結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年07月24日(金曜日)

コーネル・ジャパン卒業旅行記②感動の最終講義と修了証授与

ニューヨーク時間7月23日、午前8時。
イサカ市のラマダ・イン。
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今日は、コーネル・ジャパンの最終講義。
そして、修了証が授与される。

さっそくバスに乗り込む。
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バスの中でも、なぜか嬉しそうな結城義晴。
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すぐに、広大なコーネル大学のキャンパスに入ってくる。
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日本の大学の1000倍もあるだろう敷地。
なんといっても、ゴルフ場がキャンパス内にあるくらい。

そのスタットラー・ホテルへ。
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有名なスクール・オブ・ホテル・アドミニストレーション。
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大高愛一郎コーネル・ジャパン事務局長は、
16年前にここで学んで、MBAをとった。

スタットラー・ホテルは、その研修機能を兼ねていて、
学生によって、運営されている。
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ロビーの奥のカベには、
このホテルに寄付した企業の名前が入ったガラスの皿が飾られている。
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私たちのセミナールームは、「エール」。
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「ジャパン・プログラム」と掲示がある。

そしてコーネル・ジャパン名誉学長のジーン・ジャーマン先生と再会。
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コーネル大学名誉教授で、
食品流通の世界最高権威。

早速、朝一番の講義。
大高事務局長の司会。
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もう一年が経過してしまった。

ウィリアム・ドレイク教授から、スケジュールの確認。
do

まず、副学長の挨拶。
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コーネルの先生方に、
そして故西村哲さん、本間謙伍さん、
大高愛一郎さん、
日本セルフ・サービス協会の皆さん、
すべての皆さんに、心から感謝。

ロッド・ホークス先生の講義。  
「世界の食品産業、その課題と潮流」  
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ホークス先生は、コーネルで30年間、研究生活を送るベテラン教授。
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何ともうらやましいかぎり。

食品産業に影響を与えているものは、まず三つのトレンド。
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①都市化
②飽和化
③集中化  

これは世界中、どの国にも共通する現象。
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その中で、世界の小売企業はどう転換を図っているか。

ヨーロッパ、アメリカ、アジアの国々の現状を紹介しながら、
見事に課題と潮流を解き明かしていく。
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私には、ウォルマートの新しい考え方が、実に良い勉強になった。
2007年にウォルマートは、19年ぶりにキャッチフレーズを変えた。
「Save money,live better.」  
商人舎の標語にもさせてもらった。
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しかしこの標語には、ウォルマートの大転換の意味が込められていた。

どこのマスコミにも、どんな媒体にも載っていない内容。
詳細は、いずれ私の考え方を組み入れて、公開の予定。

ホークス先生の講義は、食の安全・安心と環境対応に至って、終了。
ホークス先生があるスーパーマーケットのCEOに聞いた。
「今、一番の問題は?」
かつてならば、「ウォルマート対策」「競合問題」という答えがあった。
しかし現在は、「安全・安心と環境こそ、死活問題と答える」

世界的に、大きなトレンドだ。

ホークス先生は、3時間近く、一気に語った。

そして、エドワード・マクラフリン教授を紹介。
マクラフリン先生こそ、このコーネル・ジャパンの学長。
そして、コーネル大学食品産業プログラムの総責任者。
つまりジャーマン先生の後継者にして、現在の世界最高権威。
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マクラフリン先生の登場をもって、
午前中の講義終了。

昼食。

レストランは、同じ階。
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バイキング方式ながら、
美味。
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ローストチキンが、特に、美味。
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そして全員で、食事。
食事のときは、無言。
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午後1時、ほんとうに最終講義。
マクラフリン学長の「Forecast for the future」  
「未来予測」  
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マクラフリン先生は、まず、
日米の経営者やマネジメントに質問をして、
答えを得ていた。

日本は今回のコーネル・ジャパン第一期生。
アメリカは、前日に終了したばかりの食品産業プログラム受講生。
そのアンケート比較。
実に興味深い。
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そしてこのアンケートへの回答をテーマに、
学生への質問が始まった。

質問しながら、考えさせる。
誘導したり、追い詰めたり、
あるいは先を考えさせたり。

私には、この講義の進め方が、実に興味深かった。
勉強になった。

自分の答えをすでに出している第一期生たち。
それが米国の同業者の答えと比較される。

そして質問。

第一期生の表情を追ってみる。

福原郁治さん。
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和田浩二さん。
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飛嶋聡さん。
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福谷耕治さん。
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途中で、全員に手を上げさせる。
そしてまた質問と問答。
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服部哲也さん。
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答えを引き出したら、
謎解きをする。

