結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年09月26日(金曜日)

3連覇巨人・原辰徳の悲劇的臭いと「ダイエーが消える日」

プロ野球セントラルリーグ。
読売ジャイアンツが優勝を決めた。

3年連続で36回目。
圧倒的に優勝回数が多い。

二番目に多いチームはどこか。

意外にも、中日ドラゴンズが9回。

そして広島東洋カープと、
ヤクルトスワローズが、
それぞれ6回。

阪神タイガースはと見ると、
5回しか優勝していない。

横浜ベイスターズ・大洋ホエールズは、
合わせて2回。

ずいぶんと偏りがある。

セ・リーグで3連覇以上のチームは、
これもジャイアンツしかない。

パシフィックリーグでは、
3連覇以上のチームが過去に4つ。
南海ホークス、
西鉄ライオンズ、
阪急ブレーブス、
西武ライオンズ。

メジャーリーグでは、
5連覇をしたことがあるのが、
名門ヤンキース。
1949年から53年までと、
1960年から64年まで。

日本では、
ジャイアンツの川上哲治9連覇があるし、
西武ライオンズの森祇晶5連覇がある。

原辰徳監督自身、
2007年から2009年まで3連覇し、
ふたたび2012年から今年まで3連覇。
原は通算11年間の監督で、
7回目のリーグ優勝。

名将の部類に入ってきた。

あの東海大相模高校の原辰徳。
原は3番バッターで、
津末英明が4番だった。
ピッチャーは左腕の村中秀人。

監督は辰徳の父親・貢。
故人。

懐かしいなあ。

神奈川県のチームなので、
当時はずいぶんと応援した。

原や津末、村中とは6つ違い。

その彼らがもう56歳。

この後、クライマックスシリーズがあって、
日本シリーズでセパの優勝チームが決着をつけ、
今年のプロ野球は打ち止め。

私はクライマックスシリーズが、
日本のプロ野球のダイナミズムを、
削ぎ落としてしまっていると考えている。

国内での最終段階を盛り上げるのではなく、
アジアへと広げる方向性こそ、
このビジネスの将来展望だと思う。

だから今年の日本プロ野球は、
サッカー・ワールドカップに人気をとられ、
今、アジア大会のメダル・ラッシュで、
目立たない。

だんだんプロ野球も、
国民的スポーツではなくなってきた。

原辰徳がこの後、
4連覇、5連覇しても、
川上哲治や森祇晶ような脚光を、
浴びることはないかもしれない。

川上と森はもとより、
かつての西鉄の三原脩、
南海の鶴岡一人、
阪急の西本幸雄と比べても、
同時の熱狂には近づけない。

私は福岡生まれなので、
よくわかる。

西鉄の三原監督は、
神格化された存在だった。

その時には、
神様・仏様・稲生様も、
怪童・中西太も、
燦然と輝いていた。

選手としては長嶋茂雄や王貞治に、
はるかに及ばず、
監督としても時代の流れの中で、
注目が高くはない。

原辰徳には、
そんな悲劇的な臭いがついて回る。

人間としては、実にいいのだが。

そしてこれは、
小売流通業の経営者にも、
当てはまる。

かつての中内功、
伊藤雅俊、岡田卓也。
北野祐次、堀内寛二。

さらに現役の鈴木敏文、柳井正、
似鳥昭雄、矢野博丈。

いわば創業者の栄誉と脚光は、
特別のものだった。

今週、マスコミが騒ぎ、
ジャーナリストがこだわったのが、
「ダイエーが消える」。

私も取り上げたが、
一般マスコミは騒ぎ過ぎ。

ダイエーのピーク時の売上高は、
1995年2月期の3兆2000億円。
今や、イオンは7兆2000億円。

2.25倍。

それでも中内ダイエーに、
ノスタルジーを感じる。

それは川上哲治の9連覇と、
原辰徳の3連覇の、
時代の違いとシンクロしている。

さて、私は、昨夕から、
千葉県長生郡長南町。

11回目のドクターズ杯の前夜祭。
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マスターは修士、ドクターは博士。

