結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年09月23日(火曜日)

イトキン辻村章夫「無反応消費者」とイオンのダイエー完全子会社化

9月23日、秋分の日。

2044年まで、9月23日が秋分の日。
ただし4年に1回、閏年だけ22日となる。

今日は全国的に晴れた。

いい日は、いいな。

私は頼まれ原稿を書きつつ、
自宅で過ごす。

昨日、商人舎オフィスで、
商人舎MagazineのWeb会議が開催された。

久しぶり。

20140923192350.jpg
右からwebデザイナーの田中翔太さん、
webコンサルタントの猪股信吾さん、
facebookコンサルタントの内田憲一郎さん。

いいアイデアが、
次々に湧き上がって、
やっぱり、毎月やらなければ、駄目。

まず商人舎公式ホームページが、
10月初旬をめどに、
何度目だろうか、改革する。

楽しみにしてください。

それからfacebookは、
商人舎Magazineのアドレスと、
それぞれ個人のアドレスと、
両方あるが、
それらを連動させて、
もっともっとアピールする。

内田さんの提案。

素晴らしい。

それ以外にも、
さまざまな議論や提案。

ソーシャルネットワークに関して、
まだまだ情勢は固まっていない。

どんどん変わる。

それにこまめに対応しなければ、
商人舎Magazineのようなサイト運営はできない。

ありがたいメンバーだ。

私たちも変わり続ける。
その決意は固い。

Change! Or,Die!
今月の商人舎標語。

自らに向けたもの。

自ら、変われ。
さもなくば、死ね。

さて日経新聞『ニュース一言』。
イトキン社長の辻村章夫さんの言葉。

「セールに反応する消費者が減っている」。
イトキンならではの実感だろう。

2014年1月期決算で、
年商1056億5100万円。
2013年度の国内レディスアパレルランキングで、
イトキンは第4位。

ちなみに第1位はワールド、
第2位はオンワードホールディングス、
第3位はTSIホールディングス。

TSIが傘下に持つのは、
東京スタイルとサンエー・インターナショナル。

イトキンの7・8月。
主力ブランドのセール品販売は前年割れ。
半面、値下げしない正価品は1割強伸長。

だからイトキンは、
「多品種少量生産で消費を刺激する」。

そして「商品ひとつずつの生産量を減らし売り切る」。

この現象は、ひとつ、
イトキンが担当するファッション領域だけではない。

食品や住関連消費でも、
バーゲンやセール、特売に、
反応しなくなる。

つまりエブリデー・ロープライスが、
歓迎される領域が広がりつつある。

コモディティ化現象がさらに、
顕著になってきている。

これは消費者が賢くなったからでは、
断じてない。

消費者は、
ずっとずっと、
賢かった。

日本の消費者は、
バブルとその崩壊を経験して、
さらに賢くなった。

それも1990年代のことだ。
日本の消費のピークは、
1997年である。

敢えて言えば、
この1997年から、
躍らない消費者となった。

消費者を、
馬鹿な存在だと舐めてかかっていた者たちが、
今、慌て始めた。

そして消費者が賢くなったと、
騒ぎ始めた。

全体として消費者はもともと賢いから、
コモディティ化現象を見抜く。

コモディティ化は製造や生産の側が、
自らもたらした実に皮肉な現象だ。

それをアメリカの消費者は、
1991年から見抜き始めた。

私はそう考えている。

そして馬鹿げたバーゲンや特売に、
徐々に無反応となってくる。

しかし一方、理屈のある低価格には、
大いに反応し、声援すら送ってくれる。

世界のアルディやアメリカのウィンコ・フーズ。
もちろんウォルマートやテスコ・クローガー。

その理屈を追い求める。

目先の異常な売上げづくりの操作や、
子供騙しのイベントには、
反応する顧客も存在しないわけではないが、
大局は、辻村さんの言うとおり、
反応が薄まってくる。

先週の土日、今日の火曜日の祭日。
店頭の動きはどうだっただろうか。

今日の日経新聞一面トップには、
「イオン、ダイエーを完全子会社へ」

これはむしろ当然の成り行き。
その時期が2015年春と決まった。
20140924071139.gif

かつて1995年2月期には、
3兆2000億円もあったダイエー。
このロゴマークだった。
20140924071129.jpg
その14年2月期連結売上高は、
8136億円。

なんと4分の1。

総合スーパーでも、
1位、イオンリテール
2位、イトーヨーカ堂、
3位、ユニーに次ぐ4位。

そのうえ営業損益は2期連続の赤字。

それでも現在のダイエーは全国約280店。

そのダイエーの強い関東、関西の都市部では、
ダイエーを中核企業にして、
イオングループの他社を再編し、
その後の再上場も視野に入れる。

それは販売力だけでなく、
物流や情報、店舗網、
そして何よりも厚い人財の最適化を図り、
賢い消費者に理論的に、
安さを提供する策でもある。

私は当然の成り行きだと思う。

ずっと賢くあり続けた消費者は、
購買局面において極めて賢いからこそ、
ダイエーのイオンへの併合を、
望むに違いない。

秋分の日。

いい日は、いいな、と考えよう。

〈結城義晴〉


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