結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年05月30日(月曜日)

「人の前でも言えるようなことを言う」を原則にしたいな。

Everybody! Good Monday!
[2022vol㉒]

2022年第22週。
そして5月最終週。

週中の水曜日から、
もう6月に入る。

自分が年を取ってきたからか、
それともコロナ禍によるものなのか、
時間は早まるばかりだ。

子どものころの時間は、
なんと長かったことよ。

昨日の日曜日は、
栃木県高崎市で35度を超えた。
もう、日本に夏がやってきている。

そしてウクライナにも、
夏は待ち受けている。

東部のルガンスク州で激しい交戦。
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拠点都市セベロドネツク市では、
民間人死者数が1500人に及んだ。

私たちは平和の中にいるけれど、
ウクライナはまだまだ、
戦争の真っただ中にある。

あれだけ騒いでいたマスメディアも、
報道はやや沈静化して、
Twitterをはじめとするネットばかりが、
ゴミ箱の中に投げ捨てるように、
言葉を吐き散らす。

糸井重里さんのエッセイ。
「今日のダーリン」
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「疲れているときには、
インターネットと少し距離を置く」

同感。

「インターネットには、
“言おう””聞け””読め”という意思が
たっぷり込められているので、
どうしたってまずは情報量全体が
多くなってるんですよね」

「そして、一般的に、人間が
ある程度はこころに持っている
“悪意”とか”失礼”とか
外では出さないはずの感情も、
ネット上では遠慮もなく
出しちゃっていますよね」

私はそれをできる限り避けているけれど。

「ネットの世界では
相手の顔も見えないことだし、
じぶんの存在も隠せるし、
言いやすいんですよね」

blogやFacebookというよりも、
匿名性の強いTwitterなどだろうね。

「それは”ホンネ”とか
呼ばれがちだけれど、
濾過してない”溜まり水”
みたいなものじゃないかなぁ」

その通りだ。

このあとのたとえ話が秀逸。

「昔、ある時代まで、
駅のあちこちに
痰壺(たんつぼ)というものが
備え付けられてました。
白いホーローの缶で
出来ていたものだったかな」

「そこに人がぺっぺと
“痰”を吐いていたんですよね」

「人間、痰がでるのも別に
めずらしいことじゃないんだし、
もちろん、置いてあるのだから
吐いていいんですが、
それはそれであんまり
見たいものじゃないし、
仕事として掃除をしていた人も
たいへんですよね」

「いまは、痰壺そのものが
なくなりましたが、
人間の痰そのものは
なくなっているわけじゃない」

「ネットの世界は、
まだ痰壺の時代なのかもしれない」

その通りだと思う。

「つまずいて転がさないように
気をつけないとねー」

さすが糸井重里。
あらためて見直した。

「人の前でも言えるようなことを言う。
これを原則にしたいな」

大賛成だ。

ウクライナの問題にしても、
ロシアや中国に対しても、
人の前でも言えるようなことを言う。

いつも冷静に見続ける。
煽り立てるようなことはしない。
そしてこれに乗じて自分を誇示しない。

自身の考え方として、
正々堂々と言うことは言う。
けれど正義を貫く。

今日は午前中、
オンライン会議。
第一屋製パン㈱の臨時取締役会。

チェーンストアのスクラップ&ビルド。

何かをビルドするために、
何かをスクラップする。

その考え方は小売業だけでなく、
製造業にも卸売業にも必要だ。

そしてシンプルに、スピーディーに、
これを成し遂げる。

いわば新陳代謝である。

スクラップしたものは、
必ず何かに利用される。

時代はまたそれを求めている。

ランチは岡野町に出た。
商人舎オフィスそばを流れる新田間川。IMG_32911

そして遊歩道。
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森林浴とまではいかないが、
いい気分だ。
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木々にも葉々にも勢いがある。
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日本自生の額紫陽花(ガクアジサイ)。IMG_33022

