結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年10月25日(木曜日)

株安世界連鎖の「リスクパリティ」と2018ドラフト会議の「優等生」

「株安」の世界連鎖。

昨日の24日。
米国市場のダウ工業株30種平均は、
600ドルを超える下げを記録。
IMG_5588.JPG8

今日25日の日経平均株価の終値は、
2万1268円で前日比822円安。
3.7%のダウン。
株式証券所

今月2日は高値が2万4448円だった。
それに比べると3180円の下げ幅。

香港、上海も株安の連鎖。

特に日経新聞が注目して、
その理由を3つのジレンマと分析する。

第1は、「適温相場」の終焉。
米欧が金融政策の正常化に向かっている。
株高と低金利が共存するのが適温相場。
それが終わりを迎えつつある。

金利が上昇局面に入ると相対的に、
投資先としての株式の価値は低下する。

それが今であるという見解。

第2のジレンマは、
米国第一主義にある。
トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」。
米中貿易摩擦に追い打ちをかけるように、
中距離核戦力廃棄条約の破棄を表明した。

軍縮は民間投資の拡大を後押する。
その構図が崩れかねない。

第3のジレンマが、
「リスクパリティ」戦略。
ちょっと専門的で難しいが、これは、
リスクを分散するための資金運用手法だ。

株式や債券など自社の保有資産に関して、
リスクを重点的に考える。
だからそのリスクを、
それぞれの変動率に応じて、
加重平均してそろえる。

「リスク」は資産価格の標準偏差のこと、
「パリティ」は「等価、平価」の意味。

つまり、複数の資産へ配分する際に、
リスクの寄与が同じになるようにする。

そこに株安が起こって、
株の変動率が上がると、
そのリスクを下げるために、
株は半ば自動的に手放される。

だからリスクパリティ戦略の場合、
ほぼ機械的に株が売られるようになる。

それがさらに株価の下落を招く。

ただし今回は、
株式メディアの煽り騒ぎの観もあり。

市場はたいていの場合、
正常化に向かって動くものだからだ。

さて、
プロ野球ドラフト会議。
最近は夕方、始められる。

多分、メディアの視聴率対策だろう。

注目の高校生。
大阪桐蔭高校の二人。
根尾昂内野手は4球団が1位指名。
中日、日本ハム、巨人、ヤクルト。
抽選の末、中日が交渉権を獲得。
岐阜県出身の根尾としては地元球団だ。
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同じく大阪桐蔭の藤原恭大外野手は、
楽天、阪神、ロッテが1位指名して、
ロッテが交渉権を獲った。
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注目の金足農業高校の吉田輝星投手は、
日本ハムが外れ1位で指名権獲得。
今夏の甲子園で準優勝投手だが、
高校生を育てることで定評のある、
いいチーム、いい監督に引き当てられた。yosida.png8
それにしてもこの高校生たち。
それぞれに素晴らしいコメントをする。

ちょっと優等生過ぎるとも感じるし、
もっと朴訥で内に秘めているのもいい。

将棋の藤井聡太といい、
最近の子どもたちは早熟なのだろう。

頼もしい限りだが、
大器晩成型があってもいい。

大器晩成ではないが、
ほぼ日の糸井重里。
今週火曜日の「今日のダーリン」
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「先のばし」の理由を考察する。

すぐやる人もいるが、
先のばしする人もいる。

糸井さんは先のばしの人。

わかる。 わかる。
結城義晴も。
IMG_6965.JPG8

まず第1の理由は、他に、
すぐやらなくてはいけない問題がある。
ついつい先のばしをしてしまう。
ただし(笑っちゃいけない)、
「すぐやらなくてはいけない」
と思いこんでいる問題は、
机の周りを片付けることだったり、
キッチンペーパーを買いに行くことや、
カメラの電池を充電することだったり。

わかる。

第2に、それをするのは、
「なかなか大ごとだなぁ」
と思っている場合。

「簡単じゃないぞ、ややこしいぞ、
という怖れがある。
手を付けてないうちから、
難しいと決めていたりする。

ちょっとはじめてみたら、
解決の道すじがあるかもしれないのに、
はじめることを怖がっているので、
はじめようとしない」

原稿書きはいつもこれだ。

なにかの話にでてきて、
「宿題にしましょう」と持ち帰った問題。
けっこうこうなることが多い。

「ほんとうは、難しそうな問題は、
宿題にする前に、糸口だけでも
探しておくほうがいいのだろう」

原稿書きも、それだ。

第3の理由。
「その問題に取り掛かるためには、
じぶんの持っている情報量が
あまりに少ない、と謙虚に考えて、
情報を調べたりまとめたりというふうな、
まじめな努力をしはじめる」

「まだ、それをはじめるには
足りないものが多すぎる、
と、毅然として
問題の先のばしをするというケース」

「書店や図書館にいく、
ネットをうろうろする、
表や図をつくる、
知ってそうな友人に会う…。

すばらしいまじめさであり、
永遠の先のばし方法だ――」

「そんなこと考えてないで、
すぐはじめろ!」
糸井さんにも天の声。
私にとっては商人舎スタッフの声。

結論。
「なにかがうまくいかないのは、
過剰に感じる怖さのせいだ」
まったくもって同感。

しかしドラフト指名された高校生。
練習は先のばししないのだろう。

それでも「リスクパリティ」戦略のような、
機械的・自動的な「非先のばしシステム」は、
逆の危険性をはらむことも、
知っておかねばならない。

人生は長い。
いい一生を送ってほしいものだ。

〈結城義晴〉


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