結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年12月13日(火曜日)

商品が「売れる条件・売れない条件」と各社11月既存店速報

今日は朝から雨模様。
そんななか東京・小平へ。

第一屋製パン㈱本社と小平工場。IMG_E75412
取締役会。

フラットな組織に改編し、
若返り人事を図った。

細貝理榮会長が、
取締役名誉会長に就任した。

取締役会がそれを承認した。

私は「モノが売れる4つの条件」を、
3つの短い形容詞と1つの動詞で説明した。

その逆は売れない4つの条件である。

売れる条件を満たし、
売れない条件を除く。

それが営業活動である。

そのあと、JRを乗り継いで、
新小平から東京駅へ。IMG_75442
ちょっと時間があったので、
大手町を散策。

丸の内ストリート・ギャラリー。 5c4243995fafc1f77d2ea577535a01b4-448x234

丸の内仲通り。
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箱根彫刻の森美術館から、
作品群が提供されて、
通りに陳列されている。

イゴール・ミトライ作「眠れる頭像」
1983年、大理石作品。
ミトライはポーランド人。
ギリシャ彫刻のような端正な顔は、
包帯で覆われ、永遠の瞑想にふける。
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ティモ・ソリン作「日光浴をする女」
1995年、ステンレス・スティール製。
ティモ・ソリンは、
スウェーデンを代表する彫刻家・画家。

この作品は、
陽光の中に座っている女性像。
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ジュゼッペ ・スパニューロ「無題」
1995年、イタリアのブロンズ作品。

解説によるとこの作品は、
永遠に満足感を得ることができない、
人間の中にある欲望のジレンマを表す。IMG_75552

レナーテ・ホフライト作「凹凸のブロンズ」
1989年、ブロンズ作品。
1950年、ドイツ・シュトゥットガルト生まれ。
丹念に磨かれたブロンズの表面が、
周りの風景を映し込む。
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ルイジ・マイノルフィ作「巨大な町」
1987年のブロンズ作品。IMG_75562

マイノルフィは1948年、
イタリアのロトンディ生まれ。
第5回ヘンリー・ムーア大賞展の優秀賞。

古代イタリアからアイデアを得た、
青銅色(ブロンズ)のふくよかな女性像。
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東京駅と皇居の間に、
こんな木立がある。IMG_75622