こちらは本紫陽花(ホンアジサイ)。IMG_33032
夏には夏の花。

今週は月刊商人舎6月号の入稿の週。
頑張ります。

私がいつもボトルネックになっている。
みんなに迷惑をかけている。

反省しつつ、
頑張ります。

言い訳を言わず、
頑張ります。

いくつになっても、
頑張ります。
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では、みなさん、
今週も、正々堂々、正義を貫こう。

Good Monday!
〈結城義晴〉

2022年05月29日(日曜日)

JR東日本の「駅の時計撤去」に思う

三千年紀の人類最大のテーマは、
「時間」である。
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「三千年紀」は、
西暦2001年から3000年までの、
1000年間のことだ。

この間、人類にとって、
時間はますます重要になる。

そのために私たちは、
時刻を知っていなければならない。

1分、1秒を大切にして、
仕事や作業の生産性を高めるという意味でも、
逆に大雑把に時間をまとめて、
休養したり、リラックスしたり、
そんなことをするためにも、
時間に対するマネジメントは必須だ。

JR東日本が駅の時計を撤去している。
ただし利用者数の少ない駅などでのこと。

毎日新聞「余禄」が、
話題にした。

「同社によると、
管内全体の約3割にあたる約500駅を対象とし、
10年程度で撤去する計画」

「経費削減が理由だ」

おっと。

三千年紀に一番大事な時間を、
人々に知らせる機能。
それを勝手に撤去するのか。

コンビニエンスストアでも、
入口の反対側に、
誰でも一目でわかるように、
時計が設置されている。

商人舎オフィスでも、
同じようにしている。
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「新型コロナウイルスの感染拡大は、
鉄道会社の経営を圧迫している」

駅時計の多くは、
親時計の時刻と電気で連動させる。
そのためコストがかかる。

撤去によって、
年間3億円程度の節約効果が見込まれる。

コストをかけないことを選ぶか。
人々に時刻を知らせることを省くか。

「時刻を表示する
スマートフォン類が普及した」ことも、
撤去の一因だとJR東日本は説明している。

だが「消えた時計」は、
すでに地域に波紋を広げている。

山梨県大月市。
JR大月駅などの時計撤去が問題となり、
市議会が決議して、再設置を求めた。

大月市の言い分。
「荷物で両手がふさがり
スマホが使いにくい観光客らもいる。
高齢者、子どもにも不便で、
市民に不安を与えている」

余禄のコラムニスト。
「JRは駅時計の役割をやや
過小評価してはいないか」

「折しも鉄道開業150年、
唐突な退場は寂しい」

同感だ。

駅の時計は「設備時計」と呼ばれる。
精度の高い「親時計」によって時刻を調整し、
通信ケーブルを介して複数の「子時計」に送る。
それによって1秒の狂いもなく、
正確に時を刻む。

世界に冠たる日本の鉄道の正確な運行。
その正確さを内外に示すのが駅時計だ。

JR東日本は2021年11月から、
約500駅を対象に駅の時計の撤去を開始した。

地元には説明や予告がなかった。
それが大月市などで問題となった。

再設置要求に対して、
内田英志JR東日本支社長は、
2022年3月26日に会見して、
「予定通り進める」ことを表明。

このあたりJRの官僚主義が顔を出した。

確かに首都圏や関西圏の駅では、
構内のあちこちに時計が設置されている。

利用客の多い都市駅を中心に、
時計の数を見直すという案も出ている。

この面では、
私鉄や地下鉄のほうが、
効率化や合理化が進んでいる。

こちらでは指針式の時計と、
発光ダイオード式行先案内表示器が、
一体化したシステムが採用されている。

この一体化によって、
現在時刻と発車時刻が連動する。

問題の根底にあるのは、
「時間」への認識の浅さと、
組織の官僚化である。

経費削減のために、
駅利用者を無視する形で、
「駅の時計を撤去」するのは、
いただけない。

スーパーマーケットも、
チェーンストアも、
経費削減のために、
顧客を軽んじることは避けたい。

時間はもっとも大切なものだ。
時刻を告げる時計は、
それを支えてくれる機能である。
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月刊商人舎2019年2月号。
[Message of February]

時間よ、止まれ!

