結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年02月17日(木曜日)

スーパーマーケット・トレードショーのSDGsと弁当惣菜大賞

スーパーマーケット・トレードショー2022。

幕張メッセで16日から18日まで、
3日間の開催。

今日2日目にやってきた。
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出展者数1652社・団体、1976小間が揃った。
同時開催はデリカテッセン・トレードショー2022。
両者を合計すると、
1690社・団体、3197小間。

日本最大の食品展示会。

ただしオミクロン株感染症拡大で、
一部の出展者が辞退している。

それでも昨年より来場者は増えて、
初日は1万5000人をカウントした。

幕張メッセに着いて、
プレスの部屋にコートやバッグを預けて、
展示会場に降りて行く。

VIPコーナーで、
横山清実行委員長と、
しばらく懇談。
久しぶりなので、
横山さんの話が止まらない。

有益な懇談が続いた。

そこに堀内淳弘さんと 芹澤政満さん。
堀内さんはシジシージャパン 代表取締役、
CGCグループ代表。
芹澤さんは常務取締役。

4人で写真。
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安島浩さん。㈱マルト社長。
山本慎一郎さん。㈱カスミ社長。
左は安島大司さん。
㈱マルト商事生鮮本部取締役本部長。
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細川良範さんは今、フード・サポート代表。
フレッシュフード研究所時代から、
鮮魚の専門家として、
数えきれないくらいの原稿を書いていただいた。
そしてヤオコーのお二人。
神戸達也さんと反町裕さん。
神戸さんはロジスティックス推進部長、
反町さんは営業統括本部ヤオコーファーム担当部長。
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会場であったのが高倉照和さん。
スーパーサンシ㈱常務取締役、
NetMarket事業本部長。
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事業は絶好調。

今月の商人舎2月号特集は、
「ネットスーパー・エイジ」
高倉さんのことも書いた。
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プログレスデザインのブース。
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西川隆社長としばらく懇談。
そこにブルーチップ㈱の宮本洋一社長。
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そしてブルーチップのブース。
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ローリングストック商品の展示。
防災のための時短食品だ。
井上絢詠さんが説明してくれた。
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もう一つはハレの日メニューの予約アプリ。
アプリとメニューレシピを提供して、
地方スーパーマーケットをサポートする。
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ブルーチップはもう、
スタンプ会社ではない。

そこがいい。

一番大きなブースは、
いつも寺岡精工。
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寺岡和治会長と山本宏輔社長が、
揃って出迎えてくれた。
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今年の目玉は、
AIセルフサービススケール。IMG_09512

それからバルク販売のノウハウ。
SDGsはもっとも重要なテーマだ。
CSRは慈善事業だったが、
SDGsはビジネスだ。
だからすぐに取り組むべきだ。IMG_09522

寺岡会長自らデモンストレーション。
ありがたい。
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それからオカムラもDXの提案をしていた。IMG_09312

フルックスグループは、
「惣菜のわかる八百屋」を、
キャッチフレーズにしている。IMG_09322

会場の真ん中に、
お弁当・お惣菜大賞2022のブース。IMG_09342

応募総数4万1923件の作品の中から、
部門別に最優秀賞、優秀賞などが、
展示してある。

弁当部門。
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最優秀賞はロピアの「鯛めし」IMG_09362

これで599円は享楽円商品で、
コストパフォーマンスが高い。IMG_09352

惣菜部門。
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最優秀賞は、
カニクリームコロッケ。
新日本スーパーマーケット同盟の商品。
アークス、バロー、リテールパートナーズ。IMG_0944

麺部門。
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成城石井の鶏だしうどん。
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パン部門。
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マルトの「ズバサン海老アボカド」IMG_09402

寿司部門。
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こちらもマルト。
「本鮪尽くし」。
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マルトは2作品で最優秀賞。

そしてスイーツ部門。
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ロピアのバスクチーズケーキ。
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ロピアも2部門制覇。

今年のお弁当・お惣菜大賞は、
マルトとロピアということになる。

夕方、会場を後にした。
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ドイツ・ケルンのアヌーガ、
フランス・パリのシアル。

世界二大食品メッセに、
追いつき追い越せ。

そう願って、幕張をあとにした。

〈結城義晴〉

2022年02月16日(水曜日)