ゴルフのマスターズの、
上を行く上品さを有するコンペを目指す。
だからドクターズ。

及ばずながら、私の命名。

サミット㈱社長の田尻一さんは、
前夜懇親会だけ参加。
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左は伊藤園副社長の本庄周介さん。

そしてカラリ晴れて、
楽しいラウンド。
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伊藤園レディスが開催される名門、
グレートアイランド倶楽部。

栄えある第11回優勝者は、
㈱エレナ会長の中村國昭さん。
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今年5月から、
社長を実弟の浩さんに任せ、
現在は代表取締役会長。

エレナは長崎県・佐賀県に、
スーパーマーケット40店舗、
ダイソー11店、ツタヤ5店を展開する。

このエリアでは断然、強い企業。

今年は55周年でもあり、
中村さんは心も晴れていて、
いい日になった。

〈結城義晴〉

2014年09月25日(木曜日)

CCLの新オフィスと新CI、そして「ダイエーが消える」ことの本質

台風16号改め低気圧。
去った後のフェーン現象。

朝のうちは小雨模様だったが、
午後は蒸し暑い。

そしてまた夕方から、
激しい雨。

愛知県、静岡県など特にひどい。
名古屋駅周辺は、
1時間に30ミリ以上の降雨量。

東日本では、
まだまだ今夜、
雨が激しくなる。

お見舞い申し上げたい。

今日は朝から、
東京・御成門。

東京タワーもちょっと元気がない。
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芝大門センタービル。
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その4階。

カスタマー・コミュニケーションズ㈱
が、
オフィス移転した。
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ランの花が並ぶ。
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こちらにも。
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コーポレート・アイデンティティも一新。
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変えたというより、
本来のアイデンティティを、
より鮮明にした。

見晴らしが良くて、
快適な職場。
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みんな、きびきびと動いている。
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左手に会議室。
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入口の脇にも、
シースルーの会議室。
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右手窓側に大きな緑の傘。
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そしてソファ。
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窓側コーナーには、
座りテーブル。
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遊び心も満点。
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こんな部屋もある。
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一番奥のスペース。
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仮眠できる?
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神棚も設けられた。
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私の著書も並べてくれた。

代表取締役社長の米倉裕之さんと、
二人で写真。
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私は非常勤の取締役で、
1カ月に一度ほどしか訪れないが、
これからはちょくちょく来たくなった。

カスタマー・コミュニケーションズ㈱。

略称CCL。

ID-POS・FSPのパイオニア。
パイオニアにとどまらず、
イノベーションを起こし続ける。

それによって社会貢献する。
大いに期待してください。

さて、ニュースは、これでもちきり。
「ダイエー」消える。

日経新聞は一面、
総合面、企業面で取り上げた。

イオンがダイエーを、
2015年1月に完全子会社にする。

その理由。
イオン社長の岡田元也さんの考え。
「ドラスチックな改革をやる時は
上場企業であることは難しい」。

つまりダイエーを消して、
イオン全体のドラスティックな改革の起爆剤にする。

さらに2018年度くらいに、
「ダイエー」の店舗名を廃止。

新しいバナーにする。

その理由。
岡田社長のコメント。
「Eコマースとの戦いではブランディングが重要だ。
多数の店舗ブランドに分かれていることが不利になる。
イオングループ全体の屋号を整理する段階になった。
その結果、ダイエーの屋号はなくなる」

オムニチャネル戦略を打ち出すイオン。
これはEコマースとの闘いでもある。

そのとき、ブランドの統一が必須となる。
それこそオムニ〈すべての〉チャネル統合だからだ。

11月26日に、
ダイエーの臨時株主総会が開催され、
株主の承認を得て、
12月26日、上場廃止。

年が明けた1月1日、
イオンは株式交換方式で、
ダイエーを完全子会社にする。

交換比率はダイエー株1株が、
イオン株0.115株となる。

ダイエーは全国に約280店を展開していて、
そのうち「ダイエー」の店名の店舗は約200。
そのダイエー・バナーを廃止したうえで、
2019年2月期末までに、
「イオンフードスタイルストア」や
「イオングランドジェネレーションストア」などに
変える。