“Time is money”
〈アメリカ建国の父/ベンジャミン・フランクリン〉

「賢い人間は
時間を無駄にすることに
最も腹が立つ」
〈イタリアの詩人・哲学者/ダンテ・アリギエーリ〉

しかし、こんな言葉もある。
「珠玉の時間を無為に過ごさないようにと、
注意を受けたことがあるだろう。
そうなのだが、
無為に過ごすからこそ
珠玉の時間となるときもある」
〈イギリスの劇作家/ジェームス・マシュー・バリー〉

時間はなぜか二面性を持つ。
それが時間の特徴だ。

「労働は適時にはじめること。
享楽は適時に切り上げること」
〈ドイツの詩人/エマヌエル・ガイベル〉

「一番多忙な人間が、
一番多くの時間をもつ」
〈スイスの神学者/アレクサンドル・ビネ〉
これは真理だ。

私たちは誰もが、
「時間」の中で働き、学ぶ。
「時間」の中で休み、眠る。
「時間」で生きて、
「時間」で死ぬ。

「幻でかまわない
時間よ とまれ
生命のめまいの中で」
〈作詞/山川啓介・作曲/矢沢永吉〉

時間とは一生、付き合わねばならない。
その時間が止まった瞬間、
死が待っている。

だからこそ時間との向き合い方に、
ある種の決着をつけておきたい。
自分なりの羅針盤を携えておきたい。

仕事の時にもプライベートの時にも、
時間に対するマネジメント哲学をもって、
生きていきたい。

〈結城義晴〉

2022年05月28日(土曜日)

「じゃがいもの話」と「上げで儲けるな・下げで儲けよ」

2022年5月末の土曜日。
横浜商人舎オフィスに出社。

ひとりでコーヒーを淹れ、
本を読んだり、
思索したり。
そして原稿を書く。

私の淹れたコーヒー、
意外に美味いです。

ある意味、至福のとき。

デスクの前には、
ジャン・ジャンセンのリトグラフ。
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右手の壁には小野貴邦さんの書。
ドゥ・ハウスの稲垣佳伸さんから贈られた。IMG_32802

そしてオフィスの本箱の前に、
24段変速のシティーバイク。
ロヂャースの大田順康さんのプレゼント。IMG_32822

あっという間に夕方になる。
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それでも今は、日が長い。

至福のときは、
まだしばらく続いてくれる。
ありがたい。

毎日新聞の一面コラム「余禄」
「明治期の作家、樋口一葉は
図書館を愛用していた」

足しげく通ったのは、
東京・上野の東京図書館。
日記に綴っている。
「読むほどに長き日もはや
夕暮れになりぬるべし」

コラム。
「貧しさに苦しんだ生活の中でも
時間を忘れ、書を読みふける姿が浮かぶ」

一葉にとっても、
至福のときだったに違いない。

今日の「折々のことば」
朝日新聞一面コラム。
第2392回。

独り視(み)る 
まだ居るんだぞ 
昼の月
(元看護師の哲学者・西川勝の随想「ふじやん」から)

編著者の鷲田清一さん。
「3年の野宿生活の後、
生活保護と末期がんの治療を受ける男性は、
陽光にかき消されそうな自分だけれど
ここに確と在ると、
月に自らを映して詠む」

至福のときとは、
ここに自分がいるんだと、
自覚できる時間だ。

鷲田さんはふじやんを高く評価する。
「物に自分を託す
その仕方がなかなか見事で、
その昔、港で見送る婚約者に、
船上から2人を繋(つな)ぐテープづたいに
指輪を滑らせ、思いを届けたという」

