結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年04月16日(金曜日)

商人舎エグゼクティブ・ミーティングと吉野家安部修仁・出射孝次郎の「知恵・力」合わせて動け!

このホームページに、期待の新ブログがスタートした。
書き手は『物流業界大研究』(産学社刊)の著者・二宮護さん。

タイトルは「物流業界」の基礎知識。 
サブタイトルに「小売業・サービス業の知られざる隣人」とある。
毎週火曜日更新の12回連載。
約3カ月にわたって、連載してくれる。

第1回目は、私の『メッセージ』から「阪神大震災」の一節を引用して、
物流業界と小売業・フードサービス業は隣人でありながら、
物流業界の認知が低いことを指摘している。

二宮さんは、『メッセージ』に関しても、
担当編集者として協力してくれた。

確かな視点と詳細な情報が、
分かりやすく展開される。
ご愛読をお願いしたい。

そのほかに、本ホームページ右段には、
today!として、今日、二つ並ぶ。

五十嵐ゆう子のWeb小説「Thank You ~命をありがとう~」
感動の私小説で、第13回目となる。

さらに「林廣美の金曜日のお惣菜」

これも2008年9月12日から連載されている人気企画で、
今週で第83回目を迎える。

来月の5月7日金曜日に、
[結城義晴のblog毎日更新宣言]は、
連続1000回更新を記録する。  

この1000日更新を記念して、
本ホームページ第3回目のリニューアルを計画している。

二宮さん、五十嵐さん、林先生、杉山先生、浅野先生……。
これまでも数々の人気ブログが誕生してきたが、
このスピードをさらにアップしていく。

大いにご期待願いたい。

さて昨日は、東京・広尾の㈱アイドマ東京営業本部の会議室で、
商人舎エグゼクティブ・ミーティング

㈱商人舎は、結城義晴が代表取締役を務める。
しかし、ほんとうに小さな会社で、
小さな力しかない。

そこで、強力なサポートメンバーに、
商人舎へのご協力を願っている。

それが商人舎エグゼクティブの皆さん。

商人舎創立3年目に入ったということで、
一同に会して、今後のビジョンや、
事業展開のための議論の場をもった。

それが昨日の商人舎エグゼクティブ・ミーティング。  
実に有益な会議体だった。

その成果は、5月7日に発表される。

商人舎エグゼクティブのメンバー紹介。
まず、川勝利一さん。

ジャズ・ミュージシャンから毎日新聞記者を経て、
トレイメーカーの中央化学に「川勝あり!」と言われた業界随一の切れ者。

ドラッカーの分身・上田惇生先生の信頼が厚く、
コーネル大学RMPジャパン上田主任講師誕生にも尽力してくれた。

現在は、㈱アイドマ営業本部長。
そして商人舎エグゼクティブ。

松井康彦さん。
ご存知、前㈱商業界取締役営業企画総括。

㈱商業界時代の私のパートナー。
現在、広告代理業アド・パイン代表。
広告営業38年のキャリアで、
メーカーや小売り関連産業に向けて、
マーケティング・サポートの仕事をしている。

鈴木敏さん。

㈱トッパントラベルサービスの営業部長。
海外流通視察コーディネーター36年のキャリアで、
商人舎のアメリカ視察研修会を一手に仕切っている。

この3人の人々以外にも、
商人舎エグゼクティブは、増えていく。
そのネットワークとパワーによって、
商人舎は「知識商人の養成と商業現代化の推進」を果たしていく。

エグゼクティブ・ミーティングでは、
まずこのミッションが確認され、
さまざまな意見が交わされた。

今月の商人舎標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

楽しいひと時。
あっという間に4時間ほどが経過し、
「いちのや」で鰻。

さて、昨日、カリスマと最良の独裁者のことを書いたら、
吉野家ホールディングス社長の安部修仁さんが早速、動き始めた。

朝日新聞、日経新聞にそれぞれインタビューで登場。
2年間の緊急措置で、子会社の吉野家社長に就任し、
「収益体質構築」にまい進すると宣言。

いつも、安部さんの行動は速い。
安部さんも商人舎発起人のおひとり。

ただし朝日ではアメリカンビーフ使用牛丼以外の「新商品開発」を匂わせ、
日経では「新しい店舗開発」を示唆した。

おそらく同じような発言だったと推察できるが、
記者の関心によって、記事の方向が変わる。

情報とはそういったものだ。

したがって、こうなる。
「ひとつの手段に頼りたいという誘惑は、
退けられねばならない」  

日経の記事で安部さんは、
競争についてのコメントを発している。
「牛丼業界の成長はもう限界。
これからは淘汰が始まる」

「価格競争には乗らず、高収益体質に変わることで、
『我々はこの戦いに勝ちにいく』」

安部さんは、日経の記事の最後にこう付け加える。
降格した出射孝次郎社長と「2人でこの勝負に勝ち、
2年後に出射社長体制に戻す」  

なんと泣かせる言葉。

安部修仁・出射孝次郎。
「知恵・力」合わせて動け!  
彼らも同じ気持ちに違いない。

<結城義晴>  

2010年04月15日(木曜日)