黄葉。IMG_75632

雨のあとの木立。IMG_75652

銀杏は真っ盛り。IMG_75662

大手町プレイスタワー。IMG_75692

いつもの大手町プレイス内科で、
毎月の検査と診察。

ヘモグロビンA1cは6.5まで下がった。
私の年齢ならば十分、合格。

けれど尿酸値が急に上がった。
対策は田嶼尚子先生と意見が一致。

頑張ります。

そのあと、インフルエンザワクチン注射。

なんでも田嶼先生にお願いして、
慈恵医大の先生方に診断していただく。

本当にありがたい。

さて11月の月次営業実績が次々に発表されている。
商人舎流通SuperNews。

ページの上段の「月次」のボタンを押してください。
そうするとズラリとニュースが出てくる。

11月の既存店前年比。

[総合スーパー]
イオンリテールnews|
既存店1.1%増/ブラックフライデーが効果

PPIHnews|
国内リテール既存店2.5%増/ディスカウント事業好調

イズミnews|
直営既存店2.2%減・客数2.7%減・客単価0.6%増

サンエーnews |
既存店売上高4.2%増・全店5.1%増

[スーパーマーケット]
ライフnews|
11月既存店3.3%増/全店売上げ6.5%増

ヤオコーnews|
既存店5.8%増/客単価・1品単価ともに好調

バローnews |
SM2.6%増・ドラッグ8.3%増・HC1.0%減

ベルクnews|
既存店6.4%増/客数3.0%増・客単価3.3%増

いなげやnews |
既存店売上高2.4%増/全店4.0%増

リテールパートナーズnews|
既存店3.7%増/客数・客単価も前年超え

スーパーマーケットは全体に好調だった。

コンビニnews|
セブン6.2%・ファミマ7.1%・ローソン5.0%増収

11月百貨店売上速報|
4社とも増収/高額品と免税売上が好調

MrMax news|
既存店1.4%増/NB値下げ企画、前年比3割増の売上げ

[専門店]
ユニクロnews|
既存店+EC売上高5.8%減/防寒衣料が苦戦

しまむらnews |
既存店1.7%増/PB「CLOSSHI」の肌着好調

ニトリnews|
既存店102.7%/各種キャンペーン効果とこたつが好調

良品計画news|
既存店8%減/食品は新商品投入で伸長

西松屋news|
既存店6.5%減/冬物衣料が苦戦

アパレルは厳しかったようだが、
しまむらは既存店増を実現させた。
PBのインナーがいい。

ベーシック消費は固い。

12月商戦も、
4つの売れる条件、
4つの売れない条件。

このブログを探してくれれば、
出ているはず。

よろしく。

〈結城義晴〉

2022年12月12日(月曜日)

商人舎12月号特集「オーケーとロピア」の商人舎的比較研究

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊿]

2022年第50週。
12月第3週。

今年もあと3週間。

「コロナは時間を早める」と、
自分で言っておきながら、
個別の出来事を振り返れば、
歯がゆいほど進まぬ時間もあった。
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「戦争における行動は、
重たい液体の中で運動するようなもの。
ただ前進することも水中では、
敏捷、正確には行えない」
(クラウゼヴィッツ『戦争論』より)
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そう、ウクライナ戦争は、
重たい液体の中での運動を続けている。
時間は早まってはいない。

早くやめなければならない。

さて月刊商人舎12月号。
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雑誌が出来上がって、
印刷所から届くとき、
何とも言えない感動があります。

特集は、
オーケーロピア。
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表紙はご覧の通り。
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オーケーは2022年3月期決算で、
営業収益5251億円。
日本スーパーマーケット順位は7位。

ロピアは年商2469億円で、
スーパーマーケット19位。

前年対比の成長率は、
オーケー3.2%、ロピア19.4%。

店舗数はオーケーが134店、
ロピアは71店。

オーケーは「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、
ロピアは「ロープライス・ユートピア」を標榜する。

その比較研究。

どちらも株式を公開していない。

もちろんアメリカには、
売上高480億ドルのパブリックスや、
328億ドルのHEバットが、
非上場企業として立派な成績を収め、
社会的にも高く評価されているから、
オーケーやロピアが株式上場する必要はない。

オーケーもロピアも
上場企業以上の企業価値をもっていると、
小売業界からも食品産業界からも認められている。

その理由は、両者の成長率の高さにある。

オーケーは最新年度こそ3.2%の伸び率だが、
2021年3月期は16.8%、2020年は10.2%、
2019年は10.6%伸びた。

ロピアは最低でも15%の成長率を確保し、
最新年度も19.4%である。

しかし急成長しているからこそ、
急降下もある。

業界雀たちはその急降下への
「野次馬的な期待」(?)も込めて、
注目している。

しかし本誌は
その野次馬の期待に応えたり、
さらにそれを煽ったりするつもりは
まったくない。

オーケーとロピアの本質に迫ろうと考える。
それが「商人舎的比較研究」の意味である。

目次をご覧いただこう。
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二つのCase Study。
Ⅰ「横浜・港南台の陣」
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こちらにあるのは、
[11・24ドキュメント]
標準モデル「オーケー港南台店」の
静かな開業

1店平均38.5億円企業の新店オープンをルポする
亀谷しづえの執筆。
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[2022年最後の巨匠・鈴木哲男の調査]
低価格志向型両雄の激突と近未来

Ⅱ「堺・美原の陣」
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[Photo構成]
ロピア ららぽーと堺店
山本恭広編集長の力作。
必見だ。202212_lopia-sakai-3
ロピアはこの店で、
新しい価格政策を採用した。
青果部門。
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そして「プライスマッチング」
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さてその評価は。

ろぴあ ららぽーと堺店は、
万代ビバモール美原南インター店と激突。

それは何を意味するか。

そして[特集のあとがき]
最後は好きか、嫌いかだ!?
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いつの号もそうだけれど、
この号はぜひしっかり読んでください。

