。

DXには三つの方向性がある。
第1が攻めのDX。
主にマーケティング活用して、
外に向かって顧客を創造し、
売上げや利益を高めていく。

第2が守りのDX。
会社の内側に向かって、
経営のパフォーマンスを高めていく。

そして、
第3がプラットフォームのDX。
ひとつのプラットフォームを形成して、
さまざまなコネクトを創っていく。

「Go Insight」も、
この3つの局面で進化しなければならない。

頑張ってほしい。
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今日の朝日新聞「折々のことば」
第2377回。

カチッとするためには
“ぞろっぺえ”に
なったほうがいい。
もっと、
いいかげんになって

いいんじゃないか、
と思うんです。
(結城昌治)

噺家古今亭志ん朝と作家結城昌治の対談から。
志ん朝の著書『世の中ついでに生きてたい』。
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故結城昌治は直木賞作家で、
「ハードボイルド小説の先駆者」と言われる。

苗字が同じということもあってか、
私の父が愛読していた。

結城昌治の小説に、
「志ん生一代」があって、
作家は志ん生一家と交流があった。
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結城は志ん朝に語り掛ける。
父の五代目志ん生とは違って、
「ずぼらになりたくても
なれない性分じゃないか」

「ぞろっぺえ」とは、
いいかげんでだらしがないこと。

結城は言う。
「すきもほころびもなしでいるより、
ほんとうの”ぞろっぺえ”になるほうが
難しい」

父志ん生はほんとうの”ぞろっぺい”、
子志ん朝はすきもほころびもない名人。

「ほんとうのぞろっぺいになるほうが難しい」
作家はそう言って名人を励ました。

商売も商人も、
そして店も、
ほんとうのぞろっぺいと、
すきもほころびもない名人と、
両方ある。

ほんとうであり、
名人であれば、
どちらもいい。

落語に関しては、
私は志ん朝の芸のほうが好きだ。

商人に関しては、
ん~、どちらも好きだ。

それでいい。

〈結城義晴〉

2022年05月12日(木曜日)

[IDR講演]とヤオコー・サミット・関西フードマーケット決算

東京・麻布台の飯倉交差点。
右斜め前に進んで行くと、
ロシア大使館があり、
さらに進むと六本木。
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その飯倉交差点の角に、
商業界会館。
1966年建造。
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入口にはバリケードが張られ、
切ないけれど取り壊しになる。IMG_28162
森トラストに売却されたからだ。
これで商人の殿堂は消える。

そんなこと当り前さ!

建物は永遠ではない。

志だけはつなごう。

とは言っても、切ない。

建物の前の道路は、
東京タワー通り。
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坂道を登っていくと、
その東京タワー。
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こちらは多分、永久に不滅です。
戦争でも起こらない限り。
ゴジラでも現れない限り。
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ゴジラ映画のプロデューサーは、
富山省吾さんで、
大学時代に付き合いがあった、
1年先輩。

富山さんは学生時代に、
年間、300本からの映画を、
映画館で観ていた。
はじめから映画人を目指した。
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あの映画を見るたびに、
東京タワーの下の商業界会館を思った。

いとも簡単に壊された。

コロナは時間を早める。
自分で言っておいて、
自分で切なくなる。

これは自業自得か。

東京タワーの向かいに、
機械振興会館がある。

この建物も1966年9月竣工。

その6階でセミナー。IMG_2671 (002)2

主催は一般社団法人流通問題研究協会。
略称IDR。
IDR会長は玉生弘昌㈱プラネット会長。IMG_2657

専務理事の橋本佳往さん。IMG_2661

その第39期IDRチャネル戦略研究交流会。
今期も5月から始まって、
来年3月に終了する。

今期のテーマは、
「コロナとの共存を模索する中での“再始動2022”」
第1回講師を務めた。

午後3時過ぎから1時間半ほど、
楽しく語りきった。
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今日はトラブル続き。

まず私自身が、
パソコンを家に置き忘れてきた。
こんなことは初めてだ。

パワーポイントがそのパソコンに入っていた。

ペーパーのレジュメは用意されていたので、
それを使って講演をするかとも思ったが、
パワポをメールで送ってもらって、
何とか間に合った。

年を取ってくると、
こんな単純なミスをする。

そのあとも、
パソコンの電源が落ち始めたり、
パソコンを変えたり、
講義をしながら、
状況はどんどん変わった。

しかし事なきを得て、
語り終わった。

みなさん、ご迷惑をおかけしました。

講演が終わって事務局と写真。
左から事務局の元満あさぢさん、橋本専務、
そして研究員の池田拓生さん。IMG_26692
お世話になりました。
ありがとうございました。

