結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年11月23日(月曜日)

勤労感謝の日に「働くこと」と「正規軍とゲリラ」を蘇らせる

Everybody! Good Monday!  

今日は、勤労感謝の日。
働く人と、その働きに、
感謝する日。

「働くこと」  

「働くこと」への深い理解が求められている。

働くことの中身。

働くことの実態。
働くことの動機。
働くことの目的。

そして働くことの喜び。
どんな環境の中で働くか。
どんな時間帯に働くか。
どんな制度の中で働くか。

どんな会社で働くか。
そこからどんな働き甲斐が生まれてくるのか。
私たちは誰もが、このことに対して、
自分なりの回答を用意しておかねばならない。

それなくしては、
企業活動も、
組織運営も、
日常生活もまっとうできない。

経営者は従業員に、
上司は部下に、
会社はパートタイマーに、
明快な「働くこと」の意味を示さねばならない。

そして従業員は経営者に、
部下は上司に、
パートタイマーは会社に、
同じように明快な「働くこと」の意思を伝えねばならない。

 
働くこと」を通じた意思疎通は、
「労働」への
深く、謙虚な理解からしか、
生み出されないのである。  

<『メッセージ』(結城義晴著・商業界刊)より>  

さて、3日前の注目すべきニュース。
中国共産党は、
21世紀に入って9年経過した現在も、
一党独裁、一党支配をつづけているが、
その共産党が民営企業や非政府組織に働く党員に対して、
通知を出した。
「社内に党組織を設置せよ」  
日経新聞の記事。
「党組織の建設作業が薄弱で、党活動に困難が生じている」
「健全な党組織の設立加速」

これまで中国では、
主に国有企業に党組織が設けられてきた。
共産主義社会の中に、
何と市場経済を導入するという離れ業を演じてきた中国だが、
市場経済の発展・成長は、
民営企業への管理不徹底の状況を生み出してしまった。

そこで、民営企業への党組織の設置が不可欠と判断したわけだ。

もちろん、外国資本も、この対象となる。
もちろん、日系企業も、この対象から外れることはない。

「共産主義」とは、読んで字の如く、
「財産の共有」を実現させる思想。  

「マルクス主義」は、
生産手段の私的所有を、社会的所有に転換させる社会運動であった。
同時に社会保障制度を充実させる運動のはずであった。

しかし、中国は、社会保障を充実させる前に、
労働者を国営企業から民営企業に大量に移した。
そのための大量解雇を行った。

さらに今、中国共産党は、
民営企業の労働者だけでなく、
民間企業経営者など資本家の入党まで、
加速化させようとしている。
中国に生まれた新階層を党内に取り込み、
体制基盤の強化に努める。

私は、「働くこと」への理解は現在、
どんな国家、どんな体制においても、
不可欠だと思う。

それがなければ、
どんな国家も、どんな会社も、
長続きはしないと思う。

日本の勤労感謝の日、
アメリカのサンクスギビングデー。
だからこそ、
「働くこと」の意味を、
真剣に考えてみたい。

一方、日産自動車のカルロス・ゴーン社長の発言。
同じ日の日経新聞。
「インドや中国に学ばなければならない」  

その心は、
「ゼネラル・モーターズの二の舞いを避けるため」

具体的には、
「新興国メーカーとの提携で低価格車の開発などを急ぐ」

カルロス・ゴーン社長は、
「今後、業界再編が本格化する」と語る。
自動車業界は、中国、インドをも巻き込んで、
国際的再編を視野に入れる。

そんなときにも、
「働く人」と「働くこと」への、
真摯で深い理解が、なくてはならない。

経営者は従業員に、
上司は部下に、
会社はパートタイマーに、
明快な「働くこと」の意味を示さねばならない。

そして従業員は経営者に、
部下は上司に、
パートタイマーは会社に、
同じように明快な「働くこと」の意思を伝えねばならない。  

為政者も経営者も、
正しく、働きに報いなければならない。

国民も労働者も、
正しく、働かねばならない。

20世紀の共産主義の描いた「労働」から、
21世紀の知識社会の「労働」への、
パラダイムの転換が、不可欠である。  

最後に再び、『メッセージ』から。

「正規軍とゲリラ」  

正規軍は、勝たなければすなわち負けである。
ゲリラは、負けなければ、それで勝ちになる。

ベトナム戦争におけるアメリカ軍は明らかに前者であったし、
ベトコンは確かに後者であった。
古くは共和制時代のローマ軍とカルタゴ軍の間でも、
長らくこの対立関係が続いた。

