結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年05月10日(金曜日)

ラスベガス3日目の講義と視察店舗のポジショニング格差

月刊商人舎5月号、本日発刊!!201905_coverpage
特集は、
「ラストワンマイル」の優勝劣敗
「ネットスーパー」と「宅配ビジネス」の勝者総取り!?

[CoverMessage]
令和元年に突入した。「店は客のためにある」。この商売のテーゼは「永久に不滅です」。それどころか、顧客に商品やサービスを届ける最後のプロセスこそが、令和時代にはますます決定的な差異になる。

それが早いこと。
それが安いこと。
それが心地よいこと。

英語で言えば「ラストワンマイル」の攻防がさらに激しくなり、「ラストワンマイル」の優劣こそが問われることになる。スーパーマーケットやチェーンストアのリアル店舗の世界では、スマートフォンによって注文を受けて顧客に届ける「ネットスーパー」機能や宅配サービスが当たり前のこととなる。
日本にとって「すでに起こった未来」であるアメリカ流通産業はいま、「ラストワンマイル」競争に明け暮れる。
しかし平成が終わった今、日本のネットスーパーのほとんどが相変わらず利益を出していない。ニーズはある。けれど利益は出ない。これまで何度も、私たちの前に立ちはだかった現象。それはイノベーションの苗床である。「ラストワンマイル」の先進事例を取り上げ、その優勝劣敗を見極め、ネットスーパーと宅配ビジネスの近未来を透視しよう――。
恐ろしいことにこの世界は、勝者総取りとなるのである。201905_contents
ご愛読願いたい。

さてラスベガスに来て3日目。

今日も朝から会議室でセミナー。
司会は亀谷しづえ。
商人舎ゼネラルマネジャー。
DSCN84349

初めに事務局から、
今夜の調理大会・大試食会の説明。
DSCN8438-1

4つのチームに分かれて、
メニューづくりを競い合う。

アメリカの一消費者になった気持ちで、
買物体験をしつつ、
購入した食材を調理する。

調理のために購買しつつ、
店を見ると全く違って見える。
それが何よりも大事だ。

研修の合間の楽しいイベント。
団員たちも意欲満々だ。

その後、成田空港での講義から数えると、
3回目となる結城義晴のセミナー。
DSCN8454-1

昨日訪問した企業と店舗を、
それぞれの資料を見ながら解説する。DSCN8441-1

それから384ページのテキストをもとに、
店舗戦略、商品戦略を一気に語る。DSCN8468-1

フォーマット戦略やコモディティ戦略。
ベーシック編なのでできるだけ丁寧に。

難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。

それが結城義晴の講義だ。DSCN84809
明日の朝、理解度テストを行う。
その範囲を網羅しなければならないので、
今日の講義は広範囲にわたる。

しかしそれがまた、
アメリカの小売業の全体像を、
描き出すことになる。

講義のあとはすぐに視察。

3日目の最初の訪問店は、
ターゲット。

全米第2位のディスカウントストア企業で、
ウォルマートと同じ商売を展開する。

年商744億3300万ドル。
いつものように100換算ならば、
7兆4433億円。
日本のランキングに入れたら第2位に入る。
アメリカでは第8位のチェーンストア。IMG_6593-1