では、みなさん、今週も。
最後は好きか、嫌いかだ?!
それに向けて日々、邁進しよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年12月11日(日曜日)

FIFA World Cup Qatar準々決勝の「終わってはいない」

FIFA World Cup Qatar。
決勝トーナメントは、
ベスト4まで決まった。
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ベスト8の闘い。
クオーターファイナル、準々決勝。

どんなトーナメントも、
ベスト8の4つの試合が、
一番面白い。

日本代表がベスト8に残るという目標は、
この一番面白い舞台に登ることを意味する。

サッカーワールドカップで、
優勝した国は8カ国に過ぎない。

ブラジルが5回。
イタリアとドイツが4回。

初期のウルグアイと、
アルゼンチン、フランスが2回。
イングランドとスペインが1回。

スペインは強豪国だが、
優勝したのは2010年の南アフリカ大会だ。

ベスト8に残るとは、
この優勝経験のある8カ国に、
食い込むことを意味する。

準優勝に輝いたことがあるのは、
この8カ国以外に、
オランダ、クロアチア、
スウェーデン、チェコスロバキア、
そしてハンガリー。

ヨーロッパの国ばかりだ。

3位になったことがあるのは、
ベルギー、ポルトガル、
ポーランド、オーストリア、チリ、
そしてアジアからトルコ。

ヨーロッパと南米がサッカーの中心である。

ちなみに、
ラグビーのティア1は、
シックス・ネーションズと、
南半球ザ・ラグビーチャンピオンシップ参加国。

前者はヨーロッパの6カ国。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、
アイルランド、フランス、イタリア。

後者は南半球の4カ国。
ニュージーランド、オーストラリア、
南アフリカ、アルゼンチン。

この10カ国が中心である。

ティア2は13カ国。
そのなかで日本はトップクラス。
何とかティア1に入れてもらえないか。

さてサッカーワールドカップ2022の、
クオーターファイナル。

第1試合は、
オランダ対アルゼンチン。

延長戦の終盤は反則続出の泥仕合。

オランダ主将フィルジル・ファンダイクは、
世界一のディフェンダーだ。

1974年の西ドイツ大会。
イワン・クライフに率いられて、
決勝に進んだオランダ。
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相手はフランツ・ベッケンバウアーの西ドイツ。
惜しくも敗れて準優勝。
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クライフの名言。
「ボールは疲れない」

オランダは「疲れないボール」を、
どんどん回していく。

けれどアルゼンチンは、
リオネル・メッシの最後のWorld Cupだ。

メッシの見事なアシストで先制点。
さらにメッシのPKで2点とリード。

これで試合は決まったかと思った。

しかしオランダは後半、
長身の選手にボールを集めて、
しつこく攻撃し、
ヴォウト・ウェフホルストが得点。

さらに後半追加タイムに、
トリックプレーで追いついた。

アルゼンチンゴール前のフリーキック。
壁の中央へ緩いパス。
受けたウェフホルストが、
ゴール隅へ転がした。

延長戦は守備も攻撃もラフプレーの連続。
アルゼンチンは闘犬のように獰猛だった。

オランダも体力を活かして、
猛犬どもを跳ね飛ばした。

しかし追加点は入らず、PK戦。

オランダのゴールキーパーは2mを超える長身。
だが1本も止められず、アルゼンチンの勝利。

「メッシのワールドカップは終わらない」
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第2試合は、
クロアチアと本命ブラジル。

