結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年10月10日(木曜日)

メルカドーナ中心のバルセロナ研修とガウディ一色の自由視察

日経新聞『真相深層』に、
GEのジェフ・イメルトCEO登場。 

ジャック・ウェルチ氏の後任。
2001年9月から、
ゼネラル・エレクトリック9代目会長兼CEO。
現在、57歳。

160カ国以上で事業展開するGE。
年間200日、世界を飛び回る。

「メイドインUSA」が息を吹き返している。
イメルトは、その要因を語る。

「アメリカ製造業の復活は本物だ」
自信満々。

「競争力のあるものづくりが可能になった」

要因を三つあげる。

生産コストの人件費比率が低下した。
だから材料費の占める割合が大きく、
より重要になった。

生産性が向上した。
3次元プリンターのような新しい製造技術が登場した。

③市場に近い。

「巨大な工場1カ所ですべての製品を生産し、
世界中に出荷する製造業の時代は終わった。
いまは『機敏さ』が求められる時代だ。
市場に近ければ、
イノベーションのスピードや質を高められる。
顧客が米国にいる場合は米国生産のメリットは大きい」

マス・カスタマイゼーションの時代であることを、
イメルトは強調。

最後の言葉。
「すべての企業は今後、程度の差はあれ
データの活用に投資をしなければならなくなる。
これが未来の姿だ」

「変化は始まったばかりだが、
我々はこの巨大な波をリードしていくつもりだ」

今現在は、いいかもしれない。
しかしデータ活用に投資しなければ、
すべての企業は、
マーケットをリードできなくなる。
置いていかれてしまう。

それは企業が、
老いることを意味する。

さてバルセロナ滞在2日目は、
市内の小売業視察。

はじめは、
エコロジックスーパーマーケットのBIO SPACE。
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一部2層式で650㎡ほどの店舗に
オーガニックやナチュラルフーズを、
約9000アイテムそろえる。
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もともとは精肉屋だったが、
3代目のアルトゥーロ・サンティアゴさんが、
エコロジックスーパーマーケットに転換した。

だからミートは売場の導入部に配されて、
充実した品ぞろえ。
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女性スタッフがオーダーを受け、
カッティング販売する。
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スペインも他のEU国同様、
BIO商品が拡大している。
アメリカのホールフーズや
スプラウツ・ファーマーズマーケット同様、
Bioに専門化されたスーパーマーケットだ。

アルトゥーロさん、
万代の西水啓介さんと三人で握手。
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この店の2件隣にあるスーパーマーケット。
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「SENSE INTERMEDIARIS」。
バルセロナとマドリードで
74店を展開するスーパーマーケットチェーン。
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天井はむき出し、木製什器の多用、
クレンリネスが行き届いた実にいい店。
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店舗中央におかれたキッチンコーナー。
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ここで、スタッフが
カットフルーツやフレッシュジュースなどを
手づくりする。
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壁面はリーチインの冷蔵ケースと冷凍ケースが並ぶ。
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この店もナチュラル志向。
わずか5メートルほどのところに
2つのスーパーマーケットが立地する。

さらに道路沿いの反対側には
鮮魚専門店PEIX de PLATJA。
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5坪ほどの店舗には、
フレッシュな魚介類が並ぶ。
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オーナー女性だろうか。
カッティングさばきも、
実に堂に入っている。
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大きな湾曲した包丁を使って、
手早く加工する。
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わずか15メートルほどのところに、
スーパーマーケット2店、そして鮮魚店。
それぞれの店が十分に成り立っている。

なぜならバルセロナは、高齢化が進んでいる。

500メートル四方に、
スーパーマーケットや専門店がなければ
高齢者の生活が成り立たない。

だから市街地には、
小型のスーパーマーケット、
専門店が数多くあるし、
顧客がいて成り立っている。

次に視察したのがドイツ資本のリドル。
アルディと同じ小型ディスカウント業態。
スペインに2012年段階で、
555店舗を出店する。
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150坪ほどの店で、生活に必需の商品だけを低価格で販売。
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店舗中央では、シーズン商品のセール。
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もちろんローコストオペレーション。
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ドイツではアルディにかなわないが、
スペインでは健闘している。

そしてメルカドーナ。

スペイン訪問の最大の目的は、
メルカドーナ視察。
地上1階、地階の2層式店舗。
スロープ型のエスカレーターで
地下の食品売場に誘導する。
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プライベートブランドが圧巻。
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鮮魚部門は、セルフと対面の売場。
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青果部門は主通路の最後に配置されている。
クレートを活用したローコスト運営。
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メルカドーナは、
CS(顧客満足)とES(従業員満足)に優れた
好循環企業と言われる。
クレンリネスの行き届いた売場からは、
従業員のモラールの高さが感じられる。
スペインナンバー1企業の実力をしかと見た。
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詳細は、毎日、このセリフで恐縮だが、
商人舎magazineで報告したい。
乞うご期待。

最後は El Corte Inglés。
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百貨店からハイパーマーケット、
スーパーマーケットまで展開する企業。
そのバルセロナ中心部にある百貨店の、
地下のスーパーマーケット。
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古い店舗での制約もあるだろうが、
売場はごく普通。
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業績が悪化している同社だが、
せっかくの一等地店舗なのに、
イノベーションが感じられないのは残念。
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この日の店舗視察はここまで。
この後は、市街観光と自由視察。

バルセロナのグラシア通りにあるカサ・ミラ(Casa Milà)。
ガウディが54歳の時の設計。
実業家のペレ・ミラの邸宅として建設され、
1984年にユネスコの世界遺産に登録された。
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観光客よろしく記念撮影。

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グエル公園。
バルセロナの街が一望できる。
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1984年にユネスコの世界遺産に登録された。
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ガウディの作品群が堪能できる。
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全員写真。

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そして、メインはサグラダ・ファミリア。
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聖家族教会と呼ばれるカソリック協会。
ガウディの生誕100周年位には完成する、はず。

内部はすでに、あらかた出来上がっている。
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圧巻の景色が目に飛び込んでくる。

2026年には完成されると言われているが、
それからまだ10年はかかりそう。

つまり2036年くらいか。
私は84歳。

85歳まで現役宣言をしている結城義晴、
絶対にサグラダ・ファミリアの完成を、
この目で見てやろうと決意した。

そのときメルカドーナは、
どうなっているのだろうか。

ウォルマートは、
トレーダー・ジョーは、
ホールフーズは。

そして日本の企業群はどうなっているのだろう。
もちろんこの目でしっかりと見届ける。

企業が老いてしまっていないかを。

(つづきます)

〈結城義晴〉

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