さて商人舎流通スーパーニュース。
次々に決算が発表されている。
ヤオコーnews|
年商5360億円5.5%増・経常利益4.9%増の33期連続増収増益

㈱ヤオコーの2022年3月期決算。
営業収益5360億円(前期比5.5%増)、
営業利益241億円(7.2%増)、
経常利益233億円(4.9%増)。

33期連続増収増益。

営業利益率4.5%、経常利益率4.3%。
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3月末のグループ店舗数は192店舗。
ヤオコー177店舗、
エイヴイ13店舗、
フーコット2店舗。

言うことなし。

しかし言うことなしだからこそ、
慢心が出やすい。

それが危うい。

サミットnews|
’22年3月期は年商3237億円0.9%減・経常利益32%減

営業収益3237億円(前期比0.9%減)、
営業利益92億円(27.6%減)。
経常利益95億円(31.8%減)。

「コロナ特需の2021年3月期を除くと、
売上高、各利益すべてで
過去最高の数値となった」
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減収減益だが、
前年が特需の異常決算だった。

それ以前と比べると、
増収増益の最高収益。

売上高営業利益率は2.9%、
同経常利益率は3.0%。

服部哲也社長。
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「感染者数が増えた時期の店舗運営は、
社員が皆で役割分担して、
こなしていこうという体制ができていた。
だから1年間、1店舗も休まず運営できた」

「業績は減益だったが、
コロナという我々の努力とは
関係のないところででき上がった数値なので、
気にしていない」

店長たちに言っている。
「上振れした分、
自分たちの実力の成し遂げた分を
しっかり把握したうえで、
2023年3月期に取り組まなければならない」

関西フードマーケットnews|
統合初決算は売上高2843億円・純利益84億円

イズミヤ㈱、㈱阪急オアシス、
そして㈱関西スーパーマーケットなど。
持株会社が㈱関西フードマーケット。
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売上高2843億円、
営業利益58億円、
経常利益49億円。
負ののれん発生益が計上されて、
当期純利益84億円。

イズミヤ、阪急オアシス2社の通期と、
その他の第4四半期の連結数値だ。

だから関西フードマーケットの来期は、
売上高3840億円、
営業利益80億円、
経常利益75億円を見込んでいる。

再出発の年度だ。

私には感慨深い。

和田満治さんのイズミヤ、
北野祐次さんの関西スーパー、
堀内彦仁さんのニッショー。
そして千野和利さんの阪急オアシス。

それらが統合して、再出発する。

コロナは経営統合を早める。

アメリカやヨーロッパの、
小売流通業の長い歴史が、
私たちの日本で、
早回しで展開される。

〈結城義晴〉

2022年05月11日(水曜日)

訃報/寿屋創業者・壽崎肇さん、「ありがとう屋」さんのご逝去

壽崎肇さんが亡くなられた。
5月9日、午後1時2分。
嚥下(えんげ)性肺炎だった。
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寿屋の創業者。
九州で一番大きなチェーンストアとなって、
1990年代には、
年商1000億円を超える規模だった。

