結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年03月03日(木曜日)

桃の節句[生きる側に立とう・壊す側には立たない]いつも・ずっと。

3月3日、桃の節句。

雛祭り。
女子の健やかな成長を祈る節句。

とはいうものの、
世界的に命が軽んじられていて、
どうも憂鬱だ。

COVID-19パンデミックによって、
多くの人命が奪われた。

さらにロシアのウクライナ侵攻は、
テレビやインターネットを通じて、
人々の命が奪われる様を見せつける。
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心が晴れず、
深夜まで海外のニュースなど、
眺めている。

仕事も手につかない。

私は文章を書くことを、
仕事の一つにしている。

何かを思い描いて、
それを文に表現していこうとすると、
どうしてもウクライナに思いが至る。

とくにブログなど書くときには、
そのことに心が引き寄せられる。

「ほぼ日」の糸井重里さん。
「今日のダーリン」で詩を書く。

――歌を歌ってる人は、
そのまま歌をやめないで。
踊っている人は、
そのまま踊っていて。
ごくごく乳を飲んでいる赤ん坊、
もっと飲んで。
キスシーンを演じている俳優、
うまくキスして。
おカネを勘定してる人、
儲かってますか。
運転手さん、
目的地まで安全に行ってください。
それは、
春を待つ花のようなことなのだから。

祈ろうと思う、
そして願おう。
貸すことのできる手があるなら、
それを伸ばそう。
春を待つ花、
咲くのをやめて祈ることはしない。
それでも、いちばんあたりまえのことを
祈っていよう。
なにもできないということはない。
たくさん生きる、
という側に立っていること。
どの人も、どの場所も、
生きるようにいたはずだ。
すべてを壊してやる、
という側に立たないこと。
それはそうするものの心までも
壊し切るよ。

歌を歌っている人は、
そのまま歌をやめないで。
踊っている人は、
そのまま踊っていて。
ごくごく乳を飲んでいる赤ん坊、
もっと飲んで。
わがままな猫、いいよ、
わがままを言ってなさい。
家を飛び出した少女、
雨をしのげるところを探せ。
お医者さん、そこにいるその人を
助けてください。
みんな、春を待つ花のように
今日を生きていく――。
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祈ろう。

さて商人舎流通スーパーニュース。
商人舎ニュース
PPIHnews|
ウクライナ避難民100世帯の受け入れを発表

㈱パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。
ウクライナに対する人道支援。
100世帯の避難民を受け入れる。

さらに経済的支援、
生活面のサポート、
就業機会の提供などへと、
この取り組みを発展させていく。

何もできないということはない。
できることをやろう。

さらに、
ファーストリテイリングnews|
「届けよう、服のチカラ」プロジェクトが受賞

㈱ファーストリテイリングが、
「届けよう、服のチカラ」プロジェクトによって、
「第11回キャリア教育アワード大企業の部」
最優秀賞を受賞。
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2006年から「全商品リサイクル活動」を実施。
同時にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協働。

回収した服を世界各国の難民・避難民に、
寄贈する活動をスタート。

2013年からは、国内外の学校に呼びかけ、
「届けよう、服のチカラ」プロジェクトを発足。
2022年に10年目を迎えた。

これまでにのべ2829校、
約30万人の子どもたちが参加し、
約420万着の子ども服を回収し、
世界の難民の人々の生活を助けてきた。

ウクライナの避難民にも、
届けられるに違いない。
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祈ろうと思う、
そして願おう。
貸すことのできる手があるなら、
それを伸ばそう。

なにもできないということはない。

たくさん生きる、
という側に立っていること。

すべてを壊してやる、
という側に立たないこと。

そう、
生きる側に立とう。
壊す側には立たない。

いつも、
ずっと。

〈結城義晴〉

2022年03月02日(水曜日)

マックスバリュ津田山店刷新とロピア方針発表会の「加速の加速」

3月に入って、梅の季節。IMG_12652
(まつりごと)(から)き国にも梅さくや
〈 芥川龍之介〉

彼の国にも梅は咲いているのだろう。

昨日は午前中、ZOOM記者会見。IMG_12642
一番右でマイクを持っているのが、
平松正嗣㈱平和堂代表取締役社長。

商人舎流通スーパーニュース。
平和堂news|
愛知県16店目「平和堂ビバホーム一宮店」3/1新設オープン
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ハトッピーを中心に全員集合の写真。
平和堂らしくてとてもいい。

