結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年06月26日(土曜日)

「ツルヤみどり店」クリニックと経産キャリア官僚の不祥事

横浜線の中山駅に集合して、
群馬県みどり市へ。

商人舎恒例の店舗クリニック。

途中、関越道の寄居パーキングで休憩。
2時間半ほどのドライブで、
ツルヤみどり店に到着。IMG_41521
一昨日の6月24日にオープン。
期待の群馬県2号店。

ツルヤは長野県のローカルチェーンだ。
その長野の企業が隣の群馬に出店。

コロナ禍キャズムのなかの1号店は、
昨2020年11月12日に開業。
群馬県や北関東だけでなく、
全国に衝撃を与えた。

その競争の模様を商人舎1月号で、
特別企画として紹介、分析した。

ツルヤ「群馬前橋の陣」
turuyamaebasi
ご好評をいただいた。

そのツルヤの群馬第2号店。
興味いっぱい。

ツルヤの店を見て、買物して、
それからトライアルへ。

スーパーセンタートライアル笠懸店。

こちらは古いディスカウントストア。
ツルヤと直近で競合している。

ご一緒したのは今回も、
アイダスグループ社長の鈴木國朗さん。IMG_41821

それから、
フレッセイ笠懸店。IMG_42081
この店はツルヤが出てくる前の、
地域一番店。

フレッセイはツルヤを挟んで、
西側にフレッセイ赤堀店を出している。

さらに地元のやましろやかさがけ店。
土着の廉価型スーパーマーケットだ。
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さらにベイシアマート笠懸店。
ベイシアのスーパーマーケット。IMG_E42301
ウォルマートでたとえると、
ネイバーフッドマーケットの位置づけ。

さらに3.5㎞ほど離れるが、
新しいバイパスができて、
むしろ一番影響受けるだろう、
とりせん大原店。
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この店もいい管理状態で、
とりせんにとって重要な店舗だ。

それらの真ん中に飛来したのが、
ツルヤみどり店。
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さて、どんな店なのか。
前橋南店とどう変わったのか。
はたまた変わらなかったのか。

鈴木國朗はどう分析したか。
結城義晴はどう見て、どう考えたか。

それは月刊商人舎7月号にて。
7月10日発刊。
乞う! ご期待。

さて、
経済産業省の不祥事。

キャリア官僚の男2人の逮捕。
経済産業省経済産業政策局所属で、
産業資金課係長と産業組織課員。
28歳の同年。

国の家賃支援給付金約550万円を、
だまし取った容疑だ。

2人は2019年に、
ペーパーカンパニー新桜商事を設立、
同社の事務所の家賃を不正に申請して、
給付金を受け取った。

AERA dot.が取材して書いている。
「タワマンに外車」

「2人とも慶応義塾高校時代の同級生」。

係長は慶応義塾大学からメガバンクに就職、
退職して2018年経産省入省。
課員は同じく慶応義塾大学から、
東京大学ロースクールを経て、
司法試験に合格、20年に同省に入省。

係長は高級外車2台を所有し、
一番町のタワーマンション14階に居住。
月の家賃は約50万円。

経済産業政策局は経産省の出世コース。
産業資金課係長は企業の資金調達を担当。
産業組織課員は不正競争の防止などを担当。

慶応創始者の福沢諭吉は言っている。
「金銭は独立の基本なり、
これを卑しむべからず」

しかし、こうも言う。
「自ら労して自ら食うは、
人生独立の本源なり」

労せずして、食ろうてはならない。

そして、
「世の中で一番尊いことは、
人のために奉仕し、
決して恩にきせないことです」

公僕たる官僚の本質は、
「人のために奉仕」する役割だ。

それが国をだまし、
金銭を着服する。

「奉仕」の真横に「偽善」がある。

福沢は最後に言う。
「世の中で一番悲しい事は、
うそをつく事です」

もちろんキャリア官僚が悪いわけではない。
慶応義塾の高校や大学が劣るわけでもない。

たった一つのケースだろう。
そう信じたい。

しかしこのマインドが、
組織の底に根を張ってはいないか。
学び舎に潜在してはいないか。

今回の事件は悲しすぎる。
福沢先生も怒りを通り越して、
悲嘆に暮れているだろう。

倉本長治。
「損得より先に善悪を考えよう」

この考えは日々、一瞬ごとに、
自ら反芻していなければならない。

「奉仕」の真横に「偽善」がある。
店にそれがあってはならない。

〈結城義晴〉

2021年06月25日(金曜日)