湾岸戦争ではなぜか、
ブッシュもフセインも、
正規軍とゲリラ軍に分かれつつ、
どちらも勝った気でいた。

減収減益が相次ぐ今。
そして、消費マインドが停滞しきった観のある現在。
「勝たねば負け組」には、つらい逆風が吹く。
「負けねば勝ち組」には、意外にも順風が潜んでいる。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
この野村克也の言葉の、勝ちの不思議は「神風」である。
「勝った負けたとさわぐじゃないよ」
こう歌う水前寺清子は、「あとの態度」を大事にする。

これは、「負けに不思議なし」を言っている。

あなたはゲリラか、はたまた正規軍か。
逆風を選ぶか、順風を好むか。

どちらであっても、小売流通業は常に、
不思議の神風を感じる機会にめぐまれている。
ビジネスそのものが、不思議の神風を知るために為されている。
しかし、そのとき、これだけは忘れてはならない。

労働法無視のゲリラになるな。
顧客不在の正規軍になるな。  

今日は、勤労感謝の日。
働く人と、その働きに、
感謝する日。

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年11月22日(日曜日)

ジジとススキ野原[日曜版]

ボクの名は、ジジです。
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ボクの目のまえには、
ネコ草がありました。
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ボクは、いつものように、
ネコ草を食べました。

ネコ草は、ボクたちにとって、
たいせつな食べもの。
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ふと、気づくと、
ユウキヨシハルのおとうさんは、
写真をとりに行きました。
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富士山と芦ノ湖。
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「秋」  

葉鶏頭の

繁みのかげで

子猫が二匹

遊んでいるよ

遊んでいるよ

   夕暮れ色の

   お部屋のすみで

   こおろぎコロコロ

   歌っているよ

   歌っているよ

風にゆれてる

ススキの原を

トンボの群れが

わたってゆくよ

わたってゆくよ

(詩・鈴木順子)  

ハコネの千石原のすすき野原。
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ススキの山。
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すすき野原。
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ススキの段々。
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すすきの波。
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ゆれる。
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ゆれる。
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ボクは、じっと、
みていました。
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日が暮れる。
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光が当たる。
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光の中のすすき。
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秋が深まってきました。

美しいものは、
もっともっと、美しくなってゆきます。
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ずいぶん寒くなってきました。
もっともっと、寒くなってゆきます。

皆さんも、秋を楽しんでください。

カゼなど、ひかないように、
気をつけてください。

ボクは、ボクなりに、
美しさや寒さを、
たのしんでいます。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年11月21日(土曜日)

デフレの中のユニクロ60周年10億円還元感謝セールと商売人の「心の目」

信頼している人から理解されないことほど、
悲しいものはない。

商人舎で展開しているアメリカ視察研修会は、
お陰様で、第5回を数え、大好評。

しかし私は、アメリカ小売業の情報屋ではないし、
単なる紹介屋でもないつもりだ。

基本的にアメリカの小売業界から、
謙虚に、真摯に、学びたいと考えている者だ。  

だからアメリカの小売業を研究する。

世界でアメリカほど、
小売業の規制が少ない国はない。
だから、理論化が容易である。  

皆さんも、小学校や中学校の理科や化学で、
実験したことがあるだろう。
試験管やビーカー、シャーレの中で、
実験は行われる。

試験管、ビーカー、シャーレは、
完璧に洗浄されていて、
仮説に、他の要素が加わらないように設定される。

規制が少ないアメリカ社会は、実験室のようなものだ。
だからアメリカの小売業の競争と発展は、
実験室における競争と発展のようなものとなり、
だからアメリカから学ぶ価値が生まれる。