カスミ「BLANDE」研究学園店プレオープンと「不可逆性の原理」

朝から㈱True Dataの取締役会。

マザーズに株式上場してから、
役員会を頻繁に開催する。

確認すること、
承認すること。
それが極めて多くなる。

会社がどんどん動いている。
生まれたばかりの赤ん坊が、
見る見る成長していくように。

株式公開はそのあとが大事だ。
上場してからの成長。

役員、執行役員、社員。
一丸となってそれを目指す。

私がいつも強調するのは、
半ば公的な存在となること。

「パブリック」という言葉をよく使う。

True Dataは、
流通産業と消費産業のなかで、
そんな公的な機能を果たすことができる。

だからこそ、これからだ。

今日は、その役員会の最中に、
カスミBLANDE研究学園店のプレオープン。

カスミnews|
食に特化した新フォーマット「BLANDE研究学園店」2/17開設IMG_11992

その朝礼。
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Food Specialty Storeとして、
食に特化した新フォーマットだ。
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フォーマットは、
「業態」が分化した独自の店舗スタイル。
これは田村正紀神戸大学名誉教授の考え方。

たとえばウォルマートの主力業態は、
欧米の学会用語の「ハイパーマーケット」だ。

サム・ウォルトン存命の1987年、
そのハイパーマーケットに挑戦して、
「ハイパーマートUSA」を実験した。
フランスのカルフールを模倣したフォーマットだ。

そして翌1988年に大幅な修正を加えて、
「スーパーセンター」というバナーをつけて、
強力なフォーマットを開発した。

それが主力のフォーマットとなった。

その後、
ターゲットは「スーパーターゲット」を、
Kマートは「スーパーKマート」を、
それぞれにつくった。

だから「スーパーセンター」という「業態」は、
厳密に言えば存在しない。

カスミはスーパーマーケットの業態から、
「BLANDE」というフォーマットをつくって、
今、2店舗を展開する。

レギュラーのカスミとも、
フードスクエアとも、
FOOD OFFストッカーとも異なる。

カスミはマルチフォーマット戦略を採用する。

本格的な飲食スペース「Cafe & Dine」を併設。
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期待の持てるフォーマットだ。

ショートタイムショッピングも必要。
しかしロングタイムショッピングを、
提供する店があっていい。

とても難しいだろうけれど。

さて今日は午後、
スーパーマーケットトレードショーに行く予定だった。
幕張メッセで3日間の開催。

しかし急遽、
社内で突発的なことが起こって、
それを中止した。

明日、行くことになった。

夕方から東京の恵比寿。
駅を降りて歩いていたら、
おもしろいものを見つけた。
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近づくとマネキン。
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遠くから見ると人が座っているみたいだ。IMG_09082

恵比寿の焼き肉レストラン。
㈱ロピア代表取締役の高木勇輔さんと、
久しぶりの食事。
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優れものの焼肉と、
上質のワインを堪能。

近況や事業展開のことを、
ずいぶん話し込んだ。

焼き肉を散々食べて、
最後の締めはサンドイッチ。IMG_12142

これは絶品。
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ロピアは株式を公開していないし、
当面、する意志はない。

それでいい。

しかし上場企業と同じくらいの、
成長のスピードをもっている。

毎年15%ずつ伸びれば、
5年で2倍に成長する。

毎年20%ならば4年で2倍を超え、
9年で5倍になる。

毎年30%ならば3年で2倍を突破し、
9年で10倍となる。

「ムーアの法則」のように、
毎年2倍の成長をすれば、
10年で1024倍となる。

そんなことは口にしないが、
高木さんと話していて、
私は勝手に想像していた。

さて、日経新聞「真相深層」
編集委員の田中陽さんが書いている。
「大衆百貨店、運命の落日」

セブン&アイ・ホールディングスが、
2006年に2000億円超で買収した百貨店。
当時はミレニアムリテイリングと称したが、
いま、そごう・西武。

セブン&アイが売却する。

その理由を構造的に解明する。
的確な分析だ。

詳細は日経新聞を読んでいただきたいが、
タイトルもいいし、
最後の言葉もいい。

「そごう・西武の売却へと至る決断時期を
コロナが早めたに違いない」

ありがとう。同感だ。

「百貨店やスーパーの業界では、
こんなジンクスがある」

「いちど日本一から転がり落ちた企業は、
二度と返り咲くことがない」

その通り。

これを「不可逆性」という。

日本一になること自体、
たいへんな偉業だが、
それを維持するのもすごいことだ。

世界一の小売業は、
長らくシアーズ・ローバックだった。

そのあとは1990年から、
ウォルマート。

そしてもうすぐアマゾンとなる。

シアーズは2018年10月15日、
連邦破産法11条を適用申請した。
〈その2018年10月16日の朝のシアーズ〉
??????????
ウォルマートはどうなっていくのだろうか。

[Message of February]
AがWを超えるごとく!