ロピア・オーケーの過激な競争出店と国勢調査が教えるもの

梅雨の晴れ間。
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今日は商人舎全員集合して、
一緒にランチ。

帰り道は遊歩道。

「ねえ、ねえ、綾子さん」
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「なーに? 山村さん」
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綾子さん、消えた!?
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ふたたび、仲良く歩き始めました。IMG_41391
不思議。

昼過ぎ、私は店舗視察。
横浜港北ニュータウンへ。

ノースポート・モール。
横浜地下鉄のセンター北駅に直結して、
2007年4月21日にオープン。

このショッピングセンターの1階に、
2019年3月にロピアが入った。

当初はいなげやが入居していた。
バナーは「ブルーミングブルーミー」。
そのいなげやが撤退して、
ロピアが入った。
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そのロピアの隣には、
今年1月9日に、
クリエイトエス・ディーが入居。
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同社最大級の店舗で、
ロピア側に調剤薬局もオープン。
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良いショッピングセンターは、
テナントがどんどん変わる。

店揃えも品揃え同様に、
変わらねばならない。

それは近隣型ショッピングセンターでも、
広域型ショッピングセンターでも同じだ。

ロピアは明日、
看板の「肉の日」。
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そして今日は、
「シークレットセール」
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何がシークレットなのか。
それを顧客は楽しみにしている。

「ニックジャック」は、
ロピアの特性ピザを売るテークアウト店。IMG_41421
コロナ禍のキャズム期にも、
この販売スタイルは大繁盛。

チェックしたいことがあって、
急遽、この店を訪れたが、
大いに満足した。

そこで久しぶりに、
Go! Go! ポーズ。IMG_41451

商人舎流通スーパーニュース。

オーケーnews|
6/22登戸店、7/15立川若葉町店、8/12川口芝店と連続出店

オーケーもロピアに負けていない。
過激な競争型出店を展開している。

6月22日(火)、神奈川県川崎市に、
オーケー登戸店(302坪)をオープン。
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JR南武線・小田急小田原線登戸駅から徒歩3分。
マルエツ登戸駅前店、いなげや川崎登戸店、
ライフ向ヶ丘遊園店、東急ストア向ヶ丘遊園店と、
激戦を展開。

今後は7月15日(木)。
東京都立川市の若葉ケヤキモール1階に、
オーケー立川若葉町店を出店。

マルエツ立川若葉町店の撤退物件。

ヤオコー立川若葉町店、
グルメシティ立川若葉店と競合。

さらに、8月12日(木)。
埼玉県川口市にオーケー川口芝店を開業。
売場面積537坪。
こちらは西友川口芝店、
業務スーパー川口芝店と、
至近距離での三つ巴戦。

昨日も書いたけれど、
競争は商人を鍛える。
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2020国勢調査news|
日本の人口1億2622万6568人で15年比0.7%減

総務省が「2020年国勢調査」の速報を発表。
1920年から5年ごと調査されるが、
2015年と2020年、人口減少傾向が著しい。
2020国勢調査①

その人口も大都市圏に集中して、
地方は減少し、過疎化に進む。

東京都は初めて1400万人を超えた。
増加率も全国最高の4.1%。 2020国勢調査②

伸び率が高いのは東京に続いて、
沖縄、神奈川、埼玉、千葉、愛知、
そして福岡、滋賀、大阪。

2020国勢調査③1
オーケーもロピアも、
その特徴は人口が多いエリアへの、
積極的な出店である。

そして人口が多い地域、伸びる地域で、
競争がさらに過激になる。

コロナ禍キャズムが終わって、
ポストコロナ時代を迎えたら、
小売業・サービス業にとって、
もっとも重要なのは人口問題への対応である。

〈結城義晴〉

2021年06月24日(木曜日)

伊藤園陳列コンテストと「伯仲の競争が商人を鍛える」

東京・清水橋。
地下鉄大江戸線の駅でいえば、
西新宿五丁目。
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㈱伊藤園本社。
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伊藤園陳列コンテスト最終審査会。IMG_41031