実験室の結果は、理論化が容易だ。
その理論が、日本の小売業の競争や発展を、
「鳥の目」「魚の目」で読み取る時に大いに役立つ。

私は、アメリカ小売業を見るとき、
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」で見る。  

11月4日のこのブログで書いた。

「虫の目」とは、現場を見る力。   
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。
 
「鳥の目」は、大局を見る力。    
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。    
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

そして、「四つ目の目」は、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。  

私は、日本の小売業、
特にスーパーマーケットや総合スーパー、
そしてコンビニを、
長年にわたって研究してきた。

「虫の目」「鳥の目」「魚の目」、
そして「心の目」で。

とりわけ「心の目」が大切であることを、
最近は、実感している。

ピーター・ドラッカー教授は、
「ポスト・モダンの七つの作法」の中で、
自ら「見ること」の大切さを、第一に挙げている。

私は、日本の小売商業・サービス業界のドラッカーになりたいと、
密かに、しかし心から願って、努力している。

だから私は、
アメリカ通でもないし、アメリカの情報屋でもない。

私のアメリカのパートナー浅野秀二先生も、
アメリカの情報屋ではない。
商人舎のホームページをご覧いただけば、よくわかる。
浅野先生は、アメリカを通して、人生を説いている。

私たちは、誰よりも、アメリカ小売業に対して、
謙虚で真摯な研究者でありたいと考えている。  

そのために欠かせないものは、
謙虚で、真摯な「心の目」である。

もちろん「虫の目」「鳥の目」「魚の目」のどれかが欠けても、
たとえ試験管や、ビーカーや、シャーレの中の実験といえども、
結果を正確に見ることはできないし、
正しく判断することはできない。

さて、政府は、
現在の日本経済の「緩やかなデフレ」を正式に認めた。  
2006年6月以来、3年5カ月ぶりのこと。
昨日のこのブログでも、そのことには言及した。

政府の「デフレ発表」を見越したかのように、
「ユニクロ」は、「創業60周年記念大感謝祭」を始めた。  
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期間は、11月21日から12月31日まで。
総額10億円を顧客に還元する。  
方法は5000円以上お買上げごとに、
抽選で10万人に1万円のキャッシュバックをするというもの。
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今日の朝刊に、大々的にチラシを入れ、
朝6時から、約400店で値引きセールを開催。

東京・銀座店には2000人以上、
大阪・梅田店は約650人が並び、
「予想以上の大盛況」(ユニクロ広報室談)。

ユニクロ1号店は1984年に広島でオープンした。
そのオープンの朝6時という設定を再現し、
同時に、店の前に並んだ顧客に、
「朝から感謝」の意を込めて、
朝食用のアンパンと牛乳を配った。

柳井正ファーストリテイリング会長兼社長の意気込みが、
私には、ひしひしと伝わってくる。
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ユニクロのチラシは、
衣料品を販売しているにもかかわらず、
スーパーマーケットの「日替わり特売」を採用している。
これも柳井さんが自ら、最終チェックまで見ている。

日本中がデフレに騒いでいるときに、
創業60周年の感謝を込めて、
25年前の「ユニクロ」1号店の初心に帰る。

ここには、したたかな「商売人」の算盤と、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」がある。

<結城義晴>  

2009年11月20日(金曜日)

阪急オアシス御影店ニューフォーマットと脱デフレのマーケティング

【巻頭のお知らせ】  
本ホームページ、本日4本の新着記事が
あがっています!
是非、ご覧ください。

日経新聞が煽っている。
今日20日の一面トップ記事。
「食品・日用品の6割値下げ」の見出しが踊る。  

「日経POSデータ」を活用した主要60品目の7月~10月の調査。
6割弱の34品目が値下がりし、22品目が値上がり。
値下がりは、
ティッシュペーパー4.4%、
ラップ5%、
バター3.6%、
サラダ油3.3%など。

