結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月10日(火曜日)

知る人ぞ知るスーパーマーケットを行く! その①新CIのもと驀進するロピア[神奈川]

毎週、土曜日は結城ゼミ。
月曜日は、F&Bマーケティングの講義。

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科、
今年度の結城義晴のカリキュラムです。

その立教大学池袋キャンパスも、
新緑に染まって、美しい季節です。
20110510145916.jpg
昨日はそのF&Bマーケティングの第2回目の講義。
Fはフード、Bはベバレッジ。
F&Bでフード&ベバレッジ。
すなわち食品産業のマーケティング。

私の得意分野のひとつ。
楽しみつつ、元気に、講義している。

さて消費動向を示す指標のひとつ。
4月の車名別新車販売状況。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表。
トップはどの車か。

ニュースに触れた人にはわかるだろうが、
そうでない人は想像してみてもらいたい。

答えは第1位がホンダのフィット。
3月に続いて2カ月連続でトップ。
とはいってもフィットの販売台数は8574台で、
前年同月比で3割弱減。

第2位は、スズキの軽自動車「ワゴンR」
これも販売台数7919台で、前年に対して5割近くのマイナス。

第3位はダイハツの軽自動車「ムーヴ」。
これも販売台数7468台、15%の減少。

要は、小型車・軽自動車など低価格の車が上位を占めた。

ずっとトップを走っていたトヨタのプリウスは、5位に後退。
なんと前年比81.6%減の4876台。

これは東日本大震災後、各社とも完成車生産が停止され、
その影響が販売を直撃。

ただしそれだけが原因ではない。
消費マインドがここに表れている。

一方、携帯3社の決算で、
3番手のソフトバンクが躍進。
売上高は3兆0046億円で初の3兆円超え。
凄い会社になってきた。

連結営業利益は6291億円で5%プラス、
純利益は前期比96%増の1897億円で、
これも過去最高。

スマートフォンの「iPhone」が9%の増収を確保。
「iPad」も好調で、携帯電話契約件数は16%増。

業界第1位のNTTドコモは売上高4兆2242億円、-1%。
営業利益は8447億円で1%増。

第2位のKDDIは3兆4345億円で微減。
営業利益4719億円で6%プラス。

「三占」のこの業界。
ソフトバンクの躍進で、面白くなってきた。

これだけ普及した携帯電話。
一人ひとりが所有し、使用し、実感しているから、
その面白さが増幅される。

「モバイル・マーケティング」
マーケティングのキーワードのひとつ。
携帯可能な情報端末を利用したマーケティング手法のこと。
インターネットに接続できる携帯電話やモバイルPCなど。

早稲田大学商学部長の恩蔵直人さんは、書いている。
「マーケティングの理論や枠組みの多くは
欧米からの輸入であるが、モバイル・マーケティングに関しては
現在までのところ我が国がリードしている。
数少ない我が国発のマーケティングの枠組みといえるだろう」

それは三占の競争による。
寡占から三占へ。

それも、悪くはない。

さて、今日は、「知る人ぞ知るスーパーマーケット」。
その紹介。

株式会社ロピア。
旧㈱ユータカラヤ。
高木秀雄代表取締役社長。

今年1月24日に社名変更。
コーポレートアイデンティティも刷新した。

ロープライスとユートピアからつくられた造語が、
「ロピア」[Lopia]
文字通り「安値の理想郷」。

1971年(昭和46年)に「肉の宝屋藤沢店」として創業し、
1976年(昭和51年)、早くも食肉店のチェーン展開を開始。
1994年(平成6年)、スーパーマーケットに参入。
1997年(平成9年)、新業態「新鮮大売ユータカラヤ」希望ヶ丘店を開発し、
2000年(平成12年)には、新業態店を4店舗、食肉専門店を2店舗出店し、
大飛躍。

以後、スクラップ&ビルドを積極的に推進して、
業績は、うなぎのぼり。

最新の決算は24店舗、314億円。

4月27日、横浜市都筑区のセンター南駅。
東急港北ショッピングセンター地下1階にオープンした最新店。20110506180626.jpg
地下1階といっても、このフロアには、
ハックドラッグ、無印良品、コム・サ・イズム、ローラ・アシュレイが入り、
ロピアとともに強力な布陣。

この物件は、1998年(平成10年)、
東急百貨店の関連会社㈱港北東急百貨店によって開業。
その後、2004年東急百貨店に吸収合併され、
さらに2006年(平成18年)改装し、
1階から5階までは専門店ビルとなった。

いかに背景に港北ニュータウンの巨大新興住宅地を抱えているとはいっても、
100万人商圏が条件の百貨店は成立しなかった。
東急百貨店は地下1階の食料品売場を、
テナントの銘店を入れつつ、直営した。