天井を張って、全体に明るい照明の売場。
入口はマザーズ・デーのプロモーション。IMG_6588-1

ターゲットは、アパレルが強い。
マネキン使いもうまい。

ウォルマートはフードラインと、
ハードラインが強い。
対極にある。

この店舗入口のマネキンは、
ふっくらした体形で、
妙にリアル感がある。IMG_6585-1

非食品ディスカウントストアなので、
「マーケット」と呼ぶ食品売場は、
限定的な品揃えだ。DSCN8487-1

今日も早速、商品調査に入る団員たち。IMG_6579-1

ターゲットもネット販売を強化する。
入口を入ったところに
ピックアップサービスのカウンター。
IMG_6587-1

ウォルマートは、
ブルーを基調としている。
対してターゲットは赤。
誰が見ても、その違いがわかる。

一方、ウォルマートの、
ネイバーフッド・マーケット。
ブランドカラーは薄い緑。IMG_6618-1

ウォルマートの総合スーパー、
「スーパーセンター」は、
米国内で飽和を迎えている。
したがって、
この食品スーパーマーケットが、
戦略業態になっている。

2019年1月段階でサムズの店数を超えて、
698店舗まで拡がった。IMG_6606-1

生鮮食品の鮮度はより高くなり、
プレゼンテーションもよくなっている。
店内も格段に明るくなった。IMG_6607-1

奥主通路ではデアリー商品を、
リーチインで展開する。
IMG_6608-1

広いリーチインの冷凍食品売場。
ここでも商品調査。IMG_6595-1

ノンフード担当チームも、
売場で討論しながら調査する。DSCN8504-1

ネット注文品のピックアップコーナー。
ブルーのコンテナがずらりと並ぶ。
IMG_6616-1

次いで、
トレーダー・ジョー。
昨日、商品調査が済んでいるので、
ここでは主に調理大会用食材を購入。IMG_6642-1

生鮮食品もアウトパックされて、
店頭では陳列するだけ。IMG_6649-1

よく管理された売場。
「フィアレスフライヤー」は、
月一回発行のチラシ的小冊子。
その掲載商品をエンドで訴求する。IMG_6644-1

ワインは創業当時から、
中核カテゴリーとして強化されている。IMG_6645-1

トレーダー・ジョーと、
同じショッピングセンターにあるのが、
シーフード・シティ。IMG_6623-1

オーナーは中国人で、
フィリピン人向けのスーパーマーケット。
アジアンフードを中心に展開する。IMG_6624-1

対面形式のミート売場。IMG_6630-1

同じく対面販売のシーフード。
従業員はほとんどがフィリピン人。IMG_6636-1

イートインスペースも広めだ。IMG_6638-1

さらに食材購入のために
ホールフーズを訪問。DSCN8558-1

「ザ・ディストリクト」SCのこの店は、
何度も改装が施されている。IMG_6652-1

ホールボディの非食品売場は
什器が低く抑えられ、
回遊性も増した。
IMG_6653-1

調理大会のためのシーフードは、
ほとんどのチームがここで購買した。
IMG_6655-1
初めてアメリカに来た団員たちにも、
ホールフーズの商品への関心が高い。

コンパクトになったデリ売場。IMG_6668-1

買物中は皆、実にうれしそうだ。
DSCN8542-1

一消費者の立場になって商品を見ると、
視察だけではわからないことが、
はっきりと見えてくる。
それが調理大会の目的でもある。DSCN8524.-1JPG

どんな料理をつくるのか。
食材を見ながらメニューを考える。DSCN8528-1

「サラダは基本でしょ」と、
オーガニックのサラダ野菜を選ぶ。DSCN8538-1

そして会計。
DSCN8545-1

1人30ドルで5人で150ドル。
結構なディナーメニューができそうだ。DSCN8553-1

今日の最後は、
スーパーマーケットの2強対決。
道路を挟んで、
アルバートソン傘下のボンズと、
クローガー系のスミス。

そのボンズ。
もともとは、
南カリフォルニアのローカルチェーン。
それがセーフウェイに買収され、
現在はアルバートソンに合併されて、
アルバートソン傘下。
IMG_6682-1

セーフウェイは花売場が強い。
この店もバルーンを使って、
華やかに展開する。
IMG_6680-1

シックな床面とスポット照明の青果部門。
PBの「Oオーガニック」を主力で展開する。IMG_6671-1

ミート売場のマザーズ・デーの仕掛け。
ヨガをする母親の風船が浮かんでいる。IMG_6669-1

対面のシーフード売場。
残念ながらコンベンショナル型の店舗で、
お客は少ない。
IMG_6672-1

アルバートソン&セーフウェイは、
合併で規模を拡大したが、
そのメリットはほとんどない。

最後に、スミス。

「グレイザーズ」という単独店が廃業し、
その後に居抜き出店した店舗だ。
DSCN8589-1
グレイザーズは、
ラスベガスの1店舗だけの企業だった。
オーナーのグレイザーさんは、
東海岸でチェーン経営をしていた。
引退してラスベガスにやってきて、
趣味的に経営し始めたのがこの店だ。

しかし高齢となって引退し、
その店にスミスが入った。

入口にスキャン・バッグ・ゴーの端末。
お客自身がこの端末で、
バーコードをスキャンしながら買物して、
最後に、レジで一括カード決済する。IMG_6712-1

入口を入ると花売場。
この見事なプレゼンテーション。
迫力がある。
IMG_6714-1

「ホーム・シェフ」とネーミングされた、
独自のキットメニュー。
ホールフーズも最近強化しているが、
スミスも一丁目一番地で展開している。IMG_67309

青果部門も広くて豊富だ。
ウェグマンズの市場スタイルに似てきた。IMG_6710-1

青果部門の向かいに、
ショップ形式でバルク売場が作られた。
IMG_67279

壁で隔てられた左翼のデリゾーン。
広さを有効に活用した、
気持ちのいい売場だ。
基本構造はグレイザーズそのもの。IMG_6729-1

「ボアーズ・ヘッド」の大きな看板。
この大きさのものは初めて見た。IMG_6688-1

チーズショップのマレーズ。
クローガーが買収した、
ニューヨークのブランド。IMG_6689-1

店舗奥壁面の長大な売場。
クローガーの定番だが、
精肉、乳製品などが多段ケースで連なる。IMG_66919

ゴンドラアイルには、
グロサリーが圧倒的な商品構成で並ぶ。

ビューティー用品も、
グレイザーズ時代より魅力的だ。IMG_67009

この広大な売場に、
これでもかと商品展開される。
クローガーの実力が発揮されている。IMG_67029

牛乳は1ガロン2.69ドル。
ウォルマートに対抗する価格だ。IMG_67019

エンドでは代表的なPBが紹介されている。
エコノミーブランドのクローガー。
ライフスタイルブランドは、
シンプル・トゥルース、
クォリティブランドは、
Private Selection。IMG_67089

そして最後はファーマシー。
クローガー系の会社は、
必ずフード&ドラッグである。DSCN8587-1

ここまで差がつくかと思わせるような、
食品小売業2強の戦いだ。
ボンズはガラガラ、スミスは大繁盛。

かつての「業態」のまま進化のない店。
新しいフォーマットへと展開した店。

圧倒的な格差を、
米国食品小売業の2強が演じてくれた。

これもマーケットリーダーと、
マーケットフォロワーの、
格差によるものだ。

そしてこれは同時に、
ポジショニング戦略の有無による、
決定的な格差をも示している。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2019年05月09日(木曜日)

NYCのアマゾン・ゴーとラスベガス2日目のとんがり店舗たち

米国ラスベガスにやってきて、
商人舎主催のベーシックコースは、
2日目を迎えた。

ニューヨークでは一昨日の7日、
アマゾン・ゴー12号店が、
マンハッタンにオープンした。
e5b9293b9dee5a5d1298c14f1c7fe091

商人舎流通Supernews。
アマゾンnews|
マンハッタンに12店舗目の「アマゾン・ゴー」開店

場所はあの9・11の跡地の隣。
ブルックフィールド プレイスSC2階。
私も毎年、何度も訪れる。
DSCN8585.JPG8

1階に「ル・ディストリクト」
2階に「ハドソンイーツ」

前者はフランス版イータリー。
後者はニューヨークで大人気の外食を、
集めまくったイートイン。

このハドソンイーツと同一階への出店だ。
アマゾン・ゴーのスピード感。
それがアメリカ商業の真骨頂だ。

さて、ラスベガス2日目。
朝一番で、結城義晴のセミナー。

ベーシックコースでは毎朝、
私の講義がある。
DSCN8238-1

アメリカ小売業の最新情報を網羅しつつ、
競争の実態と各社の戦略、
業態からフォーマットへの分化、
さらにはポジショニング戦略までを、
滞在中4回にわたって7時間ほど講義する。DSCN8243--1