スーパービバホームの1階に、
スーパーマーケットでオープン。
売場面積679坪。
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もう一定の完成の域に達した店づくり。274999598_4971143682945937_5933971495838503661_n2
平松社長はすべての質問に、
丹念に真摯に応えてくれた。

その姿勢もとてもよかった。

今日は朝から神奈川県川崎市へ。
マックスバリュ津田山店、
リニューアルオープン。IMG_13362

これも商人舎流通スーパーニュース。
マックスバリュ関東news|
買物体験型3号店「MV津田山店」3/2改装オープンIMG_13182

津田山店は2003年10月にオープン。
その老朽化した店舗を、
買物体験型フォーマットとして刷新。

1フロア622坪のスーパーマーケット。

2020年10月のおゆみ野店、
2021年7月の東習志野店に続いて、
新フォーマット3号店。

鮮魚部門は対面方式の売場を設けて、
毎週火曜日には朝獲鮮魚を、
小田原港から直送する。
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青果⇒精肉⇒鮮魚⇒惣菜・ベーカリー。IMG_13302

朝9時に開店してから、
島田諭社長がインタビューに応じてくれた。
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島田さんも丁寧に、意欲的に、
時間をかけて話してくれた。

感謝したい。

そのあと、売場で写真。IMG_1549 (4)2
右は下村恭徳第1エリア統括マネージャー。

下村さんからは今回も、
新しい引き立て珈琲を試飲させてもらった。

拙著「新店ドラ」も、
購入して読んでくれていて、
「悩み事が解決しました」とコメントしてくれた。

こういった反応は著者として、
何よりもうれしい。

ありがとうございました。

その後、昼すぎに東京品川。
品川プリンスホテル。
5階のアネックスタワー プリンスホール。
2400人収容の大ホールに、
完全ソーシャルディスタンシングで、
500人が参集。

㈱ロピアグループ52期方針発表会。

ロピアは2月末日の決算期だが、
その2日後には決算をして、
新年度の方針発表会を開催する。

店舗の部門チーフ、本部スタッフ、
関連会社幹部が参加する。
もちろん取締役や幹部も参集して、
前期の数字をもとに、
新年度の方針や予算を発表する。

最初に高木勇輔代表取締役が、
壮大な中期ビジョンを披露した。

そのあとは全幹部の発表、
子会社のトップの発表。

それから高木秀雄名誉会長の訓話。

さらに、
料理の鉄人・道場六三郎さんが登壇。

昨12月28日、㈱道場六三郎事務所は、
ロピアの子会社となった。

もちろん銀座の「ろくさん亭」は、
ロピアの系列ということになる。

道場さんは91歳だが矍鑠としていて、
週に2、3回はゴルフラウンドする。
その合間にも必ず練習場で球を打つ。
その結果、エージシュートを、
8回記録している。

凄い。

その道場さんのあとが、
方針発表会最後の講演。
結城義晴。
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45分の短い講演だが、
ロピアのチーフたちを元気づける話となった。IMG_16092
ご清聴を感謝したい。

最後の最後に、
内田貴之さんとツーショット。
取締役管理本部長。IMG_16162
ピーター・ディアマンデス著。
『2030:すべてが「加速」する世界に備えよ』
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原題は、
「The Future is Faster than You Think」
未来はあなたが考えているよりも早い。

そのスピード感が優先されねばならない。

コロナが時間を早めたことは確かだが、
そのあと2030年以降も、
「加速が加速する」。

ただし私は、いつも言う。
「今日も一日、
慌てず、急げ」

〈結城義晴〉

2022年03月01日(火曜日)

ユヴァル・ハラリ「21Lessons」と「プーチンの戦争」

今日から3月。

またまた書いてしまうけれど、
一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。

東京新聞の巻頭コラム「筆洗」。
昨日の2月最後の日に、
那珂太郎さんの詩「音の歳時記」を取り上げた。
那珂太郎詩集

この作品は、
一年間のそれぞれの月を、
オノマトペ(擬態、擬音語)で表す。

1月 しいん
2月 ぴしり
3月 たふたふ

「しいん」は静まり返る森の音。
「ぴしり」は氷の割れる音。

そして「たふたふ」は、
雪解け水を集めた川が、
滔々(とうとう)と流れ、
大地を潤す音。

ちなみに、
4月 ひらひら
5月 さわさわ
6月 しとしと

オミクロン株の感染症は、
ひらひらには終わるか。
さわさわまで、
あるいはしとしとまで、
続くのか。

プーチンの戦争は、
ドニエプル川の「たふたふ」のときには、
終結するのか。
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それもどう、
終わるのか。