そしてまた質問。

答える猫宮一久さん。
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詰め寄られても、しっかり対抗する夏原行平さん。
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そして、飯塚正彦さん。
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そして最後にマクラフリン先生の仕掛けがあった。
まず皆に、これから日本のスーパーマーケットの売り場面積は、
拡大するか否かを問うた。
「拡大よりも、ピークを迎えて縮小するだろう」という答えが多数。

そのあと、しばらくしたところでの質問。
「品揃えアイテム数は、増えるか否か」
これには、増えると答えた人が多かった。

これらを直結すると、
面積が狭くなるのにアイテムは増える。
「どうするのか?」

マクラフリン先生の勝ち。

実に面白い講義。
勉強になった。

しかし答える第一期生の確信に満ちた語り口と表情は、
素晴らしかった。

私は誇りに思った。

そして最後の講義は終了。

皆の頭の中に、「将来を考える、その方法論が残った」

これを「弁証法」という。  

ソクラテスやプラトンが得意としたモノの考え方。
プラトンは、師ソクラテスの弁証法を書き残した。

「弁証法」とは、
「対話のかたちでモノを考えること」  

いつの間にか、第一期生は弁証法を身につけたのだった。

マクラフリン学長に心から感謝したい。

休憩中に、修了証への署名。
私は、薄墨の筆。
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マクラフリン先生はペン。
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そして私の最後の総括。
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食品は、どんな国でも確実に、
多様化・個性化・高度化する。
一方、成熟社会では、コモディティ化が、
驚くべき勢いで進む。
同質化、画一化である。
しかしこのコモディティも、
生活者にとって必須の商品。

だからコモディティは絞り込む。
多様化・個性化・高度化商品は、入れ替える。

世界のトレンドと弁証法の未来予測を聞いていて、
私の結論であり、持論。

しかし、自分で考えることが、
何よりも大切。
自分で考え、対話することが、
本当に必要。

それがコーネル・ジャパンの最大の収穫。

第一期生は、最後にも、
「伝説」をつくった。  

大高事務局長、登場。
修了証授与式。
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全員の名前を一人ひとり、私が、大声で、読み上げ、
マクラフリン学長が手渡し、
握手、握手。

まず、上野裕さん。
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阿部太さん。
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時岡肯平さん。
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三戸隆司さん。

藤原成人さん。
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小苅米秀樹さん。
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和泉洋さん。
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能州彰さん。
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塚田英明さん。
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そして渡邊武さん。
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皆さん、ほんとうにおめでとう。

最後の最後に、全員で、記念写真。
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「伝説の第一期生」  

「腐っても第一期」とは、アークス社長にして、
日本セルフ・サービス協会名誉会長の横山清さんの言。

「しかし、横山さん、そうは言わせません」

確かに彼らは「伝説」つくったのです。  

<結城義晴>  

2009年07月23日(木曜日)

コーネル・ジャパン卒業旅行記①いざイサカへ!

コーネル大学ジャパン卒業旅行。
いよいよ出発。

しかしこの3カ月間の新型インフルエンザ騒ぎは、
いったい何だったんだろう。
どこへ行っても、マスクはないし、
もちろん騒ぎは全くない。

昨7月22日、正午、
成田空港第一ターミナル北ウィング集合。
チェックインしてから、
結団式。

主催者(社)日本セルフ・サービス協会から、
専務理事の三浦正樹さん。
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「業界でも重要な人ばかりの旅行。
とにかく無事におかえりください」

そして副学長であり、今回の団長・結城義晴。
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「こんなに楽しくて、ある意味、楽なツアーは初めて。
1年間、一緒に勉強してきた同志の旅行だから。
大きな収穫を得て、帰ってきましょう」

そしてまた「伝説」をつくりましょう。

結団の乾杯の音頭は、
今回も同行してくださる㈱ニッコーレン会長の本間謙伍さん。
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コーネル大学RMPジャパン創設の功労者で、
コーネル大学FMIPご卒業の大先輩。

そして私たちは、
米国ニューヨーク州最北端のイサカ市までの長旅に出発した。

11時間ちょっとのフライトで、
デトロイトに到着。
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自動車産業の街デトロイトは、
乗り換え空港の役を果たしている。
全員集合して、次の出発便と集合ゲートの確認。
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17時25分発で、シラキュースへ。
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デトロイト空港内では、名物の噴水が、
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今回も水を噴き上げた。
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デトロイトで乗り換えまで2時間余り。
タバコ組は、我慢ならず、
「スポーツバー」に飛び込んで、
ビールとタバコ。
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今回は、コーネル講義と修了証授与式がある。
しかも今夜は、9時過ぎのホテル到着。