まずはイントロダクション。
ベーシックコースだから、
商圏や商勢圏、店舗の役割や、
陳列技術の基本など解説。DSCN8235-1

SKUやItemの説明。
さらに商業統計の説明では、
日本のSSDDSを解説した。DSCN82499

一晩寝たので、全員が元気を取り戻して、
真剣に聞いてくれた。DSCN8241-1

4日間の講義がある。
脱線に次ぐ脱線となったが、
それがまたベーシックコースの特徴だ。DSCN8269-1

講義が終わるとまず、
ホールフーズ・マーケットへ。
世界最高峰のオーガニックスーパーマーケット。
DSCN8339-1

ここでは2班に分かれて、
店内ツアーをしてもらう。DSCN9920-1

青果部門のチームリーダー、
ICさんが青果の売場づくりや、
農産品のトレンドを解説してくれる。IMG_6377-1

皆、真剣に耳を傾ける。
IMG_6379-1

通訳はキューティ上松。
JTB現地スタッフ。
IMG_6385-1

デアリーを担当しているジョーさん。
部門チームリーダー。
アレルギー体質の人向けのミルクや、
脂肪分の高い濃厚なミルクなど、
実に詳しく商品説明をしてくれた。
DSCN9942-1

珍しい濃厚な牛乳も試飲させてくれた。DSCN9964-1

質問にも丁寧な対応。
DSCN9968-1

それぞれ40分ほどの店内ツアー。
DSCN9953-1

IC君に感謝。
DSCN9928-1

そして店長のヘイディさんが
すべてをコーディネートしてくれた。
現在同社では、
店長をストアチームリーダーと呼ぶ。
ありがとう。
DSCN99709

視察2日目の今日から、
団員は5人ずつ9班に分かれて
恒例の商品調査が始まる。
DSCN8332-1

9班で、9つのカテゴリーを
調査する。
DSCN8336-1

ある品目を選び、
価格とフェース数を調べて、
各社の商品戦略を分析する。
DSCN8337-1

異なる会社の参加団員が、
5人ずつのチームになって、
コミュニケーションを図りながら、
進めていく。
IMG_6400-1

ホールフーズは、
アマゾンに買収された後、
価格志向が強まった。
IMG_6390-1

それでも売場は乱れることなく、
高いレベルで維持されている。
IMG_6408-1

店舗入口左にはバーもあって、
お客でにぎわっている。
IMG_6414-1

オーガニックスーパーマーケットの
もう一つの雄は、
トレーダー・ジョー。IMG_6433-1

「キャプテン」と呼ばれる店長や
セクションリーダーのメイトたち。
店長ブースの後ろに、
似顔絵が描かれている。

これらも店舗専属のアーティストの手によるもの。
IMG_6430-1

エンドのトップボードも洒落ている。
IMG_6417-1

エンドは新商品を中心に訴求・量販する。
IMG_6415-1

ここでも商品調査を行う。
DSCN8347-1

コストコ。
会員制ホールセールクラブだが、
全米4位の小売業へと躍進。
アマゾンが7位から3位に飛躍して、
コストコは1ランク下がってしまった。IMG_6468-1