この際、閉店はほとんど発生させず、
ほぼ全店が業態転換や改装の対象となる。

現ダイエーの組織は、
配置転換などで1400人から700人に半減。
コスト負担を減らす。

特に北海道と九州では、
それぞれイオン北海道、イオン九州と、
マックスバリュ北海道、マックスバリュ九州に、
店舗群を移管して、
そちらはそちらで地域シェアを高める。

まあ、当然の政策。

首都圏、関西圏の総合スーパー業態は、
イオンリテールに移管され、
現在のダイエーの組織は、
食品スーパーマーケットの運営会社として存続。

イオンはダイエーを、
「食品の専門家集団」と見ている。

首都圏と関西圏の都市型店舗群も、
スーパーマーケットは、
現ダイエー組織が運営する。

つまり、現ダイエーは、
都市型食品店舗の中核子会社の位置づけ。

イギリスのテスコが、
都市型フォーマットを「テスコ・メトロ」と称しているが、
そんなポジショニングの企業となる。

だからイオンの都市型中小型店も、
ダイエーに集約される。

そのうえで、18年度には、
現ダイエーを売上高5000億円、
営業利益150億円の企業とする。

都市型店舗に新しい物件は少ない。
現ダイエーは老朽化した店舗を改装し、
食品の新フォーマットに転換させる機能を強める。

だから都市近郊のローカルチェーンも、
うかうかしていられない。

都市型店舗は、
「適正面積論」など、
振り回している場合ではなくなる。

記者会見での岡田元也さんのコメント。
「スーパー業界は大半が古いまま残り、
今の消費者の嗜好に合わない」

「総合スーパー、食品スーパーの大半が
今の消費者の志向に合っていない」

私は、こう捉える。
総合スーパーや食品スーパーの、
業態発想のままの店舗群が、
今の消費マーケットに合っていない。
だから新しいフォーマットを、
創造しなければならない。
フォーマットとは、
業態の分化したものだ。

岡田さんは続ける。
「若年層、高齢者にも
支持してもらえるような店舗の形に
根本的に変える」

新しい時代が、
やって来ている。

そして新フォーマットのなかの大部分が、
ID-POSとFSPを駆使する店舗になるだろう。

〈結城義晴〉

2014年09月24日(水曜日)

「愛の渥美俊一論」と丹羽宇一郎「経団連企業献金再開」批判

台風16号が低気圧に変わった。
それでも雨模様。

午後から、東京・虎ノ門。
日本チェーンストア協会へ。
会議室には歴代会長の写真。
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初代会長は中内功さん
(当時、主婦の店ダイエー社長)、
二代会長は岡田卓也さん
(同ジャスコ社長)、
三代会長は伊藤雅俊さん
(同イトーヨーカ堂社長)。

私の言葉でいえば、
皆さん「化け物級」。

中内さんと故渥美俊一先生が中心となって、
日本チェーンストア協会をつくって、
中内さんは最初の年の1967年に会長に就任。
それから9年間、この産業をリードした。

その間、1972年に、
ダイエーが三越の売上高を追い抜き、
日本最大の小売業となって、
チェーンストアの時代がやってくる。

次の岡田さんから、
2年ごとに会長職が交替する。
つまり協会が世間に認知され、
さらに発展するという時期に入る。
岡田さんの会長任期は1976年~1978年。

そして伊藤さんは、1978年~1980年。

中内さんはその後も、
1993年~1994年と、
1998年~1999年に、
都合三度、会長に就任して、
商業の産業化、近代化に、
多大な貢献を果たした。

二度目の会長就任の前の1991年、
日本経済団体連合会の副会長に就任。
それまで経団連の会長副会長は、
製造業や金融業などによって占められていた。

初めて小売流通業・サービス業から、
副会長が誕生した。

その中内さんのダイエーが、
イオンの完全子会社となる。

夕方からその記者会見が開かれた。

イオンの2014年2月期営業収益は、
6兆3951億円

イオングループの中で、
総合スーパー事業のイオンリテールは、
年商2兆1401億円。

ダイエーは8136億円。

合わせると単純計算で、
7兆2071億円。

1995年2月期に、
ダイエーが3兆2000億円を記録して、
当時の最大規模になったが、
それがこのたび2.25倍になる。

そんな化け物級の皆さんの視線を感じつつ、
日本チェーンストア協会の会議室を借りて、
私の特別講義。
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テーマは、
「マネジメントの現代化」。