確かに時代は変わる。
コロナが時代を変える。
WからX、Y、Zと進んで、
再びAへと戻る。

AはZまでをも包含すると、
嘯(うそぶ)く。

アマゾン・コムは22%伸びて年商47兆円。
ウォルマートは56兆円から4%伸びるか。
このまま何もなければ来年度中に、
アマゾンがウォルマートを抜き去る。

その原動力は、
インターネットにある。
だからAは店舗をもたない。
商圏の制限もない。

品揃えも在庫も、
店舗への搬送も、
店舗での人員も、
必要としない。

だからAは、
Zまでも包含すると嘯く。

ネットスーパー・エイジが始まる。
コロナ禍の閉塞された生活が、
時代の歯車をギシリと回した。
そしてここに不可逆性の原理が横たわる。

しかし新しい地平においても、
店舗の優位性が減じることはないだろう。
店舗の存在価値がさらに問われるだけである。
そのポジショニングが練磨されるだけである。

そして磨かれた店々はますます輝く。
だからこそ店と売場を変えよう。
人を育てよう。
組織をつくりかえよう。

AがWを超えるときに、
AにもWにもできない店をつくろう。

 〈結城義晴〉

2022年02月15日(火曜日)

セブン-イレブンの3・1組織変更に[勝手に]物申す

願はくは花の下にて春死なん
そのきさらぎの望月(もちづき)の頃
〈『西行全歌集』より〉

きさらぎは2月。
望月は満月、陰暦十五夜の月。

「きさらぎの望月の頃」は、
旧暦だが2月15日の満月の夜のこと。

今日はその2月15日。

西行法師は、
平安時代末期から鎌倉時代初期の人。
北面の武士・佐藤義清(のりきよ)が、
23歳のときに無情を感じて出家した。

西行と号して歌を詠む僧となった。
西行
この歌の通りに、
2月の満月の頃に没した。

あくまでも旧暦のことだが、
2月15日にはそんなことを思う。

鎌倉幕府が成立した1192年のころ、
日本の人口は757万人だった。

それから800年以上も経過して、
COVID-19パンデミック。

その新型コロナウイルス感染者は、
累計すると400万人を超えた。
日本の人口確定値は、
昨2021年8月1日段階で、
1億2563万人だから、
31.4人に一人。

しかし西行の生きたころの人口に比べると、
2人に一人以上が感染したことになる。

もちろん31.4人に一人と計算すれば、
鎌倉初期の感染者は25万人程度だろうが。

現在の日本の死亡者数は2万520人。

今日の死亡は新たに236人。
200人を超えたのは、
昨2021年5月18日の228人以来。
過去最多。

ああ。

西行ならずとも、
無情を感じざるを得ない。

今日は横浜商人舎オフィス。
講演のレジュメづくりをした。

午後2時ごろ東京へ。
東京駅丸の内北口。
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東京の玄関。
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東京駅。
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丸の内中央口は、
エントランスになっている。IMG_09022

皇居側を臨むと、
左の丸ビルと右の新丸ビル。IMG_08982

ゆっくりと歩いて、
大手町プレイスウェストタワー。IMG_08962
地下1階の大手町プレイス内科。
検査と田嶼尚子先生の診断。

ヘモグロビンA1cは65。
「高齢者になると、
65くらいが理想です」

先生からお墨付きをもらった。

今朝の体重は60.55キロ、
内臓脂肪率は16.2。

痛風の尿酸値の数値も3.7で、
尿酸値を下げる薬は止めることになった。

無情を感じつつ、
科学的検査は受ける。

これがトレードオンの生き方だ。

さて今日の商人舎流通スーパーニュース。
セブンーイレブンnews|
3/1付組織変更/販促部をマーケティング部に改称

㈱セブン-イレブン・ジャパン、
3月1日付で組織変更。

小さすぎて見えないかもしれないが、
これまでの組織図。
セブン-イレブン組織図

商品本部は大幅な変更だ。
現在の商品本部は8つの部に分かれている。

⑴デイリー部
⑵FF・惣菜部
⑶加工食品・雑貨部
⑷MDサポート部
⑸地区MD統括部
⑹ラストワンマイルMD部
⑺デジタルサービスMD部
⑻販売促進部
セブン-イレブン阻止k