1926年(大正15年)、
大分県佐伯市生まれ。

ライフコーポレーションの清水信次さんと同年。
故渥美俊一先生とも同い年。
私の大学の恩師・壽里茂先生とも、
私の両親とも同じだ。

戦後の1947年、佐伯で化粧品店を開業。
1957年には寿屋を設立して社長に就任。

商業界で倉本長治に学び、
「店は客のためにある」と商売に励んだ。

ペガサスクラブで渥美先生に学んで、
多店化を図った。

倉本長治で商売の基礎を固め、
渥美俊一で商売を成長させた。

全国にそういった商人が数多生まれた。

壽埼さんは1990年には会長に退いて、
92年から95年まで最高顧問を務めた。

会社は業績が悪化して、
2001年12月に民事再生法を適用申請。
店舗を他社に譲渡するなどして、
2002年2月、小売業を廃業した。

同じように九州から発した㈱ユニードは、
1981年にダイエーグループの傘下に入り、
1994年にダイエーに吸収合併された。

熊本で創業した㈱ニコニコ堂もやはり、
2002年に民事再生法適用を申請して、
事実上倒産し、
最後は㈱イズミに吸収された。

なぜ、揃いも揃って倒産したのか。

壽埼さんは1980年に、
公益財団法人壽崎育英財団を設立して、
若者に奨学金を提供し続けた。

商業界ではエルダーとして、
全国の同友を指導し、
九州連合同友会では長らく会長を務めた。

80代までは毎年のように、
海外視察研修に参加して勉強を続けた。

2010年には石原靖曠先生のコーディネートで、
コロラド州とニューメキシコ州を視察。

壽埼さんは店舗を訪れると、
全通路(アイル)を相当のスピードで、
くまなく歩いた。

どんなに早歩きしても、
隅々まで歩くだけで、
「その店や売場はわかります」と言った。

私は自分の初めての渡米のときに、
壽崎さんとご一緒した。
1978年9月、
ロサンゼルスとサンフランシスコを訪れた。

最後の最後は、
フィッシャーマンズワーフで打ち上げ。
壽崎さんからマルガリータをごちそうになって、
サンフランの夜の街をふたりで歩いた。
私は後ろから壽崎さんの腰を押して、
坂道を登った。

私は26歳、壽埼さんは倍の52歳だった。
その映像は今でも瞼に残っている。

一昨年には、壽崎さんが、
月刊商人舎5月号の在庫を、
全部買い取って、
商業界九州連合会の皆さんに配ってくださった。

月刊商人舎2020年5月号。
特集「コロナは時間を早める」
5gatugou

「いい教科書です。
私は二度読みました。
みんなに勉強してもらいたい」
そう言ってくださった。

壽崎さんは雑誌や本を読むときにも、
店回りと同じで、
速読で、くまなく目を通す。

壽崎育英財団に最後のメッセージが残っている。
「皆様、”ありがとう屋さん”です。
人生の自分流の言葉として、誰かれとなく、
“ありがとうございます”を使って下さい。
楽しい人生が待っています」

寿屋はなくなってしまったけれど、
壽崎肇にとって楽しい、
「ありがとう屋」の人生だったに違いない。

心からご冥福を祈りたい。

今日は午前中に、
林廣美先生来社。
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もちろん日本の惣菜の第一人者。
林先生がNHKに出演して、
唐揚げづくりの「二度揚げ」を提案すると、
日本中で唐揚げが売れる。

85歳。

1時間半も休みなく語り続けて、
林節、いまだ健在。

商人舎ホームページで、
毎週、連載を執筆中。
「林博美の今週のお惣菜」
もう465回を数える。

その林先生、
凄いことをご提案くださった。

近々、発表する。

午後には紀文食品の皆さん来社。
私の隣から弓削渉副社長、
堀内慎也正月担当部長、
野崎理悦執行役員商品開発室長。IMG_26482

弓削さんが海外事業の責任者となる。
その情報交換と相談だが、
林先生にも加わっていただいて、
海外事業展開講座のようになった。IMG_26502

午後3時から㈱アキタフーズのお二人。
穐吉(あきよし)貴則常務執行役員(中)と、
濱敦鶏卵営業部顧問。IMG_26542
穐吉さんは私の中学高校の3年先輩。
三菱商事から三菱食品(旧菱食)、
それからMizkan Holdings、
そしてアキタフーズへ。

菱食時代の廣田正さんの話から、
イオンの浅田博さんのこと、
青木輝夫さんの話などなど、
私ともつながる多くの人々の話で盛り上がった。

ありがとうございました。

それにしても壽崎肇さん。
86歳で米国視察した際も、
報告を記して、3つの目標を掲げている。

①デスティネーションストアづくり
目的をもって買物に来ていただける店。
②ソリューションストアづくり
お客様の困っていることを叶える店。
③インディペンデント単独店づくり
1店1店がお客満足の店づくり。
これを100店以上つくろう。

まだまだ先を見ていた。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年05月10日(火曜日)

商人舎5月号「Supermarket4.0の世界」へ新しい船に乗ろう。

月刊商人舎5月号、
本日発刊!!
202205_coverpage

定期購読者のみなさん、
IDとパスワードでWebページをご覧ください。

Webで読む方法は二通りあります。
第1がWebページとして読む方法。
ブログと同じようなページ建てとなっています。

第2が「デジタルブックリーダーで読む」方法。
右肩の「デジタルブックリーダーで読む」を、
クリックしてください。
紙の雑誌と同じビジュアルが、
頁をめくるように出てきます。

