結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年06月05日(土曜日)

「お客様のためにいちばん大切なこと」と「お弁当箱とハンカチ」

今日も1日、横浜商人舎オフィス。

狭いながらも
楽しい我が家♬
愛の灯影(ほかげ)の 
さすところ
恋しい家こそ 
私の青空

榎本健一の歌声が蘇る。
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もともとは、
アメリカのポピュラーソング。
「My Blue Heaven」
作曲はウォルター・ドナルドソン。

日本では「私の青空」としてヒットした。
訳詞は堀内敬三。

商人舎の事務所はまったく、
「狭いながらも楽しい我が家」だ。

今日はこの本にお世話になった。IMG_3617 (002)1
「お客様のためにいちばん大切なこと」
2008年4月1日、中経出版から発刊。

この年の2月1日に、
㈱商人舎を設立し、
4月17日に「発足の会」を開催した。
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ご参集の皆さんへのお土産のために、
この本を間に合わせた。

この会には、
大髙善興ヨークベニマル会長も、
参加してくださった。
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そして今年5月19日。
ロピアのつくば店オープンの日。

大髙さんはこの本を持って、
店を巡回。
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ありがとうございます。

月刊商人舎6月号には、
この本からも引用した。
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雑誌には書かなかったが、
単行本の大髙さんから聞いた話。

「大晦日のお弁当箱とハンカチ」

2006年12月31日、大晦日。
東北のスーパーマーケットとして、
日本有数のクォリティとホスピタリティを誇る
ヨークベニマルの、
ある店の社員食堂でのこと。

ちょうどお昼を過ぎた時間帯。
パートタイマーさんが3人、
遅い昼食休憩に入っていた。

ヨークベニマルでは、
8割がたのパートタイマーが、
自分で弁当をこしらえて持ってくるという。
倹約のためだ。

忙しい年末の仕事の中の、
ほっと一息つく瞬間。

突然、
鉄腕アトムのテーマ音楽がかかった。

すると3人のパートさんが、
誰言うとも無く、
静かに自分たちのお弁当箱に
ハンカチをかぶせて、
店に出て行った。

ヨークベニマルでは、
お客さんがレジに並ぶと、
店内に、耳になじんだあの
鉄腕アトムのテーマが流れる。
店員さんたちに知らせるためである。

大晦日だから、当然のことかもしれないが、
昼のピークタイムが終わったにもかかわらず、
このとき鉄腕アトムが鳴り響いたのだ。

パートさんたちは、レジに入るために
昼食を中断したのである。

10分ほどしてから、
彼女たちは帰ってきて、
またハンカチをとって、
昼食の続きをとったというが、
このさりげない姿に、
偶然にもこの店に年末の激励に訪れていた
同社大高善興社長は、
ひどく感動した。
もちろん心から感謝した。

小売業の店に、お客は、
毎日のようにやってくる。
もちろん商品が確かだから、
この店にやってくるのだろう。
良い品が安いから、
やってくるのかもしれない。

しかし、こんなパートタイマーさんが
レジで迎えてくれるからこそ、
この店が好きだと思ってくれる顧客は多い。

ヨークベニマルの高い支持率は、
こういった全従業員の
日常の行動に支えられている。

私は、
「お弁当箱にハンカチをかぶせて、
店に出て行くパートさん」の姿を、
想像するだけで、
心がジンとしてくる。

私も心から、感謝――。

狭いながらも
楽しい我が家♬
愛の灯影(ほかげ)の 
さすところ
恋しい家こそ 
私の青空♬

月刊商人舎6月号、
責了しました。

今日もいい日だった。

〈結城義晴〉

2021年06月04日(金曜日)

雑誌編集の「台割変更」と筑紫哲也の「太陽と北風」

今日は日本列島全域で雨。IMG_E35961

しかし雨が降ると、
目に見えて草木が元気になる。IMG_E35971

今日も横浜商人舎オフィス。
その裏の遊歩道。
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午後から夕方にかけて、
雨が激しくなった。
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みなとみらいのランドマークタワーも、
雨に煙って見えない。
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1日中、原稿執筆。
いつものことだが台割(だいわり)を変更。