まず商品をハンドリングする部は、
3つあったが、それを2つに統合する。

「FF・惣菜部」を廃止して、
「デリカテッセン(課)」と「FF・冷凍食品(課)」を、
「デイリー部」に統合する。
(注)「課」は私がわかりやすくするために、
勝手につけた。

デイリー部には、
巨大な権限が集中することになる。

「ラストワンマイルMD部」を廃止して、
「ラストワンマイル(課)」として、
加工食品・雑貨部に統合する。

商品本部直下の「グローバルサポート」を、
加工食品・雑貨部に統合する。

加工食品・雑貨部も大きくなる。
この加工食品・雑貨は、
アメリカなどではグロサリーと総称する。

だから結局、
デイリー部とグロサリー部となる。

さらに「販売促進部」を名称変更して、
「マーケティング部」に変える。

現在のMDサポート部配下にある、
「マーケティング(課)」を、
「マーケティング部」に統合する。

これは一つのトレンドだろう。

ただし、
マーケティングの「4P」から考えると、
ちょっと違和感がないわけではない。

1.Product(製品)
2.Price(価格)
3.Place(流通)
4.Promotion(販売促進)

全体を称してマーケティングという。

セブン-イレブンの新組織の⑻に、
マーケティング部を入れると、
話がおかしくなる。

だから「商品本部」そのものを、
「マーケティング本部」にするのが、
コトラー先生流ということになる。

それでも販売促進部で、
マーケティングを本業にしようという意図は、
とてもいいだろう。

一方、企画本部は、
管理本部の傘下にあって、
4つに分かれている。

⑴経営管理部
⑵経営企画部
⑶イノベーション開発部
⑷ラストワンマイル推進部
sebun sosiki

「ラストワンマイル推進部」なんて、
おもしろくて大胆な名称だ。

しかし今回、
⑶のイノベーション開発部を、
⑵の経営企画部に統合する。

イノベーションが開発されなかったのか、
開発しつくしたのか。

ドラッカーは、
マーケティングとイノベーションを、
二つの基本機能と言う。
そしてこの二つこそが、
成果を生み出すと強調する。

イノベーション開発を、
経営企画部に統合するのは、
何とも惜しい。

販売促進部をマーケティング部に変え、
イノベーションを経営企画に統合する。

私にはちょっと違和感がある。
まあ、結城義晴の勝手な推論。
善意に基づいているから、
誤解なきよう。

しかし組織とそこで使われる言葉は、
意外に大事なんだョ。

〈結城義晴〉

2022年02月14日(月曜日)

バレンタインデーの「新店ドラ」サインと「地方産業宣言」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑦]

2022年第7週。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。

その早い2月はすでに第3週。

そして今日は聖バレンタインデー。

赤いリボンで結ばれた
贈り物が待ってる♫
贈り物が待ってる♫

山﨑眞幹作詞・作曲の「聖バレンタインデー」

今日の午前中は、
オンライン会議が二つ。

10時から㈱True Dataの臨時取締役会、
11時から第一屋製パン㈱の役員会。

午後、出社して、
スケジュールを確認したり、
編集企画を考えたり、
レジメの構想を練ったり。

ちょっと余裕のある一日。

夕方には、本にサインした。
いつものように左手の筆文字。IMG_0886 (002)1
「新店ドラ」
『新装版店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』

大量に購入いただいた場合、
ご要望があれば、
特別に一言書いてお送りする。

すべての本にサインする時間はない。
けれどはできるだけ要望に応える。IMG_0889 (002)2

もちろん落款を押す。
ご愛読をお願いします。

さて今週の予定。

明日15日の火曜日は大手町。
いつものプレイス内科で検査と検診。

明後日16日水曜日は、
午前中、オンライン会議。

この日、カスミの新店がプレオープン。
カスミnews|
食に特化した新フォーマット「BLANDE研究学園店」2/17開設

㈱カスミが研究に研究を重ねて、
新フォーマットを開発した。
売場面積は607坪。

朝の取材は亀谷しづえGMが行く。

1号店は1月28日オープン。
カスミnews|
Food&Dragの新バナー「BLANDEつくば並木店」1/28開設

楽しみな新フォーマットだ。

午後は、
スーパーマーケットトレードショーへ。

昨年から幕張メッセで開催。IMG_19331

あくまでも予定だが、
多分、2時ごろに会場に着く。
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3日間の開催なので、
もしかしたら幕張には、
17日の木曜日に行くことになるかもしれない。

横山清実行委員長にも会いたいし。
??????????