ビールもタバコも、許そう。
私もビール2杯。

さらに1時間半。
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湖に囲まれたニューヨーク州の北部の町が見えてきた。

全く簡素なシラキュース・ハンコック国際空港。
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すぐに大型バスに乗り込む。
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フリーウェイの81号線を南に下り、
右折してまっすぐ。
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まるで北海道へ来たような感じ。
フリーウェイの両サイドにサイロがあって、
牛が放牧されている。

北海道よりも緯度は高く、
もっともっと、もっと田舎。

その先にイサカの街がある。

そして私たちは、あこがれのコーネル大学の街に着いた。

ホテルは、一晩だけラマダ・イン。
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ロビーについて、ほっと一息。
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現地時間、午後9時。
成田に集合してから22時間が経過していた。

ホテル脇のファミリーレストランで、
ビールとハンバーガーの食事。

そのあとは隣の「トップス」へ。
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スーパーマーケットがあると、
ついつい足が向いてしまう。

明日は、いよいよコーネルのキャンパスに入る。

お楽しみに。

<1週間続きます。ブログアップ時間が遅れます。
申し訳ありません。お許しください。
精一杯頑張ります。
結城義晴より>  

2009年07月22日(水曜日)

ペガサス2500回記念セミナー、岡田卓也、小田豊、似鳥昭雄のフィランスロピー講演抄録

衆議院解散。  
40日間におよぶ真夏の選挙戦が展開される。
その間の経済と国民生活への空白の損害は、
最小限にとどめたい。

そして、商業・サービス業にかかわる人々の、
投票率を高めたい。
私の願い。

さて、日本百貨店協会から6月の発表。  
半年間の売上高は前期比11%のマイナス。
1割以上の落ち込み。  
二桁の売上げ減少は初めてのこと。
衣料品、身の回り品、雑貨、家庭用品が、
軒並み14%前後のダウン。
食品も3.8%のマイナス。

これで百貨店の年間総売上高が7兆円を割りそうな気配。

一方、『日経MJ』は、
2008年度のコンビニエンスストア調査を発表。  
1店当たり平均日販は、
第1位・JR東日本リテールネット66万円
第2位・大津屋65万円
第3位・小田急商事64万円
そして第4位に、セブン-イレブン63万円。
第5位は、シー・ヴイ・エス・ベイエリア59万円
以下、第8位にローソンで52万円、
第10位、ファミリーマートで51万円、
12位、サークルKサンクス50万円、
13位、ミニストップ49万円。  

私は、コンビニ業界は、10年くらいのタイムラグで、
スーパーマーケットを追いかけていると見ている。

ディスカウントしないコンビニが、
やり始めた。
グロサリーのプライベートブランドをもたないコンビニが、
持ち始めた。
惣菜の店内加工をしないコンビニが、
揚げ物を揚げ始めた。
生鮮を置かないコンビニが、
置き始めた。

はたして、次は?

さて、昨7月21日は、
ペガサスクラブ第2500回記念政策セミナー。  

東京・グランドプリンスホテル赤坂五色の間。

冒頭でペガサスクラブ主宰者の渥美俊一先生は、
2500回を振り返って、吐露し、述懐した。
atumi
日本にチェーンストア産業を構築するために、
一貫してフィールドワークの手法をもとに、
帰納法の考え方で、開発し、研究してきた。
そして演繹法によって普及、発展させてきた。

しかしアメリカにも、
200店を突破させる具体的ノウハウは、
残っていなかった。
みな、500店、1000店、3000店になってしまっていたから。

しかしセブン-イレブンとマクドナルドが、
日本にそのシステムをもちこんで、
何とか200店突破を成し遂げた。

渥美先生に続いて、記念公演は、
イオン㈱名誉会長相談役の岡田卓也さん。  
「イオン環境財団と岡田文化財団の活動」
okada

「戦後焼け跡にただ一つ残ったものは、
『岡田屋さん』の信用だった。  

その信用をもとに商売に励んでいたが、
規模が小さなときにも、社会貢献を考えた。
「風樹会」という交通事故で親を亡くした高校生の奨学金。
小さな会社であっても、地域貢献はできる。

合併して、会社が大きくなったら、
郷里に恩返ししたいと考えた。
そこで文化財団をつくって、
美術館を建設したり、絵画を寄贈したりした。
さらにイオン環境財団をつくって、
木を植え始めた。