イオンの決算と小売業第4四半期の「減収増益」とワンアジアクラブ大阪交流会

今日は真冬のような寒さ。

寒暖の差が激しい。
寒気と暖気が、
日本列島の上空で綱引きをしている。
風邪など召されぬよう。

小売商業・サービス業は、
お客さまと接するビジネス。
だから、そこで仕事する人は、
風邪などをひけない。
お客さまに移してはいけない。

考えてみると、
大変な仕事だ。

健康第一。
元気第一。
実行第一。  

私には、うれしいことがあった。

昨年度の立教大学大学院結城ゼミの卒業生から、
卒業記念にペナントを贈ってもらった。

こんなにうれしいことはない。
一生の付き合いとなる。
心より感謝。

さて、吉野家ホールディングス社長の安部修仁さんが、
子会社の吉野家社長に返り咲いて、兼務する。

これもいいことだ。
そんな時代だ。

カリスマ経営者の力を使って、
再び、原点回帰。

マキュアベッリの「君主論」によれば、
最も理想的な政治とは、
最良の独裁者によるもの。
もっとも唾棄すべきは、
衆愚政治と衆愚組織。  

『メッセージ』結城義晴著・㈱商業界刊  

カリスマが存在する企業は、
その最良の独裁者の手を借りるべき時だ。

朝日新聞は、イオンの連結決算発表を受けて、
「1974年の株式上場以来、グループとして初の減収」を、強調。

売上高は、5兆0543億円と、
きわどく5兆円の大台を維持したが、
これは前年比マイナス3.4%。

営業利益は、1301億円のプラス4.7%、
純利益は311億円の黒字転換。

理由は770億円のコスト削減効果。

「減収増益」の結果となったが、
この時にも「質(たち)の悪い売上げ」がなかったかどうかを、
しっかりとチェックしておかなければならない。

日経新聞は、このイオンの決算発表を受けて、
小売業の第4四半期決算の中間総括をしている。

「小売り、収益下げ止まり感」  
この見出しなど見ると、
同紙が株式新聞を発祥としていることを、
あらためて感じてしまうが、
小売企業64社の集計は、
前年同期比売上高マイナス1%、
経常利益プラス5%。

これがトレンドとみておくとよい。
ちょっと安心する企業もあるかもしれないが、
「減収増益」トレンドを知っておく必要がある。

あくまで、わが社は、
「増収増益」を目指す。
どんなに小さな増収増益であっても、
会社の実績の外側に「年輪」を記す。

もちろん会社として大きな手術をすることがあるかもしれない。
そんな時には、ゆがんだ「年輪」となる。
しかし、大きな変革がないかぎり、
コツコツと「年輪」を刻む。

そんな姿勢が、社会から評価される。
そうありたいものだ。

さて今日は、先週末のご報告。
金曜日の4月9日から10日、11日と、
大阪でワンアジアクラブ大阪大会が開催された。

まず9日夕方から、滋賀県大津の旅亭紅葉。

大座敷で、交流会。

昨年12月、一般財団法人ワンアジア財団が発足した。 
私はその評議員に就任した。
   
この財団を中心にして、
現在は、東京、大阪、ウランバートル、
ソウル、北京、バングラデッシュに、
それぞれワンアジアクラブが立ちあがって、
活動しつつ、互いに交流している。

この財団の理念は、
「将来に向けたアジア共同体の創成に、
寄与することを目的とする」こと。  

「そのために、アジア各国の幅広い経済・教育・文化交流、
及び市民交流等を通じて、
共通の価値観を醸成するとともに、
アジア各国市民の相互理解及び交流促進に向けた活動を行う。」