「台割」は雑誌や単行本や冊子の設計図だ。
どのページにどんな記事を載せるか、
どんな論文を割つけるか。
その設計図だ。

16ページを「1台」と呼ぶ。
A全版やB全版の1枚の紙を折っていって、
16ページにする。

単行本などは32ページにする場合もある。

その1枚を1台の印刷機に乗せて印刷する。
だから「台割」と呼ぶようになった。
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より良い売り方を見つけるために、
売場レイアウトや棚割を変更するのと同じ。

初めに決まったことを、
そのまま決まったようにはやらない。
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最近の単行本執筆でさえも、
最終段階で重要な3つの章をカットした。

1977年の4月から、
月刊雑誌の仕事を始めた。

それ以来、44年間。
ずっと変わらない。

台割はより良いものを求めて、
常に変化させる。

刻々と変わる。

良い原稿、そうでもない原稿、
よろしくない原稿。

良くない原稿は書き直してもらう。
あるいは編集長権限で書き直す。
さもなくばボツにする。

最初は緒方知行編集長のもとで、
徹底してこの考え方を叩きこまれた。
「販売革新」という流通革命を追う雑誌だった。

新入社員からはじまって、
一番下っ端の編集者だった。

次は高橋栄松編集長のもと、
少しずつ認められて、
自分の担当する特集は、
いつも台割変更をした。

さらに今西武編集長から乞われて、
「食品商業」編集部に異動した。
このころは任せられたから、
思う存分にやった。

みんな故人になってしまった。

最後は小島稔編集長のもと、
副編集長のようなポジションで、
この考え方を徹底した。

小島さんとは、よくぶつかった。
それでも必ずより良いものを求めた。

一度も妥協したことはない。

これは結城義晴の矜持(きょうじ)である。

1989年にその食品商業誌の編集長になった。
それ以降32年間、誰にも干渉されずに、
それを貫徹してきた。

今日もそうして、
「商人舎」の台割を変更し、
原稿を書き、編集した。

いつまで続けられるかわからない。
それでもやれるところまでは、やる。

さて北海道新聞の巻頭コラム。
6月2日の「卓上四季」

インタビュアーの類型は二つに分かれる。
イソップ寓話の北風と太陽である。
ジャーナリストの故筑紫哲也さんの説。
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「容赦のない厳しい追及で事実を暴くか。
柔和な関係を築いて心を開かせるか」

「取材の場合、寓話と違い、
どちらも正解となりうる」

名優アンソニー・ホプキンスさんが、
2001年に来日した。

「出演料などシビアな質問をした番組では
ぶぜんとした表情で話も弾まず、
人物像に的を絞った取材では
相好を崩して己を語った」

筑紫さん。
「どちらも本人にちがいなく、
対照的な姿を提示できることが
いろいろな番組が存在することの
意味だと思う」

そこで女子テニスの大坂なおみさん。
全仏オープンを棄権した。

「心の健康を守れない」として、
試合後の記者会見を拒んだ。

それが波紋を広げ、
他の選手らに迷惑をかけたくないと、
棄権を決断した。

2018年全米オープンで初優勝。
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以来、長く鬱状態を繰り返した。

「身につけるヘッドホンは
社交不安症の自分を守るすべだった」

筑紫さんは政治部出身の記者だった。
狭い政官界で関係を築かねばならない。

だから「勢い”太陽型”になりやすい」と述懐する。
私も「太陽型」だ。

そして筑紫さん。
「絶対の真理や正義など滅多にない」

同感。

卓上四季のコラムニスト。
「世界の頂点に立ち、人権問題でも
積極的に発言するプロテニス選手も
傷つきやすい心を持つ23歳だった。
そのことに気づかされた
インタビューを巡る攻防である」

