結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年09月20日(土曜日)

ロサンゼルス「ドジャース観戦ツアー」2日目の凡庸な巨大市場

ロサンゼルス初日の夜の懇親会。

71階からの夜景。

㈱大創産業は昨2024年から、
Los Angeles Dodgersと、
スポンサーシップ契約を結んだ。

それによって、昨年と今年、
全ホームゲーム、春のキャンプ、オープン戦で、
「DAISO」のロゴが掲出される。

それ以外にも多くの特典がある。
今回の「ドジャース観戦ツアー」では、
その特典が参加者におすそ分けされる。

夜の懇親会では、
試合前のバッティング練習見学だとか、
始球式の際のグランドでの同席だとか、
プレゼントなども披露された。

その一つがこれ。
チャンピオンリング。
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私は当たらなかったが、
一瞬だけ指輪をつけさせてもらった。
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各界経営者が参加したツアー。
大いに盛り上がった。

ホテルに戻って、
一夜明けると快晴。

カリフォルニアに雨は降らない。
It Never Rains In Southern California.
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自室から高層ビルが見える。

2日目も夕方まで店舗視察。

専用バスに乗り込む。IMG_8713

車中解説。
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ドジャース観戦ツアーなので、
テキストは用意しなかったが、
マイクを持つといろいろと伝えたくなる。

今日は人数が増えて、ほぼ満席。
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まずは、
ブリストルファーム。
1982年、ロサンゼルスで創業。
サービス&クオリティ型スーパーマーケット。

1983年だったと思うが、
第2号店でCEOの子息の店長にインタビューした。

その後、急成長して、停滞。
アルバートソン傘下に入った。

今、南カリフォルニアに19店舗を展開。
うち13店舗がブリストルファームズのバナー。
6店舗がレイジー・エーカーズ・マーケット。
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導入部は花売場。
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それからインストアベーカリーとデリ。
壁面に沿ってぐるりと対面コーナーを設けている。

はじめはケーキ。
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それからデリディッシュ。IMG_5670 (002)

さらに奥が寿司バー、
手前がサラダバー。IMG_5667 (002)

そしてシーフード売場。
対面コーナーだが、
なぜか魚が1品もない。
午前9時。
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精肉の対面売場は充実。
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ワインとスピリッツ。IMG_5664 (002)

最後に青果部門が配置される。IMG_5662 (002)

腰高什器で美しい陳列。
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ブリストルファームは、
高級過ぎず、高額過ぎず、
いいポジショニングを築きつつある。

道路を挟んで、
ラルフ。
クローガー傘下のこのエリアの店舗バナー。
この地で187店舗、25.4%のシェアをもつトップ企業。
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この店は古くて、売場も狭い。
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真っ白な壁面のシーフードコーナー。
それなりに改装が施されているが、
氷を敷き詰めた対面ケースに1品も並んでいない。
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狭い店なのに在庫が多い。
同グループのテキサスのクローガーや、
ラスベガスのスミスに比べると、
ずいぶん管理レベルも低い。IMG_5679 (002)

プラントベースの肉を品ぞろえする。 IMG_5681 (002)

最終コーナーを超えて、
デリ売場には「ボアーズヘッド」を導入。
しかしうまくこなしていない。
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至る所に価格訴求。
「Buy1Get1Free」のPOPばかり。
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ロサンゼルスは今や、
成熟した凡庸な巨大マーケットとなった。

トップ企業なのに、
古い店には再投資しない。

その分、ブリストルファームが活況を呈している。

エレウォン。
ロサンゼルスで10店舗を展開する。

マクロビオティックの食品を扱う、
高級ナチュラルスーパー。IMG_5709 (002)
日本人の久司道夫さんが創業。
マイクロビオテックの実現のために、
スーパーマーケットをつくった。

入り口には左にデリ、右に花。
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そしてレジが来るが、
左手にスムージーを提供するdrinkコーナー。IMG_8709

レジから主通路は置くに一本、
I字型のコンコース。

その右手はグロサリー売場。
プライベートブランドがずらりと並ぶ。
バス・ソルトは異常に品揃えが豊富だ。 IMG_5704 (002)

健康に関するサプリメントなどが、
こまごまと棚を埋めている。
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主通路沿いにPBワイン。
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左側壁面は精肉や乳製品の多段ケース。
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品種数は少ないが、
重要アイテムはしっかり管理されている。