コストコはどこの店舗も大人気だ。IMG_6435-1

コストコもネット通販を強化し始めた。IMG_6440-1

売場の各所でオンライン販売と
宅配を訴求する。
IMG_6445-1

ビジネス向けのネット通販では、
デリバリーサービスも始めた。
これは業務用卸売業だ。
IMG_6454-1

そのコストコでも、
団員たちの調査は続く。
DSCN8356-1

もちろん私は、
売場でも解説する。
DSCN8358-1

レジ頭上に掲げられた丸いカード。
寄付をした人たちの名前が記されている。
面白い。
IMG_6461-1

今日も調査のために、
ウォルマート・スーパーセンターへ。IMG_6477-1

入口に設けられた、
ピックアップタワー。

ネットで注文した商品の、
受け取りナンバーを打ち込んで、
このタワーに用意されている
商品を受け取る。
DSCN8372-1

ピックアップに来店した人のために、
専用駐車場が用意されている。
DSCN8377-1

スプラウツ・ファーマーズ・マーケット。
IMG_6492-1

オーガニックスーパーマーケットは、
ホールフーズとトレーダー・ジョーが
2強だったが、
それを急追するのがスプラウツだ。

青果売場が店の一番奥にある。
IMG_6482-1

その手前のチェックスタンド前に、
広いバルクフードのコーナー。IMG_6486-1

団員の調査も手馴れてきて、
短時間で済ませるようになった。IMG_6480-1

隣には酒専門店チェーンの、
トータルワイン。
DSCN8392-1

高いスケルトンの天井と、
木製の陳列什器。
IMG_6498-1

トータルワインでも、
ネット注文品のための、
ピックアップコーナーがある。IMG_6502-1

そして郊外の最後の視察店が、
ウィンコフーズ。
倉庫型のスーパーマーケット。
スーパーウェアハウスストアという。DSCN8406-1

入口を入ると、
ウォールオブバリューと呼ばれる
一丁目一番地のプロモーション売場。
DSCN8403-1

アルバートソン、ウォルマート、
スミス(クローガー)との価格比較で、
安さを打ち出す。
DSCN8404-1

肉と鮮魚は壁面の対面と、
斜めに配置された平ケースが特徴だ。IMG_6514-1

商品調査のために、
売場に散らばる団員たち。
DSCN8400-1

長い長い陳列線。
在庫量も豊富で、
これを売り切っていく。
IMG_6516-1

ホワイトブレッドを調査するチーム。
大量の商品フェースを数える。IMG_6523-1

いったん、ホテルに戻り
荷物を置いて、再び、
バスで最後の視察店へ。

ストリップのモンテカルロホテル跡に、
新たにパークMGMがオープンした。
その最新ホテルに出店したのが、
イータリー。
IMG_6556-1

食べる食堂、
買う市場、
学ぶ学校。
この3つの要素を盛り込んだ、
イタリアン提供業。

ストリップに面して、
レストラン「LA PIZZA」がある。IMG_6557-1

ホテルのカジノサイドの入口。IMG_6540-1

入ってすぐにワインバー。
IMG_6537-1

店舗は変形の2層で、
上階がレストランや飲食ショップ。IMG_6542-1

下のフロアには、
主に物販コーナーを並べた。
IMG_6552-1

ワインショップは
高額ワインが中心。
高所得の観光客狙いか。
IMG_6531-1

2階の中央にセルフの喫食スペース。
つまりレストラン以外は、
ファストフードの集合体だ。
IMG_6528-1

ラスベガスのイータリー。
今のところ、成功とはいえない。

市場機能と学校機能が弱いからだ。

つくづくと難しい商売だと感じた。

イータリーで解散して、
それぞれイタリアンを楽しんだ。

私たちは軽くワインと
ハム&チーズをたしなんだ後に、
ベラージオホテルへ。

日穀製粉の二人に招かれて
ホテルのシーフードレストランへ。

店を選んでくれたキューティ上松。
レストランの前面スペースに
大阪城の巨大模型がある。
それを背景にツーショット。
DSCN8426-1

有名シェフの店「マイケル・ミーナ」。IMG_6574-1

小池忠城さんと荻原大祐さん。
IMG_6565-1

アラカルトで食事を頼んで、
発砲ワイン「カバ」でおいしい料理を堪能。IMG_6572-1

ロブスターのパイ包み。
IMG_6567-1

ニューヨークカットの熟成ビーフステーキ。IMG_6569-1

ベラージオの噴水ショーまで楽しんで、
定宿のバリーズへ。
IMG_6577-1
ポジショニングを確立した企業の店を、
今日は網羅的に訪れた。

今回の研修の全体の趣旨を体現した、
貴重な2日目だった。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2019年05月08日(水曜日)

ラスベガス初日の米国業態別トップ企業群のポジショニング競争

連休明けにも関わらず、
45名の参加者が集まってくれて、
2019年商人舎Basicコースが始まった。

東京成田国際空港を飛び立って、
7時間余りで北米大陸に到着。

そしてサンフランシスコのベイエリア。DSCN81609

サンマテオ・ブリッジが見えてきた。DSCN81669

サンフランシスコ国際空港到着。
ラスベガス直行便はない。

ここで乗り換えて、ネバダ州へ。IMG_61409

山肌が露出している。IMG_61449

山地を抜けると、
1時間半でラスベガス渓谷。IMG_61539

ネバダ州の中心がこのラスベガス市。IMG_61459

そのラスベガスの中枢部が、
「ストリップ」と呼ばれる大繁華街。IMG_61509

ストリップに隣接する、
マッカラン国際空港に到着。
IMG_6161-1

出迎えてくれたのは、
キューティ上松。
JTB現地スタッフ。
IMG_6159-1

ラスベガスは、
ギャンブリングの街であり、
エンターテインメントの街だが、
人口増に伴って、
小売業の革新が進んでいる。

コンパクトな街だが、
主だったフォーマットが網羅されている。IMG_6162-1

早速、専用バスに乗り込んで、
視察研修へ。
DSCN9893-1

バスの中でも
テキストを開いて、
講義とガイダンス。DSCN9896-1

アメリカに来て最初に訪問するのは
必ずウォルマート。

世界最大の小売業で、
世界最大の企業。

2019年1月期の決算で、
年商は5144億0500万ドル。
100円換算で51兆4405億円。

その売上げをけん引しているのが、
最強フォーマットのスーパーセンター。DSCN9897-1

店舗面積は最大7000坪で、
フード&ドラッグとディスカウントストアを
コンバインしたフルラインの店だ。

入口はプロモーションコーナー。
ロープライスリーダーを謳う。IMG_6210-1

店舗左側がマーケット。
青果は品質もプレゼンテーションも、
格段に良くなった。IMG_6200-1

5月は二つのプロモーションがある。
一つは第2日曜日のマザーズデー。
もう一つは最終月曜日のメモリアルデー。
この二つのプロモーションを
売場の各所で展開している。IMG_6201-1