ウクライナの人々は、
死を決意しているようにさえ見える。
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とても悲しいことだ。

ユヴァル・ノア・ハラリ著。
『21Lessons』
「21世紀の人類のための21の思考」
21Lessons
実にいい本だ。

1冊持っておくことをお薦めする。
そして何かが起こったときに読み、
ものを考える羅針盤にする。

この11章は「戦争」。

まるで今回のプーチンの戦争を、
予言したような記述が展開される。

「ロシアは学校のいじめっ子の原理を守ってきた」

すなわち、
「一番弱い子供をいじめろ。
だがやり過ぎるな。
先生が割って入ってこないように」

しかしプーチンはそれを忘れた。

「プーチンのロシアは、
普遍的なイデオロギーを欠いている」

ソビエト連邦は冷戦時代に、
「全世界に及ぶ共産主義の魅力を
頼りにしていた」

「それに対してプーチニズムには、
キューバ人にもヴェトナム人にも、
フランスの知識人にも、
提供できるものがほとんどない」

もちろん習近平にも、
それはない。

21世紀の戦争には、
経済の性質の変化も影響している。

戦場で敵を打ち負かしても今日、
経済的利益はわずかしか得られない。

「今日、主な経済的資産は、
小麦畑や金鉱ではなく、
油田でさえもなく、
技術的な知識や組織の知識から成る」

そして「知識は戦争では、
どうしても征服できない」

そしてハラリは現時点の戦争を予測する。
「悲しいかな、21世紀には
戦争がそんな企てであり続けたとしても、
平和の絶対的保証にはならない」

「人間の愚かさは、
けっして過小評価するべきではない」

「人間の愚かさから
私たちを守ってくれる神もいなければ、
自然の法則もない」

ならばどうすればいいのか。

「人間の愚かさの
治療薬となりうるものの一つが、
謙虚さだろう」

そして次の章は12「謙虚さ」

その結論は、
「あらゆる形の謙虚さのうちで
最も重要なのは、
神の前で謙虚であることかもしれない」

私ならばさしずめ、
「商売の神様」ということになるかもしれない。

ハラリは無責任ではない。

だから13章「神」で、
最後に語る。
「どこの神殿も訪れず、
どんな神も信じないというのも、
有力な選択肢だ」

「必要な価値観はすべて、
世俗主義に提供してもらうことができる」

そして14章「世俗主義」では、
理想的な世俗主義者を論じていくが、
真実、おもいやり、平等、
自由、勇気、責任などの単語が並ぶ。

それは倉本長治とピーター・ドラッカーに、
限りなく近いものだ。

かくてプーチンにも、
長治やドラッカーを学ばせる必要がある、
ということになる。

「損得より先に善悪を考えよ」

ハラリは、いい。
ハラリ

さて3月のスケジュール。

今週木曜日の3月3日はひな祭り。
土曜日の3月5日は二十四節気の啓蟄。

3月11日金曜日は、
東日本大震災から11年目の日。
亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。

3月14日のホワイトデーは、
今年は月曜日だから、
余計に義理チョコのお返しを忘れずに。

啓蟄から15日後は、
春分の日。
今年は月曜日の3月21日。

三連休とはならない。

春分の日を中日として、
3月18日(金曜日)が春の彼岸の入り、
3月24日(木曜日)が彼岸の明け。

このころから花見のシーズン。

「ひらひら」の月につながっていく。
この時分には何とか、
コロナ禍に見通しが立っていてほしい。

今年の桜を私たちは、
どんな気持ちで見ているのだろう。

〈結城義晴〉

2022年02月28日(月曜日)

春らしく、商売は明るく、仕事は元気に。

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑨]

2022年第9週。
2月も最終週で今日は2月最終日。
明日の火曜日から3月。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。
三月、去る。