絶対の真理や正義などめったにない。
だから台割も売場レイアウトも棚割も、
いつも少しでもより良いものに、
変更しなければならないのだ。

〈結城義晴〉

2021年06月03日(木曜日)

リスクマネジメントの本質と「FORTUNE500」の3つの中核産業

今日も商人舎オフィス。
スタッフはテレワークや随時休業。
私は連日出社して、
原稿執筆と月刊商人舎6月号の入稿。

ランチで横浜市西区北幸の街に出ると、
あちこちに彫刻が設置されている。
彫刻通りとも呼ばれる。

横浜駅西口の天理ビルを背景にして、
銀の球が二つ。
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タテ280cm、ヨコ260cm、奥行き150cm。
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高橋秀(しゅう)倉敷芸術科学大学名誉教授作、
ステンレス製の造形作品「上昇」。
1992年の制作。
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そばの手すりには雀の彫刻。IMG_35601

世界も国家も、
産業も企業も個人も、
COVID-19禍から抜け出して、
「上昇」の気流に乗りたい。IMG_35611

リスクマネジメントを一言で表現すると、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

最良だと思える策でも、
危険度が高ければ退けて、
リスクが少ない次善の策を選択する。
そしてそれに最善を尽くす。

最悪を覚悟するけれど、
危険を察知したならば、
潔くそれを取り下げて、
第二、第三の策に全力を尽くす。

リスクを伴う最良の策だけを、
選び続ける態度は絶対に、
避けなければならない。

実際に日々、
売場をつくって商売をしたり、
雑誌を作ったりして仕事をしていると、
よくわかることだ。

最良の作戦と思われても、
リスクが大きいときには、
次善の策を用意しておく。

ゴルフなどに当てはめると、
私にはすぐにわかる。

野球もサッカーも、
どんなスポーツでも、
ある程度、技術や戦術を習得すれば、
最悪を覚悟して最善を尽くすことは、
よくわかる。

しかし首相となって、
新型コロナウイルス対策と、
経済の活性化や五輪の開催などとを、
天秤にかける段になると、
突然、見えなくなって、
コロナリスクが大きなことは、
瞭然としているのに、
あくまで頑固に最良の策を言い続け、
実行しようとする。

コロナ対策と命への対策こそ、
最善の経済対策である。

それが見えなくなってくる。

さて商人舎流通スーパーニュース。

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2021年版Fortune500/ウォルマート首位、アマゾン猛追

2021年版の「Fortune500」が発表された。
べての産業を網羅した米国内企業ランキング。
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COVID-19禍「キャズム」期のランキング。

劇的な順位変動。
大きく伸びたのがデジタルやIT関連企業。
在宅ワーク関連のサービスやeコマース、
電子マネーサービスを提供する企業。

もちろん小売業は大躍進した。

一方で、大苦戦したのが、
旅行や交通関連の企業。
航空業界は2020年度の損失総額が310億ドル。
ホテル業界でも主要企業が500社から落ちた。

そのベスト10企業。
1位 Walmart
2位 Amazon
3位 Apple
4位 CVS Health
5位 UnitedHealth Group
6位 Berkshire Hathaway
7位 McKesson
8位 AmerisourceBergen
9位 Alphabet
10位  Exxon Mobil

米国第1位企業は、
ウォルマート。
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これはすなわち世界最大企業でもある。
9年連続トップ企業となった。

売上高は5590億ドル、
1ドル100円換算で55兆9000億円。
約7%の伸長。
EC売上げは79%増加。

2位に入ったのが、
2年連続でアマゾン。
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売上高は3860億ドル(38兆6000億円)で、
38%の増加。