18日の金曜日は朝から2時間の講演。

ところで、
おもしろいM&A案件が進んでいる。
まだ固有名詞は書けないが、
少しずつ情報が公然化してきた。

基本的に、
「コロナは経営統合を早める!!」202109_ryutsu-jihyou-e1631086991195
商人舎2021年9月号の「流通時評」に書いた。

この記事の中で、
岡田元也イオン会長のコメントを引用した。
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「コロナ禍は、
デジタライゼーションをはじめ、
すでに進行しつつあった大変化を
加速させています」

「相当遅れていると言われる日本の小売業も
いよいよ大変革を余儀なくされています」

私の考え方と全く同じだ。
〈この本にもサインしますよ〉
1tannkoubonnhyousi

岡田さんが強調すること。
「力不足を露呈したのは、
中央政治であり、官僚であり、
東京であり、大都会です」

「したがって、鍵は企業と地方にあります。
その双方のもつ変革力にあると思います」

「東京を変えるよりも先に、
地方が変わる必要があります。
そのことで、地方に重心が移動して、
日本全体が変われると考えます」

日本全体を変えるために、地方を変える。

「地方の変革と発展は、
その地方の中にすでにある、
あるいはこれから生まれてくる
企業のもつ変革と発展によるところが
最も大きいと考えられます」

「企業が変われば、地方は変わります。
地方が変わることによって、
日本全体が変わるのだと思います。
したがって地方の企業こそ、
真っ先に変わるべきだと思います」

岡田元也の「地方産業宣言」である。

同感だ。

地方の企業こそ、
真っ先に変わるべきだ。

では、みなさん、今週も、
変わろう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年02月13日(日曜日)

明日から「まん延防止等重点措置」延期の「トレード・オン」

小さき雪大きな雪のあとに雨
〈朝日俳壇より玉野市・北村和枝〉

高山れおな選評。
「”小さき””大きな”と素朴な語を重ねて
空模様の変化を的確に描き出す」

今週の関東の雪はまさにこれだった。

一方で、春も近づいている。

かはるがはる臘梅(ろうばい)へ顔近づけぬ
〈同じく朝日俳壇より本巣市・清水宏晏〉

蠟梅はロウバイ科の落葉低木。
高さ2〜4mくらいはある。
「唐梅(からうめ)」ともいう。
1月、2月のいまごろ、
葉より先に、香りのある花を咲かせる。
花被は外層が黄色で光沢があり、
内層が紫褐色。