団員を引き連れて、
売場を解説。
DSCN9905-1

ウォルマートは、
そのオペレーションやマネジメントが、
売場にくっきりと表れてくる。

それを現場で丁寧にレクチャーする。DSCN9909-1

団員たちも熱心にメモを取りながら、
売場を回る。
DSCN9919-1

主通路を歩きながら、
ウォルマートの店づくりを学ぶ。IMG_6180-1

売場の一番奥に設けられた
ピックアップヒアーのコーナー。
ネット注文品をここでお客に手渡す。
IMG_6179-1

レジ前のプロモーションコーナー。
母の日のギフト商材が並ぶ。
IMG_6197-1

アパレルは夏物商材を全面展開。
一番売り込んでいるのが水着だ。

メンズもレディスもキッズも、
一番目立つ場所で、
水着を展開する。
IMG_6203-1

ウォルマートのカート。
突然、このエリアで、
カートの車輪が動かなくなった。

何かと思ったら、
店の圏内からカートを持ち出せないよう、
仕掛けがされている。

年配の男性客が教えてくれた。IMG_6214-1

ウォルマートのホールセールクラブが、
サムズクラブ。IMG_6271-1

コストコそっくりの売場づくりに変えて、
お客の支持が上がっている。IMG_6221-1

フレッシュミートとシーフードは、
新たに突き出しの対面コーナーを設けた。
コストコとの差別化作戦だ。IMG_6224-1

天井に届くほどのラック陳列。
アイテムを絞り込んでパレットで販売する。
IMG_6229-1

レジはセルフレジが増えた。
キャッシュレス化も進んでいる。
これもライバル・コストコとの違いを出すためだ。IMG_6269-1

ウォルマートの反対側にある
ベストバイ
家電チェーン米国ナンバー1。

年商428億7900万ドル。
4兆2879億円。
IMG_6275-1

売場が改装されて、
見通しも良くなった。IMG_6274-1

デジタル家電が強化されて、
売場の中央で展開されている。IMG_6273-1

広大なパワーセンターの敷地のなかで、
もう一つの核店舗がホームデポ。
全米ナンバー1、世界ナンバー1の
ホームセンター。

1082億0300万ドル、10兆8203億円。DSCN8197-1

入ってすぐに、
マザーズデーの花のギフト。DSCN8198-1

9700坪ほどのメガホームセンターは、
DIYの一般客だけでなく、
プロユースにも対応する。
入口の横には、
プロ向けのサービスコーナー。IMG_6285-1

さらに専門店チェーンも揃う。
ベッド・バス&ビヨンド
全米唯一となってしまった、
ホームファッション・チェーン。DSCN8203-1

壁面にびっしりと天井まで商品を並べ、
キッチン、寝具、バスなど、
生活シーン別に商品を揃える。
IMG_6295-1

カラフルなカバリング商品も、
天井近くまでプレゼンテーション。IMG_6302-1

オフプライスストアのマーシャルズ
T.J.マックスが展開するバナー。
年商は389億7300万ドル、3兆8973億円。
伸び率は8.7%で4兆円規模も視野に入ってきた。DSCN8207-1

百貨店やステータスブランド専門店で、
シーズンが終わって売れ残った商品を、
集荷してきてディスカウント販売する。IMG_6303-1

商品はフック陳列が主体。
ブランドやサイズは関係なく、
メンズ、レディス、キッズを、
トップスやボトムスに分けて展開する。
時間に余裕のあるお客が、
宝探しのような感覚で商品を探して選ぶ。IMG_6309-1

同じ業態のロス・ドレス・フォーレス
DSCN8209-1

さらに専門店チェーンが配置される。
ティリーズはアパレル専門店。DSCN8211-1
広大な敷地、広大な駐車場。
ウォルマート・スーパーセンターをはじめ、
強力なディスカウント業態を揃えた
アローヨ地区のパワーセンター。
しかも名だたる4桁チェーンが、
ずらりと顔を揃える。

次に向かったのが
クローガー傘下のスミス

ラスベガス地区で、
26.4%のトップシェアを誇る。IMG_6349-1

入口で出迎えてくれるのが、
カラフルな花売場。
日本のスーパーマーケットでも、
カジュアルフラワーを
もっと強化してもいい。IMG_6342-1

そして青果売場。
腰高の什器で、
旬のフルーツと野菜を並べる。IMG_6343-1

ニューヨークのチーズ専門店「マレーズ」。
クローガーが買収して、
専属のショップとなった。
IMG_6318-1

デリの対面販売売場。
デリカテッセンの「ボアーズヘッド」が、
その中核コーナー。IMG_6315-1

セルフ売場のビーフや鶏肉などのカテゴリーでも、
PB「シンプルトゥルース」が中核。
オーガニック&ナチュラルのブランドだ。IMG_6322-1

奥主通路は精肉、加工肉から、
デアリー売場へと続く。IMG_6324-1

デアリー(dairy)は、
乳製品関連の売場。IMG_6330-1

ここでもシンプルトゥルースが、
ずらりと揃う。
IMG_6329-1

夏需の商材を集めた、
プロモーションコーナー。
IMG_6334-1

レジは通常レジとエクスプレスレジ、
そして完全セルフレジの3種類。
団員もセルフレジを体験。IMG_6338-1

初日は全米ナンバー1のウォルマートと、
ナンバー2のクローガーを視察。
クローガーはスーパーマーケット首位。
ホームデポもベストバイも、
マーシャルズのTJXも、
ベッド・バス&ビヨンドも、
それぞれの業態でのトップ企業だ。

午後7時を回って、
夕食懇親会の会場へ。

恒例のロウリーズ
最上級のプライムリブを提供するレストラン。IMG_6353-1

シックなウェイティングバー。IMG_6354-1

われわれは個室で円卓を囲む。IMG_6358-1

乾杯の発声は、
㈱ロピアの相川博史さん。
取締役営業本部長。IMG_6361-1

日本からラスベガスまでの、
長い初日を終えて、
ビールで乾杯。
IMG_6363-1

ロウリーズ名物は、
サラダのデモンストレーション。

皆、スマホをかざして撮影。
IMG_6368-1

メインのプライムリブのローストビーフ。IMG_6369-1

このおいしそうな仕上がり。
それをカッティングして提供してくれる。IMG_6371-1

ローストビーフと、
パイ、マッシュポテト。
IMG_6373-1
大満足のディナーで、
長い長い1日を終了した。

二つのショッピングセンターを回れば、
全米の小売業の業態別トップ企業を学べる。

しかもそれぞれが確実に、
自分の立ち位置を構築している。

すみ分けつつ競合する。
まさにポジショニング競争である。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2019年05月07日(火曜日)

商人舎ラスベガス・ベーシック編の「自分のため・みんなのため」

10連休が明けて、
政府や行政も通常の活動に戻り、
一般企業も営業を始める。

通常国会は今日から再開され、
午前9時に衆議院、午後1時に参議院で、
審議が始まった。

本格的に令和時代が始まった。

もちろん小売りサービス業は、
5月1日から書き入れ時に突入した。

決意新たに新しい時代に臨む。

だからといって、
昨日と今日が、そして明日が、
そう急に変わりはしない。

ピーター・ドラッカーの言葉。
もちろん上田惇生訳。

未来を築くために
初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを
決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを
決めることである。

連休明けの今日は、
YCATからリムジンバス。
横浜シティーエアーターミナル。

すぐにマリンタワーが姿を現す。DSCN98299

山下公園。
DSCN98309

そして横浜のベイブリッジ。
DSCN98349

横浜港とみなとみらい。
快適な初夏の横浜。
DSCN98399

1時間半足らずで成田国際空港。
第1ターミナル南ウィング。

いつものように手早く手続きを終わらせ、
待合室へ。

商人舎米国研修ベーシックコース。
イン・ラスベガス。
IMG_61259

2時半には全員集合で、
まず佐藤公彦さんのレクチャー。
JTBきってのカリスマ添乗員。

今年は230日間、海外に出る。DSCN98549

そして結城義晴の最初の講義。DSCN98869

この視察研修の特徴や全体スケジュール。
現在の米国の経済と消費と小売業の状況、
人口構成、人種構成、世代構成など、
商売と密接に関連するデータ。
アメリカの祝日やプロモーション、
そしてラスベガスという都市の位置づけ。