現在の運営主体は東急モールズデベロップメント。
港北 TOKYU ショッピングセンターと命名されているが、
今回は第3回目の大リニューアル。

この地下1階の東急百貨店のあとの広大な売場に、
ロピアが入った。
20110506180635.jpg

入口をはいると、青果部門。
市場スタイルの売り方。
20110510150648.jpg

バナナの試食販売。
ときには1本丸ごと試食に出すこともある。20110510150658.jpg

単品量販がロピアの哲学。
20110510150725.jpg

トマトの売場も壮観。
20110510150737.jpg

地下1階で若干天井が低く感じられるが、
店内は明るく、元気にあふれている。
20110510150712.jpg

根菜類売り場はカゴ売り。
20110510151126.jpg

青果部門から惣菜部門へ。
20110510150745.jpg

お弁当も単品量販。
積み上げられている。
20110510150754.jpg

鮮魚部門の目玉は、
ブラックタイガー15匹入り500円。
20110510151031.jpg

8点盛1999円、
6点盛999円、
少量多品種盛699円。
20110510150817.jpg

生本マグロだけでコーナーをつくる。
20110510150828.jpg

ロピアの最強部門は精肉。
全体の20%の売り上げ構成。
20110510151019.jpg

対面売り場とセルフ売り場を組み合わせて、
これでもかと売り込む。
20110510150846.jpg

社員が手書きしたPOPも、
力強くて楽しい。
20110510150856.jpg

シースルーの精肉バックヤードは広い。
20110510150904.jpg
従業員がてきぱきと動いて、
それが店全体の活気をつくっている。

焼き鳥売り場も量販態勢。
20110510150959.jpg

壁面多段ケースで国産豚切り落とし68円。
20110510150935.jpg
「月間特売品」でオープン記念セールではない。
普段と変わらずオープンし、
普段と変わらず売場をつくる。
それがロピアの基本方針。

加工肉のボリューム陳列。
これも普段と変わらない。
20110510150947.jpg

奥主通路沿いの売場。
20110510151106.jpg

後ろは旧東急百貨店時代のエスカレーター。
コストはかけず、そのままにして、
卵売り場で遮蔽している。
20110510151224.jpg

震災直後には品切れしていた納豆も、
ご覧のボリューム陳列。
20110510151232.jpg
郊外百貨店のマーケットで、
単品量販する。

それが顧客からの支持を得る。

奥主通路から右翼に曲がるコーナー。
セオリー通り牛乳売り場。
20110510151314.jpg

冷凍食品全品半額の売場。
20110510151324.jpg

ヨーグルトのエンドは2アイテム。
ウォルマートのよう。
20110510151338.jpg

そして冷蔵ケースに「春の新商品フェア」。20110510151242.jpg

ティラミスなどのケーキ売り場。
20110510151304.jpg

売りたい商品、売れる値段。

これが実に明確。
最後にレジ前の菓子売り場。
20110510151255.jpg

天井には機関車が走る。
これはアメリカのウェグマンズ。
20110510151350.jpg

その機関車の下にはお菓子の小屋。
20110510174626.jpg

ロピアは4月27日にオープンした。
このSC全体のグランドオープンの2日前。

混雑が予想されるため、
ディべロッパーから早期の開店を要請された。

それくらいロピアにかかる期待は大きい。

もちろんこのSCは、起死回生を狙っている。
最上階の7階にはダイソーの大型店とカルチャ-センター。
6階は赤ちゃん本舗とナムコ・ワンダーパーク。
5階にライトオンをはじめとするカジュアルウェアのショップとフードサービス。
4階はユニクロと書店のリブロを核にホビーショップが並ぶ。
3階は、珍しいことにしまむらが核で、ハニーズ、タルボット、
さらにキッズ売場。

そして2階は、SHIBUYA109のアウトレット。
全国初の出店。

そして1階はザラが広い面積を取って核店舗になり、
モールにはセブン-イレブンも入店した。
地下1階はロピアがSC全体で最大面積で出店。

郊外百貨店は成り立ちにくいけれど、
こういった都市型のショッピングセンターは、
大いにあると思う。

その最大の集客装置がロピアである。
そして祝祭日、週末以外のウィークデーの鍵を握るのもロピアである。

そんなことを専務の高木勇輔さんと話した。

ロピア全従業員も、気合の入る新店である。

<結城義晴>

2011年05月09日(月曜日)

メッセージ「ささえよう日本 関西からできること」と奥田務Jフロント会長のマーケティング

Everybody! Good Monday!
[vol19]

2011年第19週。
今年1月から数えて19番目の週、
そして5月第2週。

あの震災から2カ月が経過しようとしている。

さまざま、問題はあろうとも、
現地では着々と復旧・復興が進む。

福島第一原発の事故さえなければ、
目覚ましい回復となったに違いない。

先週金曜日の日経新聞コラム『大機小機』。
コラムニストのノノイ氏が、
「新たな国へ西日本の責任」と題して提言。

「東日本大震災復興構想会議」五百旗頭真議長(防衛大学校長)は、
「単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興」を目指すが、
政府の対応は迅速とはいえない。