いずれの月も、
時は素早く過ぎていく。

2月20日に北京冬季五輪が終了し、
3月4日に北京冬季パラリンピック開幕。

その合間を縫うように、
ロシア軍がウクライナに侵攻。

数多くの戦車が国境を超えて、
隣国の領土を奪っていく。

2022年の出来事とは、
とても思えない。

ウラジーミル・プーチン大統領は、
その間にウクライナを降伏させて、
傀儡政権を樹立してしまう、
そんな腹積もりだったのか。

国際法違反であることは明白だ。

しかしウクライナの抵抗は予想を超えていた。

今日、両者による停戦交渉が行われた。
どうなるかはわからない。

経済における制裁も、
スポーツや文化の制裁も、
ロシアの人々には、
想像を超えた痛手となるだろう。

SWIFTからの排除が宣言され、
ロシア最大手銀行ズベルバンクでは、
子会社ズベルバンク・ヨーロッパが、
破綻の危機に直面した。

指揮者のワレリー・ゲルギエフは、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の、
米国カーネギーホールの公演で、
交代させられてしまった。
ゲルギエフ
ゲルギエフはロシア最高の指揮者だが、
長年、プーチンを支持している。

IOC(国際オリンピック委員会)は、
ロシアとベラルーシの選手を、
国際大会から除外するよう勧告した。

世界の主要都市で、
反戦デモが展開された。

しかし新型コロナウイルスとの闘いは、
停戦しているわけでもないのに、
ちょっと話題が沈静化している。

東京では9632人、
神奈川では6404人の、
新規陽性者が判明した。

高齢の重症者にとっては、
オミクロン株と言えど、
死と隣り合わせの危険度をはらむ。

医療従事者のみなさんも、
感染者の家族や仲間も、
これまでと変わらない厳しい状況にある。

それも忘れてはならない。

世界は暗い。

しかし商売は明るくいきたい。
仕事は元気にやり遂げたい。

さて今日は、
午前中、単行本の校正を終わらせ、
セミナー企画案をつくって、
そのあと昼過ぎから、
商人舎オフィスでオンライン会議。

第一屋製パン㈱の臨時取締役会。

さらに久しぶりの座談会。IMG_14652
小売流通業の雑誌から、
座談会が消えてしまった。

私は座談会、鼎談、対談、
どれも大好きだ。

話し合いをしているうちに、
ワイガヤで新しい価値が生まれる。

もちろん原稿にする編集者の、
文章力がなければいい座談会にはならない。

商人舎はそれができる。

ZOOM参加は竹下浩一郎さん。
㈱リテール総合研究所代表取締役。
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私が採用した、元商業界食品商業編集長。

それからリアル参加は、
中野茂さん(右)と相川貴文さん。
中野さんはブルーチップ㈱常務、
相川さんは㈱クレオマーケティング部長。IMG_E15142
この4人に亀谷しづえ商人舎GMが加わって、
1時間半、話し合った。

実に面白い内容になった。

月刊商人舎3月号で披露する。
ご期待いただきたい。

商売を明るくする。
仕事を元気にする。

そんな座談会だった。

しかし、
稲畑汀子さんが亡くなった。
あの高濱虚子の孫で、
俳誌「ホトトギス」名誉主宰。
91歳だった。
稲畑汀子
今日何もかもなにもかも春らしく

しかし、ウクライナとロシアの春は遠い。

では、みなさん、
今週もよろしく。

春らしく、
商売は明るく、
仕事は元気に。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年02月27日(日曜日)

トランプの「彼は天才だ」発言と「命を大事にする商売」

2月最後の日曜日。

ウクライナはまだ土曜日。
春は遠い。

世界中がウクライナを支援している。
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米国前大統領のドナルド・トランプ。
2月22日にラジオ番組に出演して発言した。
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「私はテレビで見て、
“天才だ”と言ったんだ」

「なんて賢いんだ」

ロシア大統領ウラジーミル・プーチンのこと。
日経新聞号外ウクライナ侵攻
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官。
「プーチン大統領と彼の軍事戦略を
たたえるような人物からの助言は
受けないようにしている」