この日は、NPO法人ワンアジアクラブ大阪が主催し、
ワンアジアクラブソウルと交流するという内容。

大阪の理事長・国澤良幸さんのご挨拶。
㈱大商会長。

ワンアジア財団理事長の佐藤洋治さんの歓迎の挨拶。

そしてソウル理事長・金奎澤さんの乾杯の音頭。

京都の舞妓さん、芸子さんの歓迎の舞。

民主党の石井一参議院議員も加わって、
全員で記念写真。

私は、同じ席で交流したユ・チュルジュンさんと握手。

㈱佑林建設・佑林資源開発の社長で、
15年間、日本に住んでいた。

学生時代は青山学院大学に留学していて、
その後、韓国大使館の外交官を経験し、
現在、ゼネコンの社長。
1953年生まれ、私より一つ下。

韓国に友人ができる。
こんな市民交流が、ワンアジアクラブの趣旨。

翌朝、琵琶湖に朝日が昇り、
この日は観光コースとゴルフコースに分かれて交流。
私はもちろん、後者。

そしてバスで大阪まで戻り、
日航ホテル大阪宿泊。

第二回目の交流会は、中華料理。
ここでも主宰者の国澤さんが冒頭の挨拶。

ダブル司会の渡邊芳雄さんと洪錫健さん。

洪さんは、大学教授で、
よどみなく通訳し続けた。

乾杯のご挨拶は、再び金さん。

金さんは、元外交官で、
日本領事を務めた人物。

全員の交流で、全員がスピーチ。

私もスピーチ。
「心は燃やせ、頭は冷やせ」

締めは、佐藤洋治ワンアジア財団理事長。

最後に、金理事長の来日を知って、
韓国大阪領事館から、事務局が来て、
ワンアジアクラブの活動支援を確約した。

「この法人に参加するものは、
この法人の次の3つの活動原則を遵守するものとする。
①民族・国籍を問わない。
②思想・信仰・宗教を拘束しない。
③政治に介入しない。」

アジアを一つにしようというグランドデザインがあって、
一人ひとりの人間の交流があって、
そのうえでアジアは一つになる。

私の祖父は、戦前に満州に渡った。
手広く事業を展開し、
旅順に家を構え、
一族を呼び寄せた。

父は、そこで生まれた。

子供のころから、
中国人や韓国人の友人がいた。

私にもその祖父や父の血が流れ、
私はこの志を受け継いでいる。

ワンアジアの交流。
大切にしたいと考えている。

<結城義晴>  

2010年04月14日(水曜日)

鳩山由紀夫首相とカスミ石原俊明社長と「美味安心中目黒店」の真摯さ

鳩山由紀夫首相。
なんだか危うくなってきた。

核安全保障サミットでのバラク・オバマ大統領との会談。
マスコミが散々叩いている。

テレビ朝日の三反園訓コメンテーターは、
鳩山首相に「正直さ」を求める発言をしている。
「もっと正直であればいいんです」

しかし、私は、それでは足りないと思う。
「真摯さ」こそ必須の条件だ。
ピーター・ドラッカー教授のいう「integrity」。

ドラッカー先生は書いている。
「始めから、身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。才能ではない。真摯さである」  

昨日の日経新聞「投資・財務欄」のコラム「一目均衡」。  
「別れの春と日本企業の未来」のタイトルで、
企業統合や資本提携の破談、頓挫、見送りの事例を取り上げている。

キリンとサントリーの両ホールディングス、
高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリング、
さらに日本航空の貨物部門と日本貨物航空、
三菱自動車とプジョーシトロエングループ。

コラムニストの西條郁夫編集委員の言いたいことが、
最後に出ている。
「再編統合はサイクリカルな景気変動に対応するための手段ではない。
企業の長期的な競争優位をどう築くかという戦略的な課題である」   

そして結論付ける。
「必要な統合に果敢に取り組む企業とそうでない企業は、
10年後には大きな差が生じるだろう」

しかし私は、この見解は、
経営が分かっていない人のものだと思う。
「投資・財務欄」に載っていることも加味すれば、
統合が進む方が国際競争力がついて、
株価も上昇するという考え方もあるかもしれない。

しかし、企業の経営において、
必須なのは「integrity」である。  

互いに真摯さが足りない場合は、
統合を辞めることも必要だし、
組織風土や事業領域の特性が、
そのメリットを相殺させる場合には、
破談も頓挫も見送りも、
真摯な経営判断となる。

さて、今日の日経MJのインタビュー「消費見所カン所」。
㈱カスミの新社長・石原俊明さんが、切れのいいコメント。

「1円でも安く、1円でもお得に」の姿勢が、
「お客さんから共感を得た」

そのために「無駄の削減」に真摯に取り組んだ。
「経費のあかすり」と呼ぶ。
社長のほか、販売、開発などの各部部長が、
「週3回集まる会議」  
店側から無駄と考えられる作業を指摘してもらい、
「その場で廃止を即決する」。  