内容は「愛の渥美俊一論」だが、
基本ストーリーは、
テーゼ・アンチテーゼ、
そしてジンテーゼの話。
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こういった小さな研究会でも、
つい力が入って、
数百人の前での講演のようになる。

講義しながら、どうしても、
左手の歴代会長の写真が目に入る。

この場に来るだけでいつも、
敬虔な気持ちになるが、
それも手伝って、
「数百人の前での講演」になってしまう。

ご清聴を感謝したい。

最後に、
商業経営問題研究会メンバーと写真。
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この会の英語名は、
リテール・マネジメント・ラーニング・サークル。
Retail Management Learning Circle。
RMLCと略す。

故杉山昭次郎先生を囲む杉山ゼミから始まった。
その後、故磯見精祐さんが代表となって、
研究会は充実しつつ継続された。

お二人が亡くなられて、
高木和成さん(左)が代表世話人、
結城義晴が座長となって、
研究会は続けられている。

この間、2011年10月には、
商業経営問題研究会が著者となって、
『小売業界ハンドブック』が発刊された。
結城義晴編著。
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さて、日経Web刊の『経営者ブログ』。
丹羽宇一郎さんが、
隔週水曜日に書く。
伊藤忠商事前会長にして、前中国大使。

タイトルは、
「経団連の政治献金再開には
賛成できない」。

9月11日、経団連は、
「政治との連携強化に関する見解」を発表。

政治献金への関与を再開する方針を、
5年ぶりに正式決定。

丹羽さんは言う。
「私としては、
経団連の呼びかけによる企業献金の再開には、
一般国民の立場に立てば
素直に賛成はできません」。

「そもそも経済界は
あまり政治に頼るべきではありません。
基本はあくまで経済合理性であり、
企業おのおのの力で競争力をつけるべきです」。

勇気ある発言、
まったく同感。

「すでに政党交付金という制度の下で
政党は透明度の高い政治資金を
まかなっているのだから、
支持する政党に献金したいなら、
別に企業献金という形ではなく
個人献金すればいいだけの話です」。

1993年、ゼネコンがらみの政財癒着が発覚。
「ゼネコン汚職」と呼ばれた。

この事件がきっかけとなって、
業界ごとに献金額を割り当てる
「あっせん」が廃止された。

翌年の1994年、
企業や労組などからの政治献金を制限し、
その代わりに政党交付金を税金から割り当て、
透明性の高い政治体制を目指した。

政党交付金制度は今も続いている。
この税金負担の交付金を残したまま、
経団連が企業献金を再開する。

政党は「二重取り」。
国民は「二重支払い」。

丹羽さんは手厳しい。
「今の経団連の動きには
国民視点というものが欠けているように映ります」

丹羽さんの視点は変わらない。
「政治に近づきすぎると
企業は競争力を失う」。

「激しくなるグローバル競争のなかで、
献金よりやるべきこと、カネを使うべきことは
いくらでもあるはずです」

中内さんが経団連副会長だったら、
どう判断し、どんな発言をしただろう。

正義感の塊のような中内さん、
きっと国民視点、消費者視点を強く訴えて、
「二重取り・二重支払い」の企業政治献金に、
反論したに違いない。

〈結城義晴〉

2014年09月23日(火曜日)

イトキン辻村章夫「無反応消費者」とイオンのダイエー完全子会社化

9月23日、秋分の日。

2044年まで、9月23日が秋分の日。
ただし4年に1回、閏年だけ22日となる。

今日は全国的に晴れた。

いい日は、いいな。

私は頼まれ原稿を書きつつ、
自宅で過ごす。

昨日、商人舎オフィスで、
商人舎MagazineのWeb会議が開催された。

久しぶり。

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右からwebデザイナーの田中翔太さん、
webコンサルタントの猪股信吾さん、
facebookコンサルタントの内田憲一郎さん。