その後、26日には、
「保守政治活動会議」の演説で、
「問題はロシアのプーチン大統領が
賢いことではなく、
我々の指導者が間抜けなことだ」

ジョー・バイデン大統領を貶めるために、
プーチンを持ち出した。

アメリカ自身の分断が、
同国の国際的リーダーシップを失墜させ、
プーチンの暴挙を呼んだ側面は否めない。

分断を広め、深めたトランプの責任が、
消えることはない。

何を言おうが個人の勝手だが、
ウクライナでは戦火の中、
民間人も武器を手にしている。

そして多くの何の罪もない人たちが、
傷つけられ、殺戮されている。

ロシア軍の兵士たちも死んでいる。

ドイツのオーラフ・ショルツ首相は、
国民に向けたテレビで演説した。
「彼ひとりがこの戦争を決断し、
全面的に責任を負う。
これはプーチンの戦争だ」

さらに議会で演説した。
「この戦争は、
ウクライナにとっての惨劇であるが、
それはロシアにとっても惨劇となる」

ドイツ議会の全ての会派の代表者が、
プーチンを「侵略者だ」と一致した。

ほぼ日刊イトイ新聞の巻頭エッセイ。
糸井重里執筆の、
「今日のダーリン」
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「戦争関連のニュース、
じぶんだけが知ってる情報はない。
いや、海の外の戦争ばかりでなく
“みんなの知らない、
おれたちだけが知ってる真実”
なんてものは、
なかなかあるものじゃない」

その通りだ。

そこで糸井は思い出す。

「吉本隆明さんが言ってたこと」
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糸井が吉本さんに質問した。
「どこから情報を仕入れているんですか」

答えは、
「ふつうの新聞に書いてあることばかりです。
だれでもが手に入れられる情報だけです」

「分析したい問題を”水”だとして、
“酸素と水素”にあたる情報が何なのかを
うまく見つけることができるかどうかだけです」

そこで糸井さん。
「コロナも、ウクライナも、
そういえばなのだが、
“おれたちだけが知っている真実”は、
危うい」

同感だ。

「”反対する”にも、
“何に対して反対するのか”がある。
“戦争”なのか”敵”なのか、
“あの個人”なのか?」

「”応援する”にもいろいろあって
“難民に手を貸す”も、
“資金や物資を提供する”も
“共に銃を持つ”もある」

「ぼくらがいまいる場所で
何かをすることと、
敵軍兵士の銃の前ですることとは、
まったくちがうことだとさえ言えるだろう」

「いまじぶんのいる場所で、
いまの、このじぶんは、
なにができるのか考えると、
できることは多くはない」

同感だ。

「あのときと同じだ、
まず、できることをしよう」

そう、自分でできることから始めよう。

「個性的な”すっごくいい考え”なんかもない」

それを売り物にする者がいたとしたら、
詐欺師か、限りなくそれに近い者だろう。

糸井重里の最後の言葉。
「生きる方向へ!」

すべては「命」から発しなければならない。

商売も仕事も、
自ら命を燃やし、
人々の命を
輝かせるためにある。

だから命を大事にしない者を、
天才だとか、賢いだとか、
絶対に言ってはならない。

〈結城義晴〉

2022年02月26日(土曜日)

ウクライナは耐えている。

ウクライナは耐えている。
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首都キエフは陥落寸前だが、
士気は高い。

世界はロシアに対して、
もっとも厳しい措置を、
断行しなければならない。

それは西側にとっても大きな痛手となる。

しかしその痛手を正面から受け止めて、
戦争は人類に大きな痛手をもたらすことを、
自覚しなければならない。

早急にロシアを、
SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除する。

これは民主主義世界の痛手ともなる。

しかしそれをすることが、
戦争を終わらせるのならば、
世界が喜んで痛手を受けるべきだ。

両側の首脳たちが、
顔を出し、発言しつつ、
戦争は進む。

その間に兵士たちも、
民間人も、
子どもまで、
死んでいる。

不思議な戦争だが、
一刻も早く止めさせねばならない。

朝日新聞「折々のことば」
第2304回。

何といっても
本当に面白い点は
事実の羅列にあるのであって、
議論にあるのではない
(“雪博士”と呼ばれた物理学者・中谷宇吉郎)
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「科学の先端的なトピックに飛びつき、
それをもとに
“高遠な”思想を語るのではなく、
問いと探究を地道に重ね、
何がどこまで明確になったかを淡々と語る。
そのほうが心も躍る」