阪神大震災を経験した関西地域は初動から先行している。

「連休前の4月26日、関西経済連合会と
大阪、京都、神戸各商工会議所、関西経済同友会の経済5団体は
復興に向けた第1次提言を発表した」

「関西経済界が関西広域連合などの自治体や東北経済界と連携しつつ
継続的に復興を支援していくと宣言」

「具体策として
(1)西日本の企業による被災者雇用
(2)東北・関東の企業の西日本への一時的な事業シフト」

段ボール最大手・レンゴーの大坪清社長は
「仙台工場が被災し、閉鎖せざるを得ないが、
新工場も宮城県内につくる」

日本電産・永守重信社長は
「事業規模を拡大し、雇用を増やすことで、
日本再興の一助となれることを心から願う」

「ささえよう日本 関西からできること」のメッセージ。
関西の著名人約50人が呼びかけ人となった
4月6日に発表された。

「この国の東半分が苦しみ、うちひしがれているとき、
この国の西半分がしっかりこの国を支えてゆかねばなりません」
「西から東へ、精一杯の力を送らねばなりません」
「日本が世界で孤立しないためにも、
新たな国のかたちを決める復興構想は早く策定すべきだ」

「西日本の役割と責任はまさに重い」
ノノイ氏は、こう結ぶ。

今週木曜日の12日。
いよいよチャリティセミナーがスタートする。
「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」

第1回は大阪。
会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費 15000円

この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として、
日本赤十字社に寄付される。

ちなみに第2回は1カ月後に名古屋。
日時    2011年6月24日(金) 12:30~17:00
第3回はさらに1カ月後で、福岡。
日時    2011年7月12日(火) 12:30~17:00
最後の第4回は東京。
日時    2011年7月13日(水) 12:30~17:00
5月12日大阪でトップバッターとして講演する私のテーマは、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神を語る。

「西日本の役割と責任」は大きいが、
このチャリティセミナーが、その大阪からスタートする意味も大きい。

さて、今朝の日経新聞「月曜経済観測」で、
J・フロントリテイリングの奥田務会長兼CEOが、
「個人消費 震災の影響」についてコメント。
聞き手は編集委員の田中陽さん。

J・フロントリテイリングは大丸・松坂屋の統合体で、
三越伊勢丹に次いで百貨店業界第2位。

4月の売上高に対して。
「もっと悪い数字になると思っていたので意外だった。
我が社の既存店売上高は前年実績を2.2%上回った。
個人消費はそれほど弱くない」

私が考えさせられたのは、
好調立地の変化。
「郊外型の店舗(もちろん百貨店)がいい。
自宅に近い店舗で買い物をしているからだ」

「電車を使って都心に買い物に行くのをためらっている。
余震も収まっておらず、出歩かないのだろう」

西日本の役割と責任は重い。
「北海道、大阪、神戸、福岡などの店舗は4月は落ち込んでいない。
震災に対する受け止め方が違っているようだ」
「阪神大震災(1995年1月)では影響が1年近くあったが、
今回は秋口には回復が鮮明になるだろう」
本当にうれしい予言だが、消費マインドの回復も早い。

「最大の懸念材料は福島第1原子力発電所の行方だ。
最大の消費地である首都圏の消費回復が遅れているのは、
原発の問題が心理的に重くのしかかり、消費をする気にさせないからだ」

「消費の潮目」に関して。

「お金の使い方が慎重になり、
どんなモノやサービスが自分にとって満足が得られるのかを
真剣に考える姿勢がさらに強まったと思う」

「一人ひとりの価値観が異なる多様性の消費形態だ」

これまでも散々、「小衆・分衆論」が展開されてきたが、
それがさらに鮮明になったというのが奥田さんの見方か。

「大衆という言葉ではひとくくりにできない新しい形の大衆が存在している。
所得、年齢、ライフスタイル、価値観でいくつもに分類される。
車や高級ブランドに関心を持たない消費者はその流れにある」

阪神淡路の大震災から16年。
消費者はさらに「個」を大切にし始めたか。

「マス・マーケティング」から
「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」へ。

これは100年も続く大きなトレンドだ。

かといって「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」だけが、
伸びるわけではない。

「それでは江戸時代への逆戻りだ」

故渥美俊一先生の名言。

マス・マーケットはある。
その大前提のうえに、
ワン・トゥ・ワンのマーケットがある。

コモディティとノンコモディティの関係と同じ。

奥田さんの発言は、
そのことを裏付けている。

なぜなら、この震災後、
コモディティ商品の価値が、
本当に見直されているからだ。

最後にニュース。
㈱シジシージャパンが毎月1日に発行している媒体。
「シジシーニュース
一面に「復興にグループの知恵結集」の記事。
CGCグループ代表の堀内淳弘さんが、
「CGC地震対応マニュアル」の見直しを訴える。
これはとても重要なこと。

今回の震災で、
このマニュアルは絶大な効果を発揮した。
それをさらに充実させようという趣旨。

東北シジシー社長の遠藤須美夫さんは、語る。
「皆さんから最も大切な『この震災に負けてなるものか』
という“希望”と“勇気”をいただいた」

マイヤ社長の米谷春夫さん
も、
「当社は今年で創業50周年となる。
この節目の年を『再創業』の決意で臨んでゆく」

そして本当にうれしい発表。
「年内に3店舗を出店する計画が整った」
おめでとう、米谷さん。

そして最後にマルト商事社長の安島浩司さん。
「いわき市34万人のライフラインを守る」決意を表明したうえで、
「仮オープンで営業してきた店舗は、
6月1日には完全オープンさせたい」
これも力強い宣言。
マルトは福島原発問題と闘っている。
深刻なレベルの問題解決が、
日々、トップマネジメントに課されている。