クロアチアがまたしても延長引き分けの末、
PK戦を4対2で制してブラジルを破った。

私はtweetした。
「日本戦と同じ勝ち方。
もしかしたら日本もブラジルと
同じ実力だったのかもしれないと思うと、
クロアチアの健闘に拍手」

ブラジルのネイマールは、
メッシと同様最後のWorld Cupだが、
見事な個人技でゴール。

延長前半106分のことだった。

これで世界中がブラジルの勝利を信じた。

一方、クロアチアでも、
最後のWorld Cupのモドリッチ。
日本戦以上に要所要所に絡んで、
走り回り、ボールを繋ぐ。

117分、ブラシッチ、オルシッチ、
最後にペトコビッチが左足でシュート。
ディフェンダーのマルキーニョスに当たって、
ちょっとコースが変わり、ゴール。

クロアチアに女神が微笑んで、
PK戦へ。

先攻のクロアチアは4人全員成功。
一方のブラジルは、
クロアチアのGKリバコビッチに、
1本目のロドリゴが止められ、
4人目のマルキーニョスが、
ポストに当てて外した。

4年前のロシア大会から今大会まで、
クロアチアは6戦して5勝1敗。
その1敗は決勝のフランス戦。

残り5試合はすべて延長に突入し、
4試合をPK戦で勝ち抜いた。

そして、
「ネイマールのWorld Cupは終わった」
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第3試合は今朝0時、
ポルトガル対モロッコ。
このゲームだけが延長もPKもなく決まった。

勝因はモロッコのディフェンス。

ポルトガルが何をしても、
モロッコのゴールは破れない。

アフリカ選手の身体能力が強調されるが、
その能力を徹底的に守りに活かす。

それがヨーロッパの派手なサッカーを、
ことごとく抑え込んだ。

得点は唯一、42分にモロッコがあげた。
左サイドから高々とクロスが上がった。
それを長身ネシリがさらに高く飛んで、
頭に合わせた。

ポルトガルのGKコスタが飛び出して、
ジャンプしてもさらにその上に、
ネシリの頭があった。

後半51分、ポルトガルは、
クリスティアーノ・ロナウドを送り出す。

しかしモロッコGKブヌは、
すべてのシュートをセーブした。

モロッコのワリド・レグラギ監督。
「ベルギー、スペイン、ポルトガルを
破ったことは奇跡じゃない。
ハードワークの結果なんだ。
おカネやタレントがすべてじゃない」

「我々だって夢見ることができるんだ」

「ロナウドのWorld Cupも終わった」
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最後は午前4時、
イングランド対フランス。

実にいいゲームだった。
オランダ・アルゼンチンとは大違い。

前半17分、フランスの、
オーレリアン・チュアメニが、
ロングシュートを放って、先制。

イングランドは54分、
ブカヨ・サカが奪取したPKを、
ハリー・ケインが左隅に決めて同点。

74分、フランスはオリビエ・ジルーが、
センタリングをヘッドで決めて、
再びリード。

イングランドはフランスのエムバペを、
2人、3人で止めて、ボールを与えない。

84分にメイソン・マウントがPKを取得。
が、二度目のケインは左ネット上に、
キックをふかして、追いつけず。

イギリスとフランスは、
14世紀の百年戦争や、
15世紀の薔薇戦争など、
ドーバー海峡を挟んで、
因縁の闘いを続ける。

それでもイングランドは、
若手が伸びてきている。
ハリー・ケインもまだ29歳だ。

1966年のボビー・チャールトン時代の優勝は、
次に持ち越される。

「ケインのWorld Cupは終わってはいない」
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かくて、いよいよセミファイナル。
アルゼンチンとクロアチア。
フランスとモロッコ。

私たちの楽しみは、
終わってはいない。

〈結城義晴〉

2022年12月10日(土曜日)