結果として、「店頭販促(POP)の枚数や本部への作業報告」など、
多岐にわたる見直しが提案され、決定され、実行された。

「経費のあかすり」  

その一方で、顧客への提案も、多数にわたってなされる。

人間も毎日毎日、垢がでる。
だから「あかすり」は必須。

それを会社で、トップ自らが参加して、
1週間に3日、実行している。

「掛け声だけ」で、全部「現場任せ」「現場丸投げ」とは、大違い。

これも経営に対する「真摯さ」のたまものだ。

integrityが、
従業員の信頼を勝ち取り、
顧客からの支持を獲得し、
業績・実績をつくる。  

さて今日は、昨日の続き。
いちやまマートの「美味安心」中目黒店のフォトレポート。

10坪ほどの小さな路面店。

全品、いちやまマートのプライベートブランド。
美味しさと健康・安心・安全。
そのうえで、リーズナブル価格。

アメリカでいえば「トレーダー・ジョーズ」を目指す。

入口を入ると、中央に平オープン冷蔵ケースとテレビ画面。

ここではいちやまマートのコマーシャルを流していた。

冷蔵ケースには、各種たれ類。
無添加・無着色料、そのうえで化学調味料を使わない。

大変な苦労でつくりだした商品群。

店舗奥通路沿い。

小さな店でも、コの字型に通路が切ってある。
右手が、調味料売り場。

最上段に、美味安心の第一号商品の「味噌」。

美味しい味噌をつくろうとして、
懇意のメーカーと検討したら、高価な商品だった。
そこでピロータイプをカップタイプに変え、
容量を500グラムにして、
なおかつ500円を切る498円のアイテムにした。

醤油は「国産丸大豆」。

胡麻ドレッシング、マヨネーズなど調味料も、
美味しさ、健康・安心・安全。

化学調味料無添加のだし。

「幻の銘茶」とある初摘み芽茶。

そして低農薬のコシヒカリ。

ショーカードには「田んぼでフナを飼っています」とある。

コーヒーにも、生産者の写真入りで、
商品紹介のショーカードがつけられている。

鰹節・削り節の売り場。

この開発に当たっては、面白いエピソードがある。
削り節サンプルは3種類提出された。
50円刻みの値段で、A、B、C。
三科雅嗣社長は「味の責任者」だから、
当然、試食してみた。
すると断然、Aが美味。
そこで、Aを採用したのだが、
三科さんは指摘した。
「だしを採って料理をするお客様は、
美味しいものを求めている。
簡単料理のお客様は、はじめから化学調味料を使う。
だから美味安心は、いちばん美味しいものを選ぶ」

こうして生まれた売れ筋の「美舞削り」

店舗右手は菓子売り場。

かりんとうの試食が展開されていた。

そのショーカード。

一番の売れ筋は「野菜かりんとう」130グラム230円。

乳製品では、チーズに力を入れている。

もちぶたのシュウマイも売れ筋。

買って帰って、すぐに食べてみたが、美味。

味付けいなりも売れ筋。

5分でできる調理レシピのショーカードが付けられている。

最後に、「国産きなこ大豆」。

店舗スタッフの田向里美さんが、
特にお薦めしてくれた。

当然、購入。

美味安心中目黒店。
いい店だった。

店づくりも商品づくりも、
経営も政治も、
integrityが必須。

これが変わらぬ結論。

<結城義晴>  

2010年04月13日(火曜日)

井上ひさしさんの逝去と「知識商人」対談のいちやまマート社長・三科雅嗣さんの「美味安心」

井上ひさしさんが亡くなった。
享年75歳。

1969年までつづいたNHKの『ひょっこりひょうたん島』が、
井上さんの職業作家としてのデビュー作だが、
これは児童文学者の山元護久(やまもと もりひさ)さんとの共作。
山元さんは、早稲田大学童話会出身で、
この童話会は、やがて、早稲田大学少年文学会となった。
少年文学会は、私が属していた童謡研究会と兄弟関係にあり、
学生時代から山元・井上の『ひょっこりひょうたん島』は、
私たちの先輩がつくっていると誇りにしていた。

1970年には『ムーミンのテーマ』で、
第12回日本レコード大賞童謡賞を受賞している。

井上さんの座右の銘。
むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そしてゆかいなことをあくまでゆかいに  

私の文章法の基本は、
ジャーナリストの先輩でもある林廣美先生から教授された考え方。
難しいことを易しく。
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。  