日経は「特売の常態化、集客の目玉」と表現しているが、
これらは典型的な工業型商品のコモディティ・グッズ。

22品目の値上がり品は、
食パン2.5%、
シャンプー1.6%、
牛乳0.5%。

コモディティの値下がりが続き、
農業型・情報型のノンコモディティは下がらない。
メーカーが脱コモディティ化に邁進し、
情報型商品化によって、値下がりを食い止める。
それらは下がらない。

これから年末にかけて、重要なポイントだ。

私は、「何でもディスカウント」はないと思う。
反対に「何でもわけあり、何でも適正価格」もあり得ない。

商品市場と顧客市場の関係性の中で、
さらに地域における競争関係の中で、
価格は決定され、自分の顧客に受け入れられる。

このことを忘れてはならない。

一方、東京株式市場も続落。  
日経平均株価は前場で前日比119円88銭(1.26%)安、
9429円59銭と、9500円を割った。  

「東京市場一人負け」と朝日新聞が報じたが、
19日にはアメリカのニューヨーク株式相場が続落。
それが東京の9500円割れに影響を与えた。

私は、株はやらない主義だ。
ジャーナリストとしての矜持。

しかし株価の動きは、
回り回って商品相場にダメージを与える。

「デフレ」が叫ばれるが、
そのなかに価格を維持している商品がある。

価格が維持されるということは、
供給量よりも需要量が多い商品ということ。

つまり、買い手市場と見られている中に、
売り手市場の商品があるということ。

売り手市場の商品は、顧客が買いたがっている。
そんな商品は多くはないけれど、存在する。

売り方次第で「売り手市場の商品」になることもある。

昨日は、午前中、兵庫県神戸市東灘区へ。
阪神本線御影駅前の阪急オアシス御影店。  
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8月にテレビ番組のワールドビジネスサテライトで紹介されて、有名な店。
阪神百貨店の食品売り場を、㈱阪食が担当する。
だから番組では「百貨店の低価格化」特集の事例として取り上げられた。

1階奥に、阪急オアシスのスーパーマーケットが入っていて、
ベーカリーのポンパドウルがショップを展開している。
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ポンパドウルの向かいは、阪急オアシスの惣菜売り場。
これがいい。
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お昼時になると、フルメンバーで、活気をつくる。
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惣菜とともに強いのが青果部門。
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アイランド方式の売場の真ん中に作業場がある。

「スーパーマーケットは、
売れれば売れるほど易しくなる商売」  

それがこの青果部門にも表れている。
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バラ売りのコーナーは、人気が高い。
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阪急オアシス御影店自慢のトマト売場。
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これだけの品質、鮮度、品揃えのトマト売場となると、
それだけで客がつく。

バナナも島陳列で、単品大量販売。
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ひとつの品種を掘り下げて、大量に陳列する。
それが、顧客にアピールする。

「売り方」によって、需要をつくり出すことができる。

しかし、精肉部門はウィークデーはつらい。
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鮮魚売場も、いい商品が並んでいるが、
惣菜・青果ほどではない。
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平日の展開をどうするかが、目下の課題。

売場をぐるっと回ると、
ケーキコーナーが目に付いた。
「シュークリーム・バイキング」
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加工食品は絞り込まれ、「これ」というアイテムを品ぞろえしている。
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売場の中ほどに「キッチン・ステージ」がある。
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料理提案のコーナー。
私鉄沿線の特急が止まる駅の百貨店。
その食品売り場。
「ライフスタイル提案」は必需の要素だ。

駆け足で、視察し、
神戸ブロック長の金子栄治さん、御影店店長の高田清司さんと写真。
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売場面積1700㎡で年間売上目標は26億円。
「デフレ基調」の昨今だが、
まずは25億円を確保して、
ブレークすれば30億円を視野に入れることができる。