ついでにドナルド・トランプ大統領の、
中国製品への関税引き上げの意味なども。

ついつい脱線してしまうが、
それがまた大切なことでもある。DSCN98689

最後は現地に到着してすぐに必要となる、
基礎知識のレクチャー。
平均的な部門別売上構成比や、
日米の単位の違い。

そして機内での宿題。
DSCN98829
この研修は商人舎を設立してから、
毎年ずっと続けているから、
内容は厳選され、充実している。
その意味と意義を知ってもらいたい。
熱が入る。

基本の考え方は、
ピーター・ドラッカーにある。

そして一昨日のこのブログに書いた、
ルソーの「エミール」

自分のために生きること、
みんなのために生きること。

自分のために学ぶことが、
みんなのために学ぶことになる。

自分のために成長することが、
みんなのために成長することになる。

自分のために仕事することが、
みんなのために仕事することになる。

講義が終了すると、
出発ゲート前で、
最初の全員写真。

やる気満々です。
IMG_61329

そしてゲート集合は4時15分。DSCN81379

ユナイテッド航空838便で、
サンフランシスコに向かう。
乗り換えてラスベガスへ。
現在、ラスベガス直行便はない。DSCN81389

飛び上がると成田空港が見下ろせる。DSCN81399

そして緑の日本。
DSCN81419

真下にゴルフ場。
DSCN81439

利根川沿いの水田が美しい。
DSCN81509

巡航高度3万3000フィートになると、
もう雲の上。
約1万メートル。
DSCN81539

ジェット機の巡航速度は時速約800~900km。
安定して飛ぶことができる速度。

このスピードで飛行するために、
空気抵抗が少ない高度で、
しかもジェットエンジンに必須の、
酸素が適度に存在する高度が、
1万メートル前後となる。DSCN81559

もうちょっと上昇する。
DSCN81569

これが1万メートルあたり。
DSCN81589
そして7時間ちょっとで、
サンフランシスコ国際空港に到着する。

では、自分のために学び、
みんなのために学びます。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2019年05月06日(月曜日)

令和元年の「ゆでガエル日本」と”Our finest hour”

Everybody! Good Monday!
[2019vol18]

令和元年に入って1週間が過ぎる。
2019年としては第19週、5月第2週。

今日は二十四節気の「立夏」。
暦の上では今日から夏となる。

すがすがしい初夏。
DSCN85389

月刊商人舎webコンテンツ。
月曜朝一・2週間販促企画。

月刊商人舎の年間購読者となって、
IDとパスワードを保有しなければ、
読めない。

恐縮至極だけれど、
商人舎にも会社を維持していくために、
そして将来のために、
原資が必要なので悪しからず。

会員になってください。
改めてお願いします。
申し込みはへ。

さて今朝の2週間販促企画の主旨。
当然のことながら、10連休の反動がある。
消費は低調。

そのなかで、今週日曜日が「母の日」。
昨日もこのブログで書いたが、
こどもの日の趣旨は、
「こどもの人格を重んじ、
こどもの幸福をはかるとともに、
母に感謝する」

こどもの日に、母に感謝し、
そのまま1週間後の母の日につながる。

だからこの1週間は、
子どもの成長を親が祝った後で、
子どもが母を敬い、感謝する。

よくできた曜日まわりなのだ。

商人舎の2週間販促企画の鉄則は、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」

さて日経新聞の 芹川洋一さん。
論説委員長、論説主幹を経て、
現在、編集論説フェロー。

考察するのは、
「令和デモクラシーへの道」

「ふしぎなくらいに、
元号とともに日本政治は動いてきた」

明治時代。
「いうまでもなく維新で、
天皇を中心にした国づくりが肝だった」

大正時代。
「改元の直後には、
第1次護憲運動がおこる。
大正デモクラシーの起点だ」

昭和時代は、
1926年の改元と1945年の敗戦で、
分けられる。

「はじまりの時期は、
政党内閣制の定着が焦点で、
そのあと崩壊して、
戦争へと突き進んでいった」

「戦後は国の再建、
豊かな生活の実現が課題だった。
自民党長期政権は利益分配で
それを達成しようとした」

「その行きづまりがはっきりしたのが
89年の平成改元のころだ」
平成時代。

ベルリンの壁の崩壊。
ソビエト連邦と共産主義の破綻。
直後のバブル崩壊。

不思議な元号変更との同期だ。

「政治とカネのスキャンダルが
政治改革を促し、平成政治の基調となった」

そして現在の令和時代。
芹沢さんは「令和デモクラシー」を説く。
令和時代の民主政治である。

「国力の回復と少子化・高齢化が
主テーマであるのは論をまたない」

今という時代。
「グローバル化、デジタル化の波のなか、
企業の国際競争力は落ちる一方で、
この国を引っ張っていく
産業のかたちがみえない」

私は消費産業や小売りサービス業が、
この国の形の一角を占めると思う。
それは輸出産業になりうる。

「少子化には歯止めがかからず、
高齢化は進み、
社会がどんどん縮んでいく」

現在の1億2600万人余の人口は、
2040年に1億1000万人ぐらいになる。

「その間、生産年齢人口は減りつづけ、
社会保障費がかさんでいく」

芹沢さんの観察。
「それなのに奇妙な安定が
支配している」

18年の内閣府の国民生活世論調査。
現在の生活に満足している人の割合が、
74.7%に達した。
これは調査をはじめた57年以降で最高。

このマインドは消費にも影響する。

経済同友会の小林喜光前代表幹事は、
「ゆでガエル日本」と喝破。
小林さんは㈱三菱ケミカルHD会長。

政治と国会に対して、
つまり行政と立法に対して、
いくつかの令和民主政治提案がなされる。

最後に思い起こしたい先人の言葉、
ウィンストン・チャーチル。

1940年6月、ナチス・ドイツが進軍し、
フランスは降伏寸前にあった。
「次は英国攻撃かと緊迫していたときの
チャーチル英首相の演説」
index1

「もし大英帝国が千年続いたとしても、
振り返って後世の人々から、
“their finest hour”と言われるように
振る舞おう」

“their finest hour”は、
「彼らの最良の時間」

千年後の人たちから、
「彼らの最良の時だった」と、
賛辞を贈られる令和時代。

私たちは消費産業において、
“Our finest hour”を、
つくるよう振舞いたい。

では、皆さん、10連休が明ける。
高い志をもって、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年05月05日(日曜日)