深くなると、難しくなる。

だから、繰り返す。

難しいことを易しく。
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。  

林先生は、「もとは井上ひさしさん」とコメントされている。

井上さんの座右の銘は、
むずかしい⇒やさしい⇒ふかい⇒おもしろい
⇒まじめに⇒ゆかいに⇒あくまでゆかいに

これは、作家としての井上ひさしの信条を示す。

林先生と私のものは、問題解決的であると思う。
私は、循環するところが気に入っている。

もうひとつ、前職の時に、差別用語の問題が起こった。
私は、井上さんの『差別語のための私家版憲法十一箇条』をよりどころにして、
この問題解決に当たった。

合掌しつつ、ご冥福を祈りたい。

さて、昨日は、午後1時から東京・新宿のホテルの一室を借りて、
CDオーディオセミナー『知識商人登場!』の第21回目の収録。

毎月毎月、対談を重ねてきてもう21回。
ほとんどの対談相手は、私が決めている。
いわば私の先輩、友人、後輩との対談となっていて、
実にアットホームな雰囲気を醸し出している。
しかし、もっともっと、
バトル対談のようなものもあってよいとも思う。

今回のお相手は、
㈱いちやまマート代表取締役社長の三科雅嗣さん。  

昭和27年11月生まれの、私と同級生。
山梨県を中心に11店舗の優良なスーパーマーケットを経営する。

もちろん、私にとって旧知の友人。

旧知の友人といっても、
音声録音は、毎回、緊張する。

だからその緊張をほぐしながら、
少しずつ本題に入る。

三科さんは、父上を55歳で亡くし、
兄上は46歳で早世された。

そこで38歳の時に、社長になった。

その後、12店開設させ、
11店を閉鎖した。

だから600坪くらいが、同社の標準店となっている。

ローカル・スーパーマーケットのひとつのあり方を、
しっかりと示す企業となった。

すなわち「規模」を追いかけることなく、
「質」を追求する企業である。

いちやまマートは「食を通じて幸せをもたらす」というコンセプトを掲げる。
これには二つの考え方がある。
第一は「おいしいものを食べる」
第二は「食を通じて健康をつくる」

三科さんは、この二点に集中し、徹している。

そこで、必然的に生鮮食品を充実させた店舗づくりとなる。
さらにプライベートブランド開発に力を入れることになる。

いちやまマートブランドを開発するにあたって、
三科さんが考えたことがある。

「わが社のブランドはNBより、
おいしくなければいけない」  

NBの方がおいしいのならば、
NBを売ればいい。

自分で開発するならば、
NBとは違う特性をもつこと。
その特性を「おいしいこと」とした。
これは会社が目指すものだからである。

さらに「健康・安心・安全」を標榜し、
まず食品添加物の問題から徹底して改善した。

「わが社のお店から、
合成着色料が入っている商品を見つけたら、
1万円の賞金を差し上げます」
新聞広告にこんなチラシを打ったりした。

合成着色料、添加物、化学調味料。
徐々に、こういった食品添加物が削除され、
いちやまマートの売り場とPBは変わっていった。

しかし、三科さんは言う。
「私は80点主義なんです」  
100点は求めない。

そして3年前に美味安心というブランドが誕生した。
三科さんは、その「味の責任者」である。
プライベートブランドには、一貫した味の統一が必要だ。
これは重要なことだ。
それに、社長が責任をもつ。
しかし社長は開発のプロではない。
あくまで顧客である。

そして「味の最終意思決定者」となる。

「美味安心」は現在、220品目。
いちやまマートの店内で、
独特のポジションを築いている。

さらにこの「美味安心」を販売する仲間の企業が増えてきた。
現在、30社の地方スーパーマーケットに供給されている。

三科さんは、さらに、㈱美味安心を設立し、
東京・中目黒にパイロットショップをオープンさせた。

おしいしさ、健康・安心・安全、リーズナブル価格を、
三つの旗印にして、
美味安心ブランドの開発はつづけられている。

中目黒の店は、東急ストア本部に道路を隔てた路面店。
全品プライベートブランドの店。

三科さんとの対談も、
あっという間に時間が過ぎた。

三科さんも、ブログを書いている。
社長のトレビアン」  

2008年の夏から、ほぼ週一回ペース。
おいしさや健康・安心・安全について、
自らメッセージを発信するためだ。

さらに自分の健康についても、
研究に余念がない。

「食を通じた幸せ」を提供しようという三科さん。
私はじっくり話をして、
三科さん自身が一番幸せなんだろうと、思った。
まさしく三科さん自身が「美味安心」なのだから。