この勢いならば2年で、
ウォルマートを抜いてしまう。

オンライン販売とオンラインサービスは絶好調。

3位はアップル。
スティーブ・ジョブズが創業したIT巨人。
昨年の4位から1つランクアップ。

売上高2750億ドル(27兆5000億円)。
純利益は3年連続で500億ドルを超えた。

最も利益の多き企業だ。

そして4位はCVSヘルス。
もちろん全米第1のドラッグストア。
こちらも昨年の5位から1ランクアップ。

新型コロナワクチン接種と、
公衆衛生の最前線に存在する。

5位はユナイテッドヘルス。
ヘルスケアや医療保険を提供する企業。

6位はバークシャー・ハサウェイ。
ウォーレン・バフェット率いる投資会社。

7位マッケソン、
8位アメリソースバーゲン。
両者ともに医薬品卸企業。

9位のアルファベットは、
グーグルの運営会社。

そして10位が、
石油会社のエクソン・モービル。

ベスト10上位に小売業。
ウォルマート、アマゾン、CVSヘルス。

IT巨人のGAFAから3社。
アマゾン、アップル、グーグル。

そして医薬品・医療関係が4社。
CVSヘルス、ユナイテッドヘルス、
マッケソン、アメリソースバーゲン。

アメリカの中核産業には今、
3つの本流がある。
⑴小売業
⑵健康産業
⑶IT産業

⑴の小売業は以下、
14位 Costco Wholesale
17位 Walgreens Boots Alliance
20位 Kroger
27位 Home Depot
39位 Target
42位 Lowe’s
52位 Albertsons
74位 Best Buy
85位 TJX
91位 Publix Super Markets

小売業と健康産業は、
ITの巨人たちに負けていない。

小売業兼IT産業は、
ウォルマートとアマゾンである。

ん~、こんな記事を書いていると、
アメリカに行きたくなる。
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この秋か。
来年早々には絶対に行ける。IMG_92438_
そう信じている。

〈結城義晴〉

2021年06月02日(水曜日)

横浜開港記念日の花火と日本人の「分けてもらう役割好み」

6月2日。
横浜開港記念日。

新型コロナワクチン。
1回以上接種した国民は、
1000万人を超えた。

医療従事者が465万3566人、
65歳以上の高齢者が573万4023人。
合計で1038万7589人。

6月21日からは、
12~64歳の国民への接種が始まる。

国際的に見れば、
少しは遅れを取り戻したか。

私も6月6日に接種が決まっている。

今日はいい天気。
横浜商人舎オフィス裏の遊歩道。IMG_35641

緑が生き生きとしている。
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一日中、オフィスで原稿書きと入稿。
月刊商人舎6月号の締め切りが迫る。

夕方の7時を過ぎて、
「ドン、ドン」と音がする。

オフィスビルの10階に上がってみると、
横浜港の方から花火が打ち上げられている。
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ビル群の合間から、
それが見える。
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「ああ、今日は、開港記念日だ」
やっとそれに気がついた。IMG_35771

意外に近くに見える。
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しかし密を避けねばならない今、
遠くから見るのが今年の花火だろう。IMG_35891

8時きっかりに盛大に打ちあがって、
これが最後かと思った。
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やはり、これで「キャズム」の花火は終わった。IMG_35941
それでも開港記念日の花火。
見ることができて満足だ。

ちょうど一年前の今日、
横浜市特別定額給付金の封筒が届いた。DSCN9550001-448x257
昨年4月28日の国会衆議院予算委員会で、
当時の安倍晋三首相が表明した。
全国民への一律現金10万円支給。

令和2年度補正予算で計上された事業費は、
12兆8802億9300万円だった。
給付事業費が12兆7344億1400万円で、
事務費が1458億7900万円。

国家予算一般会計の12%強。

私は書いている。
「生活に困窮している人たちに、
半分くらいは素早く給付して、
残った予算をPCR検査などに、
投資したらいいとは思う」

国産ワクチンの開発にも、
惜しみなく投資したらよかった。

超低金利は去年も同じ。
普通預金で年率0.01%など、
預金者にメリットは全くない。

それでも将来が不安であるから、
預金に回したり、
箪笥預金にしたり。

これが日本国民のジレンマであり、
アベノミクスの矛盾だった。

菅義偉政権もその矛盾を認めるからこそ、
今年、特別定額給付金は支給されない。

今年も配れ、というのではない。

昨年もそれはわかっていたのに、
アベノマスクにしろ、
10万円支給にしろ、
人気取りのためにやってしまった。
〈アベノマスク〉
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日経新聞「大機小機」
タイトルは、
「コロナ禍が示す国民の行動様式」
コラムニストは一直さん。