映画のシーンのようで、
ほんとうに見事だ。

北海道新聞コラム「卓上四季」
タイトルは「じゃがいもの話」

「サツマイモやジャガイモは農村に増配し、
代わりに米や麦を都会に回す」
1942年2月、戦時下の国会で、
井野碩哉(ひろや)農相が言明した。

井野は東京開成中学、一高、
東京帝国大学卒業後、農商務省官僚となり、
政治家への階段を駆け登ったエリートだ。

言語学者新村出(しんむらいずる)は、
その不自由を嘆いた。
無類のジャガイモ好きだったからだ。

ジャガイモは17世紀初め、
インドネシアのジャカルタから渡来した。
ジャカルタは当時、
「ジャガタラ」と呼ばれた。

だから「ジャガ」の「イモ」となった。

コラム。
「天候不順によるジャガイモの品不足が続く。
コロナ禍による物流の停滞や原油高に加え、
ロシアのウクライナ侵攻なども影響し、
昨年来の高値は当分続く見込みだ」

店頭の青果部門は高値だらけだ。

4月の消費者物価指数は、
生鮮食品を含めて、
前年同月比2.5%の上昇。
生鮮食品全体では12.2%の跳ね上がり。

エネルギーと食品関連の値上がりが大きい。

高騰はジャガイモに限らない。
2玉300円近いタマネギ。

ロピアのモレラ岐阜店では、
7個入り290円で積み上げていたが。
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コラム。
「新村ではないが、
“戦況”の先行きの悪さに
暗たんたる気持ちになる」

「やせた土地でも育つため、
古来飢饉(ききん)対策として
栽培が奨励されたジャガイモ」

「気候変動や市場原理には、
歯が立たないのか」

「食料不足は世界規模で深刻化している」

コラムの最後の言葉。
「ジャガイモの”有事”である」

そう、その通り。

ジャガイモやタマネギだけでなく、
生鮮の”有事”であるし、
食品の”有事”である。

どこまで顧客の味方になれるか。
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どこまで国民を助けられるか。

ウクライナもロシアも、
台湾も中国も、
アメリカも日本も。

このとき、
イオンの前身・岡田屋の家訓が思い出される。
「上げで儲けるな、
下げで儲けよ」

有事に活躍するためには、
凡事の徹底が求められる。

凡事徹底によって得られた蓄えを、
有事活躍で活かす。

今、そのときだ。

〈結城義晴〉

2022年05月27日(金曜日)

小嶋千鶴子「大切なこと」と伊藤園陳列コンテスト審査会

小嶋千鶴子さんの訃報を書いた。
新聞各紙もそれぞれに報じた。

使われた写真はいずれも、
ご著書『あしあと』に掲載されたもの。
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そこで私も遺影として、
掲載させていただこう。
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この『あしあと』は、
1997年4月29日に初版が刊行されている。
非売品でいろいろな人に配られた。

じわじわと反響がひろがって、
2003年11月に再版となった。

この第二版の最後に、
「大切なこと」と題して、
短い文章が加えられている。

「危険は絶えず繰り返す。
兆候は先づ在庫の過剰に現れる」

すごい一言だ。

小売業も製造業も卸売業も、
悪い兆候は過剰在庫に現れる。

「利益が商品にあるのではなく、
利益は回転の速度によって
決まるのである」

「回転の速度は、
お客様の心をよく読むことによって
維持される」

商売の真髄がここにある。

「簡単なことが一番むつかしく、
そして努力の要ることなのである」

素晴らしい言葉。
ありがとうございます。

合掌。

さて今日は東京・清水橋。
新宿の西側。

伊藤園本社。
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ロビーの社是。
お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする
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今日は伊藤園陳列コンテストの最終審査会。

司会はマーケティング本部の伊東泰山さん。
販売促進部第七課課長。IMG_30582
審査員が参集して、
概要の説明を受ける。

それから審査員はそれぞれに、
コースごとに優秀作品を選考する。IMG_30602
もちろんソーシャルディスタンシング。

ここの選考が終わったら集計されて、
優秀賞と最優秀賞を決める。
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これは推薦の多い作品ごとに、
最後は話し合いとなる。IMG_30722