顧客は百貨店の食品売場ととらえている。
だからそのイメージを大切にしながら、
「今日はこんなに安いものがある」と、
小さな喜び、小さな発見を、丁寧に、顧客に提供し続けること。
それが、30億円への道を拓くに違いない。

売場の左に料理教室があって、
バリラ・ジャパン豊田安男社長が、
自らクッキングスクールを開催中だった。  

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旧知の豊田さんの講義を、私もちょっとだけ聞いて、
ちょっとだけ試食させてもらった。

10人ほどの女性客が集まってのパスタ料理の講習会だが、
みんな満足そうだった。
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豊田さんは毎月1回、このセミナーの講師となって、
大人気。
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贅沢な講師選定だが、
それはこの店の戦略にぴたり当てはまっている。

世の中、「デフレ、デフレ」の大合唱。
しかし、日本人全員が貧しくなったわけではない。

お金のいる世代、必要な世帯に、回らなくなってはいるが、
逆に、金を使おうにも使い道がない世代、世帯がある。

そこに、いかにターゲットを絞って、
いかにアピールするか。

ただし豊かな世代も、
超のつく合理主義者ばかり。  

理屈に合った楽しみ方、合理的な価格。  
それが求められる時代に入ったということ。

まさに「知識商人」出番の時だ。

阪急オアシス御影店を訪れて、
そんなことを感じた。

阪食社長・千野和利さんは、
前夜、早朝と、携帯電話で自らアポイントをとってくださった。
心から感謝したい。

<結城義晴>  

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2009年11月19日(木曜日)

玉生弘昌プラネット社長の持論「社会インフラの5条件」

今日から、ボージョレヌーボー解禁。  
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写真は、兵庫県御影の㈱阪食「阪急オアシス御影店」の今日の売り場。
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ワインコ―ナーは別のところにあるが、
特別にレジの近くにボージョレヌーボー売場を、
アイランドディスプレーで設けた。
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「知識商人」は、是非とも味わってみること。
売るばかりではいけない。
自分の部門に関係ない、ではいけない。
お客様と同次元で、同じ体験を積み重ねること。

知識に欠かせないことは、好奇心。
商人に欠かせないものは、向上心。
だから「知識商人」には、
新しいものに対するどん欲さは欠かせない。

今年のヌーボーは、うまいという評判。
今夜は、赤ワインで。

さて、東京株式市場は「一人負け」
朝日新聞が報じている。

6営業日連続で、株価は下落。

東京証券取引所一部上場株全体の値動きを示すのがTOPIXの指数だが、
昨18日には、半年ぶりの安値となってしまった。
日経平均株価は、9679円80銭。
こちらは約1カ月半ぶりの安値。

一方、海外株式市場では、相次いで今年最高値を更新。
ニューヨーク市場のダウ工業株平均は、
2日続けて今年最高値を記録し、
ロンドン市場、香港市場の主な指標は、
16日の月曜日、17日火曜日から今年最高値。

東京市場の「一人負け」の状況だ。

日本の成長戦略が見えにくい。
中国への投資に資金が回っている。

日本証券業協会の安東俊夫会長の発言。
「新政権は経済成長の重要性への言及が少ない半面、
財政支出のムダ減らしが前面に出すぎている」

金融経済が破綻し、それへの社会的信用が失墜した。
しかし株価をはじめとする貨幣経済の健全化は、
日本国民全体の問題である。

東京株式市場が「一人負け」であることは、
良く認識しておかねばならない。

さまざまなところに、その余波が表れる。
商売に直結してくる。

これも「知識商人」の条件だ。

さて、昨日から大阪。
梅田のホテル阪神。

プラネットユーザー会2009。
先週の東京に続いて、記念講演。
まず、玉生弘昌社長のご挨拶。
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プラネットは雑貨・化粧品・薬品のEDIの会社。
もうこの世界にプラネットなくして、
商品流通はあり得ないくらいのインフラとして機能している。