応援し、支援し続けたい。

5月の商人舎標語。
「まだまだ、ひとつずつ、
すこしずつ、一歩ずつ」

ひとつずつだから、実行しやすい。
すこしずつだから、実現させやすい。
いっぽずつだから、継続しやすい。

今週も、変わらず、
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年05月08日(日曜日)

ジジの帰還[2011日曜版vol19]

2日のあいだ、
ボクはひとりで、
オリのなかに、
いました。
20110508134613.jpg
そのあいだに、
こんなになっていました。

「トリミング」といいます。

まいとし、つゆのあとに、
トリミング、してもらいます。
でも、ことしは、
5月のはじめ。

にどめの引っ越しで、
ボクが病院にとまる日に、
トリミングはおこなわれたのでした。
そして、こんなになりました。
20110508134622.jpg

ここにきたときは、
こんなぐあいでした。
20110501133625.jpg

それからまた、
キャリーボックスにいれられた。
20110508134629.jpg

しみず動物病院。
20110508134638.jpg
この日は雨でした。

ユウキヨシハルのおとうさんが、
むかえにきてくれました。
20110508134646.jpg

そして、もとのおうちに。
20110508134659.jpg
ゲンカンも、
かわっていました。

うちのなかには、
ダンボールが山のように、
つまれていました。

ボクは、そういうのが、
だいすきです。
20110508134710.jpg
オリのなかにはいっていたから、
きゅうくつなおもいをしていました。
だからおもいきりはしったり、
いろいろなところをタンケンしたり。

でも、おなかがすいていました。
20110508134740.jpg

オリのなかでは、
たべる気がしないのです。
20110508134732.JPG

おうちで食べるのが、
いちばんいい。

夜には、
おとうさんとならんで、
ダンボールにかこまれて、
食事しました。
20110508134748.jpg
これも、たのしかった。

まだまだ、うちのなかは、
かたづきません。

でも、
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

かたづいていても、
かたづいていなくても、
ボクには、ぜんぜん、
カンケーありません。
20110508134758.jpg
ボクじしんは、まいとし、
トリミングします。

からだ中の毛を、
かりとってもらう。

ほんとうにすっきりします。

ボクはそれでいいんです。

ボクは、とくに、
ほしいものなんて、
ありません。

生きているだけで、
いいんです。
20110508134812.jpg
生きていることを、
じっかんできることだけで、
いいんです。

きょうは母の日。
20110508154516.jpg
かあさん、ありがとう。
ボクは、生きています。
<『ジジの気分』(未刊)より)

2011年05月07日(土曜日)

総合スーパー・イトーヨーカ堂の「東北の売上げは良い」とセブン&アイ鈴木敏文会長

朝日新聞はずっと、
東日本大震災に被災した人々の声を拾って、
載せ続けている。

ゴールデンウィークが最終盤に差し掛かった今日は、
南三陸町歌津の及川道男さんの話が印象に残る。
「3人家族だったけど、
女房と母を流されて1人になってしまった」

及川さんは62歳、奥さまは60歳、母上は84歳。

「うちだの車だのは、また買えばいい。
でも家族は売ってねえからな」

「牛歩どころか、なめくじの歩みで、
地域で連絡取りながらがんばっていきたい」

「まだまだ、ひとつずつ、
すこしずつ、いっぽずつ」

さて昨日は午前中、
横浜の商人舎を大高愛一郎さんが訪問してくれた。
20110507183100.jpg
現在、三井物産食料・リテール本部に属しているが、
コーネル大学ジャパンが発足した時、
事務局長として尽力してくれた。
もしも大高さんがいなければ、
このプログラムが現在まで来ることはなかった。

大高さんとは、東日本大震災後の状況や、
プライベートブランドの動向など、
様々なことを話し合った。

大高さんと話しているだけで、
私は本当に気分が爽快になる。
不思議な人だ。

朝日新聞経済欄に、
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長登場。
「東日本大震災の被災地域では、
イトーヨーカ堂の閉店計画を見直す方針」

総合スーパーは、業態としての衰退が激しい。
だからイトーヨーカ堂も、
2009年から約30店を閉鎖する計画を進行中。
2011年度も7店程度の閉鎖を計画していた。