決まりました。
おめでとう。

最優秀賞賞金100万円!!
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4コースの店舗賞が決まると、
最後の最後に企業賞の決定。

これも資料を確かめつつ、
話し合いで決まる。

最後の最後にそれぞれが総評を語る。IMG_30802
本庄大介社長のコメント。
伊藤園の濃茶は、
機能性表示食品のお茶部門で、
圧倒的なトップだ。

この値上げラッシュの中でも、
こういった商品は伸び続けている。

審査が終わると記念写真。IMG_30822

この写真が雑誌に載ります。IMG_30862
右サイドが伊藤園のトップ陣。
真ん中から本庄大介社長、
本庄周介副社長、神谷茂専務。

左サイドは、
松井康彦商人舎上級プロデューサー、
毛利英昭食品商業編集長。

そのあとで、スタッフ全員が揃って、
このブログ用の写真。IMG_30892
ふざけている人が一人、います。

これで審査はすべて終了。

そのあとは、
江島祥仁最高顧問の部屋へ。

いつものように抹茶をいただいて、
そのあとから煎茶まで出てくる。

江島さんの話を聞き、
大介さんや周介さんの情報を聞き、
私も最近の食品産業のことを話す。
1時間も情報交換をした。

去りがたい気持ちになる。

ありがとうございました。IMG_30972

伊藤園には社内に、
何人も「陳列名人」がいる。
年度別に最優秀名人も選ばれる。

もう30年も前になるか。
伊藤園の現場の人たちのために、
「陳列名人」という手帳をつくった。

それが今も生きているのだろう。

伊藤園の陳列コンテストでは、
全国の営業マンが陳列のサポートをして、
優秀な作品が出来上がっている。

「お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする」

利益は商品にあるのではなく、
回転の速度によって決まる。

そして回転の速度は、
お客様の心を読むことで維持される。

「簡単なことが一番むつかしく、
そして努力の要ることなのである」

ふたたび合掌。

〈結城義晴〉

2022年05月26日(木曜日)

訃報/小嶋千鶴子さんご逝去。ロピア岐阜進出当日模様。

小嶋千鶴子さんが永眠された。
5月20日。

1916年3月3日生まれ。
享年107。

『LIFE SHIFT』の人生100年時代を、
圧倒的に先取りしたモデルのような方だった。

ご本人は「私は私や」と言われるだろうが、
イオン㈱の岡田卓也さんの次姉。

イオン名誉顧問。

四日市の岡田屋に生まれ、
1939年5月、23歳のときに、
㈱岡田屋呉服店の代表取締役就任。

1946年に岡田卓也さんが、
あとを継いで代表取締役社長に就任。

1969年2月に3社合併で、
ジャスコ㈱が設立されると、
小嶋さんは取締役に就任。
1972年6月には常務取締役となって、
おもに人事を担当した。

1977年5月、
自ら60歳定年制を貫いて、
監査役に退く。

1981年5月、相談役、
1988年8月、名誉顧問。

小嶋さんが監査役に就任された1977年、
私は㈱商業界に入社して、
販売革新編集部に配属された。

そして、ある特集企画で、
小嶋さんにインタビューした。

私の最初の出会いだった。

特集の企画書と依頼状を郵送し、
そのあとで電話をかけて、
直接、お願いした。

その電話で、
小嶋さんから叱られた。

「あんた、
モラルとモラールの意味の違い、
わかっとんのか?」

今もその時の声が、
耳の中に残っている。

叱られたけれどインタビューには、
きちんと対応していただいた。

ひどく緊張しながら話を聞いたが、
優しく対応してくださった。

他社の新入社員を叱りつけてくれるのが、
小嶋さんだった。

今でも、感謝している。

そんな小嶋さんがつくった人事風土が、
ジャスコからイオンへと貫かれた。

小嶋千鶴子さんの著書『あしあと』は、
非売品だが、真の名著だ。
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こんな一節がある。