「良い絵は見て感心するだけで充分。
それと同じだ」

事実が羅列されたものは、
良い絵と同じだ。

ノンフィクションの良さは、
ここにある。

私もモノを書くときに、
理想とするのは事実の羅列だ。
そのことで体系が見えてくるのがいい。

『コロナは時間を早める』も、
そんな本を目指した。

「情報が錯綜(さくそう)する中で、
何より重要なのは、
物語ではなく事実の正確な描写だ」

物語が先にあるのではなくて、
事実の正確な描写が物語となる。
それが一番いいと思う。

ロシアによるウクライナ侵攻も、
正確な事実の描写によって、
真実を明らかにしなければならない。

さて今日は夕方から銀座。
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数寄屋橋交差点の東急プラザ。
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ソニーパークの隣のエルメス。IMG_1254 (002)2

有楽町の駅の方角に、
丸の内ピカデリー。IMG_1256 (002)2
平和だし、自由だ。

㈱ロピア社長の高木勇輔さん。IMG_1460 (002)2
今日は石原靖曠先生と食事して、
ノンフーズのレクチャーを受けた。

勉強になった。

中日新聞の巻頭コラム、
「中日春秋」

ウクライナの国民的詩人タラス・シェフチェンコ。
19世紀の帝政ロシア時代の人。
そのころウクライナは、
ロシア帝国の一部だった。
農奴の子に生まれ、
政治犯として流刑もされた。
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その詩「遺言」。

わたしが死んだら、
なつかしいウクライナの
ひろびろとした草原にいだかれた
高き塚の上に 葬ってほしい。
果てしない野の連なりと
ドニエプル、切り立つ崖が
見渡せるように。

ウクライナ、
キエフ、
ドニエプル川。

美しいところだ。

わたしを葬り、
立ちあがってほしい。
鎖を断ち切り、
凶悪な敵の血潮で
われらの自由に
洗礼を授けてほしい。

ウクライナは立ちあがっている。

彼らの自由は洗礼を授けられている。
それを信じたい。

〈結城義晴〉

2022年02月25日(金曜日)

プーチンが信じる「西側の衰退」とカスミBLANDEの「新体系」

ウクライナ共和国の状況。
どんどん悪くなっている。

首都キエフの陥落は、
もう目前に迫っている。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領。
キエフ国立経済大学を出て、
俳優・コメディアンになった。
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主演の政治風刺ドラマ「国民の僕」は、
普通の歴史教師がひょんなことから、
素人政治家として大統領に当選する物語。

その役どころの通りに、
2019年の大統領選挙で、
7割の票を獲得して勝利してしまった。
44歳。

そのゼレンスキー大統領が、
国民総動員令に署名した。
18歳から60歳の男性市民を、
90日以内に兵士として動員する。

ここまで来ても誰も直接、
軍隊を送る気配はない。

私はウクライナ人ではないし、
もうこの動員の年齢枠を超えているが、
いつでも人々の盾になる覚悟はある。

臆病者ではあるし、
体が強いわけでもないが、
その決意はある。

日経新聞電子版に、
ライオネル・バーバー氏が書いている。
英国フィナンシャル・タイムズ前編集長。

「ウクライナに全てを賭けるプーチン大統領」

実にクールな分析だ。

2019年夏、モスクワのクレムリン。

「時計の針が午前0時を回ろうとしていたころ、
私はロシアのプーチン大統領に、
“権力を握る期間が長くなるにつれて、
リスクを取ることへの欲望も
高まっているのではないか”と問うた」

バーバー氏はウラジーミル・プーチンに、
直接インタビューをしたのだ。

プーチンの答え。
「リスクへの欲望は増えるものでも、
減るものでもない。
リスクは常に正当化されるべきだ」

そしてロシアのことわざを言った。
「リスクを取らない者は
シャンパンを飲むことはできない」

バーバー氏。
「権力を握ってから20年以上が経過し、
プーチン氏はウクライナ侵攻という
最大の賭けに出た」

なぜ、プーチンは大きな賭けに出たのか。

多くの専門家の推理。

①北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大
②米国主導で行われたイラク戦争や
リビアのカダフィ政権崩壊
③将来的に隣国のジョージアやウクライナが
NATOに加盟し、独裁国家のロシアが
欧米型の民主主義に囲まれる