インフラの条件を、
玉生さんは5つに整理している。
①安全
②中立
③標準
④継続
そして⑤安価  

これを見事に果たしたプラネットは、
情報交換サービス機能として唯一、
最高のレベルに達した。

しかし考えてみれば、「社会インフラの5つの条件」は、
スーパーマーケットやコンビニ、
ドラッグストアといった小売業にも当てはまる。

いや、これから外れた基本業態には、
健全な成長はない。

私の講演は、「製配販協業化の鍵を握るもの」
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テキストは東京と同じで、ストーリーはほぼ同じだが、
強調するところを少し変えた。

自分自身、新鮮な気分で講演できるし、
主となる聞き手の地域性や年齢層、職位によって、
力点を変えねばならないから。

今回は、「コモディティ」に関する部分を丁寧に説明した。

ご清聴を、心から感謝したい。

記念講演の後、ケーススタディやプラネットからの報告があり、
すぐに夕方を迎えた。
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大阪でも、当然ながら、
秋の日はつるべ落とし。

17時20分から懇親会。
乾杯の音頭は、ピップフジモト㈱の植田恭好さん。
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「顧客には最高の品質を提供し、
社内では最大の効率を実現する」  

いい言葉です。

P&Gの玉置肇さん、西脇満さんとは、
ちょっとした議論。
「パワーレード裁判」は、だいじな教訓。

牛乳石鹸共進社㈱の宮崎悌二さんには、
「複占」の面白さをレクチャー。
絶対に面白い仕事です。

懇親会終了後、玉生社長、石橋光男専務と三人で写真。
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「よくできました」
玉生さんが、社員にかける言葉。

私は、これ、大好きだ。
プラネットは、まるで「玉生学校」のような会社。
それがこのユーザー会に、独特の気品と価値を与えている。

<結城義晴>  

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2009年11月18日(水曜日)

サミット田尻一社長と吉野家・安部修仁社長の商売人のリアリティ

【巻頭のお知らせ】  
本ホームページ「エコバッグ研究会」がToday!になっていて、
ホールフーズ特集」を掲載中。
これが、面白い。  
  

今日から関西へ。
静岡までは、曇り空。
以西は、真っ青な晴れ空。

富士は雲に隠れて見えないが、
晴れたら、芦ノ湖を見下ろすこんな姿。
hakone fuji

朝、目覚めて、さまざまなニュースに目を通す。
そのなかに、いい話を見つけると、
元気が出てくる。
一日が豊かになる。

そんないい話を、いくつか。

まず、一番目に裁判員制度。  
この5月から始まった。

その裁判員へのアンケート調査を各裁判所が行った。
それを最高裁が集計して公表。

嬉しいのは、裁判員を経験した人ほぼ全員が、
「良い経験だった」と感じたこと。  
「非常によい経験と感じた」が64.6%。
「よい経験と感じた」が32.9%で、
あわせて97.5%。

半数以上が選ばれるまでは参加に消極的だった。
「積極的にやってみたい」「やってみたい」と考えていた人が計24.1%で、
「あまりやりたくなかった」「やりたくなかった」は計56.9%だった。

審理の理解や評議での十分な議論に関しても、
肯定的な評価が多かった。

アンケート回答率は、84人中79人と、極めて高い。
8月・9月に判決が言い渡された14件の裁判で判決に関与した裁判員たち。

「国民参加」と「体験」。
これは国民の代表による学習である。

専門化されていたことが、
体験によって大衆化されて行く。  

これも進化のひとつ。

本当にうれしいことだ。
朝日新聞が関東版一面の片隅に掲載してくれた。

二番目のうれしい話。
北九州市の百貨店「井筒屋」の「朝市」  
15日朝7時から、本店前で生鮮食品を売る朝市。

百貨店が早朝から営業するのは全国でも異例。
毎月第1、第3日曜日の開店前の7時から9時。

「旬朝市」の名称。  

11月1日(日曜日)に試験的に始めたところ、大雨。
それでも4万円弱の売上げとなった。

生鮮食品の販売担当者数人が店頭に立って、
青果、鮮魚、精肉、乾物、日配品などを並べて、売る。

仲卸から、規格外品や過剰仕入品を仕入れて、
売り切り御免で販売する。
だから品質は、良くて、安い。

目標は1日10万円の売上げ。
百貨店から見たら、微々たるもの。 
しかし発案した生鮮担当の従業員たちは、
手作りのチラシを近隣に2000枚以上手配りし、
名物イベントに育てようと懸命。