こどもの日の「自分のために生きる」と「みんなのために生きる」

こどもの日。
O

自分がこどもでなくなり、
自分の息子や娘も成人して、
「こどもの日」のこどもではなくなった。
しかもまだ孫もいないから、
「こどもの日」は遠いものとなった。

「こどもの日」の祝日は、
五節句のひとつ「端午の節句」が、
祝日となったもの。

現在は、ゴールデンウィークの最後の日。

節句は、中国の陰陽五行説に由来する。
日本にこの考え方が輸入され、定着して、
年中行事を行う季節の節目となった。

その節句の中でぞろ目の5月5日が、
端午の節句。

鎌倉時代あたりから、
「男の子の節句」となった。

祝日法の趣旨は、
「こどもの人格を重んじ、
こどもの幸福をはかるとともに、
母に感謝する」

人格を重んじる――
これが大事だと思う。

もちろん母に感謝する――
これが加えられているところがいい。

中日新聞の朝刊コラムが、
「中日春秋」

ジャン=ジャック・ルソーを引く。
1712年から1778年のフランスの思想家。
1762年発刊の斬新な教育論が、
『エミール』

今野雄一さんの訳が素晴らしい3冊。
51SAEV8M5NL._SX334_BO1,204,203,200_
ルソーは、人間の成長や発達は、
三つの要件によってもたらされるとした。
それが「自然」「人間」「事物」だ。

この三つの調和によって、
理想的な人間は育つ。

この書は架空の孤児エミールを、
ルソー自身が育てる。
架空の小説仕立てとなっている。

そしてルソーは二つの人間像を提示する。
自分のためだけに生きる「自然人」
(homme naturel オム・ナチュレル)
社会全体の中で自分を位置づける「社会人」
(homme civil オム・シヴィル)

この対立する二つの人間像を統合して、
理想的な人間が育つ。
515PKF5RQEL._SX340_BO1,204,203,200_

自分のために生きること、
みんなのために生きること。

自分が幸せでなければ、
他人(ひと)をいたわることはできない。
弱者に対するいたわりもうまれない。

他人の幸せを願うことが、
自分の幸せになり、
それがよりよい社会をつくることになる。
51G19KBHEJL._SX334_BO1,204,203,200_

その教育者であるルソーが、
「子どもを不幸にする一番確実な方法」を説く。
逆説的な教育論だ。

「それは
いつでもなんでも

手に入れられるように
してやることだ」

その通りだ。

コラムニスト。
「物に限らずだろう。
わが子の笑顔ばかりみているようなら、
幸福は子どもから遠ざかっている」

ルソーは『エミール』の中で強調する。
「子どもは大人ではない。
子どもは子どもである」

しかし子どもの自主性は、
なによりも重んじられるべきだ。
子どもに限らない。

子どもも大人も、
人間としての自主性こそが、
その尊厳となる。

子どもは大人ではない。
子どもは子どもである。

しかし大人と同じように、
自主性と尊厳は守られねばならない。

そのために教育は、
それぞれの子どもの成長に即して、
それぞれの子どもの能力を活用しながら、
行われるのが望ましい。

わが子を親のエゴで引きずり回す。
これが一番情けない教育だ。

自分ができなかった夢を、
子どもに託す。

それは悪いことではない。
しかしそこにも、
子どもの自主性がなければいけない。

こどもの日には、
なおさらそんなことを考える。

コラムはさらに米国のジョークを紹介する。
ルソーとは次元の違う話だが。
「ものごとをやりとげる三つの方法」
⑴自分でやる
⑵誰かにやってもらう
⑶自分の子どもにやるなと言う

⑶の「やるな」と言えば言うほど、
子どもは「やりとげる」。

「うるさくなければ、子どもはだめになり、
うるさくすれば、ときに逆効果で…」

これはちょっと、
嫌な気分にさせられる、
ブラックジョークだ。

産経新聞の巻頭コラム「産経抄」

江戸時代の俳句を紹介。
肩車上にも廻る風車

コラムニスト。
「昨今は肩車の親子をあまり見ない」
nz-0012_01

しかし、肩車の上で、
風車を回している子どもは、
親より高い視野で、
自分の世界を見ている。

子どもに夢を託すとは、
そういうことだ。

自分のために生きる。
そしてそれが、
みんなのために生きることにつながる。

それが幸せな生き方なのだ。

〈結城義晴〉

2019年05月04日(土曜日)