「1%クラブ」という名称で、
税前利益の1%を環境問題の解決に使う。
メーカーや他の産業でもできるが、
小売業は、自分の店のお客様とともに、
木を植えることができる。
小売業にしかできない社会貢献だと思う。

現在は、環境の先を考えて、
COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)に取り組んでいる。

信用をつくり、のれんを守る。
その上で、自分の人生の中で何を残すか?
いま、それを考えている」

岡田さんは、事業には関与していない。
もっぱら財団の仕事。
そのボランティアの仕事で先を考えている。

「自分の人生で何を残すか」  

私は、ピーター・ドラッカー先生の言葉を思い出していた。
「あなたは何をもって憶えられたいか?」  

岡田さんの言葉は、実践が伴っているだけに、とても重い。
そして、現在も、先のことを考えている。
凄い。

続いて、六花亭製菓社長の小田豊さんの記念講演。  
「六花亭の地域振興支援活動」
oda
小田さんは、北海道・帯広の銘菓・六花亭の二代目。
先代の小田豊四郎さんは、
岡田卓也さんらと並んで商業界のエルダーだった。
エルダーとは、商業界の実務家最高指導者の意味。
その小田エルダーの遺志を継いで、
独特の事業展開と社会貢献活動をするのが小田豊さん。

まず、北海道の食文化の発展に功績のある人を表彰する「小田賞」。
食に関する文献を集めた六花文庫の収集展示。
児童詩集「サイロ」の発行。
これらは小田エルダーの始めたもの。

豊さんは、それに加えて、1992年、中礼内美術村をつくった。
そこには相原求一朗美術館、小泉淳作美術館、
北の大地美術館、夢想館などの美術館が並ぶ。

さらに2007年にオープンした六花の森は、
野草園を中心に、
坂本直行記念館、はらたかよし作品館、
サイロ50周年記念館などが設けられている。

小田さんは「すべては出会いの中から始まる」という。
そして「フローとストック」の考え方に至る。
「瞬間という時間、数百年という時空」  
「使い捨てる価値観と使い込む価値観」
そんな思いの中から、
美術館の村や六花の森の発想が浮かんだ。

本来は、菓子づくりで社会貢献する。
その上で、美術や芸術でフィランスロピー活動を展開する。

私は、『商売十訓』の第八訓を思い出していた。
「公正で公平な社会的活動を行え」  
倉本長治先生は、店は客のために、本業に徹せよと説いた。
その上で、ボランティア活動の尊さも教えた。
それが、この第八訓である。

三番目は、㈱ニトリ社長の似鳥昭雄さん。  
「ニトリの事業外社会貢献活動」
nitori
似鳥さんは60歳になるまで、事業に専念しようと考えていた。
その通り、会社は、絶好調を続け、
日本最大のホームファッション・チェーンストアへと成長を遂げた。
そこで60歳から、メセナ活動に入った。

基本の考え方は、
「木と人を育てる」  
ニトリは、家具をつくるために木を切る。
だから木を植える。
そしてその木を育てる人を育てる。

まず、ニトリ北海道応援基金を始めた。
①地域の文化や伝統などの発展・継承活動を助成する
②地域の環境保護や育成・保全活動を助成する
③北海道が元気になる活動を助成する
この中から「ふるさと北海道1000万本植樹計画」が生まれ、実行されている。

さらに似鳥国際奨学財団は、アジアからの留学生を支援する。
北海道学園大学寄付講座では、「チェーンストア理論」を、
似鳥さん自ら講師となって14回講義する。
これらは、「人を育てる」活動。

似鳥さんは、これらの活動の失敗談や反省点を交えて、
ユーモアたっぷりに語った。
場内では、爆笑が続いた。
ペガサスセミナー2500回の中で、
これほどに笑いをとった講師はいない。

しかし、メセナにおいても事業においても、
似鳥さんらしいリアリティにあふれた展開がある。

フィランスロピーでは北海道に絞り込んだ。
北海道の「木と人」に集中した。
事業では、ホームファッションに絞り込んだ。

そしてどちらも成就した。

「いま、大学をつくりたい。もしくは買いたい。
つぶれる大学がでてきそうだから」
最後にまた笑いをとって、似鳥さんの講演は終了。

私たちは、仕事にコミットする。
本業に専念する。
しかし、仕事の合間を縫って、
社会とコミットする。
地域のために働く。

ほんの少しでもよい。
似鳥さんのように60歳を超えてからでもよい。
その代り60歳までは、似鳥さんのように働きたい。

岡田さん、小田さん、似鳥さん。
それぞれのフィランスロピー。

いい講演会だった。

講演会のあとは、夕方5時半すぎから、2500回記念パーティ。
冒頭で渥美先生のご挨拶。
しんみりとしていて、
もともとシャイな渥美先生らしい話だった。
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その渥美先生から、岡田卓也さんに花束贈呈。
hanataba
2500回のセミナーに参加してくれた会員企業代表という意味。