いいアイデアが、
次々に湧き上がって、
やっぱり、毎月やらなければ、駄目。

まず商人舎公式ホームページが、
10月初旬をめどに、
何度目だろうか、改革する。

楽しみにしてください。

それからfacebookは、
商人舎Magazineのアドレスと、
それぞれ個人のアドレスと、
両方あるが、
それらを連動させて、
もっともっとアピールする。

内田さんの提案。

素晴らしい。

それ以外にも、
さまざまな議論や提案。

ソーシャルネットワークに関して、
まだまだ情勢は固まっていない。

どんどん変わる。

それにこまめに対応しなければ、
商人舎Magazineのようなサイト運営はできない。

ありがたいメンバーだ。

私たちも変わり続ける。
その決意は固い。

Change! Or,Die!
今月の商人舎標語。

自らに向けたもの。

自ら、変われ。
さもなくば、死ね。

さて日経新聞『ニュース一言』。
イトキン社長の辻村章夫さんの言葉。

「セールに反応する消費者が減っている」。
イトキンならではの実感だろう。

2014年1月期決算で、
年商1056億5100万円。
2013年度の国内レディスアパレルランキングで、
イトキンは第4位。

ちなみに第1位はワールド、
第2位はオンワードホールディングス、
第3位はTSIホールディングス。

TSIが傘下に持つのは、
東京スタイルとサンエー・インターナショナル。

イトキンの7・8月。
主力ブランドのセール品販売は前年割れ。
半面、値下げしない正価品は1割強伸長。

だからイトキンは、
「多品種少量生産で消費を刺激する」。

そして「商品ひとつずつの生産量を減らし売り切る」。

この現象は、ひとつ、
イトキンが担当するファッション領域だけではない。

食品や住関連消費でも、
バーゲンやセール、特売に、
反応しなくなる。

つまりエブリデー・ロープライスが、
歓迎される領域が広がりつつある。

コモディティ化現象がさらに、
顕著になってきている。

これは消費者が賢くなったからでは、
断じてない。

消費者は、
ずっとずっと、
賢かった。

日本の消費者は、
バブルとその崩壊を経験して、
さらに賢くなった。

それも1990年代のことだ。
日本の消費のピークは、
1997年である。

敢えて言えば、
この1997年から、
躍らない消費者となった。

消費者を、
馬鹿な存在だと舐めてかかっていた者たちが、
今、慌て始めた。

そして消費者が賢くなったと、
騒ぎ始めた。

全体として消費者はもともと賢いから、
コモディティ化現象を見抜く。

コモディティ化は製造や生産の側が、
自らもたらした実に皮肉な現象だ。

それをアメリカの消費者は、
1991年から見抜き始めた。

私はそう考えている。

そして馬鹿げたバーゲンや特売に、
徐々に無反応となってくる。

しかし一方、理屈のある低価格には、
大いに反応し、声援すら送ってくれる。

世界のアルディやアメリカのウィンコ・フーズ。
もちろんウォルマートやテスコ・クローガー。

その理屈を追い求める。

目先の異常な売上げづくりの操作や、
子供騙しのイベントには、
反応する顧客も存在しないわけではないが、
大局は、辻村さんの言うとおり、
反応が薄まってくる。

先週の土日、今日の火曜日の祭日。
店頭の動きはどうだっただろうか。

今日の日経新聞一面トップには、
「イオン、ダイエーを完全子会社へ」

これはむしろ当然の成り行き。
その時期が2015年春と決まった。
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かつて1995年2月期には、
3兆2000億円もあったダイエー。
このロゴマークだった。
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その14年2月期連結売上高は、
8136億円。

なんと4分の1。

総合スーパーでも、
1位、イオンリテール
2位、イトーヨーカ堂、
3位、ユニーに次ぐ4位。

そのうえ営業損益は2期連続の赤字。

それでも現在のダイエーは全国約280店。

そのダイエーの強い関東、関西の都市部では、
ダイエーを中核企業にして、
イオングループの他社を再編し、
その後の再上場も視野に入れる。

それは販売力だけでなく、
物流や情報、店舗網、
そして何よりも厚い人財の最適化を図り、
賢い消費者に理論的に、
安さを提供する策でもある。

私は当然の成り行きだと思う。

ずっと賢くあり続けた消費者は、
購買局面において極めて賢いからこそ、
ダイエーのイオンへの併合を、
望むに違いない。

秋分の日。

いい日は、いいな、と考えよう。

〈結城義晴〉

2014年09月22日(月曜日)