高級チーズの盛り合わせ。
この1パックで74ドル(1万円くらい)。
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一番奥まったところに青果売場。
美しいプレゼンテーション。IMG_8705

昼食を兼ねて、
ファーマーズマーケットへ。IMG_8724

アメリカの商業施設は、
4つの類型に分けられる。
ネイバーフッドショッピングセンター。
コミュニティショッピングセンター、
リージョナルショッピングセンター。
そしてスーパーリージョナルショッピングセンター。

しかしこれらが変容して、
新しい4つの類型ができた。
第1がディスカウント業態を集めたパワーセンター、
第2が街並みを再現するライフスタイルセンター、
第3がアウトレットセンター、
そして第4がテーマフェスティバルセンター。

ここはファーマーズマーケットという切り口の
テーマ・フェスティバルセンターと、
ライフスタイルセンターをコンバインしている。IMG_8715

金曜日の昼時、
観光客と地元客でにぎわっている。IMG_8718

ショッピングセンターの外側に、
トレーダー・ジョー。
2012年オープン。
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1万5000平方フィートの大きな店。
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珍しくガラガラのトレーダー・ジョー。
大きすぎると売場をもて余すのか。
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花売場から青果売場へ。
これはTJの常道。
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トレーダージョーでは初めて見た。
ワインのテースティングコーナー。
この曜日、この時間には閉鎖されていた。
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広い店で意欲的な試み。
しかしそれはまだ威力を発揮していない。

そして、
ホールフーズ。IMG_8734

ホールフーズは標準サイズの古い店だが、
地元になじんで賑わっている。

ハロウィンプレゼンテーションは秀逸。
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青果部門も素晴らしい。
IMG_5721 (002).jpg1

シーフード部門はホールフーズの核売場。
他社が精肉部門の一カテゴリーであるのに対して、
ホールフーズは完全な部門となっている。IMG_8736

チーズ売場の主役は、
パルメジャーノレッジャーノ。IMG_5725 (002)

そしてホールフーズが発明して、
全米に広がったセルフデリ売場。IMG_5726 (002)

ここで私はセルフデリのスープと肉と温野菜でランチ。
ホールフーズでのランチは安心できる。

昼食の後は、
アルバートソン。
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1990年代まではエクセレントカンパニーだった。
現在は、クローガーに次ぐ業界第2位企業だ。

ロサンゼルス都市圏では2位のシェア。
セーフウェイ、ボンズとアルバートソンのバナー。
152店舗で12.2%を占める。

入り口にファーマシー。
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青果の壁面売場はきちんと管理されている。
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肉と魚の対面売場。
顧客の要望に応えなければいけない。
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それにしても特売が多い。
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アイルの売場内には、
鍵付きのリーチインケースがズラリ。
万引き対策だ。
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セルフサービスが崩壊しつつある。

店舗視察の最後は、
ゲルソンズ。
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南カリフォルニアを中心に展開する。
高級スーパーマーケットとして、
日本の流通関係者にはおなじみ。
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紀ノ国屋ファウンダーの増井徳太郎さんは、
ゲルソンズで研修を受けて勉強した。

しかし残念なことにこの店は、
もはや普通のスーパーマーケットになっている。IMG_8753

惣菜売場のアワーキッチン。
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精肉部門にも対面販売売場がある。
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2021年4月に日本のPPIH傘下となった。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。

だから売場のプロモーションコーナーには、
ドンペンが並ぶ。
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今日はロサンゼルス都市圏の、
1、2位のスーパーマーケットを訪れた。
ラルフとアルバートソン。
マーケットリーダーとチャレンジャーか。
ちょっと物足りないが。

コストコが3位、4位にウォルマート。

そして多くのニッチャーがある。
それがブリストルファームであるし、
エレウォンやゲルソンズだ。

店舗視察を終えて、
いよいよ本命のドジャーススタジアムへ。
ドジャースとジャイアンツの感動のゲーム観戦。

ここにはドラマが待っていた。

それは明日、詳報しよう。
(つづきます)

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 私自身の最後のアメリカ流通視察から20年近くも経ってしまいました。
    その分、商人舎さんのアメリカ流通特集は、じ〜っと目を凝らして見続けてしまいます。
    買い物できるわけでもないのに、見飽きない売場というのもすごいです。不思議です。

    • 吉本さん、ありがとうございます。

      丁寧に写真を選んで、ブログにしましたよ。

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