商人舎12月号発刊の「追悼 清水信次」と「竹の子の教え子たち」

月刊商人舎12月号発刊。202212_coverpage

特集は、
オーケーロピア
安売り原点説」を凌駕した“正統派”食品小売業の比較研究

[Cover Message]
どちらも非上場企業である。どちらも神奈川県に本拠を置く。しかし、どちらも最注目のスーパーマーケットチェーンである。オーケー株式会社と株式会社ロピア。2022年3月期決算で、営業収益5251億円のオーケー。日本小売業ランキング31位、スーパーマーケット順位は7位。年商2469億円で小売業53位、スーパーマーケット19位のロピア。前年対比の成長率はオーケー3.2%、ロピア19.4%。店舗数はオーケーが首都圏の東京・神奈川・埼玉・千葉に134店舗、ロピアは首都圏の神奈川・東京・千葉・埼玉・茨城と関西圏の大阪・兵庫・奈良・京都、さらに中京圏の岐阜に71店舗。オーケーは「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、ロピアは「ロープライス・ユートピア」を標榜する。しかしどちらも実は巷間に言われるところの「ディスカウントストア」ではない。どちらも「安売り原点説」を凌駕した存在である。どちらがいい、どちらが強い、の論議ではなく、それぞれの本質の比較・分析を試みよう。違いを追究しよう。オーケーは2024年に大阪に出店する。ロピアが2020年に進出して、予想を超えた成果を上げているところから判断すると、オーケーも関西圏の競争を一変させる力をもつだろう。さてその本質と差異は、如何に。

目次。202212_contents
雑誌全体の解説は12日の月曜日に。

[特別企画]は、
追悼 清水信次
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私が評伝を書いて、
そのあとで清水さんご自身のエッセイを掲載した。
「食のこころ こころの食」

そして今月の巻頭言。
[Message of December]

私の好きな人

笑顔の人。
大声の人。
晴れやかな人。

勇敢な人。
正義の人。
闘う人。

機敏な人。
元気な人。
世話好きな人。

三度、命拾いをした人。
死を覚悟した人。
懐に飛び込む人。

根は優しい人。
頼れる人。
かわいい人。

太っていても、やせていても。
大きくても、小さくても。
若くても、老いていても。

男でも、女でも。
日本人でも、外国人でも。
豊かでも、貧しくても。

心の力をもつ人。
頭の力のある人。
言葉の力にあふれた人。

私の好きな人。
ポリティカル・マーチャント。
たとえば清水信次。

合掌。     〈結城義晴〉
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さて今日は夕方から、
懐かしいメンバーと飲み会。

横浜の白楽の「うどん鉢」。

私は、1993年から10年ほど、
ジュニアソフトボールの監督をしていた。
竹の子というチーム。

小学生の男女20人ほどが、
横浜市立白幡小学校に集まって、
毎週日曜日と祭日に練習をする。

大抵、日曜日には試合がある。

その監督3期目のチームは、
竹の子の黄金期をつくった。

左からキャプテンでキャッチャーの柳楽誠、
ショートとピッチャーの小泉直樹、
そしてピッチャーと内野手の結城晴。
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小さな子どもだったが、
今、全員が私より大きい。

みんな38歳となった。
それぞれに仕事をもち、
家族もできた。

私の教え子たち。

このうどん鉢は、
彼らの1年先輩の加藤芳郎君がやっている。
心のこもった料理と酒を楽しんだ。

私自身は雑誌の編集長や取締役をやっていた。
人生で一番忙しい時だった。

小泉君は偶然にも、
㈱シジシージャパンに入社して、
今、人事を担当している。

私と同じ業界にいる。
これもうれしいことだ。

11年前にも同じメンバーで集まった。
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あの時、彼らは27歳。
就職して仕事に慣れたころだ。

彼らの同期の大谷智久が、
2009年に千葉ロッテマリーンズに入団して、
先発投手の枠に入ったときだった。

大谷は小学生の時には、
荏田ブランチーズのエースで、
竹の子の彼らとしのぎを削った。
合同チームで一緒に関東大会に行った。

私も合同チームのコーチで、
ずいぶん大谷の球を受けた。

その後、大谷は、
報徳学園で春の甲子園優勝、
早稲田大学で大学選手権優勝、
トヨタ自動車で社会人野球日本選手権二連覇。
MVPも獲得した。

それからマリーンズに入った。

今、大谷はマリーンズの二軍投手コーチだ。

昨日も書いたが、
かつての部下や後輩や仲間や、
教え子たちが、
成長している姿を見るのは、
うれしいことだ。

私には幸いなことに、
教え子が多い。

ジュニアソフトボールの教え子たち。
㈱商業界の部下だった教え子たち。
立教大学大学院教授時代の教え子たち。
コーネル大学ジャパンの教え子たち。
その後の商人舎での、
ミドルマネジメント研修会の教え子たち、
海外研修の教え子たち、
万代知識商人大学の教え子たち。