関西スーパー福谷耕治新社長誕生と孫子の「勝ちを知るに五あり」

Everybody! Good Monday!
[2014vol37]

2014年第38週です。
9月第4週。

いい季節です。
ほんとうにいい季節。

こころざし高きに置けば秋晴るる
〈『春節』1995年3月より  山田弘子〉    
このまま、この季節のなかに、
たたずんでいたい。

そんな気持ちになってくる。
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さて月刊『商人舎』2014年9月号。
ご好評いただいております。

特集はUS Retail Industry

絶賛発売中!
価格:1冊1500円(税別)。
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鳥の目・魚の目で、
アメリカ小売業をとらえ、
業態別に複占化現象を明らかにし、
日本小売業に対しては、
その閉塞状況脱出の手掛かりとする。

先週土曜日のこのブログで、
イトーヨーカ堂の業態論を語った。

業態の衰退期を迎えたか、
そんな見方さえあるだろう総合スーパー。
日本ではずっと「GMS」といわれたりしてきた。

ペガサスクラブの故渥美俊一先生は、
「日本型スーパーストア」と呼んだ。

しかし衣食住フルラインの総合ストアは、
欧米ではハイパーマーケットと称される。
食品主体のセルフサービス店を、
「スーパー」なマーケットと称すが、
それに対して「ハイパー」なマーケット。

イトーヨーカ堂は、
衣食住フルラインの店であるから、
ではハイパーマーケット業態として、
問題を解決すればいいのか。

この業態をどんな方向に引っ張っていくか。

業態が分化したものを、
フォーマットと概念づける。

神戸大学名誉教授の田村正紀先生。
私も田村先生の定義に準じて、
フォーマットが重要な考え方だと主張する。

だから日本の総合スーパーの業態の中で、
イトーヨーカ堂は、
どんなフォーマットになったらいいか。

それは企業の戦略行動であって、
だから私は大衆百貨店になるのがいい、と考える。

つまり百貨店の商品ラインを揃えて、
それをギリギリの低価格で販売する。

百貨店にいやがられる店になる。

それがイトーヨーカ堂のフォーマットとなる。

イオンの総合スーパーは、
イオンリテールだが、
こちらは大衆百貨店ではないだろう。

そんなことが、
月刊『商人舎』を読み続けると、
分かってくる。

9月号のUS Retail Industry特集は、
特にそれが見えてくる。

しかし月刊『商人舎』は残念ながら、
書店でもアマゾンでも手に入らない。

だから㈱商人舎に直接、申込みをお願いしたい。
FAXでのご注文:
申込用紙を印刷し、FAXをお送りください。
月刊『商人舎』2014年9月号ご注文用紙ダウンロード

メールでのご注文:
お名前、送付先、ご連絡先、購入部数をご入力の上、
info@shoninsha.co.jp宛てにメールをお送りください。
〈※別途送料実費を頂戴いたします。予めご了承ください〉

さて、今週のスケジュールの目玉は、
明日の火曜日の秋分の日。
商人舎Magazineの日替り連載、
「今週の販促企画」に、
考え方を掲載。

もうひとつ先週の話題。
金曜日の19日に、
関西スーパーマーケットの人事発表。
福谷耕治さんが10月1日から、
代表取締役社長に就任。

井上保さんは取締役会長になる。

井上さん、ご苦労様でした。

福谷さん、名門・関西スーパーの、
第三代目社長就任。

おめでとう。
そして頑張れ。

福谷さんは、
コーネル大学ジャパン伝説の第一期生。
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そして今年4月の商人舎視察研修会、
ロンドン・バルセロナに参加して、
テスコとメルカドーナを、
熱心に学んでいた。