しかし「震災後、東北の売上げは良く、
閉店を検討していた所も続けることができる。
商品供給を続ける流通業者としての義務もある」

総合スーパーの「生活総合性」が、
震災による「生活破壊」などに対しては、
ベストの品揃えとなる。

その意味で、総合スーパーは、
生活途上段階にフィットした業態である。

日本でいえば高度成長のときの業態。

アメリカやフランスでは、
大量の移民が高度生活成長しているから、
スーパーセンターやハイパーマーケットが、
彼らにふさわしい業態として、躍進する。

中国でハイパーマーケットの成長が最大であることも、
これで説明がつく。

しかしほとんどの国民の生活が成熟してくると、
業態の分化が起こり、フォーマットの多様化が進む。

被災地のセブン-イレブンの加盟店に対しては、
所有者が建て直す場合、
5000万円を上限に低利融資する制度を新設。

そのために仮設住宅の入居者向けの店舗出店を、
地元自治体と協議中という。

被災地に対して、企業ができることを、
どんどん進めてほしい。
商業・サービス業が、
お役立ちするときである。

さて、日経新聞スポーツ欄にいい記事。
八百長問題で崖っぷちにある大相撲の高田川親方の話。
見出しは「苛烈な稽古、八百長生まぬ」

高田川部屋を経営する親方・高田川。
現役時代は関脇安芸乃島。
私もそのひたむきな相撲、好きだった。

安芸乃島の師匠は、元大関・初代貴ノ花。
その藤島部屋はガチンコで有名だった。
ガチンコとは「真剣勝負」のこと。

高田川のコメント。
「稽古を一生懸命やった者は、
恥ずかしいことはできない」
「苦しくなってからが本当の稽古だ」

「稽古をやらずに勝とうと思う
その心が八百長なんです」

日ごろの努力をせずに大きな成果を出そうと思う、
その相撲は八百長と同じとなる。

大相撲の八百長を批判するとしたら、
それは私たちにも戻ってくる。

「稽古を死ぬほどやっていたら、
わざと転んだりできるはずがない。
そんなもったいないことはできない」

私たちの仕事も同じだと思う。

一所懸命にしてきた仕事は、
もったいなくて投げやりや無責任にはできない。

NHKは今場所、地上波での中継を見送った。
衛星放送の改編によって、幕下の放映も止めた。
相撲協会はそこで、
序ノ口から幕内までの全取組をインターネットで中継する。

つまり大相撲は、
ひどく立地の悪い店になってしまった。

しかし高田川は考える。
「場所はいつも大事ですが、特に今場所は
2、3場所の値打ちがある場所です」

立地の悪いインターネットでしか公開されない今場所の相撲。
しかしだからこそ、
「もったいないことはできない」

高田川部屋を応援したくなる。

近ごろ私は、とにかく、
いろいろなものを応援したくなる。
それは私自身が、
応援し、支援することで、
元気をもらっているからだと思う。

私も苦しいとき、つらい時があった。
その時に応援してもらって、
どれだけ助かったか知れない。

そして応援とは、自分が、
「もったいないことはしない」ところから、
始まるものである。

みなさん、良い週末を。

<結城義晴>

2011年05月06日(金曜日)

港北東急SCのスーパーマーケット「ロピア」の秀作店舗と「焼肉酒家えびす」のユッケ食中毒事件のチェーンストアのはき違え

2011年のゴールデンウィーク、
正規の祝日は終わった。
あとは明日、明後日の週末。
最後が8日の「母の日」。

これまでのところ、
どんな商戦が展開されたのだろうか。

私は5月3日の憲法記念日に、
横浜市港北区の港北ニュータウンに出かけた。

4月29日「昭和の日」の金曜日に、
地下鉄のセンター南駅に、
港北東急ショッピングセンターが、
リニューアルグランドオープン。

20110506180618.jpg

昨年10月には、珍しいことに、
衣料量販店「ファションセンターしまむら」が、
この大型ショッピングセンターに出店。
今回はさらに、
「SHIBUYA109」の新業態「SHIBUYA109OUTLET」が全国初出店。

そのショップは2階フロアに集積され、
アウトレットならではの低価格設定。

しまむらに109のアウトレット、
それに新たにロピアが加わって、
パンチのあるショッピングセンターへと変貌。

ロピアは藤沢に本部を置くスーパーマーケット「旧ユータカラヤ」。

そのロピアは4月27日にプレオープンした。
20110506180626.jpg
実に意欲的な店舗で、たいへんなにぎわい。

ロピア専務の高木勇輔さん、
取締役の福島道夫さん、
㈱ケノス社長の小林泰清さんと話した。
ケノスは旧ユータカラヤが刷新したCIと、
この店のデザインを担当した。

「ロピア」のマークをパンに焼いたり、
20110506180712.jpg

牛肉ブロックの切り口に入れたり。
20110506180721.jpg
楽しい売場づくりだが、
新生ロピアのマーチャンダイジング力のパワーが、
満載された店になっている。

店舗の紹介は来週に譲らねばならないが、
メーカー、卸売業、関連産業の人々には、
是非とも一度、視察をお薦めしたい。

純然たる食品スーパーマーケットで、
一応の年商予算は初年度60億円というが、
それは大いに上回りそうだ。

東日本大震災からの復旧から復興を目指して、
このゴールデンウィークは被災地以外のエリアでも、
活発な活動が展開された。

一方、それに水を差す事件。
「ユッケによる集団食中毒」

事件が起こったのは、
焼き肉チェーン店「焼肉酒家(さかや)えびす」。
北陸3県と神奈川県に20店舗を展開。

酒家戎を運営する㈱フーズ・フォーラスは金沢市に本社がある。
業務上過失致死傷の疑いで関係先数カ所も一斉に家宅捜索。

厚生労働省が発表した内容では、
この集団食中毒の患者は4人の死亡者を含め23人が重症者、
富山、福井、神奈川3県で計94人。

勘坂(かんざか)康弘社長は記者会見で、
「客に提供していたユッケ用の生肉が、
国の定める生食用食肉の安全基準を満たしていなかった」ことを認めた。
そのうえで、「生食用の牛肉は国内で流通していない」など、
「基準が形骸化していると主張」。