いずれも妥当だ。

しかしバーバー氏は、
もう一つ大事な視点を指摘する。

「プーチン氏は
“西側の衰退”という物語を

信じているのだ」

ん~。

つまり民主主義の衰退を信じている。

プーチンが一番恐れているのは、
「ウクライナにNATOが拡大することでない」

バーバー氏。
「本当に恐れているのは、
民主主義が自国の玄関先にまで迫ることだ」

「だから、ウクライナが独立国家として
自らの意志で選ぶ権利を
否定したいと考えている」

「これこそが、プーチン氏が
ウクライナの征服を命じた理由だ」

民主主義の衰退を信じていながら、
それが玄関先まで迫ることも恐れている。

「プーチン氏は、
西側の民主主義諸国が長期間の対峙に備えた
胆力を持ち合わせていないことに賭けている」

だから西側の作戦は簡単である。
長時間の対峙に備える胆力を持つことだ。

「現時点でプーチン氏は
批判や理性には動じないようにみえる」

「大写しになると身も凍るような
プーチン氏の目は、
ロシアの歴史によって訓練されてきた」

「彼は19世紀の古い帝国時代の
領土の一部と”偉大さ”を復元した
21世紀の皇帝になりたいと願っている」

21世紀の皇帝。

習近平と同じだ。

結語は祈り。
「過去の多くの侵略者のように、
彼が致命的に行き過ぎたことを
我々は願うのみだ」

これでは解決策にならないけれど、
「勝利とは
自ら勝ち取るものではない。
敵から恵んでもらうものだ」
(塩野七生『ローマ人の物語』より)
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今日は朝早くから、
つくばエクスプレスに乗って、
研究学園へ。

商人舎流通スーパーニュース。
カスミnews|
食に特化した「BLANDE研究学園店」2/17開設IMG_11502
この店の取材とインタビュー。
塚田英明常務取締役上席執行役員。
営業統括本部マネジャー、
兼 商品開発本部(管掌)、
兼 新業態開発プロジェクトリーダー、
兼 組織人事プロジェクトリーダー。

10時前に到着すると、
待っていてくれた。
IMG_10422

ざっと一巡りして、
中2階のカフェへ。
IMG_11072

外を向いたソファに、
二人で腰かけて話した。IMG_13392

目の前の光景の遠景には筑波山。IMG_1102 (1)2
1時間半もたっぷり話してもらって、
塚田さんの意図が実によくわかった。

新しいフォーマットだが、
それは店の形や商品だけではない。
店舗コンセプトが、
組織やオペレーションと、
密接に絡みついている。

その体系そのものが新しい。

塚田さんは、
コーネル大学RMPジャパン伝説の一期生。
わがことのようにうれしくなって、
話を聞き終えたあたりで涙が出てきた。
IMG_13522

新著「新店ドラ」にサインしてプレゼント。IMG_13402

そのあと写真撮影をしていたら、
ベーカリーで男の子を見つけた。IMG_11032

カレーパンの前に座って、
じっと見ていた。IMG_E11042
いい店です。

そして、
高野康詔(やすのり)ストアマネジャー。
IMG_1386 (002)2

月刊商人舎3月号に、
塚田英明インタビューとともに、
紹介する。

そのあとブランデ1号店へ。
カスミnews|
Food&Drugの「BLANDEつくば並木店」1/28開設IMG_12342
こちらはカスミ&ウエルシア。

中央にドラッグストアがデンと構えている。
IMG_12292

周辺をスーパーマーケットが取り囲む形。
IMG_11582
1号店、2号店が全く異なる性格をもつ。
これもいい試みだ。

橋本明ストアマネジャーに、
丁寧に案内してもらって、大満足。IMG_14522
この店も商人舎で紹介したい。

ありがとうございました。

期待の大きな新フォーマット。
やはりコロナが時間を早めて、
このフォーマット開発を後押しした。

コロナは衰退も早めるけれど、
イノベーションも早める。

全部終わって、
つくば駅までタクシー。

ちょっとだけ、
ロピアつくば店を覗いた。IMG_12392
駅前の西武百貨店跡への出店。
ロピアの得意のパターンではないが、
まあまあのレベルだった。

ウクライナはどうなるのか。
私は民主主義の停滞は感じるが、
衰退を信じたりはしない。

〈結城義晴〉

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