写真右側が伊藤園のトップの皆さん、
左側が社外審査員。IMG_41051

このCOVID-19のキャズムのなかでも、
今年1月から4月まで、
陳列コンテストを実施した。

多くの企業、多くの店舗が、
このコンテストに参加してくれた。
私からも感謝したい。

そのコロナ下の陳列作品を、
最終的に審査して、
4つのコースごとに、
店舗大賞を決定する。

それから企業賞の大賞も決める。

まず審査員が各々、優秀作品に票を入れる。
多数を集めた作品が受賞する。

副社長の本庄周介さんとツーショット。IMG_E41151

票が分かれたら、
全員で議論して決める。IMG_41191

今回は、農林水産省売店が参加した。
霞が関の省内の売店が、
陳列コンテストに参加して、
最終審査の最終選考に残った。

その結果はここで書くことができない。IMG_41211
企業賞の大賞受賞社は、
全作品の管理レベルが極めて高かった。

審査が終わると雑誌掲載用の写真撮影。IMG_41251

真ん中が伊藤園社長の本庄大介さん、
それから右に本庄周介さん、
取締役専務執行役の神谷茂さん。
私の左隣は松井康彦さん、毛利英昭さん。IMG_E41261
松井さんは商人舎特別プロデューサー、
毛利さんは㈱アール・アイ・シー社長で、
現在の食品商業編集長。

それからスタッフ全員で写真。
私のこのブログには、
裏方の皆さんにも登場してもらう。
ひとつのイベントが開催されるとき、
かならず裏方さんが支えている。
ひとつの成果は全員の成果だ。IMG_41321

審査が終わると、
最高顧問の江島祥仁さん(前左)の部屋へ。IMG_41341
抹茶をいただいて、懇談。
この時間が私には楽しい。

最近、研究者が緑茶の効用を論文にした。
査読が終わって論文の評価が定まるが、
緑茶にはウイルス感染を防ぐ効能があるという。

まだ宣伝や広告には使えないが、
これはうれしいニュースだ。

懇談では最新の月刊商人舎特集が話題になった。
ベニマルvsロピア「つくばの陣」
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【ご好評につき、単品販売します。☞まで】

ヨークベニマルの大髙善興さんの考え方。
対するロピアの戦略。

私は持論を展開した。
業種・業態論とフォーマット論。

ロピアは絵に描いたように、
この理論通りの成長を見せた。

肉の宝屋藤沢店のころが業種、
ユータカラヤのころが業態、
そしてロピアと名称を変えてフォーマット。

対してヨークベニマルは老舗中の老舗。
日本のスーパーマーケット産業において、
常に王道を歩み続けてきた。

その両者による競争。

競争は商人を鍛える。
競争は組織を鍛える。
競争は店舗を鍛える。
競争は企業を鍛える。

小売業の競争にかぎらない。

製造業も卸売業も、
サービス業も、
競争によって鍛えられ、
成長していく。

ただし伯仲の競争が、
商人を鍛え、組織を鍛える。

格の違う者との闘いは、
商人や組織を鍛えはしない。

ここでいう「格」は、
規模の大小ではない。

自分の闘い方をもつか否か、
それが独特であるか、
それが強靭であるか。
 
ここに現代の競争の本質がある。

[Message of June]
?????????
自分の歌を歌え。

自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。

自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。

それが21世紀の商売のやり方だ。
ポストモダンの流通業の在り方だ。
そしてそれが商業の現代化を実現させる。

良いものはそっくり真似よ。
徹底的にベンチマークせよ。
それを横展開せよ。

標準化せよ。
マニュアル化せよ。
生産性を上げよ。

しかし皆が皆、
真似ばかりしていると、
顧客から見放される。

すべての店が互いにベンチマークし合うと、
すべての店が似てくる。
イノベーションは起こりにくい。

レース型競争からコンテスト型競争へ。
いや、レース型を制する者によって、
コンテスト型が展開される。

「大きい・強い」を実現した者ばかりが、
そのうえで「自分らしい・優しい」を競う。
それが三千年紀の競争だ。

自分の歌を歌え。
自分の絵を描け。
自分の夢を追え。

自分の足で歩け。
自分の手でつくれ。
自分の頭で考えよ。

〈結城義晴〉

2021年06月23日(水曜日)