私はテレビや新聞で、
「焼き肉チェーン」という言葉が繰り返されるたびに、
うんざりした。

簡単にいえば、
複数の店舗を展開し、営業する方式を「チェーンストア」という。

だからこの「えびす」もチェーンストアではある。

1859年、アメリカでザ・グレイト・アメリカン・ティ・カンパニーが創業され、
この会社がまず2号店をつくり、
さらに積極的に多数の店舗をつくっていった。
このころから「チェーンストア」と呼ばれるようになった。

1930年にはこのA&Pと名を変えたこの企業は、
1万5000店を超えるチェーンストアとなっていた。

アメリカでもはじめの頃は、
1店舗を経営している単独店と、
多数の店舗を営業するチェーンストアの、
二派に分かれていた。

現在は統計上、チェーンストアの定義が、
「11店以上を展開する小売業、フードサービス業」となった。

10店までの多店経営を「支店経営」、
1店舗だけの小売業、フードサービス業を「単独店経営」という。

1店舗では、それがいかに「良い店」であっても、
その周辺の顧客にしか、
良い商品とサービスを届けることはできない。

ところが、チェーンストアになると、
同じ商品やサービスが、
地域を越えて、多数のお客に提供されるようになる。

これがチェーンストアというシステムの最大のメリット。

だから拠点としての店によって営業されるビジネスの、
もっとも有力な経営システムとして、
チェーンストアは時代を超えて繫栄し、
時には時代そのものを変えてきたのである。

何度も書いているが、チェーンストアは鎖にたとえられる。

鎖を両側から強い力で引っ張っていくと、
どこかで切れる時が訪れる。

切れない鎖がよいものである。

しかし両側から強い力で引っ張れば、必ずどこかで切れる。

その切れる瞬間までの期間が、鎖の耐用年数となる。
そして、どのくらいの力によって引っ張られたかが、鎖の強度となる。

鎖は、多数の輪が数珠つなぎになって構成されている。
だから切れるときには、どこかの輪が切れる。

一斉にすべての輪が切れてしまうものではない。

その鎖の全体の強度とは、
一番弱い輪の強度とイコールとなる。

悪い鎖は、切れやすいし、切れるのが早い。

全体に、均等で、軽くて、強い鎖。
それがよい鎖である。

チェーンストアは、店舗という輪を、
鎖のようにつないでいく経営システムである。
だから、1店1店が切れてはいけない。

「酒家えびす」はこの鎖全体が腐っていた。

鎖全体が腐っている多店舗企業を、
チェーンストアと呼んではならない。

私が本当にうんざりするのは、
似非チェーンストアが氾濫し始めたことだ。

<結城義晴>

2011年05月05日(木曜日)

結城義晴の確信「東北の子どもたちは絶対にいい人間になる!」

福島の空こそ泳げ鯉のぼり
<原田奎子(北九州市)朝日歌壇より>
20110505130650.jpg
(福島ではなく富士山だけれど)

今日は、ゴールデンウィーク終盤、
「こどもの日」

高速道路の帰省ラッシュもあるが、
全体としては「安・近・短」の消費が特徴。

ターミナル百貨店、
郊外ショッピングセンター、
行楽地、映画館など、
本来、人が集まるところに、
あたりまえのように、人が集まる。

だから客数が半端ではない。

上野動物園のジャイアントパンダ。
リーリーとシンシンも大人気。

どこか昭和の高度成長の頃の消費行動が、
思い出される。

なぜかみんなが、
人懐っこくなっている。

それを欲している。

マイヤ社長の米谷春夫さんの言葉を借りれば、
「優しくなっている」

とてもいいことだ。

しかし、購買金額が、
跳ね上がっているようには見えない。

こどもの日の今日5日から、
週末日曜日母の日の8日まで。

どんな人間にも最も強い絆、
母と子の日々。

ほんとうに心安らぐ毎日である。

もちろん私にも母がある。
幸いに85歳で健在。
その母を思う。
母も私を思っている。

東京ガスのテレビコマーシャルがいい。
「家族の絆・お弁当メール」篇。
[youtubeID:Xgp3aPR-llM]

