結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年10月17日(木曜日)

ヤフーショッピング出店料・Loyalty無料化作戦のタダより怖いもの

秋真っ只中の横浜の空。
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ここに住んでいることに、
大いに満足を感じる。

ずいぶん忙しくて、
自宅の空など、
ゆっくり眺めたこともなかったか。

アメリカのイーベイ。
Eコマースで年商141億ドル(1兆4100億円)。

1位アマゾン、
2位アップル・ストアに次ぐ第3位。
FORTUNE500では世界196位。

そのイーベイの7・8・9月決算も好調。
売上高38億9200万ドル(389億円)、
純利益6億8900万ドル(約69億円)。
売上げは前年同期比14%プラス、
純利益は75%プラス。

理由はスマートフォンの普及。
モバイルフォン経由の販売額が伸びた。

日本でも激しい競争。
日経新聞の『真相深層』。
タイトルは、
「ヤフー、捨て身の『無料』」

編集委員の大西康之さんが書く。

経済産業省調べで、
日本のEコマース市場は、
年間総流通額約9兆円、
しかも年率12%の成長。

国内Eコマースの3強が、
1位・楽天、
2位・アマゾンジャパン、
3位・ヤフージャパン。

そのヤフージャパンが、
出店料&ロイヤルティ無料作戦に出た。

いわば「捨て身の戦法」。

会長の孫正義さんのコメント。
「これまでヤフージャパンは
間違っておりました」。

シェアは楽天約29%、
アマゾン約12%、
ヤフー約6%。

過去2年、国内EC市場は2ケタ成長。
楽天もアマゾンもそれに準ずる伸長ぶり。
しかしヤフーショッピングだけはゼロ成長。

「こんな成長市場で
2年も足が止まったら、
アウトですよ」
ショッピングカンパニー長の小沢隆生さん。
2002年から07年まで楽天に在籍。
三木谷浩史社長の右腕だった。

「楽天モデルの模倣は難しい」。

そこで編み出した復活策は、
「無料作戦」の賭け。

孫さん自身の成功体験。
第1は、
インターネット接続事業に参入した時。
「街頭で接続用のモデムを無料配布し、
NTT系などの大手に一泡吹かせた」

第2は、通信事業のとき。
米国スプリント社買収、
そこに至る成功の第一歩が、
「無料作戦」だった。

10月7日に「無料」を発表。
1日間で新規ストアの出店希望者1万件、
個人出店希望は1万6000件。

「10年やって出店者は2万件だが、
無料にしたとたん
1日で2万6000件が集まった」

しかし2強の壁は厚い。

楽天は4万の出店店舗。
約500人のEコマース・コンサルタントが、
サイト・デザインから販売方法まで、
きめ細かく相談に乗る。

新規出店者は楽天大学で、
ネットやマーケティングを学ぶ。

楽天カード、楽天銀行、
さらに楽天証券の金融部門、
楽天トラベルなど非物販事業とも、
共通ポイントで相乗効果を生む。

楽天は何しろ29%シェアで、
クリティカル・マス
を超える。

一方、アマゾンは、
自社仕入れ商品を売る直販方式、
5000万品目の品ぞろえ。

国内物流拠点も充実し、
注文した翌日に自宅に届く。

家電や食品ではメーカーと協力して、
独自の「限定商品」開発に着手。

ヤフーは「無料作戦」の奇策で、
楽天をターゲットにする。

無料化で発生する損失は今期、
営業利益最大90億円。

「誰が何を買ったか」の購買履歴も増え、
精度の高いネット広告を流すことができる。

ヤフーの戦略はEコマース事業を、
小売りではなくメディア事業と、
位置付け直したところにある。

ロイヤルティより広告で稼ぐ。

雑誌でいえば、
販売より広告。

記事は最後に指摘する。
「無料化で質の低い出店者が増え、
サイトが『無法地帯』になったのでは
買い物客が離れていく」

実際のショッピングセンターにたとえると、
テナント料をただにしたら、
ひどい店舗ばかり集まってきて、
商業集積がスラム化してしまうということ。

「無料」作戦で、
どこまでサイトの質を維持できるか。

私の雑誌の経験でいえば、
広告主体のメディアは長続きしない。

なぜなら読者不在だから。

タダより怖いものはない。

私は、そう思う。

あっと、
この毎日更新宣言ブログも、
タダだったか。

言い換えましょう。
顧客や読者が増えるならば、
どんな作戦も成功する。

ここでいう顧客とは、
エンドユーザーのことです。

だからヤフーも、
出店数が増えて、
それが最終顧客増加に貢献すれば、
成功するでしょう。

しかし無差別に、
テナントを入れる商業集積はスラム化するから、
やはり、タダより怖いものはない。

〈結城義晴〉

昨日予告した五木寛之さんの講演録、
明日掲載します。
申し訳ありません。

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