昭和27年同志の対談。
楽しい時間だった。

多謝。

<結城義晴>  

[追伸]
商人ねっと㈱CDオーディオセミナー担当の下山直美さんが、
今週をもって退職することとなった。

昨年5月の當仲寛哲さんとの対談のころ、
商人ねっとに入社し、
このプロジェクトに参加したから、
ちょうど1年になる。
寿退社ということだから、
これはお目出度いことなのだろうが、
せっかく編集技術など高まってきたのに、
まことに残念ではある。

お幸せに。

2010年04月12日(月曜日)

セブン&アイホールディングスの連結決算の「選択と集中」

Everybody! Good Monday! [vol15]

2010年第15週、4月第3週の始まり。

昨日は、過激に暖かく、
今日は、極端に寒い。

鍋ものが売れる。

さて、今週も小売業・サービス業の決算発表目白押し。
そんな時には「流通ニュース」の「決算」のボタンをどうぞ。
このホームページのトップにテロップで流れていて、
月間100万ページビューを超えた業界最大サイト。
商人舎ホームページと親密提携中。
つまり、「流通ニュース」の情報の品質を、
商人舎と結城義晴が保障しているのですね。

よろしくお願いします。

今日のように新聞の朝刊が休刊される日には、
小売り流通・サービス業の皆さんは、
是非、「流通ニュース」をご覧ください。

さて、今週水曜日の14日にはイオンの連結決算が発表される。
一方、セブン&アイ・ホールディングスは、
先週木曜日の8日に発表済み。  

小売り商業の両雄の実績は、
今週、このブログでも比較検証しておかねばならない。

ちなみにセブン&アイ・ホールディングスの2009年度は、
売上高5兆1112億9700万円(前年同期比9.5%減)、
営業利益2266億6600万円(19.6%減)、
経常利益2269億5000万円(18.7%減)、
当期利益448億7500万円(51.4%減)。  

同社の利益の中核はもうコンビニエンスストア事業となっている。
そのセブン-イレブンの売上高は1兆9685億5500万円(14.7%減)、
営業利益は1838億3700万円(13.8%減)。
これが、響いている。

イトーヨーカ堂を「総合スーパー」、
ヨークベニマル、ヨークマートを「食品スーパー」、
それらを合わせて同社は「スーパーストア事業」と呼ぶが、
その売上高は2兆165億5800万円(5.1%減)、
営業利益141億7800万円(42.7%減)。

私は、業態が異なるのだから、
総合スーパー(国際的にはハイパーマーケット)と、
食品スーパー(こちらはスーパーマーケット)は、
決算細目を分けたほうがいいと思う。

そうすればセブン&アイのスーパーマーケットが、
健闘していることを内外に示すことができる。

そごう西武の百貨店事業の売上高は9228億4700万円(7.1%減)、
営業利益13億6600万円(92.5%減)。

デニーズを中心とするフードサービス事業、
その売上高は864億2000万円(15.9%減)、
営業損失27億4100万円(前期は29億4800万円の営業損失)。

そしてセブン銀行をはじめとする金融関連事業、
その売上高は意外にも1104億4400万円(11.6%減)、
しかし営業利益は301億5200万円(18.3%増)。

本業の儲けを示す営業利益。
「(売上高-原価)-経費」の営業利益で、
前年プラスを記したのはセブン銀行のみ。

小売業・フードサービス業の抜本的イノベーションが、
セブン&アイ・ホールディングスにも求められている。

抜本的イノベーションとは、
ピーター・ドラッカーとジャック・ウェルチが共同で編み出した戦略、
すなわち「選択と集中」に他ならない。  

この時、「売上高規模」に「見栄と意地」を張ってはいけない。
一般に、すべてのホールディングカンパニーは、
連携子会社の「新陳代謝」を断行することによって、
利益を上げるものだ。

寺銭を吸い上げて、安穏と利益を上げていてはいけない。

さて、今週は、世界的には「核安全サミット」が開催される。  
アメリカのワシントン。
今日、鳩山由紀夫首相が渡米した。

それ以外にも15日木曜日から、
BRICs首脳会議がブラジリアで開かれる。  

世界的に重要な会議が続く。

そして、何かが決まる。

アメリカ合衆国とロシアは、
先行して核兵器削減の共同声明を発した。

世界は動いている。
私たちも動かねばならない。

4月とは、そういう月だ。

「動け、動け」  
動かぬものに未来はない。

その動き方は、今月の商人舎標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

なんとこの標語、
サミットにもBRICsにも当てはまる。

さて、商売の話。

明日の火曜日13日、
日本銀行が「国内企業物価指数」を発表する。  
工場からの出荷、卸売りの段階で、
企業が国内市場で取引する商品価格の変動を測る指標。

これは2009年1月以来、
すなわち昨年初めから下がり続けている。

しかしこの3月はマイナス幅が一段と縮小される。
良い傾向も垣間見えている。
暗いニュースばかりではない。

冒頭で、「過激に暖かく、極端に寒い」といったが、
そのおかげで野菜価格が高騰している。  

この天候不順に、産地の端境期が重なった。
特にキャベツの価格は昨年同期の2倍に達している。
卸価格は昨年の同時期に比べ、
キャベツが2倍、ハクサイは2割程度、
ダイコンは1割程度、
高くなっている。