私の基本方針は一貫している。
「邪魔をしないこと」

考えていること、知っていることは、
全力を尽くして教える。

しかしそれぞれに、
自分自身で判断と意思決定をし、
自分らしさを発揮し、
それを伸ばしてほしい。

その邪魔をしてはいけない。

それが私の方針だ。

そしてその一人ひとりの成長は、
私自身の人生の成果でもある。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年12月09日(金曜日)

「艱難は人を鍛える」とパブロフの「自由を求める反射」

今日は1日中、
横浜商人舎オフィス。

午前中に来客。

㈱商業界の元社員。

私は2007年8月末に、
代表取締役社長を辞任した。
彼は会社に残った。

その後、東日本大震災が起こり、
出版不況は深刻さを増し、
最後に新型コロナウイルスの感染拡大。
2月ゼミナールの参加者は激減した。

2020年4月、会社は自己破産した。
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そして、仕事がなくなった。

もともと実力があった。
専門領域をもっていた。

いろいろと就職先を探した。
それでも世間は甘くはない。

思案した挙句、
自分の道を探して、
独立した。

今、新しい仕事にも挑戦する。

そして驚くほどの成長を遂げていた。

自分ではそれほど、
認識していないのかもしれない。
だが15年も話をしていなかった私には、
彼の成長ぶりがよくわかった。

生きることにポジティブになった。
率直になったし、快活になった。
それでいて謙虚になった。

話をしていても、
知見の広さが表に出るようになった。

一緒にランチをして、
私の知らないことなども教えてもらった。

本当にうれしいことだ。
若い人たちが、
人間として大きくなっていく。

「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」
(新約聖書・ローマ人への手紙より)
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つまり、
艱難は人を鍛える。

日経新聞巻頭コラム「春秋」

イワン・パブロフの話。
条件反射の研究で知られるソ連時代の生理学者。
(1849年~1936年)
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「犬を使って実験をしているとき、
思わぬ障害につまずいた」

「実験机の台に乗せ、
足にゆるい輪をはめてみたところ、
時間がたつにつれて興奮し、
逃げようとして暴れ出した。
これがずっと続き、
実験をいったん中断した」

「犬のこの反応は何を意味しているのか。
いろいろな仮説を考えてみて、
パブロフはある結論にたどり着いた」

「たいへん単純なことで
自由を求める反射である」

「自分の活動が
縛られ続けることに耐えられない」

「これは、あらゆる生物の持つ、
極めて重要な反応のひとつだと指摘した」

なるほど。
「自由を求める反射」か。

そこで現在の中国。
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ゼロコロナ政策を緩めた。

住民の抗議を受けた決定だ。

コラム。
「服従が条件づけられたかに見える国で、
反発の声をあげる勇気に驚かされる」

しかしそれは「自由を求める反射」である。

「暮らしを昨日より豊かにしさえすれば、
国民は文句を言うまいとの発想が
この国にはある」

古代ローマでも、
「パンとサーカス」と言われた。
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「パブロフは実験を続けるため、
餌づけをして犬をおとなしくさせた。
だが人間は、食べ物が足りれば
それで満足するような生き物ではないはずだ」

そう、人間には尊厳がある。

「現代の皇帝たちが
力を誇示した年が暮れようとするなか、
自由の尊さをかみしめる」

ウクライナにも、
香港や台湾にも、
そしてローマ市民にも、
「自由を求める反射」がある。

私自身も、
15年前に商業界を去った。
そして株式会社商人舎をつくった。

あれは自由を求める反射だった。

商人舎のスローガンは三つ。
自主独立、
自己革新、
社会貢献。

今日、やって来てくれた彼の生き方も、
自由を求める反射なのだと思う。

それにしても、
かつての部下や後輩や仲間や、
教え子たちが、
成長しているのを見るのは、
本当にうれしいことだ。

〈結城義晴〉

2022年12月08日(木曜日)