2021年1~3月期の実質国内総生産(GDP)。
成長率は年率換算でマイナス5.1%。
米国の6.4%とは対照的である。

昨年1年間の成長率も、
日本がマイナス4.7%、
米国はマイナス3.5%。

日本の落ち込みが激しかった。

国際通貨基金(IMF)の4月の世界経済見通し。
日本の成長率は3.3%、米国は6.4%。

日本経済の復元力は弱い。

半面、新型コロナによる死亡者数は、
日本は4月末に1万人を超えた。
しかし米国は足元で59万人、
イタリアやフランスは10万人以上。

「日本は人的被害に比べて、
経済的損失があまりにも大きい」

原因は何か。

コラムニストの推測。

「基本的にはリスク回避的な日本人の
行動特性から説明できるのではないか」

行動経済学や社会心理学の分野に、
面白い実験がある。
「独裁者ゲーム」

「2人でペアを組み、
そのペアは主催者からお金をもらう。
1人はお金を”分ける”役割、
もう1人は”分けてもらう”役割を分担する」

故山岸俊男北海道大学名誉教授。
2018年に70歳で亡くなった社会心理学者。
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日本人の性向を分析するが、
「分けてもらう」役を選ぶ人が多いという。

分けることには責任が伴う。
日本人はそれを嫌う傾向が強い。

「自立心をもって
自己責任で行動することが苦手で、
用心深く自己防衛的」

「最初の緊急事態宣言が出た昨年4月以降、
欧米のロックダウン(都市封鎖)のような
強制措置がなくても
日本国民は町から姿を消した」

他国に比べて人的被害が少ないのに
経済的損失が大きい理由は、
「ここにあるような気がする」

「広く社会的、公共的な課題より
目先の自分の問題に目が行き、
長期的で戦略的な発想に乏しい」

困ったことだ。

「新型コロナワクチンの開発の遅れや
接種体制の不備の根本原因は
ここにあるのではないか」

政治ばかりの責任ではない、と、
コラムニストは暗に言っている。

「今回のコロナ禍は、
政策決定や長期戦略に向けた
企画立案のありかたを考えるには、
日本人の行動原理への理解が
不可欠であることを教えてくれている」

日本人のポイント好きにも、
それは表れている。

行動原理や統計心理学。
鈴木敏文さんが言い続けたこと。
セブン&アイ・ホールディングス前会長。
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ニューノーマルや新常態といっても、
日本人全体の行動原理が、
社会的・公共的でなく、
長期的・戦略的でないとしたら、
それを商売に適応させることも、
ある程度は必要だ。

ただし経営者やリーダーは、
この日本人の行動傾向から離れたところに、
自分を置かねばならない。

そしてそれができる限り、
競争優位に立てるということになる。

〈結城義晴〉

2021年06月01日(火曜日)

6月1日衣替えと「きつく まとまり そなえる」

今日から6月。
6月1日は夏物への衣替え。
10月1日は冬物への衣替え。

風まとひゆける身軽さ更衣
〈稲畑汀子〉

稲畑汀子は高濱虚子の孫娘。
風をまとってゆくのが気持ちいい。

更衣年輪人をつくりけり
〈鈴木真砂女〉

樹木が年輪を刻むように、
衣替えをするたびに人がつくられていく。

今日から9都道府県で、
緊急事態宣言の延長。
5月23日適用開始の沖縄県と合わせて、
10都道府県が20日まで緊急事態となる。

これに伴って、
対象地域の東京や大阪では、
営業制限が緩和される。

東京と大阪は、
1000㎡超の百貨店やSCに対して、
平日午後8時まで全館営業が認められた。
休日は引き続いて、
生活必需品売場を除いて休業が求められる。

日経新聞が報じた。
三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店をはじめ、
都内の4店舗で平日全館通常営業に戻す。