そして岡田さんからお礼のご挨拶。
hutari
「チェーンストアをつくり、社会貢献するために、
仕事に邁進してきた。
士農工商の序列はおかしいんだということを、
示さなければいけない」
okada
力強い言葉だった。

その後、鏡割り。
左から、友和会長・小林肇さん、
ナフコ会長・深町勝義さん、
コメリ会長・捧賢一さん。

そして東京インテリア家具社長・利根川弘衛さん、
AOKIホールディングス社長・青木拡憲さん、
HIひろせ社長・廣瀬舜一さん、
エイヴイ社長・木村忠昭さん。
kagamiwari

「ヨイショ、ヨイショ、ヨショー!」
kagamiwari2
目出度く、開かれました。

そして、乾杯の発声は、
最年長79歳の小林さん。
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和やかな懇親。
渥美先生のご子息の俊英さん、明さん、哲さん、
そして六朗さん。
今日は、おめでたい席なので、兄弟が揃った。
私も、それは嬉しい。

小田さんは、講師なので看板の下で、名刺交換。
ご苦労様でした。
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今度、立教のサービス・マーケティングの学生と一緒に、
ホスピタリティを学びに行きます。
コーネル大学RMPジャパンの第二期生になるかもしれません。
よろしく。

渥美先生には、テレビクルーがついて、最後まで撮影と取材。
gaia
平和堂社長の夏原平和さんが、お相手していた。

ペガサスセミナー第2500回。

こういった啓蒙・教育機関が商業の発展を支えてきたし、
これからも支え続けねばならない。

私は、今日から、アメリカ・ニューヨーク州。
イサカのコーネル大学へ。
コーネル・ジャパンの卒業記念旅行。
私たちの教育機関も、しっかりと活動しなければならない。

<結城義晴>  

2009年07月21日(火曜日)

商業人の総選挙投票率向上と数学・物理五輪での高校生の大活躍

Everybody! Good Tuesday!  

連休明けの7月21日。
土用の丑の日を挟んだ三連休。
成果はどうだっただろう。

新聞の朝刊は、休み。
しかし、[毎日更新宣言]は休まず。

今日は、いよいよ、衆議院解散。  
今日、午後の本会議で、
河野洋平衆議院議長が解散を宣言し、
全代議士が無職となる。

国会議員は、落選すると、
「ただの人」になってしまうが、
だからこそ、必死ではある。

その必死の時に、ほんとうの人間が見えてくる。

私は今回の衆議院選挙。
投票率の向上を何よりも願うものである。

いったい、商業やサービス業全体の投票率は、
どのくらいなのだろう。  

昨日のブログで、書いた。
小売業、フードサービス業、サービス業は、
土日祭日に働く若い人によって支えられている。

その人たちが働く日に、
投票日が設定されることがほとんど。

今回も8月30日、日曜日。  

だとすると、全体に見て、
小売業、フードサービス業、サービス業は、
投票率が低いという予測が立つ。

これではいけない。

「不在者投票」ができる。
そういう議論もあるかもしれない。

しかし不在者投票は、
それはそれで面倒であることは確か。

だから放っておけば、投票率は下がる。

ここは、会社や部署、先輩が、
不在者投票の面倒を見てあげるというのはどうだろう。
日曜日に働き続けてきたベテランも、
投票に行きそびれている人も、
今回は、投票する。

これで、ずいぶん変わる。
世の中が。

日本国にとっても、
日本の商業の現代化にとっても、
大事な国政選挙だ。

選挙結果を云々するものではない。

商業、サービス業に携わる人々の投票率は、
他産業と比べても、確実に高い。
商業、サービス業に携わる人々の政治に対する意識は、
平均より、確かに高い。

そんな全体の問題意識が、
商業・サービス業の地位を高める。

私はこれまで、このブログで、
あえて政治問題を取り上げてきた。
やや面白おかしく、かといって、
日刊夕刊紙や週刊誌のようにどぎつくはなく。

商業・サービス業にかかわる人々が、
政治や行政に関心をもち、参画していかねば、
私たちの業界がよくならないと考えるからだ。

商業・サービス業の政治的ノンポリシーの態度は、
自らを貶める。  

今回は、商業・サービス業の投票率を上げたい。

さて、うれしいお便りをいただいた。  

以下、ご了解を得て、ご紹介する。

「はじめてメールさせて頂きます。
私、オーストラリア・ゴールドコーストという地に住んでいます、
中 嘉津生(なか かすお)と申します。  
45歳です。

毎朝、結城先生のブログ及び流通ニュースの拝読から、
私の一日がスタートしています。

20年間強、コメの流通業に従事して参りましたが、
昨年4月に新規一転家族と共に、
オーストラリアに引越して参りました。
此方の農家さん達と一緒に美味しいコメ作りを目指して、
移住して参りましたが、
大干ばつの影響で、コメの輸出はおろか、
輸入しなければならない状況になってしまいました。