みどりの日のエズラ・ヴォ―ゲル教授の指摘と「三位一体」

12度目の5月4日のみどりの日。
祝日が土曜日と重なったが、
10連休となるとそんなことは、
どうでもいい気がしてくる。
DSCN85609

みどりの日はもともと、
昭和天皇の天皇誕生日の祝日が、
ご崩御ととともに、
名称を変えて祝日となった。

したがって、1989年の平成元年から、
2006年の平成18年までは、
4月29日がみどりの日の祝日だった。

ところがこの日を、
昭和の日にすることになって、
黄金週間の5月4日が
「祝日と祝日の間の休日」だったから、
この名称があてられた。

「自然にしたしむとともに
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」
これがみどりの日の趣旨。

日本らしくてとてもいい祝日だと思う。

海外では、
St. Patrick’s Day
別名「緑の日」と称される。

聖人パトリックの命日が、
聖パトリックの祝日となった。
アイルランドにキリスト教を広めた人だ。

3月17日。

アイルランド共和国では、
もちろん祝日。

アイルランド移民の多いアメリカやカナダ、
オーストラリアやニュージーランド、
そしてイギリスでも、盛大に祝う。

日本でもパレードが行われる。
slider2018121902

アメリカではケネディ家が、
アイルランド移民として有名だ。

聖パトリックは、
三つ葉のクローバーをシンボルとした。
キリスト教の「三位一体」を、
クローバーの三枚の葉にたとえた。

厳密にはクローバーではなくて、
シャムロックだが。

映画などでよく出てくるお祈りのセリフ。
「父と子と聖霊の名において」

「父」とは「神」であり、
「子」とは神の子イエス・キリスト。
そして「霊」「聖霊」は、
キリストを信じて洗礼を受けた人に宿る、
神聖な魂。

三つ目の「聖霊」がわかりにくいが、
これがキリスト教を世界宗教にした原動力。

この三つが唯一の神そのものであり、
「一体」であるとする教えが三位一体説。

聖パトリックは三位一体の概念を、
三つ葉のクローバーにたとえた。
そこで緑がテーマカラーとなった。

アイルランドもアメリカも、
この日は着るもの、飾るもの、
食べるもの、家の中を緑一色にして、
祝い、食べ、酒を飲む。

ニューヨーク五番街には、
セントパトリック教会があって、
JFケネディはここで、
結婚式を挙げた。
DSCN88938_

欧米の緑の日と、
日本のみどりの日。

趣旨は全く違うから、
世界中で日本だけのみどりの日。

今日は自然に親しみたいものだが。

さて日経新聞のシリーズ「令和を歩む」
エズラ・ヴォーゲル教授。
「ジャパン・アズ・ナンバー1」を書いた、
米ハーバード大学名誉教授。
214S2HFF+yL._SX313_BO1,204,203,200_

「令和の”和”には平和への意志を感じる。
Beautiful Harmonyという訳もいい」

外務省は「令和」の英訳を、
「Beautiful Harmony」と決定して、
海外に向けて発信している。
「麗しい調和」だろうか。

「世界はいま混乱している。
米国は世界の戦後秩序づくりに貢献したが
トランプ政権は物足りない」

「日本の指導者は
米国がどう考えるかを見てきたが、
今後は日本が中国、欧州、
オーストラリア、インドと
どう向き合うかを自主的に考えるべきだ」

世界のなかで、
日本のポジショニングを考えよ。

「バブル経済の崩壊とともにはじまった、
平成は低成長だったが、
平和と安定の時代だった」

「証券会社は文句を言っても、
普通のひとのくらしや社会秩序では
日本は非常にうまくやった。
長生きで、健康で、教育の水準も高い。
貧富の格差も欧米ほどではない」

この観点は、清水信次さんと一緒だ。
㈱ライフコーポレーション会長、
日本小売業協会会長。

「中国経済が日本を追い越した、
2010年は転換期だった。
令和時代には、ほどなく米国も超える。
米中関係は悩ましい」

「中国は比較的抑えめだが、
トランプ政権には戦略が全くない」

では、日本はどうすればいいか。
51xSIA-5WtL._SX303_BO1,204,203,200_

「日本に米中という超大国の
橋渡し役は難しい。
だが米国の過剰な反応をいさめるなど、
助けることはできる」

「もちろん日米同盟は非常に深い。
中国の軍事増強を考えると
米国に頼るしかない」

だから平成時代には、
「中国とどう付き合うかが
日本に問われる」

そこで親中派の政治家が必要となる。
親中派の民間人も貴重だ。

例えば丹羽宇一郎さんのような。

中国に店舗やSCをつくることも、
その意味で日本のために、
極めて有益である。

今年6月には、
習近平中国国家主席が日本を訪れる。
昨年は800万人の中国人が日本を旅した。

イオンや平和堂、セブン-イレブン、
ユニクロやニトリ、MUJI。
もっともっと中国の店舗を強化していい。

ただし、日本で強い企業でなければ、
それはできない。

そして生鮮食品に関連する事業は、
一番最後の中国出店となる。
その意味で慎重であるべきだ。

私はずっと指摘している。

ヴォーゲルさん。
「高齢化、人口減少、中国との競争。
日本の若い人は問題の所在を分かっている。
新しい精神で会社を起こしたり、
大企業のなかで
創造力を発揮したりしてほしい」

安倍晋三首相の評価。
「豪州のラッド元首相のように、
中国語が上手で、北京とワシントンで
双方の指導者と真剣に渡り合える
国際派の政治家が出てほしい」

ヴォーゲルさんは、
故加藤紘一代議士の名を挙げ、
河野太郎外相や小泉進次郎議員を評価。

「戦後の日本の官僚には
幅広く物を考える人がいたが、
最近は視野が少し狭い。
政治家は強くなったが勉強をしない」

「世界での経験を積み、戦略を持つ
リーダーを育てないといけない」

新天皇陛下に関して。
「非常に謙遜され、
英語ができる立派な方だ」

雅子妃殿下。
「ハーバード大学で私が担当した
日米交流事業に参加された。
とてもまじめで優秀な国際人だ」

「お二人とも非常に良い、
国の象徴になると思う」
天皇即位55

エズラ・ヴォーゲル教授の見方。
天皇皇后の評価は高い。
政治家は低いし、官僚は下がっている。
民間の若い人たちには期待する。

納得。

最後に「折々のことば」
第1452回。

剣をとる者はみな、
剣で滅びる。
(マタイによる福音書〈新約聖書〉)

編著者の鷲田清一さん。
「暴力で事を解決しようとする者は、
いずれ暴力でなぎ倒される。
暴力は何も生まない」

「同じように、
金で身を立てる者は
金で身を滅ぼす。
まるでブーメランのように」

ドナルド・トランプも。

「そうした宿痾(しゅくあ)から
言葉の力で脱出しようとする人もまた、
同じ言葉の力で崩壊することがある」

「人生の苦難は、
言葉を得ることで
解消されるわけではない。
人は同じ苦難にこんどは
言葉の世界でぶち当たる」

以て自戒とすべし。

人格と言葉と行動が、
三位一体でなければならない。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.