[訃報]立花隆さん、逝去。私は立花に影響された。合掌

立花隆さんが亡くなった。
80歳だった。
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4月30日、急性冠症候群で死去。
メディアに報じられたのは、
今日6月23日だった。

2007年に膀胱癌の手術を受けたし、
糖尿病や心臓病の持病を持っていた。

ジャーナリスト、ノンフィクション作家。

私は立花隆に影響された。

1977年に㈱商業界に入社して、
販売革新編集部に所属した。
「流通革命」を標榜する月刊誌だった。

私は将来、何になるか、
自分では決めていなかった。

漠然と文章を書く仕事に就いて、
それが商業や流通業の世界のことで、
自分でもどうしたらいいのか迷っていた。

商業界には倉本長治先生がいた。
岡田徹先生や新保民八先生も知った。

「流通革命」の林周二先生、
流通産業研究所の上野光平先生、
チェーンストア産業論の渥美俊一先生。

ダイエーの中内功さん、
イトーヨーカ堂の伊藤雅俊さん、
当時のジャスコの岡田卓也さん、
西友の堤清二さん。
そして関西スーパーの北野祐次さん、
サミットの荒井伸也さん。

ほかにも多くの素晴らしい人たちがいた。

だから商業の世界の意義や面白さは、
すぐに自分でも納得できた。

しかしその中で私は何をするか。

そのころに読んだのが立花隆だった。
『中核vs革マル』(1975年、講談社)
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その取材のすごさ、
当たった資料の膨大さ、
考察の広さ、深さ、鋭さ。
眼が眩むほどだった。

もう一冊は柳田邦男さん。
『零式戦闘機』(1977年、文藝春秋)
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戦前のゼロ戦の開発物語を、
丹念に、丁寧に取材して描いた。

商業の世界を舞台に、
こんなノンフィクションを書こう。
それが20代の結城義晴の目標となった。

その意味で立花さんは恩人である。

その後の1976年刊『田中角栄研究』(講談社)、
1978年『日本共産党の研究』(講談社) 、
1980年『農協』(朝日新聞社)。

私が書いていたのは、
「関西スーパースタディ」、
「あるPOS-VAN実験の全貌」、
「ラルフの24時間」、
「サミットスタディ」etc。

その後、文中敬称略の、
ノンフィクションスタイルの長編記事を、
機会を見つけては書いていった。

もちろん幼い作品ばかりだったが、
私は現場を徹底して調査した。

それは立花、柳田、両氏のおかげだ。

その後、立花さんは、
「朝日ジャーナル」誌上で、
「ロッキード裁判」に関して、
渡辺昇一氏と論戦を展開した。
木っ橋微塵に打ち砕いた。

これも毎週発刊を楽しみにしつつ、
むさぼり読んだ。

立花さんは政治や社会から、
宇宙やサルや脳の世界へと、
関心を広げていった。

「命」を解明したかったのだと思う。

そんななかの1996年、
『インターネット探検』(講談社)では、
現在のネット社会を予言した。
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何よりも「物書き」にとって、
極めて便利であることが、
私には強く印象づけられた。

この慧眼には今でも感服する。

2007年には二つの大学院の特任教授に就任。
東京大学大学院情報学環と立教大学大学院。
立教では21世紀社会デザイン研究科だった。

私は2年後の2009年に同じ立教で、
ビジネスデザイン研究科の特任教授になった。

キャンパスで直接会ったことはなかったが、
ここに立花さんもいるのかと、
ちょっと気持ちを高ぶらせた。

そのまえに1991年には、
書斎兼書庫として「猫ビル」も建てた。
東京の文京区小石川。
地上3階地下1階建てで、
地下にワインセラーがある。

猫好きでワイン好き。
同好の士でした。

それにしてもまだ80歳。
本当に惜しい逝去だと思う。

しかし自ら「脳死体験」をした立花さん。
その瞬間を本体験したことになる。

2018年の『死は怖くない』
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「ぼくは密林の象のごとく死にたい」
きっと安らかに亡くなられたに違いない。

ご冥福を祈りたい。

今日は午後から東京・浜松町。
駅前の日本生命浜松町クレアタワー。2

この6階の会議室3。
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第21回の定時株主総会で、
全員の取締役再任が承認された。
私は2008年から社外取締役を務めるが、
もう一番の古手になってしまった。