そこで現在、日本の美味しいコメを、
農水省の助成金制度を生かして輸入したり、
アメリカのアキタコマチや台湾・韓国の短粒種米を輸入して、
こちらの問屋等へ販売したりしてます。

先生のブログやUS視察の日記を拝読させて頂き、
やはり、アメリカの食品小売業は凄いと、いつも思っております。
私も、縁があり、10回位渡米したことがあり、
その度に「Trader Joe’s」を注目して見ていますが、
毎回新鮮です。
行く度に感動しています。
何とかTJにオーストラリアやニュージーランド、
インドネシア等の商品を納入出来ないものかと、
事あるごとにサンプル送り続けております。
何時の日か一品入ると嬉しいのですが・・・。

ご存じのように、この国は人口2000万人強しかいません。
しかし面積は日本の21倍もあります。
ウールワースとコールズと云う2大スーパーで、
80%近くのシェアを占めています。

それ故、競争力に乏しく、食品の価格が安くないのが実情です。
やっと、今年中にメルボルンに「COSTCO」が初の出店となります。
まだ、この国の商習慣は週に一度の大量買いなので、
「COSTCO」は間違いなく支持されるものと思われます。

御参考になるかわかりませんが、
ゴールドコーストにあるFERRY MARKETと云う高級食材スーパーの写真を、
添付させて頂きます。
並べられている商品は吟味されていて、また店舗の空間も高く、
ゆったりとした気持ちで買い物することが出来ます。

こちらは冬で、毎日、ヒーター炊いてます。
日本はもうじき、梅雨が明け、いよいよ夏本番ですね!
御身体にはご留意して頂きますよう、お願い申し上げます」
[オーストラリアにて「商人舎ブログ」を毎日拝読させて頂いてます一ファンより…]  

ゴールドコーストで、
頑張っている中さんのような人がいる。
私は、日本の国は、
やがてソフトウェアの輸出国になると考えている。

明治維新以降、富国強兵に努め、先の大戦で挫折。
戦後、驚くべき復興を遂げ、エコノミック・アニマルと揶揄され、
自動車・家電などで世界を席巻した日本。

日本人の持つ特性は、「技術」にある。  
テクノロジーの開発、創造である。

それは農業技術にも及んでいる。

中さんのような人が、外国で活躍すること自体、
ある種、日本の将来を象徴している。

昨20日の文部科学省の発表。
ドイツで開かれた数学国際オリンピックと、
メキシコで開催された物理の国際オリンピック。
その日本選手の成績。

日本選手は両オリンピックともに、
全員がメダル獲得。  

数学は高校生6人が参加し、金5、銅1。
国別でも中国に続く2位で、過去最高。

物理は同じく高校生5人が参加し、金2、銀1、銅2。

国際数学オリンピックは第50回大会で、
104の国と地域から565人が出場。
日本は20回目の参加。

数学オリンピック金メダルの筑波大付属駒場高3年副島真さんは、
中国選手とともに満点で、トップタイだったという。

日本人は将来、こういった頭脳や技術を輸出して、
世界に貢献していくと、私は思う。

もうすでに、多くの日本人が海外で活躍している。

国内組も、負けてはいられない。

では今週も。

Everybody! Good Tuesday!  

2009年07月20日(月曜日)

祝日「海の日」は、失敗を恐れない「売る人間の日」

Everybody! Good Monday!  