「人事は人間を知ることから始まる。
人間を知ることは
人間を愛することから始まる。
愛することは理解することである。
よりよく知ることである。
個々人は個々に違う。
違うことを知ることである」

「一人一人について、
過去どのように生きてきたかを知り、
今後どのように生きていきたいかという
希望を知り、
今どうしているかを知り、
目標をもたせることである」

文章書きの真髄は、
一文を短くすること。

小嶋さんの文章は、
見事な名文だ。

小嶋さんは言い切る。
「人事担当者は知ることから始める。
そのためには、聞くことから始める。
注意深く見ることから始める」

「基本は、愛情である」

泣けてくる。

心からご冥福を祈りたい。

さて私は岐阜。

早朝、モレラ岐阜に到着。IMG_31432

ロピアモレラ岐阜店オープン当日。

8時から全体朝礼。
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シンプルに注意点とチーフの紹介をして、
接客7大用語唱和などやらないし、
責任者の訓示なども一切ない。

そして開店作業。

道場六三郎さんの推奨商品を、
この店ではじめて、
大々的にエンド展開する。

その最終仕上げ。
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㈱道場六三郎事務所は、
昨12月28日にロピアの子会社となった。

雨模様ながら、
開店前から顧客が並び始めた。IMG_30442

「Lopia Open!」の手作りクッキー。
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私も特別にいただいて、
1日中、胸ポケットにさしていた。

何度も何度も開店前の店内を歩く。
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ピーター・ドラッカー。
「良い工場は静かだ」

そして試食。
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新製品のミルフィーユローラー。
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9時45分には売場が完成。
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行列が300人を超えて、
そのために10時開店を早め、
9時45分オープン。
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ピークには屋外駐車場に600人が並んだ。IMG_30902
ロピア中京圏進出、
大丈夫だ。

その後、買物して食事。
一貫ずつチョイスできる寿司。
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大トロ、中トロ、ノドグロ、
金目鯛、マアジ、ウニ巻、イクラ巻。

絶品。

入場制限をかけたが、
すぐに惣菜売場はこの状態。
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ロピアの売場を確認して、
私は近隣のクリニックに出発。

バロー本巣文殊店。
スーパーマーケットを中心に、
ドラッグストアとホームセンター。
グループの総力を挙げた商業集積。IMG_31552

2005年、そのバローグループに入ったタチヤ北方店。IMG_31582

バローのホームセンターが隣接している。IMG_31592

それからカネスエ北方店。
実に原則に忠実な店をつくっている。IMG_31622

さらに直接競合しているのは、
アピタ北方店。
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昨日も訪れ、今日も視察。
ロピアオープンの日には、
力が入っていた。

さらに西に走って、
ラ・ムー穂積店。
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大黒天物産㈱のディスカウントスーパーマーケット。
これも徹底したローコストオペレーション。

そのラ・ムーと競合するのは、
イオンタウンのザ・ビッグエクストラ。IMG_31852

イオンビック㈱の運営だが、
日本で一番いいザ・ビッグだと思う。
(マックスバリュ東海の運営ではありませんでした。訂正して関係各位にお詫びします)

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ロピアの岐阜進出1号店は、
ディスカウント競争の真っ只中である。

さて、ロピアの違いは出せたのか。
ポジショニングは構築できるのか。

月刊商人舎6月号で解明する。
乞う、ご期待。

小嶋千鶴子さんの口癖。
「あんた、今、何の勉強してるん?」
「何の本読んでるんや?」

勉強する者が、
優れた店をつくる。

そして競争に勝ち、
社会貢献する。

小嶋千鶴子さんは、
ドラッカー主義者だった。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年05月25日(水曜日)

ロピア岐阜進出1号店オープンに先乗り!