その取締役の皆さんと写真。IMG_40911
これからもよろしくお願いします。

それにしても立花隆さん。

現場や現物に当たって、
事実を追求し、真実を探求する。
この精神は立花さんからいただいた。

True Dataも同じだ。

守り続けたい。

合掌。

〈結城義晴〉

2021年06月22日(火曜日)

孔子の「五つの諫言」と不適切な「ステークホルダー」発言

うれしいことがあった。

第1に1日で1万2848歩、歩いた。
ゴルフ以外ラウンドをするとき、
アメリカや日本の店舗視察をするとき、
それ以外にはない。

朝、東京・小平の第一屋製パン㈱へ。
毎月の取締役会。

このところはずっと、
オンライン方式で参加していたが、
モデルナのワクチンも接種したし、
東横線・南武線・武蔵野線を乗り継いで、
小平の本社を訪れた。

そして発言した。

それから横浜にもどって、
皮膚科へ。

尾骶骨の褥瘡(じょくそう)になった。
いわゆる床ずれ。

座るときの姿勢が悪い。
深く腰掛けねばいけない。
年を取るとこの症状が出やすい。

それを診察、治療してもらった。
こちらは軽傷だ。

さらに今度は東京駅へ。
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東京オリンピック開催まで31日。
1カ月となった。
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皇居側の景色。
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10分ほど歩いて大手町プレイスタワー。IMG_4071
このビルの大手町プレイス内科。

血液検査をして、その結果が出た。
これが第2の良かったこと。

ヘモグロビン(H)A1cは6.6%まで下がった。

これは赤血球の中にあるヘモグロビンに、
ブドウ糖が結合した割合。

日常的に血糖値が高い人は、
HbA1c値が高くなる。
この基準値は4.6~6.2とされる。

ただし「高齢者は6.2では低すぎます」と、
私の主治医の田嶼尚子先生。

理想は6.4から6.5だが、
このところ7を超えていたので、
すごくいい結果がでたことになる。

中性脂肪は154。
こちらの基準値は50~150。

1カ月の努力の結晶がこの数値だ。
病院巡りをすること自体が、
運動となって体調がよくなる。

不思議な現象ではある。

このところ私の機運は、
上り調子だ。

さて毎日新聞の巻頭コラム、
「余禄」

諫言(かんげん)がテーマ。
君主の非を臣下がいさめること。
社長の非、上司の非などを、
勇気をもっていさめるのも諫言だ。

孔子曰く、「諫に五あり」

一、正面からいさめるのが「正諫(せいかん)」
二、いったんは君主に従った上での諫言は「降諫(こうかん)」
三、真心をもっていさめるのが「忠諫(ちゅうかん)」
四、愚直にいさめるのが「戇諫(とうかん)」
五、遠回しになされるのが「諷諫(ふうかん)」

いずれもその場その場、
ケースバイケースで使い分ける。

コラム。
「君主の機嫌次第で命も奪われる諫言だから、
いさめる方も正面作戦だけではなく、
迂回(うかい)作戦やからめ手からの攻め、
泣き落としなどあの手この手を用いたようだ」

そして毎日新聞だけに、
「こちらの方の“諫言”――」

「無観客が望ましい」
五輪の専門家の提言は、
受け入れられなかった。

「当初予想された五輪中止の提言を避け、
首相の主要国首脳への五輪開催公約をふまえての
“降諫”もむなしかった」

「五輪の観客上限を定める組織委や政府、
国際オリンピック委(IOC)などの5者協議は
“定員の50%で、最大1万人”との
政府の国内基準に準じる方針を決めた」

「”1万人”基準と五輪とは別という
専門家への約束もほごとなった」

つまり専門家の諫言は通じなかった。

「たださすがにまん延防止等重点措置や
緊急事態宣言が再発令された時など、
感染状況次第で”無観客”も検討する」

コラムは怒りつつ指摘する。
「こちらは専門家が示したような
リスク評価にもとづく措置ではなく、
すべては成り行き次第ということらしい」

成り行き任せ、ご都合主義。

「開会式では1万人の観客に加え、
スポンサー枠などで
関係者の入場も多数見込まれる」

丸川珠代五輪担当大臣が、
「ステークホルダー」という言葉を使った。
“stakeholder”は「利害関係者」のことで、
もともとは「競馬の馬主の集まり」を意味する。