担当者は通常より1時間半ほど早く出勤するが、
「お客様と顔見知りになれて、楽しい。
早起きも苦にならない」  

この言葉がうれしい。

朝日新聞の地方版からのニュース。

三番目のニュースは、日経MJ。
「サミット、自社PB大幅減」の見出し。  
サミットは、プライベートブランドにあまり積極的ではない。

その上に、今回、2007年8月のピーク時に45品目あった自社開発PBを、
カテゴリーによっては半減させる。

理由は売上げが低下したから。
日配品では、ピークに全体の売上高の12%をPBが占めた。
しかしそれも9~10%に低下してきた。

味噌、煎茶、佃煮などの加工食品PBを販売中止する。
既に、蒲鉾、ハムなど畜産・水産加工品のPBはストップしている。
その結果、牛乳、納豆、豆腐など日配のベーシック・アイテムに、
PBを集約していく。

とはいっても、「生活良好」というブランドは、
現在、320品目を販売し、こちらは強化していく。
「生活良好」は、オール日本スーパーマーケット協会のPB。

田尻一社長の発言。
「低価格を求める消費者の動きは、
必ずしも強いわけではない」 

私流に言い換えると、
「低価格を求める消費者の動きは、
全面的ではない」

すべてにわたって、低価格を求めているのではない。
すべての消費者が、低価格を求めているのではない。  

そこには、生活者としての、理屈がある。
「生活の理論」とでもいうべきものだ。

それを田尻さんが、語ってくれた。

田尻さんは、リアリスト。
「十分な販売量が確保できないと、
物流コストが高くつき、
かえって足を引っ張る」

商売というのは、
このリアリズムに支えられている。  

素早く意思決定し、迅速に動く。

サミット田尻一にそれが見えて、
私は嬉しかった。

ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの10のルールのひとつ。
“Swim upstream!”
川上に向かって泳げ。
すなわち、世間に逆行せよ。

世間に逆行して、多くの支持を得る原動力は、
商売人としてのリアリティであると思う。  

さて最後に、日経本誌のインタビュー記事。
「トップに聞く企業戦略」。
吉野家ホールディングス安部修仁社長。  
今期は、4期ぶりの赤字で、最終損失13億円の見通し。
「『うまい、安い、早い』の原点に戻る」  
牛丼をはじめとする主力商品の提供スピードが、
遅くなっているという。
だから「品目を減らす」。
「昼食時間は、牛丼に絞ってもいいくらいだ」

厳しい環境のときには、
「自分の強みを知り、強みを活かす」  
これ、ピーター・ドラッカー先生の持論。

「よし、よし」とドラッカー先生も言うに違いない。
吉野家が、原点に戻る。

朝の新幹線の中で、このブログを書いていたら、
もう京都に着いた。

「今日も一日、元気と勇気」 

そして今月の商人舎標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」  

<結城義晴>  

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2009年11月17日(火曜日)

『dancyu』編集長・町田成一の「0.3歩先を提案しよう」

「埋蔵金」は1兆0123億円から1兆1008億円と出た。  
読売新聞の集計。

鳩山内閣の行政刷新会議が、連日行われている。
昨16日には、6事業が、
「廃止」あるいは「予算計上見送り」と判定された。
今回の対象は447事業だが、
事業仕分けの削減額は、合計で2441億円~3324億円になる。
さらに18の基金と特別会計から6352億円の国庫返納が求められていて、
これらがすべて実現されると、
総額1兆1000億円に達するという読み。

行政とは本来、国家による国民に対するサービス機能である。
「公的サービス」という。  
もちろんその公的サービスの中に、
官僚の天下りをはじめとするまったくの国民無視がはびこっていて、
それが税金でまかなわれていた。