今日は、海の日。  
2009年7月第4週。

児童、生徒にとっては、
夏休みが間近。

大学生は、前期末試験の最終段階。

ちなみに、テレビなどでとても気になる言葉遣い。
小学生は、「児童」、
中学・高校生は、「生徒」、
大学生・専門学校生を、「学生」と呼ぶのが正しい。

だから女子高生に向かって、
「学生さん?」と聞くのはおかしい。

ちなみに大学院生は「院生」と呼ばれる。

さて、「海の日」。  
1996年に制定された日本の国民の祝日の1日。
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」
これが、趣旨。

国民の祝日となる前は7月20日の「海の記念日」だった。
私は、横浜で育ったので、
この海の記念日を、市民こぞって祝った気がする。

その海の記念日は、1876年の明治天皇にさかのぼる。
東北地方巡幸の際、
灯台巡視の汽船「明治丸」で航海し、
最後に7月20日に横浜港に帰着した。

そこで7月20日を「海の記念日」とした。
それが1996年から「海の日」の祝日になり、
2003年から7月第3月曜日として三連休となった。

だから今日は、海の恩恵に感謝する日。
そして海洋国日本の繁栄を願う日。

これを考えると、
どうしても魚が食べたくなる。

「横浜市歌」というのがある。
なんと森林太郎(森鴎外)作詞、そして南能衛作曲。

わが日の本は島國よ 
朝日輝ふ海に
連り峙つ島々なれば 
あらゆる國より舟こそ通へ
  

されば港の数多かれど 
此横浜に優るあらめや
むかし思へば苫屋の烟 
ちらりほらりと立てりし處  
 

今は百舟百千舟 
泊る處ぞ見よや
果なく榮て行くらん御代を 
飾る寶も入り來る港
  

体育祭などでよく歌ったが、
独特の、高揚した気分がわきあがる、格調高い歌だ。

海の日は、そんな気分の祝日。

国民の祝日は現在、15回設定されていて、
私は、日本らしくて、
しかも国民が喜んでいて、
とてもよいと思う。

ただし小売業・サービス業は、
国民の祝日に店を開け、仕事する。

それが嫌だという若者も多いだろう。
しかしそれでも小売業・サービス業に職を求めた若者、
一生、この仕事を続けたいと考える若者は、
確かに一つ、他の産業を志向する者とは異なる。
「土日・祭日」に働くという意思を持つ。

そういう若者たちを、
私たちは大切にしなければならない。
感謝しなければならないし、
応援しなければならない。

『日経ビジネス』7月13日号が特集している。
「売れない時代に、私が売る」  
 
つまり、「人」が売るという人間を主語にした特集。
「売るという行為」を「生存をかけた取り組み」と総括している。

この特集の中で、ふたりのプロの、
お客様や仕事への気持ちが表現されている。

高島屋東京店デザイナーズワールド売場課長の松浦祐子さんの信念。
「来店時よりやさしい表情でお帰りになってほしい」  

ヨークベニマル赤塚店鮮魚チーフの河又富士子さん。
「お客様の要望やスタッフのアイデアをすぐに実行に移す」  
すると、「自分たちで企画した商品だと、
『何が何でも売り切ろう』とスタッフが燃えてくるのです」

人間が、人間に、売る。  

「売る」という仕事の最大の特徴は、
ここに行きつく。

『日経ビジネス』7月13日号には、
㈱成城石井社長の大久保恒夫さんが登場している。  
大久保さんは、社員たちに言う。
「売上げは目指さなくていい。  
まずはお客さんが満足する売り場をつくれ。
結果として売上げが伸びるのだから」

「小売業は非常に面白い。
だから失敗してもいい、
自分で考えて何でもやるべき。
どんどんうまくいったらもっとやる、
失敗したらやめる」

これを「繰り返せば、売り場は必ず良くなる」

買う人間が集まりやすい祝日に、
売る人間の仕事の場がある。  

非常に面白い仕事がある。
自分で考えて実行できる仕事がある。
失敗してもいい仕事がある。
うまくいったらもっとやる仕事がある。
必ず良くなる仕事がある。  

今日は、海の日。
国民の祝日。

商品やサービスを「売る人間の日」  

Everybody! Good Monday!  

2009年07月19日(日曜日)

ジジの「そっとおやすみ」[日曜版]

日がしずむ。
woods1

すこしずつ、
くらくなる。
woods2

月がでる。
sky1

雲にかくれたり、
そのあいだから、顔をみせたり。
sky2

そうすると、
ユウキヨシハルのおとうさんが、
会社から、かえってきます。

真夜中まで、
アメリカのテキスト、
つくっていました。

ボクは、おやすみしていました。
1

あれれ?
jiji8
目がひっくりかえった。

そして……。
jiji7

「おかえりなさい」
4
でも、ねむい。

だから、「おやすみなさい」
2

「いいよ、いいよ。
おきてこないで、いいよ」

「そっと、おやすみ」

そして、つぎの朝。
ボクは、すっきり。
6

よく、ねました。
7
きのうの夜は、
やさしく声をかけてくれて、
ありがとう。

ボク、きいてましたよ。

おとうさんも、
いそがしいだろうけれど、
ゆっくり、おやすみしてください。
8
うごいたら、やすむ。

シゴトしたら、キューヨーする。

ほんとうに、やすんでください。
ボクの「おねがい」です。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年07月18日(土曜日)