かわるがわる顔を近づけて、
その蠟梅の香りを味わう。
〈長瀞町観光協会〉
蠟梅 

さて、まん延防止等重点措置。
13都県に明日から3月6日まで3週間延長。

日経新聞は一昨昨日の2月10日の社説。
「対策の効果検証し
説得力ある重点措置に」

毎日新聞は一昨日の11日の社説。
「まん延防止措置の延長 
高齢者守る体制の強化を」

読売新聞は昨日12日の社説。
「まん延防止継続 
接種加速への具体策を示せ」

輪唱のように岸田文雄首相に訴える。

聞く力を強調する内閣総理大臣。
だから新聞も雑誌も、
妙に総理に対する提言が多くなった。
〈首相官邸ホームページより〉
岸田総理

北京冬季五輪も開催されていて、
国民の関心はそちらに向いている。

だからあまり熱心には見られない。

明日から「まん防」延期の都県があるが、
一方で、先行した広島、沖縄などは、
徐々に感染拡大が減っている。

いったいどうなるのか。

読売の社説。
「新型コロナウイルスの感染”第6波”は、
行動制限だけでは乗り越えられない」

「ワクチン接種を加速させる
具体的な方策を示すことが重要だ」

問題は死者と重症患者だ。

その「重症患者が増え、
最近の1日あたりの死者数は、
昨夏の”第5波”のピーク時を超えた」

「救急患者の搬送先が
見つからないケースも最多を更新し、
コロナ感染以外の救急医療に及ぼす
影響も深刻になっている」

油断は禁物。

「今後、全体として
感染者数が減少に転じたとしても、
高齢者を中心に重症患者や死者は
しばらく増え続けるとみられている」

そしてどの社説も主張するのは、
「第6波への対策で肝心なのは、
入院や発症の予防効果が期待される
ワクチンの追加接種だ」

私のところへは、
ブースター接種の通知も来ない。
横浜は遅れているらしい。

「岸田首相は、今月中に
1日100万回の接種を目指すと表明した。
遅すぎる感は否めないが、
着実に実施してもらいたい」

掛け声だけで、実行は遅い。

「号令をかけるだけでなく、実態を把握し、
目詰まりの解消に努めることが大切だ」

「これまで司令塔の機能が弱く、
実務は厚生労働省に任せてきた」

この2年あまり、言われ続けてきたことだ。

「今後は堀内ワクチン相を支えるチームを増員し、
各省庁が情報を共有するという」

自民党のホームページ。
「河野大臣の後任に
堀内大臣が任命された際に、
ワクチンチームの部屋が
大臣室に隣接する場所から、
隣の建物の地下に移動したことで、
堀内大臣にワクチンに関する情報が
入りにくくなっていました」

「河野太郎前大臣時代に
大臣を支えたメンバーが
再びワクチンチームに異動するとともに、
ワクチンチームの部屋も
堀内大臣室の近くに移動します」

それじゃ、だめじゃん。
河野太郎を呼び戻せ。

合点して居ても寒いぞ貧しいぞ
〈小林一茶〉

一方、フィナンシャルタイムズ。
2月4日のレオ・ルイスの署名記事。
「日本は水際対策見直しを」

通称「FT」の英国経済紙。
2015年11月30日から、
日経新聞傘下にある。
フィナンシャルタイムズ
「日本政府は2020年3月以降、
観光や就労、研究、留学など目的に関係なく
外国人の新規入国を厳しく制限している」

在留資格の事前認定を受けながら、
来日できていない外国人は、
約37万人に上る。

「日本政府がこの厳しい水際規制を
一向に緩和しようとしないことについては、
ここへきて異例とも思えるほど
様々な分野から
強烈な批判の声が上がっている」

これをルイス記者は、
「新たな鎖国政策」と呼ぶ。

「日本には以前も似たことがあった。
17世紀中ごろから19世紀にかけて
日本は世界との接触をほとんど断った。
後に”鎖国”と呼ばれた時代だ」

「海外からの観光客を相手にする産業が
苦境に直面しようが、
外国人労働者への依存度が高い業界が
深刻な事態に陥ると予想できても、
厳しい水際対策は現在、
日本の有権者の圧倒的な支持を得ている」

「現状では、間違った政策だと
誰をも説得できるような
深刻な目に見える代償は生じていない」

結論。
「新型コロナによる今の鎖国政策は、
日本の強靱(きょうじん)さの証しなのか、
それとも脆弱さの証しなのかという問いだ」

国内では早急な感染対策が求められ、
国外からは鎖国政策だと批判される。

それでも国のトップは、
この問題に明確な指針を呈さねばならない。

トレード・オンの政策である。

政治だけではない。
経済も文化も、
企業も商売も。
そしてあなたも私も、
あちらを立てて、
こちらも立てる。
????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????
対局にある難しい問題を、
両方とも解決に導く。
それがトレード・オンだ。

〈結城義晴〉

2022年02月12日(土曜日)

藤井聡太「五冠獲得」と平和堂の「LSPと労災防止策」

2月の3連休。
その連休明けの月曜日は、
2月14日、バレンタインデー。

雪がつもれば
クリスマス♫

想いがつのれば
バレンタイン♫

山﨑眞幹作詞作曲。
「セント・バレンタイン」

いつもその旋律と歌詞が、
口をついて出てくる。

若いころ商業界会館の2階の集まりで、
この歌を弾き語りしたら、
結構、年を取った人たちが、
いくつものペア―をつくって、
くるくると回りながら踊ってくれた。

今日は将棋王将戦第四局。
その2日目。

私の趣味の話で恐縮。

他のタイトル戦はAbemaTVで見ているが、
毎日新聞主催の王将戦は、
同チャンネルでは放映しない。

そこで囲碁将棋プレミアムに加入して、
ずっとパソコンで仕事しながら観戦した。

渡辺明名人(37歳)が現在の王将で、
藤井聡太竜王(19歳)の挑戦を受けた。
王将戦

これまでの三局は藤井の辛勝。
いずれも名局だったが、
藤井の3連勝。

両者の差はない。

それでも結果は3連勝。

今日は封じ手を開いた後、
後手藤井の4四銀という妙手が出て、
徐々に渡辺を追い詰めた。

そして122手で勝利。
hujiigokan

ご存知、藤井聡太は、
14歳2カ月で史上最年少のプロ棋士となった。
史上5人目の中学生棋士である。

デビューから29連勝の新記録を達成し、
2020年に棋聖、王位、
2021年に叡王と竜王を奪取。
棋聖と王位もタイトルを防衛し、
現在、タイトルを4つ保有する。
「四冠」というが、
今日の王将獲得で五冠となった。