これはなぜか青年たちに人気がある。
どんなに突っ張っていても、
大人ぶってはいても、
このCMを見ると、
心安らぐらしい。
子どもに帰るからだろうか。

朝日新聞の社説。
「こどもの日 守ってあげたい」

「子どもの笑顔に救われる日々だ」
こう、始まる。

「被災地の空を、支援のこいのぼりが泳ぐ。
きょう、いとおしい存在を抱きしめる日だ」
こう、終わる。

中身のメッセージ。
「震災のために
夢をあきらめるような子どもを出すまい。
私たちはそう誓おう」

「伝えるべきは『生きる力』といってよい。
大人すべての宿題だ」

しかし、朝日新聞社説の、このメッセージ、
私には、なんというか、
「大いなるお節介」と見える。

東北の子どもたちを実際に見る限り、
いい大人になる。

私は確信している。

私たち大人が、
「夢をあきらめる」ことがなければ、
「生きる力」を自ら示せば。

こどもは大人を見て、大人に触れて、
育つ。

私たちの宿題は、
そのこどもが育つのを邪魔しないことだ。
大人のエゴを押し付けないことだ。

いま、東北や北関東では、
大人たちが必死で生きている。

だから、
東北・北関東の子どもたちは、
確実に「いい人間」たちになる。

私はそう、確信している。

東北・北関東の子どもたちを中心に、
新潟県中越の子どもたちを核に、
そしてかつての阪神淡路のこどもたちを主力に、
日本は蘇生されるに違いない。

私たちはそれを、
絶対に邪魔してはならない。

最後に、いいニュース。
各紙朝刊でこぞって採り上げた。

ニューヨークのイエローキャブが、
日産車に統一される。

これまでニューヨークを走る黄色のタクシーは、
9社16車種あった。

現在、1万3000台のタクシーが、
ニューヨーク市内を営業して走っている。

いちばん多いのは、
フォードの大型セダン・クラウンビクトリアだった。

それが2013年以降2018年までに、
日産のミニバンNV200一色に変わる。

大型サンルーフ、
携帯電話やパソコンの充電可能なコンセント、
乗客専用エアバッグ、
乗客乗り降り警告ランプなど、
日産は特別仕様車を準備して、
コンペに勝利。

しかも将来的に電気自動車に衣替えできる。

日産のテクノロジーとホスピタリティが評価され、
1台2万9000ドル、総額10億ドルの契約となる。
1ドル80円ならば800億円。

私は日本のテクノロジーとホスピタリティが、
世界最大の都市ニューヨークに認められたと考えたい。

本当にうれしいニュースだ。
もちろん日産は、トヨタ、ホンダと、
しのぎを削る競争を繰り広げ、
EV(エレクトリック・ビークル)開発において、
「エコカー戦争で最後に笑うのは日産‽」などと評価されていた。
すなわち“量産型”電気自動車の開発にユニークさを示していた。

小売りサービス業も、
テクノロジーと、
ホスピタリティに関しては、
日産自動車に負けられない。

もちろんトヨタやホンダにも、
負けられない。

こどもの日から母の日までの商売に、
ユニークな
テクノロジーと
ホスピタリティを、

発揮したいものだ。

切に、それを願う。

<結城義晴>

2011年05月04日(水曜日)

「アンパンマン」のやなせたかしさんが示した「正義とは困っている人を助けること」

みどりの日。
20110504113607.jpg

「自然にしたしむとともに
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」

これが祝日法2条に定められた趣旨。

私が『食品商業』編集長に就任したのが、1989年(平成元年)。
この年に、「みどりの日」は定められたが、
それは昭和天皇崩御を受けた、前天皇誕生日の4月29日だった。

2007年から4月29日を「昭和の日」とし、
みどりの日は5月4日にスライドした。

考えてみると昭和天皇の誕生日は「昭和の日」そのもので、
みどりの日は、新緑の季節ならばいつでもいい。

だから3連休を確定するために、5月4日となった。
これで「飛び石連休」というおつな名称も消えた。

自然に親しみ、その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくみつつ、
今日こそ、グリーンを楽しみたいところだが。

『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言「今日のダーリン」。
私もこのくらいのブログにしたいのだが、
そうはいかないところが、「男はつらいよ」。

糸井重里さんが書いていた「アンパンマンのこころ」。
それはNEWS ポストセブン 5月3日(火)配信の記事のこと。

漫画家のやなせたかしさんがインタビューに答えている。
タイトルは「日本人の正義とは困った人にパンを差し出すこと」

やなせさんは今年92歳。
ご存知、「アンパンマン」の作者。
「アンパンマンのマーチ」は東日本大震災後、
多くの人々を元気づけた。
[youtubeID:BUGh-7Y5kZA]

やなせさんの第一声。
「『アンパンマン』を創作する際の僕の強い動機が、
『正義とはなにか』ということです」

「正義とは実は簡単なことなのです。
困っている人を助けること」
これ、商売に通じる。
正しき商いそのもの。

「ひもじい思いをしている人に、
パンの一切れを差し出す行為を
『正義』と呼ぶのです」

震災後、マイヤが、マルトが、ヨークベニマルが、
そして多くの商人たちが行ったこと。
それこそ「正義」だった。

「なにも相手の国にミサイルを撃ち込んだり、
国家を転覆させようと大きなことを企てる必要はありません」

「アメリカにはアメリカの“正義”があり、
フセインにはフセインの“正義”がある。
アラブにも、イスラエルにもお互いの “正義”がある。
つまりこれらの“正義”は立場によって変わる」

「でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、
立場が変わっても国が違っても『正しいこと』には変わりません」

「絶対的な正義なのです」
商売・商業は、正しく行う限り、
絶対的な正義なのだ。

「うん。だから正義って相手を倒すことじゃないんですよ。
アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。
だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を持っているかも知れないから」

「それに正義って、
普通の人が行うものなんです。

政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。
普通の人が目の前で溺れる子どもを見て
思わず助けるために河に飛び込んでしまうような行為をいうのです」