「天候の回復次第」のようだが、
今週後半から来週ぐらいまでは、
高値が続く可能性がある。

顧客も困っている。
その顧客のマインドと一体になること。

天候が変わりやすい1週間、
そのことに敏感でないものは、
「知識商人」とは言えない。

今月の標語。
「知恵・力」合わせて動け!  

いざ、2010年第15週へ。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>  

2010年04月11日(日曜日)

ジジと植物・動物[2010日曜版⑮]

ボクのなまえは、ジジ。

ヨコハマのユウキ家の、
カゾクのいちいんです。

ボクのシゴトは、
ねること。

今日も、シゴトしています。

そとのセカイは、春まっさかり。

サクラばかりがチューモクされますが、
うつくしい木は、たくさんあります。

木は、うごきませんが、
うつくしい。

ボクも、ねているときは、
うごきません。

シゴトしているときは、
あまりうごかないほうが、
いいそうです。

このブログにでてくるコーネルの講義でも、
そう、いわれていました。

木は、うごきません。

木のえだは、どこか、
うごいているようにみえますが。

木は、「ショクブツ」といいます。
ショクブツは、うごかない。

そして、うごかないけれど、
ショクブツもきっと、
シゴトしているんです。

ボクには、それが、
よく、りかいできます。

木も、えだも、
いきているからです。

木も、えだも、
おもしろいカオをしています。

みんな、ちがうカオを、
しています。

こちらは、
「コウブツ」でたてられたもの。
ヨコハマの慰霊塔。

「イレートー」は、
ぜんぜん、うごきません。
でも、やくわりはある。
つまり、シゴトしているのです。

ボクは「ドウブツ」ですが、
ねるのがシゴト。

ショクブツやコウブツと、
なんだか、にています。

慰霊塔のところに、
イヌくんが、いました。

ひもでひっぱられているのに、
うごかない。

「ずるずる、ズルズル」

いえネコは、ねるのがシゴト。
でも、イヌは、サンポがシゴト。

ボクは、そうおもいます。

「ずるずる、ズルズル」

「んー、なにしてんだろう」

ボクは、すこし、
イライラしてきました。

ボクたちは、ドウブツなんだから、
うごくときは、すばやくうごく。

うごくことができるものが、
あえて、うごかないことに、
カチがあるんです。

うごくときは、
すばやくうごく。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年04月10日(土曜日)

コーネル・ジャパンのサミット店舗サポート部との質疑応答

2010年の桜シリーズ第9弾。

横浜・大岡川の桜。

コーネル大学RMPジャパン第二期4月講義終了後、
㈱商人舎・鈴木綾子撮影。

今年の桜ももうわずか。

楽しみましょう。

昨日は、大変だった
午後から、新幹線で京都へ。
車内でブログ書きに勤しんでいた。

最近は、体調も思わしくなくて、
深夜や明け方にブログを書くことが、
週に1回くらいしかできなくなった。
コーネル第1日目の水曜日の後は、
午前4時半くらいまで集中してブログを書いた。

そして木曜日は、
見学や講義や討論に体力・気力、神経を使った。
だから金曜日は疲れ果てていた。

そこで、京都への新幹線の車中を、
ブログ書きの時間と決めた。
そして京都に着いた途端、
長編のブログが私のパソコンから消えた。

その後、書き殴り気味のブログをアップ、
すぐに交流会が始まった。

だからいま、深夜1時半、
昨日のブログを丁寧に書き直した。

昨夜、読んだ方も、
読み直してほしい。

ちょうど、3回連載になっている。
一昨日のブログから
再度読み直していただいてもよい。

さて、コーネル・ジャパンの講義。
時は、一昨日、4月8日木曜日、午前10時半。

早朝のサミット権太坂スクエア店の見学を終えて、
伊勢佐木モールの会議室へ。
居並ぶはサミット㈱の面々。

右から、広報室の中村佳之さん、
常務執行役広報室・営業企画部担当の工藤静夫さん、
第10ブロックマネジャーの福永智さん、
権太坂スクエア店店長の寺田敏行さん。
店舗サポート部マネジャーの増田七延さん、
生産性向上推進グループマネジャーの赤迫伸一さん、
同青果部門担当の椎名跣さん、
同総菜部門担当の坂英明さん、
グロサリー担当の磯川雅樹さん。