だから、この国民無視の部分は容赦なく、どんどん削減される。

しかし「公的サービス」であることは忘れてはいけない。

小売業やサービス業が、
コスト削減の名目のもと、
必要なサービスまでカットしてしまったら、
なんのための小売業・サービス業なのか、となる。
同じことだ。

企業の場合には、「顧客無視」だけは、
避けなければならない。

これは至極、当たり前だけれど、重要なことだ。

「中小企業大企業病」  
私の唱える危険な兆候。
経済不況が長らく続き、
消費不振が長期化すると、
平気で、顧客無視の風潮が台頭してくる。
それに無神経になってくる。

これこそ「中小企業大企業病」である。

この病状が会社に蔓延する根本原因を、
一つだけあげるとしたら、
経営者・幹部の「保身」である。  
「利他と無私」の正反対の行為。

経営者は、組織全体のために仕事をする。
それが本来の姿勢だ。
ところが、自分のために仕事をする経営者がいる。
彼らは自分の保身のために、意思決定する。

当然ながら、組織の目的とは違った意思決定となる。

トップがそれを始めると、
幹部やミドルマネジメントにその風潮が伝染してゆく。

悪い病気が社内・組織内に蔓延していく。

かくて会社全体が「中小企業大企業病」となる。

「ご愁傷様」  
この病気を治す薬は、ない。
直すには、手術しかない。

いま、民主党政権がやっていることは、
手術であって、薬事治療ではない。

それでも、「国民無視」と「顧客無視」だけは、
避けなければならない。

さて、昨日は、横浜の商人舎オフィス。
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「狭いながらも、楽しい我が家♪」  

プレジデント社の月刊雑誌『dancyu』編集長の町田成一さんを招いて、
CDオーディオセミナー「知識商人登場!」の収録。
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『dancyu』のネーミングは、
「男子厨房に入るべからず」のパラドックス。
現在、食と料理に関する雑誌として、
ダントツ・ナンバーワンの地位を築いている。

町田さんは、19年前の創刊のときからこの雑誌にかかわり、
現在、第7代目の編集長。
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その町田さんに、
フード・マーケティングの肝心なところを話してもらう企画。

しかも、彼は、学校を卒業してから、
㈱商業界に入社し、『食品商業』編集部に属した。
dancyu編集長・町田成一の、
編集者・記者としての駆け出しの修業の場は商業界だった。

そしてそこには、先輩として、上司として、
結城義晴がいた。

そうです、町田さんは、
私の編集長としての最初の部下だったのです。

対談は、これまでで一番リラックスして行われた。

最新のフード・マーケティングを語ってもらう企画の最初の部分は、
『dancyu』でヒットした特集ランキング・ベスト10。

すべてを明かすことはできないが、
第1位は「カレー」。
第2位は「スパゲッティ」。
第3位は「餃子」。  

なんと、「顧客」が喜ぶ料理は、
「どべーシック」メニューで、
それでいて、ちょっと上質の味の提供だったのだ。

カレーは、スパイスを配合して、
本格的な味をつくる。
これは、受けない。

市販のカレールーを使って、
ちょいと自分流を味付けする。
これが、受ける。

コモディティ・アイテムを使って、
自分だけのノンコモディティを演出する。

「0.3歩先を提案します。
半歩先でも、早すぎます」  

町田さんは、言う。

これはまさしく、食品小売業・フードサービスの極意。

私の「コモディティ&ノンコモディティ論」に、
「ベーシック」の第3次元の概念が加わった。
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「生活者は、いいものを知ると、後戻りしにくい」  
これも町田さんの言葉。
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私は、対談しながら、うれしくなった。

現在、49歳の町田成一。
彼の20代と私の30代。

対談の2時間は、
時の流れと人間の成長を、私に教えてくれた。
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商業界を「卒業」した者は、
みな、幸せになっている。
それが私には、ことのほかうれしかった。

心より、感謝。

<結城義晴>  

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