「馬主」が悪いわけではないが、
この場合、適切な言葉ではないだろう。

いや的確過ぎて露骨だ。
「五輪は金で動いている」と言ったのだから。

そうすると、
アスリートたちは馬ということになる。

金で動く五輪は、
「公衆衛生上のリスクなど
超越した特別枠か」とコラム。

「五輪の実相を次々に浮き彫りにする
専門知による諫言である」

会社でも組織でも、
諫言は極めて重要だ。

しかしその前に、
コミュニケーションが取れた組織では、
「降諫」や「戇諫」「諷諫」は必要ない。

とくに「諷諫」を繰り返していると、
組織は腐っていく。

「正諫」と「忠諫」でよろしい。

尾身茂先生をはじめ専門家たちも、
「諷諫」や「降諫」だった。

それが最後には「正諫」「忠諫」となり、
「戇諫」となった。

しかし初めから、
ステークホルダーありきでは、
諫言は聞き入れられない。

こちらの案件は残念ながら、
上り調子ではない。

〈結城義晴〉

2021年06月21日(月曜日)

夏至の日の”A Shot In The Arm”と「元気を出そう」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㉕]

2021年第25週。
6月第4週で、
2021年もほぼ半分が過ぎる。

そして今日は、
夏至。

1年で一番、昼が長い日。
1年で一番、太陽の恩恵を受ける日。

昨年の夏至は、
日蝕(にっしょく)となった。
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地球から見ると、
月が太陽の前を横切るために、
月によって太陽が隠される現象。

だから昨年の夏至は、
1年で一番、
太陽の恩恵を受ける日ではなかった。

それから1年。

また夏至の日がやってきた。

COVID-19パンデミックが、
ここまで広がるとは、
ここまで長引くとは、
次々に変異株が登場するとは、
誰が考えただろう。

安倍晋三首相が、
東京オリンピックの延期を決めたのは、
昨2020年3月24日だった。

新型コロナウイルスを甘く見ていた。

コロナウイルスワクチンは、
今年2月17日から医療従事者に接種開始。
4月12日からは65歳以上の高齢者に対して、
接種が開始された。

私は6月6日に第1回の接種を受けた。
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そして高齢者だけでなく、
現役の世代への接種も進行中だ。

さらに今日から、
大学や職域での接種が始まった。

中小企業同士が協力して、
集団接種を行う工夫も生まれた。

北海道新聞の巻頭コラム。
「卓上四季」

「英語で注射は”ショット”とも呼ぶ」

「”腕にショット”という英熟語は、
元気づけるという意味になる」

“A Shot In The Arm”

まさしくワクチン注射は、
社会を元気づける。

私の第2回接種は7月8日。
菅義偉首相の言うように、
7月中に高齢者の接種が完了し、
現役世代にも接種が進めば、
日本社会はA Shot In The Armとなる。

東京オリンピック開会式は7月23日。
閉会式は8月8日。

それに伴って今年の祝日は移動した。
「海の日」が7月22日、
「スポーツの日」が7月23日、
「山の日」が8月8日。

なんともご都合主義の祝日移行だが、
いまや、なんでもかんでもご都合主義だ。

それでもここまで来たら、
オリンピックは開催されるだろう。

不安と混沌を抱えたままで。

しかし開催すれば開催したで、
日本国民はなんとか、
それを乗り越えるだろう。

コロナワクチン接種が、
その国民を元気づけてくれる。

ここは世界で一番整然と、
ワクチン接種を成し遂げよう。

“A Shot In The Arm”

左肩に残るちょっとした痛みが、
私たちの元気のもとだ。

「Message」より。
元気を出そう

元気を出そうよ、
それがあなたの仕事です。
元気を出そうよ、
それがあなたの役目です。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それが今、あなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。
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では、みなさん、今週も。
元気を出そう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年06月20日(日曜日)

「ブレイクスルー思考」の「過去の延長上に未来はない」

父の日の日曜日。

届いたプレゼント。
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ネーム入りタイトリストボール。
愛用のPro V1。
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このボールに記されたネーミングは、
一つひとつ手作業で作成されている。