「ただし普通の人なので、
助けに行って自分が代わりに溺れ死んでしまうかも知れない。
それでも助けざるを得ない」

「つまり、正義を行う人は、
自分が傷つくことも覚悟しなくてはいけない」

「今で喩えると、
原発事故に防護服を着て立ち向かっている人々がいます。
自分たちが被曝する恐れがあるのに、
事故をなんとかしなくてはという想いで
放射能が満ちた施設に向かっていく。
あれをもって、『正義』というのです」

「怪獣を倒すスーパーヒーローではなく、
怪獣との闘いで壊された街を
復元しようと立ちあがる普通の人々が
ヒーローであり、正義なのです」

ノンフィクション・ライターの神田憲行氏の質問。
「未曾有の国難といわれています。
日本は復興できるのでしょうか」

「(笑みを浮かべて)出来るのに決まってるじゃないか!」

「あの戦争だって日本は焼け野原になって、
原爆をニ個も落とされて
人が何十年も住めないと言われたんだよ。
それがあそこまで復興できたんだから。
日本人は粘り強く、正しく立派に生きている人たちです。
間違いなく復興できますよ!」

「商人よ、正人であれ」
平和堂に対して故成瀬義一先生が残した言葉。

「正しく生きる商人に誇りを持て」
故倉本長治先生の『商売十訓』10番目の最後の言葉。

「困っている人を助けることこそ、
絶対的な正義なのだ」

やなせさんの言葉に、
なぜか目頭が熱くなる。

さて今日、日経MJに広告が出ている流通誌『激流』。
㈱プラネット社長の玉生弘昌さんが特別寄稿。
「本当に恐いのは無知とデマ」

その原稿を、あらかじめ読ませていただいていた。

玉生さんは、浦和高校の高校生時代、
物理部に所属した。
そこで、「霧箱を手作りして、放射線を見た」

科学少年だった玉生さんによると、
「放射線による病症は、
“程度の問題”と“確率の問題”」になる。
その程度と確率をわかりやすく解説している。

「放射線障害には急性症状と晩発性症状がある」
「前者はその日か数日後に皮膚炎や髪の毛が抜けたりする症状」で、
「どの程度の線量を浴びたか」が重要になる。

これはある程度研究が進んでいて解明されているが、
突き詰めると、
「原発の近くにいる人以外は
急性症状を心配する必要はない」

「後者の晩発症状は、数ヶ月あるいは数年後に
ガンになるかどうかの確率が問題となる」

晩発性はガンになるかどうかの問題。

「線量が多いと細胞が死ぬ、
細胞が死ぬと分裂しないためガンになることはない。
細胞が死なずに細胞内のDNAだけが傷ついた場合で、
なおかつ、DNAのホットポイントに当たった場合、ガンになる」

「百万枚の宝くじで10本が当たりだとすれば、
1枚の宝くじを手にしている人はほとんどゼロに近い確率」

「10枚の宝くじを買った人は確率が10万分の1に高まるが、
まだ当たらない確率のほうがはるかに高い」

「非常に低い確率でも、
科学者的表現では『可能性はある』と言う」

「すでに宇宙線や体内のカルシウムが発している放射線によって、
人は日々被曝しているため、以前から『可能性はある』状態なのである」

「つまり、以前から宝くじを持っている状態である。
被曝によって2~10倍の宝くじを手にすることになっても、
まだ確率は低い」

「ニューヨークと東京間の飛行機に乗ると
600マイクロシーベルト(通常の200倍)の放射線を浴びる。
パイロットのガンの比率が高いわけではない」

「宇宙線をさらに多く浴びているはずの宇宙飛行士が
ガンになったことはない。
チェルノブイリでも
大人のガンは増えてはいない」

「1981年のアメリカ人のガンの要因調査によると、
タバコの寄与率がトップで30%、
電離放射線と紫外線あわせて2%となっている」

「放射性ヨウ素やセシュウムの被曝を避けるより
タバコを避けた方がガンになる確率を大幅に下げることができる」

「つまり、喫煙者はすでに30枚の宝くじを持っているのである」

「というわけで、
原発周辺にいる人でない限りは、
急性症状も晩発性症状も
ほとんど心配はない」

玉生さんは断言する。

静岡県知事の川勝平太さんが言うように、
「無知は恐怖の源です」

私は書いた。
「風評被害には、
知識と情報で対抗せよ」

正義とは「困っている人を助けること」
風評被害で困っている人、困っている地域、
それを助けることは普通の人にもできる。

そして「困っている人を助けることこそ、
絶対的な正義なのである」

<結城義晴>

[お知らせとお願い]
5月12日開催のチャリティセミナー
「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」

今日の日経MJ 4面総合欄に、
囲み記事で取り上げていただきました。
「セミナー通じ被災者を支援」

日経MJのデスクには、心から感謝します。

その第1回は大阪。
会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費 15000円

この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として、
日本赤十字社に寄付されます。

第2回は名古屋。
日時    2011年6月24日(金) 12:30~17:00
会場    名古屋市芸術創造センター

第3回は福岡。
日時    2011年7月12日(火) 12:30~17:00
会場    福岡サンパレス

第4回が東京。
日時    2011年7月13日(水) 12:30~17:00
会場    リーガロイヤルホテル東京

私は5月12日大阪でトップバッターとして講演します。
テーマは「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神を語ります。

ご参加のご検討をお願いします。

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.