4月24日以来、38日ぶり。

ただし、土日曜は、
「生活必需品」売場だけ営業し、
宝飾やアクセサリー、美術などは休業。

高島屋、J・フロントリテイリング、
そごう・西武、近鉄百貨店なども、
平日の全館営業を再開。

これらも土日曜の密になりやすい日は、
各社ごとに生活必需品売場だけ営業する。

企業ごとに高級ブランド品は、
対応が分かれた。

三越伊勢丹は事前予約制で、
土日用の高級ブランド売場を再開。
そごう・西武や松屋は、
土日の高級ブランド売場は休業。

よくわからないが、
なぜ足並みを揃えないのだろうか。

イオンも緊急事態宣言の対象地域で、
営業体制を見直す。

大阪府のイオンモールなどでは、
平日は専門店も含めて全面的に営業再開。
土日休日は一部テナントを除いて休業。

それでもほっと一息だろう。

ソーシャルディスタンシングをはじめ、
マスク、手洗い、消毒、非接触に関しては、
もう十分に習慣化されている。

日本の小売業・サービス業、
見事なほどだ。

しかし慣れと緩みは怖い。
それを避けたい。

徹底とは、
詳細に、厳密に、
継続すること。

こまかく・きびしく・しつこく。

さて昨日の日経新聞「核心」
論説フェローの 芹川洋一さん。
BSテレ東「NIKKEI日曜サロン」キャスター。
なぜコロナに敗れたのか」
NIKKEI 日曜サロンホームページより〉
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政治学者の丸山真男を引用。
「歴史意識の『古層』」という論考から、
「つぎつぎに なりゆく いきほひ」――。

これに倣って、
COVID-19への日本の対応をまとめる。
「ゆるく ばらばら のんき」――。

「日本という国家の劣化」を表している。
1945年の敗戦、
90年代の経済敗戦、
そして3度目のコロナ敗戦。

第一の「緩い」は、
制度。

まず法体系が緩い。

「欧州型は厳しい人権の制約がある。
同時に厳しい統制もある。
日本は個人への規制も行政への統制も
緩やかだ」

「憲法には
私権を制限する緊急事態条項がない。
改正後のコロナ対策の特別措置法も
強い罰則はない」

「個人をしばるのは
空気という無言の同調圧力である。
法律しばりではなく世間しばりだ」
この指摘は的確だ。

次に行政の対応も緩い。
「ワクチン接種予約の受け付けでも
差をつければよいものを、
それはしない」

「平等にやろうとして
電話回線がパンクして、
混乱を助長する」

第二の「ばらばら」は、
運用の問題。

90年代からの政治改革と
省庁再編・内閣機能の強化をつうじて、
政府と自民党による二元体制をあらため、
首相官邸に権力を集中するかたちを整えた。
しかしコロナの対応では、
やはりうまく回らない。

「一義的には
厚労省の対応のまずさによるものだが、
官邸が全体と流れをつかんで
チームとしてまとまって
手を打つことができないでいる」

国と地方の関係もギクシャクしどおしだ。

第三の「呑気(のんき)」は、
人の問題。

「政治家の危機意識の欠如」

「特措法の改正などにしても
国会がなかなか動かなかった。
安倍内閣で安保法制をまとめ
防衛上の危機への備えは一応進めたものの、
感染症にはまったく備えがなかった」