ウクライナ戦争。
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ロシア軍はウクライナ東部地域で、
少しだけ息を吹き返している。

ルガンスク州のセベロドネツクなどで、
ロシア軍の侵攻が激しくなっている。

2月24日から3カ月を超えた。

予想を覆す長期化のなかで、
プーチンは膠着を打開しようとしている。

戦争が長引くことに、
社会的な意味は何ひとつない。

昨日はアメリカからお客さんが来訪。
五十嵐由布子さん。
TSワールドエンタープライズ㈱取締役副社長。
それから取締役部長の柴沼良さん。
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五十嵐さんはロス在住のツアーコーディネーター。
商人舎主催の視察研修会でもお世話になった。
新会社を設立して、新たなスタートを切った。

今日は午前中、
オンライン会議を二つ。
㈱True Dataの役員会と、
営業のアドバイス。

そのあと、急いで、
新横浜から新幹線。
久しぶりにひかり号。

小田原を過ぎ、三島のあたり。IMG_28432

富士の頂がちょっとだけ見えた。IMG_28472

名古屋を過ぎて、岐阜羽島駅。IMG_29422

円空生誕の地。
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円空は江戸時代前期の修験僧。
各地に独特の作風の木彫り仏像を残した。
「円空仏」と呼ばれる。
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駅前でレンタカーを借りて、
30分ほど走ると、
「モレラ岐阜」
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2006年4月29日オープン。
敷地面積約18万5000㎡、
延床面積11万5800㎡、
届出店舗面積5万7653㎡。
テナント店舗数約240。

2フロア型リージョナルショッピングセンターだ。
核店舗はエディオン、
ユニクロとGU、
ニトリ、ダイソー、
タワーレコード、ラウンドワンなど。
シネマコンプレックスもあって、
平日でも1万人を超える客数。
ウィークエンドは3万人を超える。IMG_29452

食品の核店舗はバローだったが、
今年2月に撤退し、
5月26日にロピアが開業する。

商人舎流通スーパーニュース。
ロピアnews|
中部エリア初出店となるロピアモレラ岐阜店5/26開業IMG_29642

首都圏、関西圏に続いて、
第3のドミナントエリアである。

到着すると柴田昇さんが出迎えてくれた。
㈱中部ロピア執行役員営業本部長。

それから古家裕さんは、
㈱ロピア取締役神奈川エリア営業本部長。IMG_28632

さらに相川博史さんは、
ロピア取締役千葉埼玉営業本部長。IMG_28692
幹部もずらりと揃って、
中京圏出店を支える。

店全体を回って、
柴田さんから説明を受けた。

大胆な試みだ。

そのあと、夕方になったが、
近隣の大型店を視察。

アピタ北方店。
IMG_29692

箱形の2フロア店舗。IMG_29652

まだメガドン・キホーテには転換していないが、
このあとどう対応するか。IMG_29662

2階衣料品フロアは苦戦している。 IMG_29672

それからPLANT6瑞穂店。
IMG_29792

1フロア6000坪級。
IMG_29772

やはり週末型の店舗となっているが、
プラントの強みをしっかり表現している。IMG_29722

ノンフード売場はいつ見てもすごい。
まだまだ改革の余地も残っている。IMG_29752

さてロピア岐阜の陣。
どんな展開となるか。

ザ・ビッグ、ラ・ムー、
バロー、カネスエなどなど。

激しい競争が展開されている。

ウクライナの戦争と違って、
小売業の正々堂々の競争はいい。

国民が喜び、
地域が活性化し、
経済が回転する。

戦争にいいことなんて、
ひとつもない。

〈結城義晴〉

2022年05月24日(火曜日)