関西スーパー社長就任というだけで、
また伝説をつくった。

関西スーパーこそ、
新しいポジショニングをつくって、
独自のフォーマット戦略を、
推進しなければいけない。

その役目が福谷さんに課される。

大いに期待したい。

そして井上さん。
たいへんな時期の二代目社長。

それこそ伝説の北野祐次名誉会長が、
心血を注いでつくり上げた会社を、
受け継ぎ、引き継ぎ、
ここまで持ってきた。

私は井上さんだからこそ、
それができたと思う。

これからは福谷さんを背後から支えて、
会長として会社に貢献し、
同時に業界や協会の仕事もやってほしい。

これまでは井上さんは、
ひとりで全部、やっていた。

ほんとうにご苦労様でした。

最後に日経BizGate9月17日のコラム。
東京理科大学大学院教授の伊丹敬之さんが、
『孫子』に学ぶ経営を書いている。

「勝ちを知るに五あり」

その一、戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。
その二、衆寡の用を識(し)る者は勝つ。
その三、上下の欲を同じうする者は勝つ。
その四、虞(く)を以て不虞を待つ者は勝つ。
その五、将の能にして君の御せざる者は勝つ。

この後に、最も有名な句。
「彼れを知りて己(おの)れを知れば、
百戦して殆(
あや)うからず」

この名言よりも、伊丹さんは、
「勝ちを知るに五あり」を強調する。
伊丹さんによると、
これは5つ勝者のタイプを表している。

第一は、
「戦うべき状況かどうか、
判断できる者」。

第二のタイプは、
「現場の作戦行動を
兵力の大小に応じて
適切に工夫できる者」

第三は、
「組織の上下で
同じ思いと欲を共有している者」

第四は、
「自ら深く考えて準備をし、
相手が準備のないまま行動するのを
待ちかまえている者」

最後に第五のタイプは、
「現場の指揮官たる将の能力が高く、
最高責任者である君(経営者)は
将のたづなをとって
いちいちコントロールはしない者」

伊丹さんは言葉を変える。
「現場への権限委譲が大切」。

さらに、読み替える。
「本社が現場の事業を
コントロールしたがる企業に発展はない」。

伊丹さんは、
五つの「勝ちを知る」者のエッセンスを、
箇条書きで経営用語にする。

①環境の中の自分の立ち位置の判断
②現場での人や資源の運用
③人心の統一
④自分の側の準備や蓄積
⑤現場への権限委譲

①がまさに、
私の主張するポジショニング戦略。

そしてこの5つの概念は、
経営者だけに求められるものではない。

志高き知識商人にはすべて、
必要なことだ。

こころざし高きに置けば秋晴るる

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2014年09月21日(日曜日)

ジジと彼岸花といわし雲[日曜版2014vol39]

ジジです。
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おとうさん、
いません。
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朝はやく、
でかけました。
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「ひさしぶり」とか、
いってました。
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ヒガンバナ。
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もうすぐ、
秋分の日です。
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群れ咲くも数輪もよき彼岸花  
〈『酸漿』より 増田久子〉
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みあげると・・・・・。
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空も雲も、秋の風情。
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その秋の空気を、
いっぱいすって。
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おとうさんは、
ここです。
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名物の13番ホール。
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バンカーが13、ある。

体をうごかして、
リラックス。
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そして、帰り道。
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日が暮れる。
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そらにはいわし雲。
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いわし雲一万尺の空の丈    
〈『六花』より 貝森光大 〉
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そして、陽がしずむ。
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おとうさん、
かえってきて、すぐに、
ねてしまいました。
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つかれたのでしょう。

つかれて、ねる。
つかれて、ねる。

もちろん、ボクも、
ねました。
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朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2014年09月20日(土曜日)

