結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年10月07日(木曜日)

全米スーパーマーケット・ランキングの「正義は勝つ」

消費者庁がやりました。

7日木曜日、「景品表示法」に基づいて、
「全国焼肉協会」に表示の見直しなどを要請。

同協会は、全国の約500社、1400店舗の団体。

焼肉店の表示は、もともと部位がわかりにくい。
消費者庁が焼肉レストランチェーンや個人営業店を調査したら、
メニューに「ロース」と表示して販売している商品が、
「モモ肉」やその他の「赤身」を使用したものだった。

アメリカでは「ロース」の部位を、「リブ」さらに「ロイン」という。
モモは「ラウンド」「ランプ」と分かれている。

例えば「リブ」と「ラウンド」はステーキにして食べると、
明らかに食感や味が異なる。

しかし焼肉にして、濃い目のたれをつけて食べると、
赤身は赤身なのでわかりにくい。

だからだろう。
「ロース」と称して「モモ肉」などの赤身を売っていた。
本物の「ロース」は「上ロース」と称した。

読売新聞が、神奈川県内の焼肉店経営者に聞いている。
「赤身が多いと部位にこだわらず『ロース』、
脂が乗った肉は『カルビ』として客に出すのが業界の慣行」

こういった業界の慣例は、
御免被りたい。

消費者庁も、どしどし摘発し、消費者優先の社会を築くべきだ。

さて、商人舎USA研修会スペシャル編
「経営戦略」を学ぶコース。
オースティンでの2日目から、佳境に入る。

昨日の私の講義の中で展開した全米小売業ランキング
ここに大きな教訓がある。

「鳥の目」「魚の目」でアメリカ小売業を見なければならない。
「鳥の目」は、大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

そのうえで、「虫の目」が必要となる。

「虫の目」とは、現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。

アメリカにやってくる。
1週間、あるいは10日を過ごす。
その間に、例えば30店舗を訪れる。
ウォルマートは5店、HEBは5店、ホールフーズも3店・・・・・・。
こうして見ても、ウォルマートは4383分の5にすぎない。
HEBも317分の5、ホールフーズも284分の3・・・・・・。
これでは、その企業の本質は分からない。

だから「鳥の目」「魚の目」が必要となる。
そのうえで「虫の目」を活かす。

もちろんたった1店舗の優良企業ならば、
その店を訪れることで、
かなりのことを理解できよう。

しかし、たった1店であっても、
1週間、1カ月、そこに張り付いてリサーチしなければ、
ほんとうの姿は理解できない。

だから、アメリカの企業を「鳥の目」「魚の目」で見る必要がある。
これは優れた本を読むことに似ている。

これまでの情報や経験を、
学ぶこと。

だからこそ「鳥の目」「魚の目」がいる。

さて、ランキング上位。

第1位はクローガー、年商767億ドル。
(分かりやすく1ドル100円換算で7兆6733億円)
第2位はセーフウェイ、年商350億ドル(3兆4980億円)
チェーンストアランキングでは第12位。

とうとう胸を張ってナショナルチェーンと言える企業は、
2社になってしまった。
その意味で、米国スーパーマーケットのナショナルチェーンは、
私が言い続けている「複占」となった。

第3位は、パブリックス、年商245億ドル。
3番手が、リージョナルチェーンなのだ。
ローカルチェーンを複数有するのがリージョナルチェーン。
それでいて、2兆4515億円の年商、1014店のネットワークを築く。

むやみやたらに商勢圏を広げず、
コツコツとローカルチェーンのドミナントを形成していくことの確かさを、
パブリックスが証明してくれている。

第4位、第5位はアメリカから見た外資企業。
前者がアホールドUSA、年商2兆2825億円、
後者がデレーズ・アメリカ、年商1兆8994億円。
デレーズはあのフードライオンを傘下に収めている。

その後に続くのが、総年商では2位のセーフウェイに続く3兆1637億円だが、
食品スーパーマーケット部門では6位になるスーパーバリュー
食品卸売業として最大の会社で、その年商の約半分がスーパーマーケット。

解体売却された元エクセレントカンパニー・アルバートソンの3分の1ほどを買収して、
スーパーバリューは第6位に滑り込んでいる。

そして第7位が、HEバット。略してHEB。
HEBは、テキサス州のローカルチェーンで、
サンアントニオ、オースティンでドミナントエリアを形成している。
この地区ではマーケットシェアが50%を超える。
年商は150億ドル、1兆5000億円で、店舗数317店。
しかもテキサス州のすべての会社の中で非上場の最大企業。
ここがいい。

そのうえ、あのウォルマートと互角以上の闘いを見せる。

日本のローカルチェーンがモデルとしてベンチマークするのに、
最適、格好の企業なのだ。

この後、第10位にホールフーズマーケットが入る。
年商8032億円

11位はアルディの7457億円

14位には、トレーダージョーが年商6275億円で位置し、
15位にウェグマンズが5150億円で続く。

名だたる企業が、その経営の質だけでなく、
スケールにおいてもベスト20以内に入ってきているのだ。

これが、重要なこと。

店が良ければ、
そして働く人たちのモチベーションが高ければ、
お客様から熱烈に支持され、
ランキングも上がってくる。

すなわち「正義は勝つ」。

なんとフェアな世界だろう。
なんとやりがいのあるビジネスなんだろう。
ランキングと、その推移は、それを私たちに語っている。

さて昨日は朝8時から、
メリッサ・フレミングさんの特別講義。
フレミングさんは、HEBの元上級副社長。

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全米スーパーマーケットに精通している専門家。
その内容は、明日に続く。

<結城義晴>


3 件のコメント

  • 結城先生へ

    昨日も今日も毎日ありがとうございます。

    明日も「USA研修会報告を楽しみにしています!」

  • 米国視察報告のブログをワクワクしながら拝見しています。
    ありがとうございます。

    ブログの写真からは、ホールフーズの生鮮売り場は、消費者の目から見ても思わず買いたくなると思います。
    そこで 思い出したのが各地の「道の駅」の野菜売り場です。
    地産地消の産直や生産者表示など、陳列は素人的ですが(すみません!)
    商品の新鮮さと安全が心に伝わってきます。

    ホールフーズの売り場からは、それ(道の駅)をエクセレトの粋にまで高めて、なおかつ「新鮮・安全・おしいさ」を発信していているように感じました。

  • いまちゃん、藤直之井様。
    励ましのお言葉、感謝します。
    ご返事遅れ、すみません。
    毎日、3時間ほどの睡眠時間で、
    もうくたくた。
    それでも元気です。

    明日、月曜日のブログは、
    「体育の日」元気モリモリ写真シリーズです。
    ご期待ください。

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