セブン-イレブン「見切り販売容認」とニラクでの「商人魂の檄」と商売の黄金律

明日は土用の丑の日。  

昨年の7月22日のこのブログは、
「本日土用丑の日」ウナギ販売の由来と今年の対策。  
再びのチェックをお勧めします。

さらに、「林廣美の今週のお惣菜」でも、
丑の日対策が提案されている。

「ウナギだけでなく、丑の日にウシを」  
林先生らしく、実に面白い。
お客さまの心理をつかんでいる。
㈱ハローデイ社長の加治敬通さんのユーモアにも通ずる。

チャンスは二回。
一の丑が、明日7月19日の日曜日。
二の丑は、7月31日の金曜日。

お客さんは、国産ウナギを食べたがっている。
国産ウナギを、原価近くまで値下げして、
ご提供する。

利益は、他で取る。

利益を上げる五つの法。
一 利は元にあり。
二 利は売りにあり。
三 利は内にあり。
四 利はこの品にあり。
五 利は他の品にあり。  

利は他の品にあり。
それが林先生の「丑の日はウシ」

一の丑をはさんで、今日から三連休。

7月の商売のピークです。

さて、政局。
自民党執行部は、両議員総会をつぶして、
両議員懇談会とした。
だから連休明けの火曜日21日には衆議院解散。
そして総選挙の季節に突入。

私の読み通り。

そして小売業では、
セブン-イレブンが「見切りを容認する」  
これは読売新聞のスクープ。

公正取引委員会の排除措置命令が出たのが6月22日。
翌23日には、廃棄損失のうち15%を本部負担にすると発表。
これは、年間100億円の額となる。
しかし、これでは排除措置命令への対応にもならないし、
一部の加盟店の反発も強かった。

そこで、「見切り販売の容認」となった。

ただし、「仕入れ値を下回らない範囲」。  
この内容が盛り込まれている。
これは、実に正しい。
アメリカではロビンソンパットマン法が施行されていて、
「原価を割った販売」が禁止されている。

日本の場合、公正取引委員会は、
この面では軟弱で、機能していない。

だから愛知県一宮市のように、
「一円戦争」といった馬鹿なことが横行している。
公正取引委員会も、こういったことにきちんと対応すべきだが、
今回のセブン-イレブン本部の「見切りの範囲」は良い判断。

今後、セブン-イレブンでは、
販売期限間近の弁当・惣菜・調理パンなど、
見切り販売が自由に展開される。

私は、最初から言っているが、
セブン-イレブン本部がリーダーシップをとって、
「食料問題・環境問題」への解決策を、
提案してほしかったと思う。
容認ではなく。

しかし、見切りが自由になったからと言って、
「予測発注」と「単品管理」をおろそかにすることは、
断じて、あってはならない。  

これが崩れると、「廃棄」は増える。
「見切りできる」という油断が、
発注の甘さにつながったら、
本末転倒になる。

これだけは、戒めること。

さて、昨日は、福島県郡山市。
㈱ニラクでの第三回目の講義。
1

ニラク研修センターに到着して、
すぐに原稿の校正。
2
いつも追われている。

講義のテーマは、
ニラクパーソンのための「商人魂」の檄。  
私、このシリーズの講演、乗っている。
なぜか。
聞き手が真剣だから。
語り手も真剣になる。
3
今回のテーマは、
「店は客のためにある」  
4
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅びる」 

倉本長治先生の言葉。 

そしてサービスの考え方。

顧客が常に真ん中にあって、
人とシステムとサービス戦略が相互に関連しあっている。
5
「ホッケースティック」の顧客ロイヤルティ、
スターバックス角田雄二さんの三日間。

そして、これ。
「もしあなたが、
顧客にサービスを提供する仕事に就いていなかったら、
顧客にサービスを提供する人に、
サービスを提供するよう行動しなさい」  

最後は、ジェームス・キャッシュ・ペニーの「黄金律」
「さらば、すべて、
人にせられんと思うことは、
人にもまた、そのごとくせよ」  

(聖書マタイ福音書7章12節)  
6
私は、「自ら、変わろう」と志す知識商人を、
応援し続ける。

セブン-イレブンでも、ニラクでも、
ペニーのゴールデンルールは、知識商人の鉄則である。

では、良い週末を。

<結城義晴>  

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