私がコーディネーターとなって、
コーネル大学RMPジャパン第二期生からの質疑応答。

それに荒井伸也首席講師、高野保男講師が、
補足説明や解説を加える。

これ以上ないシチュエーション。

まず工藤さんから全体の概要が説明され、
次に、増田さんへの質問が集中する。
店舗サポート部生産性向上推進グループが、
サミットのレイバースケジューリングを推進しているからだ。

荒井先生の解説によると、
サミットでは「組織」という言葉は使わずに、
「機構」と表現するそうだ。

組織と表現すると、どうしてもヒエラルキーが発生し、
権限・責任の概念が生まれ、
問題解決的にならないからだ。

増田さんが、店舗サポート部全体の解説をし、
次に赤迫さんが生産性向上推進グループの説明をし、
椎名さん、坂さん、磯川さんが、
それぞれ自分の役割と改善目標を語った。

全員が問題意識をもち、
問題解決に全力を尽くしているから、
質問への回答にも齟齬がない。

さらに、ブロックマネジャーの福永さん、
店長の寺田さんにも、質問が及び、
ほんとうに丁寧に、ありのままを答えてくれた。

約2時間、次々に質問と回答が繰り返され、
サミットのレイバースケジューリングが明らかになっていった。

この場に参加し、質問者、回答者、解説者の弁を聞き、
そしてこの場で自分で考えた者にしか、
ご利益は与えられない。

荒井先生の解説は、
サミットのレイバースケジューリングの本質を突いていた。

高野講師の解説も、
どうレイバースケジューリングを作り上げるかの
要点をとらえていた。
私はそれらを、アメリカのケーススタディを交えながら、
違った視点から解説した。

あっという間に、昼になった。

ここで、昼食休憩。

サミットの皆さんとお別れ。

店舗サポート部の皆さん。
右から、荒井先生と、
増田さん、赤迫さん、
それに椎名さん、坂さん、磯川さん。
そして私。


サミット店舗サポート部は、
私の解釈では「スーパーバイザー」。  

渥美俊一先生のチェーンストア組織では、
「ラインスタッフ」という言葉で位置づけられる。
トップ直轄で斜め串の役目を演じる。

商品部に属してはいけない。
店舗運営部の下請けでもいけない。

まさにトップ直轄で、
商品部と店舗運営部を
串刺しにするセクションである。
サミット店舗サポート部は、
レイバースケジューリングという
確かな道具をもって、
その働きをしている。
だから確かな機能を果たしている。

昼食をはさんで、講義は続く。
荒井、高野、結城の総括講義。

荒井先生は、白板を使って、
日本のスーパーマーケット業界や
チェーンストア業界の矛盾を指摘した。

私も、日本のレイバースケジューリング導入の歴史と、
問題点や要点を解説した。

高野さんはパワーポイントを使って、
レイバースケジューリングプログラムの運用を詳説した。

そして、ディスカッション。

「なぜ、サミットのパートタイマーの人たちは、
あんなに生き生きと仕事しているのか」
それが最後の論議となった。

私は、最後にたとえ話を語った。

ヨーロッパの教会の三人の職人の話。  

教会をつくる仕事をする三人の職人がいた。
一人は石切りの職人。
つまらなそうに仕事をしていた。
「なぜそんなに、
つまらなそうに仕事しているのですか?」
ある人が聞いた。

職人は答えた。
「毎日毎日、固い石を切るばかり。
面白いことなどないに決まっている」

二番目は木を切って梁をつくる職人。
これもつまらなそうに仕事していた。
「なぜそんなに、
つまらなそうに仕事しているのですか?」
ある人が聞いた。

職人は答えた。
「毎日毎日、木を切るばかり。
それに石切り職人より労賃が安い」

最後に切られた石と木を運ぶだけの職人がいた。
なぜか、生き生きと仕事していた。
「あなたはなぜ、そんなに、
楽しそうに仕事しているのですか?」
ある人が聞いた。

職人は答えた。
「私は毎日毎日、ヨーロッパ第一の、
大聖堂をつくっているのです」

サミットの社員、パートタイマーさん、
なぜ、あんなに生き生きと仕事しているのか。

なぜ、チェッカー・ミーティングを見ている私が、
毎年、泣いてしまうのか。

今回も、素晴らしいコーネル・ジャパンの講義だった。

すべての人に、心から感謝。

<結城義晴>  

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