ありがたい。

日経新聞「私の履歴書」。
今月は木瀬照雄さん。
TOTO元社長。

今日のタイトルは、
「ブレイクスルー」

福岡県の八幡出身の木瀬さん。
1947年生まれの団塊の世代。
鹿児島のラ・サール高校から、
京都大学教育学部へ。

そして東洋陶器(現TOTO)に入社。

現場で苦労を重ねながら、
1996年6月、株主総会で取締役就任。
49歳で経営戦略室長となる。

そこで出会ったのが、
日比野省三中京大学名誉教授。
その著作は『ブレイクスルー思考』
ジェラルド・ナドラー教授との共著。

この本の考え方は、例えば、
「今ある商品をどう改良すればいいかを
過去の経験からは考えない」

「これは何のためのものか」
目的を考え抜き、
出てきた結論をさらに
「何のため」と問うことを繰り返す。

そこから結論=理想の姿を導き出す。
「こんなものがいい」
「こんな技術がいる」

極端に言えば、
「こんなもの無くてもいい」
という結論になることもある。

「すぐに実現できそうなもの、
5年後、10年後、
もっと先までかかりそうな理想の姿、
と並べていくと、
未来からの視点で
新しい価値を提案できる思考が身につく」

ウォシュレットは、
このブレイクスルー思考から生まれた。

木瀬さんは語る。
「要するに根本を考え抜くこと」
TOTOでは「コンポン」と呼んだ。

97年春から、
ブレイクスルー思考がスタートした。
各事業部から5、6チームが参加した。
木瀬さんも新任取締役チームとして、
「家電量販店ルート開拓」をテーマにして、
ブレイクスルーに取り組んだ。

日比野教授は2週間おきに来社して、
ステップごとの指導をし、
宿題を出した。

TOTOは毎日、
コンポンと向き合って、
考え抜いた。

ウォシュレットチームの課題は、
「未来の理想のウォシュレット」。

自動開閉、自動洗浄、
簡単掃除、清掃除菌などは、
その結果として、実現していった。

「空飛ぶウォシュレット」は、
航空機向けとして結実した。

ナドラー&日比野教授の、
「過去の延長線上に未来はない」
これが木瀬さんの背骨になる。

「こうありたい」と描き、
未来からの視点で新しい価値を提案し、
実現していく。

「10年後の姿を描き、
そのためには5年後には、3年後には
ここまでやらなくてはいけない」

ジョン・F・ケネディの考え方と同じ。
システムズ・アプローチの思考法である。
つまりあるべきかたちを決め、
そこに到達するための方法を模索しつつ、
理想に近づいていくことだ。

私の著書『コロナは時間を早める』
三刷ができている。
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第五章は、
「ブレイクスルーの戦略計画」

この章では、
ナドラーと&日比野省三の考え方を借りた。

コロナ禍の「キャズム」のときには、
ブレイクスルー思考法が、
大いに役立つと思う。

過去の延長上に未来はない。
なぜなら大きな断絶の溝によって、
過去から現在、そして未来への軌道が、
絶たれてしまったからだ。

月刊商人舎6月号特集は、
小売業のXフォーメーション
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この特集の中の記事が、
イオンのポスト・コロナ戦略
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イオンはこれまで、
3カ年の中期計画を 策定してきた。

しかし吉田昭夫社長は、
2021年からの5カ年計画とした。
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つまり2021年から2025年までの計画だ。
イオン5カ年計画

私は「述懐」を書いた。
イオン「新5カ年中期経営計画」に思うこと

「従来の中期計画より2カ年多いのは、
その2カ年はキャズム期間が
長引くとの認識だろうか。
キャズムが終わって、
本格的なポスト・コロナ時代を
迎えたときから数えれば、
3カ年計画となる。
それを想定しての5カ年計画なのだろう」

これも「ブレイクスルー思考」である。

岡田元也会長の問題意識が根底にある。

もしかしたら、
このブレイクスルー思考から、
「イオンのウォシュレット」が、
生まれるかもしれない。

「過去の延長線上に未来はない」

しかしドラッカーは言う。
「未来を築くために初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを決めることである」
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明日を決め、
明日のために今日、
何をなすか。

ここまで考えねば、
ブレイクスルーではない。

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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