19歳7カ月の五冠は最年少。
そして五冠を達成した3人の名人に次いで、
4人目となった。

故大山康晴第十五世名人、
中原誠第十六世名人(74歳)、
そして羽生善治九段(51歳)。
ちなみに羽生は1996年、
25歳のときに全七冠を奪取して、
初めての国民栄誉賞を受賞した。

私は対局後の渡辺明の言葉が印象に残った。
渡辺は名人位と棋王をもつ。
3つ目の王将を藤井に獲られた。

渡辺も中学生プロ棋士で、
羽生の次の世代では無敵なのだが、
「残念というのもなんか違うし……
なんというか、そういう感じですね」
watana b

さて話は変わって昨日の日経新聞。
「小売り労災、建設超え」
サブタイトルが、
「平和堂、作業手順を作成」
平和堂労災

記事の冒頭。
「小売業で労働災害の増加が深刻だ」

小売業の年間の死傷事故件数は、
過去20年で4割増えた。
そして建設業を上回った。

建設業や製造業と比べると、
死亡や重いケガが少ない。

だから安全への意識が不十分な面もある。

そんな中で平和堂は、
全社的な労災対策で成果をあげる。

「社長の平松です。
新年が幕を開けました。
くどいようですが
今年も転倒には注意しましょう」

「1月初旬、初売りの準備が進む平和堂の
各店舗で経営トップのメッセージが響いた」

「開店45分前の店舗に
一斉に流す朝礼放送で、
従業員に安全な作業を訴える」

「マンネリ化を防ぐため、
平松正嗣社長が毎月、
録音をし直す力の入れようだ」

平和堂はLSPに取り組んで、
一つ一つの作業を分析し、
安全対策を盛り込んだ手順に落とし込んだ。
レイバースケジューリングプログラム。

LSPは防災対策にもなる。

鮮魚や青果を調理する際は
切り傷を防ぐ手袋着用を義務化した。
転倒防止のため、
脚立の天板に乗ることを禁止した。

対策は本部の発案だけではなく
現場も知恵を絞る。

きっかけは2018年に遡る。

「事故の発生件数が
高止まっていることに対し、
各店で起きた負傷事例の情報共有が
不十分だったことを問題視した」

全社の安全衛生委員会は、
人事部や総務部が中心だった。
そこに営業幹部を加え、
組織横断型で対策を始めた。

平和堂の良さはここにある。

作業内容の見直しとルール化を進めた。

その結果、21年の業務上災害の件数は、
250件と3年で3割減った。

21年秋に全店に配置したのが、
無事故連続日数を書き込むホワイトボード。

平松さんはソニー出身だが、
製造業の工場には、
必ずと言っていいほど、
それがある。

全店の意識が高まる。

人事課の松嶌環さんは語る。
「まだ減らせるはずだ」

記事は痛いことを言う。
「平和堂の取り組みは
製造業では当たり前にみえるが、
小売りでは先進的だ」

製造業の取締役会では必ず、
今月の労災件数が報告される。

厚生労働省のデータを基にした、
日本経済新聞の推計。

21年に小売業で起きた死傷事故は、
1万7000人弱。
過去20年で39%増えた。

この間に小売業の就業者人口は7%減。
だから従業員1人当たりの事故件数は増加。

製造業では、
21年の死傷事故件数2万7000人弱。
過去20年で37%減。

建設業は約1万5000人と46%減。

20年に初めて、
小売業は建設業を逆転してしまった。

小売業の労災が増え続ける理由を、
記事は3つ挙げる。

第1は就業者の高齢化。

総務省の労働力調査によると、
65歳以上で小売業で働く人数は
21年に96万人。
01年から5割以上増えている。

身体機能が低下した高齢者ほどケガしやすく、
事故件数の高止まりを招いている。

第2は省人化の遅れ。
従業員1人当たり労働生産性は、
製造業が約1100万円。
小売業は500万円弱。

労働集約型の働き方を変えなければ、
ケガのリスクを減らせない。

第3は経営者の安全意識の低さ。
小売り現場で起きる事故の多くは、
転倒や切り傷など軽微なものが多い。

だから労災の意識が低い。

平和堂と平松さんの着眼点は、
本当にお手本になる。

LSPと労災が結びつくことは、
優れた教訓である。

〈結城義晴〉

2022年02月11日(金曜日)