12月には新店続々オープン/西友・イオンタウン・ロピア

2022年最後の満月。mangetu

アメリカではコールドムーンという。
それを日本語にすると「寒月」。mangetut2

おづおづと冬満月へ手を伸ぶる
〈川崎展宏〉

川崎は1927年生まれ、2009年没の俳人。
明治大学法学部教授。

夕方には、
低い空にオレンジ色の満月が出た。
いよいよ、年の瀬に向かう。

商人舎流通SuperNews。
12月に入っても、
新店がオープンしている。

西友news|
12/15「和光市駅前店」オープン/限定商品やコーナー化に試み
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東武東上線和光市駅南口から徒歩約3分。
東京メトロ有楽町線・副都心線が乗り入れる。
複合ビルの1階・2階に出店。
売場面積は1578㎡。

駅のそばの2層のスーパーマーケット。
西友は今、立地や建物構造をあまり気にしない。
つまり出店条件に影響を受けにくい小売業だ。

集客力があるからだ。

そして新しい試み満載。
「大久保マジック」を見ることができる。

イオンタウンnews|
12/17「イオンタウン旗の台」オープン/東京23区内初出店aeontown_hatanodai-768x490

全国で154カ所目のNSCだが、
東京23区内へは初出店。

都市型ショッピングセンターとして、
「ヘルス&ウエルネス」に軸足をもつ。

ウエルシア薬局や多様なクリニック、
それからビオセボンが入る。

オーガニックスーパーマーケットが、
核店舗となりうるか。
ビオセボンがそこまで力を蓄えたか。

このSCも見ておきたい。

スーパーバリューnews|
12/15「越谷店 食品館」リニューアルオープン
supervalu

㈱スーパーバリューは、
スーパーバリュー越谷店の食品館を、
12月15日にリニューアルオープンする。

食品館のほかにDIY館、園芸館、
そしてホームセンター館がある。

つまりホームセンターとスーパーマーケットの、
コンビネーションストアだ。

東武伊勢崎線大袋駅から東に約300m。
越谷と春日部を結ぶ国道4号線バイパス沿い。

スーパーバリューはロピアの連結子会社となった。
つまりロピア化しての再出発だ。

さらに12月24日のクリスマスイブには、
ロピア越谷大里店(仮称)がオープン予定だ。

この店も東武伊勢崎線大袋駅から徒歩15分ほど。
わざわざクリスマスイブに開業。
何を仕掛けてくるか。

越谷エリアのスーパーバリューとロピア。
ドミナントを形成していく。

ヤオコーとエイヴイ、フーコット。
ロピアとスーパーバリュー。

こういった連携での競争が展開されていく。

そしてこのとき大切なことは、
現場の事実を見きわめていくことだ。

構図は構図として鳥の目で見る。
そして現場を虫の眼で見る。
時の流れは魚の眼で見る。

エドワード・ハレット・カー。
E・H・カーと略されることが多い。

イギリスの外交官・国際政治学者。
国際政治における理想と現実の関係を考察した。
ロシア革命史の研究でも名高い。

「事実というのは決して
魚屋の店先にある
魚のようなものではありません」

「むしろ、事実は、広大な、
時には近よることも出来ぬ海の中を
泳ぎ廻っている魚のようなもので、
歴史家が何を捕えるかは、
偶然にもよりますけれども、
多くは彼が海のどの辺で釣りをするか、
どんな釣道具を使うか――
もちろん、この二つの要素は
彼が捕えようとする魚の
種類によって決定されますが――
によるのです」
(『歴史とは何か』清水幾太郎訳より)

鳥の眼と虫の眼、
それが魚の眼になる。

「全体として、歴史家は、
自分の好む事実を
手に入れようとするものです」

歴史家にかぎらない。
学者もコンサルタントも、
ジャーナリストも経営者も、
自分の好む事実を収集したがるものだ。

「歴史とは解釈のことです」

越谷の歴史から辿って、
ロピアとスーパーバリューを見る必要もある。

〈結城義晴〉

2022年12月07日(水曜日)

米国では「もうコストコとトレーダー・ジョーだけでいい」?!

