｢大切なことには理由がない｣とスプラウツの｢コア･バリュー｣
7月7日。七夕。
英語でも｢tanabata｣
もしくは｢the Star Festival｣
とはいっても、直前の7月4日。
インディペンデンスデーを祝うから、
tanabataは陰に隠れている。
その七夕の日に、
ダラスからニューヨークに移動。
朝日新聞｢折々のことば｣
第806回。
出来れば理由は
聞かないで欲しい。
大切なことには、
理由がないのだ。
(映画監督・伊勢真一)
｢限りある『いのち』を生きて｣
｢理由は言いようがない。
なぜ映画が好きなのか、
なぜこの人に強く惹かれるのか。
それに答えがないように」
｢自分でも得体の知れぬこの『いのち』が、
身を焼かれるまで近くに
吸い寄せられたのだから」
大切なことには、
理由がないのだ。
商業が好きなこと、
アメリカが好きなこと。
世界が好きなこと。
旅が好きなこと。
それには理由がない。
さて、イオンリテール米国視察研修。
2日目の晩は、
調理大会。
とはいっても、
こちらのスーパーマーケットの商品、
生鮮食品や惣菜、グロサリー、
冷凍食品やリカーなど、
存分に活用して、
簡便に短時間で用意する。
それが趣旨。
6時半にホテルに戻って、
7時半には全員集合。
AからEまでの班ごとに、
メインディッシュやサラダ、デザート、
お酒などなど、
割り当てられたメニューを用意する。
そしてリーダーが説明。
まずA班のリーダーは山口恵子さん。
キッズリパブリックユニット商品リーダー。
B班は太田和恵さん。
服飾商品部商品部長。
C班は鶴田千恵さん、
商品開発本部商品開発推進部商品部担当。
D班は栢野博子さん、
広報部部長。
そしてE班は庄田万里子さん、
デリカ商品部商品部担当。
そして乾杯。
音頭は、難波廣幸さん、
ファーマシー商品部商品部長。
出来上がったメニュー。
楽しく歓談しつつ、
食事会は盛り上がった。
明けて3日目の朝。
8時から10時まで、
結城義晴の第2回講義。
前日に続いて連続講義で、
フォーマット戦略や、
ポジショニング戦略を、
イオンの観点から説き起こした。
そしてすぐにバスに乗って、
サウスレイク・タウンスクエアへ。
代表的なライフスタイルセンター。
真ん中に公園と噴水。
そしてレイクタウンホールがある。
ライフスタイルセンターは一番端に、
スーパーマーケットが入ることが多い。
それも決まって、ホールフーズか、
トレーダー・ジョー。
いつものトレーダー・ジョー。
花で出迎えてくれる。
壁面には｢SouthLake」の文字。
外光を取り入れて美しい。
真ん中のアイルの柱は、
木のようなデコレーション。
ワイン売場の主役は、
今、ロゼです。
そしてチャールズショー。
1ドル値下げ。
｢2002年から売り続けたこのワイン、
その売れたボトルを並べたら、
地球3周分となります」
10億本を超えた。
だからお祝いに1ドル値下げして、
1.99ドルに戻した。
すごい!
サウスレイクを後に、
ゲートウェイプラザへ。
こちらはパワーセンター。
その核店は、
TJマックス。
オフプライスストアの雄。
両サイドにベッド・バス&ビヨンドと、
オールドネイビー。
さらにコールズもある。
プラノ地区に戻って、
スプラウツファーマーズマーケット。
躍進中の躍進。
ホールフーズ停滞の理由の一つ。
対面のミート売場。
といっても魚ばかり。
つまりホワイトミート。
肉の対面売場に、
赤身は3アイテムのみ。
それがスプラウツ。
レジ前に広く、
バルク売場がとられている。
そしてチアシードのバルク販売。
1ポンド(454グラム)3.49ドル。
100グラム77円。
夏休みに入って、
子ども連れの顧客が多い。
レジにも並んでいる。
スプラウツの｢コア・バリュー」
⑴顧客価値
⑵ユニークさ
⑶真摯さ(Integrity)
⑷ロイヤルティ
⑸楽しさ(Fun)
いかが?
隣に｢ペット・サプリ―ズ・プラス」
何がプラスかというと、
セルフサービス・ドッグ・ウォッシュ。
これも違いを出そうという努力。
ユニークネスの一つだ。
ウォルマートネイバーフッドマーケット。
今、ウォルマートがネット事業の次に、
力を入れているのがスーパーマーケット。
トウモロコシ畑がいい。
リーチインケースの右端の最下段に、
｢プライスファースト｣
牛乳1ガロン1.88ドル。
プラﾉ地区では飛び切り安い。
そして入口にないなあと思っていたら、
精肉平台の間に登場。
スイカ畑。
こんな意外性をウォルマートは演出する。
最後のスーパーマーケットは、
トムサム(親指トム)。
セーフウェイの傘下で、
いまはアルバートソンの傘下。
入口のコカ・コーラの積み上げ陳列。
ドームをくぐって売場へ。
まず一丁目一番地。
オーガニックは229アイテム。
そのゴー・オーガニック。
牛肉のバイ1・ゲット1フリー。
つまり1個買ったら1個おまけ。
しかしクラブカードが、
商品面を覆って、
見にくいことこの上ない。
ガラガラで閑散とした店内。
現場に人がいない。
その少ない人たちは頑張っている。
しかし顧客が来ない。
これは経営者の責任だ。
最後にコールズ。
ジュニアデパートと自ら称してしるが、
私はディスカウントデパートメントストアに分類している。
つまりシアーズやJCペニーの仲間。
スーパーマーケットと同じ集中レジ。
これが特長だった。
紳士シャツ売場。
大きめの電子棚札使用。
しかしBuy1 Get1 1/2Offのお知らせ。
これでは意味もない。
2階はインナーの広い売場。
購買頻度が一番高い商品を、
フロアのトップに持ってくる。
しかしそんな小手先の作戦では、
顧客は動かない。
経営戦略の問題だ。
これもトップマネジメントの責任である。
この日、特別にオプションで視察したのが
スーパーターゲットの改装店。
なかなか良かった。
いつか紹介しよう。
一日、店を巡って、夕食懇親。
チャンバーレイン･フィッシュマーケットグリル。
またまた太田和恵さんが挨拶。
フィッシュマーケットといっても、
おすすめはテンダーロインステーキ。
楽しく食事して、
ダラスの最後の夜を満喫した。
8時過ぎても、
まだ明るかった。
大切なことには、
理由がない。
店が顧客にとって必要なことは、
これだ。
理由がない。
それでも、
この店に行く。
チラシで安い価格が出ていた。
だから今日はあの店に行く。
これには理由がある。
しかし顧客にとって、
大切な店には、
理由が見当たらない。
けれど行く。
それこそ顧客価値である。
そのためにユニークさや真摯さ、
ロイヤルティや楽しさがある。
(つづきます)
〈結城義晴〉
【追伸】
6月6日・7日の、
流通Super News。
2018年2月期企業の第1四半期決算が勢ぞろい。
東武ストアnews｜
第1Qは粗利益率増も人件費増加で22%の営業減益
ベルクnews｜
第1Qは売上高505億円・営業利益率4.3%、経常利益率4.6%
MrMax news｜
第1Qは売上高278億円・営業利益率2.1%・経常利益率2.4%
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第1Qは東海を除き、北海道から九州まで5社が減収減益
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3～5月はアセアン収益改善と国内モール好調で増収増益
【よりどりで、どうぞ】