23歳の司馬遼太郎「おろかな国」と平野歩夢「小さいころの夢」

建国記念の日。

古事記や日本書紀に記されているが、
初代天皇の神武天皇が即位した日。

神話の世界のことだ。

その日が明治政府によって、
「紀元節」と定められた。

さらに太平洋戦争の敗戦から21年を経て、
1966年に「建国記念の日」として、
国民の祝日となった。

私が生まれた1952年には、
建国記念の日はなかった。

司馬遼太郎の『この国のかたち』
その四のなかに「81 別国」なる章がある。
この国のかたち

「昭和五、六年ごろから敗戦までの
十数年間の”日本”は別国の観があり、
自国を滅ぼしたばかりか、
他国にも迷惑をかけた」

司馬遼太郎はそう考えていた。

「わたしは、二十歳のとき、
凄惨な戦況の中で敗戦を迎えた」

司馬は1943年、学徒出陣で従軍。
44年には満州の戦車第1連隊に配属され、
翌45年には本土防衛のため、
第12方面軍の戦車隊付小隊長として、
栃木県佐野市にいた。

そこで敗戦を迎えた。

「おろかな国に生まれたものだ、
とおもった」
司馬は述懐している。

このとき実は、
23歳だった。

「昭和初年から十数年、
みずからを虎のように思い、
愛国を咆哮(ほうこう)し、
足元を掘り崩して亡国の結果をみた」

建国記念の日には、
なぜか『この国のかたち』に手が行く。

そしてぱらぱらと頁をめくって、
目についたところを読んだりする。

しかし新聞もテレビも、
北京の冬季五輪一色。

それも悪いとは言えないが、
「おろかな国」の青年だった世代から、
77年を経て3世代ほど移り変わって、
平野歩夢が出てきた。

いま、23歳。

スノーボード男子ハーフパイプ決勝。
1本目のランは転倒。

続く2本目は「トリプルコーク1440」を決めた。
平野歩夢3

フィギアスケートで羽生結弦が挑戦した、
「クワッドアクセル」のようなレベルの技で、
それを完璧に成功させて滑り切った。
hiranoayumu1.jpg2

「圧巻のラン」
平野

しかしこの得点は審査員に評価されず、
91.75点の暫定2位。

アメリカの審査員は89点、
スイスの審査員は90点。

米国人レポーターはSNSでつぶやいた。
「これは完全に茶番だ」
審査員は恥を知れ。バカバカしい」

しかし平野歩夢は、
3本目のランで96.00点をマーク。

いざというときに、
自分の力をすべて発揮する。

人間の真価。

それを平野歩夢は見せてくれた。

これまでソチ五輪、平昌五輪では、
銀メダルに甘んじていた。

金メダルはどちらも、
この種目の開拓者ショーン・ホワイトが奪取。

歩夢は子どものころから、
ホワイトに憧れていた。

そのホワイトはこの大会で引退する。
そして今回は4位に終わった。

平野歩夢のコメント。
「ようやく小さいころの夢がひとつ叶った」

少年のような素朴な思い。
しかし達人のクールさをもつ。

「今日はずっとやってきたことが
すべて出し切れた」

尊敬するホワイトにもメッセージ。
「相変わらずチャレンジし続けていて、
この出ているなかでも最年長」

「僕にはまだ経験できないことを
いつも見せてくれているなと
刺激的になったし、
彼にとってもかなり大きいチャレンジ
だったんじゃないかなと思う」

最後は周りの人たちへ。
「家族だったり、身近にいる人たち、
そして応援してくれる人たちが
あっての自分だと思う」

謙虚だ。

「自分の納得いく滑りというのが
みんなに少しでも
届いたんじゃないかと思う。
なにか刺激になってもらえれば、
それ以上はない」

司馬遼太郎が、
23歳の小隊長のときに思った、
「おろかな国」。

しかし平野歩夢は、
その国の建国記念の日に、
「小さいころの夢」を叶えた。

私たちの国はいい国だ。

〈結城義晴〉

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