浅野秀二先生、
商人舎オフィスに来訪。IMG_75022

サンフランシスコから来日して、
10日ほど経つ。
熱海にコンドミニアムを持っていて、
今月22日まで滞在する。

向こうでクリスマスを過ごす。

いい生活だ。

しかしアメリカはインフレが激しくて、
物価が高い。

そして重要なことだが、
スーパーマーケットは、
「劣化」している。
カスタマーサービスのレベルが、
格段に落ちた。

もちろんCOVID-19パンデミックで、
非接触の営業を強いられたからだ。

しかし、いい企業はいい。

浅野さんの個人的な感想だが、
トレーダー・ジョーとコストコさえあれば、
あとはいらない、らしい。

日本もそうなるのだろうか。

しかし万が一、そうなると、
ナショナルブランドメーカーは逼塞する。
トレーダー・ジョーは、
プライベートブランド小売業だし、
コストコはナショナルブランドを、
恐ろしい価格で販売する。

だからメーカーは、
レギュラーのスーパーマーケットを、
一定程度、なんとしても残すよう努力する。

さらにネット販売は、
ほとんどの企業が実施していて、
アマゾンは売上げが下がっている。

ポストコロナ時代には、
顧客はリアル店舗にもどってくる。

浅野さんの生活実感が確かならば、
そんな状況が今のアメリカなのだろう。

トレーダー・ジョーとコストコだけで済む。

そういう状況が、
日本にもやってくるかもしれない。

そうだとしたら。
そのときのトレーダー・ジョーは、
どの企業だ?

浅野さんとは来年早々、
アメリカでご一緒する。

亀谷しづえゼネラルマネジャーが加わって写真。IMG_75052
来年もよろしくお願いします。
しかしちょっと太り過ぎ。
気をつけましょう。
お互いに。

さて、
FIFAワールドカップ。
日本代表が敗退してしまうと、
心のなかにぽっかりと穴が開いたようで、
ちょっと空虚だ。

生活も変わる。

夜が淋しい、
明け方が空しい。

チームはもう帰国して、
大歓迎を受けている。

よく、やった。

昨日、いろいろと書いたが、
一番悔しいのは、
選手たち自身だろう。

ドイツとスペインに歴史的勝利を収めた。
スペインはグループEの2位で、
決勝トーナメントに進出したが、
モロッコにPK戦で負けた。

かつての強豪国も、
レベルが落ちている。

そしてアフリカやアジアのチームが、
どんどん強くなっている。

その意味で、
世界のサッカーは、
急激にグローバル化が進んでいる。

ジャパンもそのグローバル化の中にある。
日本の選手たちがヨーロッパで揉まれて、
今回の快挙を成し遂げた。

つまり日本サッカーは、
グローバル化の恩恵を受けた。

そして世界基準の中で、
日本らしさを追求する。

それがグローバル化の中の生き残り方だ。

大丈夫。

三苫薫が、
伊東純也が遠藤航が、
久保建英が、
それに続くティーンエージャーたちが、
やり遂げてくれるだろう。

大谷翔平や藤井聡太のような若者が、
どんどん出てくる。

日本の若者たち、
捨てたもんじゃない。

頼もしい。

朝日新聞「折々のことば」
第2579回。

高く心を悟りて、
俗に帰るべし
(松尾芭蕉)

「詩精神は高く保つように心掛けて、
その後俳諧固有の俗な対象に
帰っていくべきである」

芭蕉は説いた。
それを門人の服部土芳(どほう)が記した。

「一方に普遍的で高い志があり、
もう一方にきわめて具体的な
暮らしの情景がある」

編著者の鷲田清一さん。
「対極にあるこの二つが
じかに接するところ、
高い理想と泥まみれの現場感覚との往還が、
俳諧にかぎらず大事なのであろう」
『三冊子』(復本一郎校注・訳)から。

高い志と、
泥まみれの現場感覚。
その往還。

ジャパンの選手たちも、
これからの若者たちも、
そして私たち自身も、
絶対に忘れてはいけないことだ。

芭蕉に感謝しよう。

〈結城義晴〉

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