5月号の特集は、
Supermarket4.0世界
ポストコロナの業態バージョンアップ論

[Cover Message]
岩崎高治ライフコーポレーション社長が「スーパーマーケット4.0」を宣言した。セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店である。社内では「YGP」と略称されて、特別のポジショニングを担う。日本の「スーパーマーケット1.0」は1953 年の紀ノ国屋によるセルフサービス実験であるとすると、2.0、3.0のバージョンアップは何によってなされ、さらに4.0はどんな機能の進化を見せたのか。フィリップ・コトラーは2018年に「リテール4.0」を提唱しているが、それとの同期はあるのか、差異はあるのか。岩崎社長の言葉に耳を傾け、YGPをつぶさに観察しつつ、「Supermarket4.0」の真価を究明する。

そして特別企画は、
セブンとイオン「逆転のダイナミズム」

どちらも力の入った内容です。
私は特集でも特別企画でも、
取材記事や提言を掻きました。

その5月号の目次。
202205_contents
そして、
[Message of May]
新しい船に乗り込もう。

「Web 2.0」が始まりだった。
普及初期のWebにはなかった、
新しい技術や仕組み、発想。
新しい世界へのバージョンアップ。

それを「2.0」と表現した。
「2」という整数ではなく、
「小数点0」をつけた「2.0」の表現が、
新世界の発展のイメージを広げた。

1の次に2が来て、
その次に3や4が来る。
この階段型の発展は、
新しいWeb領域では考えられなかった。

2.0は2.1や2.35や2.98も、
視野に入れることができる。
世界は小刻みに、それでいて迅速に展開する。
ときには大きなステップアップが生まれる。

それが「2.0」の意味であり、可能性である。
その先に「3.0」や「4.0」、「5.0」の世界観がある。
これが21世紀の発展型価値観である。
3千年紀の飛躍のイメージである。

マーケティングの世界では、
フィリップ・コトラーが、
2010年に「3.0」を使った。
その中で遡って「1.0」や「2.0」を整理した。

そしてすぐさま「3.0」をさらに展開させて、
マーケティングの「4.0」や「5.0」の世界へ、
人々を誘(いざな)った。
そして人々はそれに乗った。

リテール4.0はコトラーが論じた。
日本政府はソサエティ5.0まで唱えた。
チェーンストア4.0は不肖結城義晴が整理する。
そしてスーパーマーケットに4.0が登場した。

新しいバージョンアップのモデルを知ろう。
新しい発展形に慣れつつ、それを活用しよう。
新しい酒は新しい革袋に盛ろう。
新しい水夫たちとともに新しい船に乗り込もう。
〈結城義晴〉
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ポストコロナ時代は、
新しい船に乗り込むときだ。

[単独インタビュー]
岩崎高治社長
「スーパーマーケット4.0宣言」
YGPの5段階アプローチ
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このインタビューは必読。
4.0とは何かが理解できる。

それから[Photo構成]
YGP(セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店)の全貌
写真を100枚以上使って、
その4.0の試みを網羅した。
202205_life-ygp_layout

「ビオラル」――本格派の「手ごたえ」
結城義晴がそれを紹介しつつ分析した。
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特集の最後に、また結城義晴。
Retail4.0とSupermarket4.0
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一方、特別企画は、
セブンとイオン「逆転のダイナミズム」

その「リード文」。
「10年ぶりに日本小売産業の首位が逆転した。㈱セブン&アイ・ホールディングスがイオン㈱を営業収益において抜き返したのである。両社はこれからの数年、あるいは10年、抜きつ抜かれつのデッドヒートを展開することになる。どちらがマーケットリーダーなのか、どちらがマーケットチャレンジャーなのか。この熾烈な競争は、それぞれに異なる特徴を有することによって、日本のチェーンストアの世界にダイナミズムを生み出す。異質性をもつ者同士のコンペティションは、同質で量的拡大一辺倒の従来の競争を凌駕して、それぞれにさらなる進化と深化を求めるからである」
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この特別企画も最後は結城義晴。
セブンとイオン「マッチレース」の歴史的検証

日本の小売業の現代史がわかる。
そしてこの原稿は、
期待を込めて手厳しい。

月刊商人舎5月号の訴え。

新しいバージョンアップの、
モデルを知ろう。
新しい発展形に慣れつつ、
それを活用しよう。
新しい酒は新しい革袋に盛ろう。
新しい水夫たちとともに、
新しい船に乗り込もう。

〈結城義晴〉

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コロナは時間を早める

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