成城石井の「株価売上高倍率」と「四季プロジェクト長崎離島編」

日経新聞電子版。
「成城石井はユニクロになれるか」

田中陽編集委員が書く。

㈱成城石井は、
ローソンの完全子会社である。

ローソンはその成城石井を、
上場させようと検討に入っている。

上々の際に重要になるのが、
時価総額だ。

時価総額は、
「株価×発行済株式数」。

株価は上場してみなければわからないが、
その予測はできる。

報道ベースでは成城石井の時価総額は、
2000億円超と見込まれる。

売上高は1092億円、店舗数は約170店。
純利益は73億円で、
利払い・税引き・償却前利益のEBITDAは、
約137億円。

ローソンは2014年に成城石井を買収した。
550億円だった。

当時の売上高は約544億円、
店舗数は約120店、
純利益は約20億円。
EBITDAは約2.4倍になった。

田中陽さんは、
この時価総額2000億円の根拠を明らかにする。

エクセレントスーパーマーケットのヤオコー。
2022年3月期の連結売上高5360億円、
時価総額は2584億円。

時価総額を年間売上高で割った指標が、
PSR(株価売上高倍率)だが、
ヤオコーも0.5倍程度。

そこで唐沢裕之ローソン上級執行役員の評価。
「食のブランド化に成功している
唯一無二の存在」

詳細は日経電子版を読んでほしいが、
セントラルキッチンから提供される惣菜、
すなわち「食の製造小売り」が挙げられる。

田中さん。
「強力な商品を数多く持つと、
それを目がけて店を訪れる消費者が増える」

「この循環が、
“成城石井らしさ””世界観”を
醸し出している」

さらに成城石井の店舗戦略は、
店舗規模と品ぞろえを立地によって最適化する。
そして各店舗のROI(投資利益率)を上げる。

成城で生まれた成城石井。
創業者の石井良明さんが去り、
経営権は幾度もファンドの手に渡る。
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「そのたびに社内は動揺したが、
“成城石井らしさ”を守ろうと、
逆に組織が一丸となった」

「いつしか独自の進化を遂げ、
経営権が変わろうとも
“らしさ”に磨きをかける風土が養われた。
見渡せば唯一無二の存在に」

今、PSRが1倍を上回る小売業。
ファーストリテイリング、ワークマン、
丸井グループ、エービーシー・マート。
スーパーマーケットには見当たらない。

ファーストリテイリングは、
売上高の3倍超の時価総額を誇る。
上場の初値は公募価格の2倍強。
時価総額は売上高の3倍強だった。

田中さんは最後に言う。
「成城石井はユニクロになれるだろうか」

私は 上場のあとが大事だと思う。

商人舎流通スーパーニュース。
成城石井news|
「四季プロジェクト」で長崎離島の商品55品を5/20から販売

その成城石井が、
「四季プロジェクト〈長崎離島>編」を開始した。
長崎県の離島の食材など約55品を、
成城石井197店舗全店で販売する。

「四季プロジェクト」は、
成城石井創業95周年記念の企画。
“食” を通じて日本の “四季の魅力” を届ける。
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その中で長崎離島編がスタートした。

日本各地の四季折々の旬の食材を取り上げ、
さまざまな商品やレシピとして紹介する。

一昨年の10月29日。
離島振興地方創生協会理事長の千野和利さんと、
成城石井社長の原昭彦さんが会った。
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千野さんは元阪急オアシス社長・会長。

それから話はずんずんと進んで、
昨年、原さんは自ら長崎離島を訪れた。
それが「四季プロジェクト」につながった。

成城石井の社風は、
この「スピード」である。

石井良明、大久保恒夫と受け継がれて、
最後にプロパーの原昭彦が、
「艱難の挙句につくり上げた社風」と、
評していいだろう。

朝日新聞「折々のことば」
第2388回。
くだものが 
やさいになったり、
やさいが 
くだものになったりして、
うられます。
だから、
たいせつなのは 
おいしくなること!
(なかやみわ『やさいのがっこう』から)
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編著者の鷲田清一さん。
「双子のイチゴは野菜の学校で、
おいしい野菜になるために
いろいろ習うが、
自分たちは果物かもと思い直し、
果物の学校に移る」

「そして野菜は畑、
果物は木の上というふうに、
どこで育ったかで区別されると教わる」

「でもお店では味ごとに
一緒に並べられる」

イチゴは考える。
「所属よりも生き方が大事なんだ」

成城石井は、
自分らしい生き方を目指している。

〈結城義晴〉

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