ユニクロの「キッズ強化」とイトーヨーカ堂の「大衆百貨店化作戦」

日経新聞『消費ビズ』に、
「ユニクロ、東レと子供服」の記事。

ファーストリテイリングが例によって東レと組んで、
新素材「ウォームパデット」の子供服を開発。

ポリエステル繊維を極小のボール状に加工し、
それをまたポリエステルの生地で包み込む。
絡み合った繊維の間に空気が入り込む。

だから羽毛に近い保温性が保てるし、
洗ってもいい。

この新素材を中綿に使用する。

手洗いができるジャケット。
子供は汚すから。

この商品は2015年1月から一斉に販売。
税別価格は2990~4990円。

子供は成長が早い。
タンス在庫があったとしても、
すぐにサイズが合わなくなる。
だから購買頻度が高い。

アメリカのチェーンストアは、
キッズ・ファッションが極めて重要な領域だ。

ウォルマートのJUSTベーシックスは、
Jのジーンズ、
Uのアンダーウェア、
Sのソックス、
Tのティーシャツ。

しかしそれと同じくらいキッズは重要。

ユニクロのキッズのアイテム数は、
約300から450になる。

売場は1.5倍から2倍。

さらに今月のうちに、
子供服を扱う店舗数を680店に増やす。
これは6割増。

2013年9月~14年5月の第3四半期までの、
ユニクロの国内キッズ売上高は330億円。
前年同期比プラス14%。
しかし全売上高の5.8%。

年間では単純計算すると、
440億円くらいか。

少ない。

ということは伸ばす余地がある。

日経には矢野経済研究所の市場データがある。
日本国内の子供服とベビー服の2012年の売上高、
6990億円。

ユニクロは6.3%のシェア。

「まだまだ」。

柳井正さんの声が聞こえるようだ。

しかし、スポーツを押さえ、
これでキッズを確立して、
総合スーパーの衣料品は、
さらにユニクロに侵食される。

赤ちゃん本舗や、
西松屋チェーンも、
戦々恐々だろう。

一方、イトーヨーカ堂。
これは一昨日の日経新聞。
「百貨店PBで衣料テコ入れ」

セブン&アイ・ホールシングス傘下のそごう・西武百貨店と、
ヨーカ堂が衣料品事業で共同開発をスタート。

2014年度中というから、勝負はこの秋冬。

肌着など3アイテム。
3年で50億円の売上げ目標。

ブランド名は、
「リミテッドエディション IYコラボ」シリーズ。

「上質な素材を使い、
国内工場で縫製するなど製造工程にもこだわり、
百貨店レベルの品質の高さを前面に打ち出す」。

そごう・西武の「リミテッドエディション」は既に、
2014年度売上高約1000億円。

百貨店PBとして最大規模。

そこでIYコラボは、
最初に女性向けの肌着を
税抜き1790円で販売。

さらに14年度中には、
着圧機能を備えたストッキングを500~700円、
男性向けワイシャツ4900円を投入。

イトーヨーカ堂約150店と
そごう・西武全店で販売。

価格帯は、例えばワイシャツは、
従来のヨーカ堂アイテムより2000円程度高い。

この試みは、いい。
もっともっと早く、
やるべきですらあった。

イトーヨーカ堂の2013年度、
衣料品事業売上高約2040億円


全体では赤字。

あのヨーカ堂の衣料が赤字。
隔世の感あり。

かつては圧倒的に強かったヨーカ堂の衣料。

これはすなわち、
総合スーパーの業態フォーマットの問題でもある。

今月の月刊『商人舎』9月号で、
アメリカの「百貨店」と、
「いわゆるGMS」の業態整理をした。

従来の日本の百貨店とGMSの分類が、
間違いであったことの解析。

どんな難しい問題も、
解決してみればシンプルだ。

まさにそんな感じ。

その考え方からすると、
セブン&アイのそごう・西武百貨店と、
総合スーパー・イトーヨーカ堂。

もっともっとコラボすべきだ。

アメリカのメイシーズ百貨店。
840店の巨大チェーンだが、
高級百貨店をブルーミングデール、
大衆百貨店をメイシーズにしている。

私はヨーカ堂は、
メイシーズになるべきだと思う。

つまり、もっともっと高級化せよ。
古典的なチェーンストア理論など、
まったく無視してよい。

そして、そごう・西武は、
さらにアメリカのニーマンマーカスのように、
もちろんブルーミングデールのように、
超高級百貨店になる。

今回の「リミテッドエディション」。
IYコラボなどの言葉をつけずに、
堂々と百貨店アイテムであることを、
顧客に表明したほうがよろしい。

それがユニクロを模倣しない、
ポジショニング戦略である。

〈結城義晴〉

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