「準備がないから対応は
どうしても場当たり的になる。
最悪の状態を想定し
そこから危機をいかに最小化し
管理していくかに失敗する」

これはリスクマネジメントの欠如である。

芹川さんは前向きにとらえる。
そこで「ゆるく ばらばら のんき」に対して、
対義語を考える。

「きつく まとまり そなえる」――。

結城義晴の「徹底」にちょっと似ている。

私権の制限をある程度認める、
法体系に改めるのが第一。

リーダーシップとチームワークで、
一元的な権力の運用を徹底するのが第二。

第三は危機意識をもった
リスクコミュニケーション能力の高い
政治指導者を養成していく。

いずれもすぐには無理だ。

しかし、
「われわれには
国家の危機を乗りこえた歴史がある。
明治維新だ」

「コロナは時間を早める」にも、
第四章・第五章で、
同じ趣旨のことを書いた。
コロナ本

「重要な判断基準は……
日本にとってもっとも重要な問題に、
もっとも優れた人材が、
意思と能力のある人の衆知を集めて、
手続き論や世論の支持は二の次にして、
取り組んでいるかどうか、
ということである」

現状はそうではない。

「とすれば明治維新のように、
力量は未知数であっても
一気に世代交代をして、
しがらみのない若いひとたちに
国の将来をゆだねる」

同感だ。

国も産業も企業も、
今年の商人舎標語。
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「若返れ!」

「時代と時代の節目のとき。
“断絶”を乗り切る武器は若い力である。
若さによってしか、
“時代の溝”は凌げない。
だから組織は若返るべきだ」

これしかない。

河野太郎だって、
もうギリギリの若さだ。
時間はない。

「風まとひゆける身軽さ」
これは衣替えのように若返ることである。

〈結城義晴〉

2021年05月31日(月曜日)

幸運なことが二つ「コロナワクチン接種予約」と「新著三刷」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㉒]
2021年第22週。
5月最終週で、
明日からもう6月だ。

しかし夏の祭りの中止が、
相次いで決定されている。
日経新聞が報じた。

さみしいことだ。

日本三大祭りのひとつ「京都・祇園祭」
7月の山鉾(やまほこ)巡行を中止する。
昨年に続いて2年連続。
〈公益財団法人祇園祭山鉾連合会公式サイトより〉
05

毎年6月開催の「金沢百万石まつり」も、
2年連続ですべての行事を取りやめる。

福岡の「博多祇園山笠」は、
私の故郷の夏の祭りだが、
「舁(か)き山」の実施を22年夏に延期する。
鑑賞用の「飾り山笠」は、
市内各地に設置されるものの、
男衆が担いで疾走する舁き山は延期。
〈博多祇園山笠公式サイトより〉
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高知の「よさこい祭り」も、
「秋田竿燈まつり」も中止。

こうなると町内・村内の小さな祭りも、
開催しにくくなるのかもしれない。

経済的な損失も大きいし、
商業への打撃も相当なものとなる。
人々の意識も落ち込む。

それでも東京五輪は、
灰色のまま進んでいる。

9都道府県の緊急事態宣言は、
6月20日まで延期される。
北海道・東京・愛知・大阪・兵庫・京都、
そして岡山・広島・福岡。

この9道府県とともに、
沖縄でも来月20日まで緊急事態宣言下が続く。

まん延防止等重点措置は、
神奈川・千葉・埼玉と岐阜・三重。
これも6月20日まで延長される。

これからの20日間が、
祭りだけでなく、
五輪開催の白黒をつける日々だ。

いつまでも灰色でいることはできない。

唯一の希望はCOVID-19ワクチンである。

しかし大規模接種の東京会場は、
予約の空きが全体の3割強にのぼる。
5月31日の今日から6月6日までの接種分、
用意された7万人分のうち、
予約済みは4万7000人分だった。
〈防衛省・自衛隊ホームページより:以下同じ〉
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そこで私もこの週末に、
パソコンでネット予約を試みた。
社会人の娘が予約を後押ししてくれた。

そうしたら本当に偶然なのだろうが、
インターネットで5分も待たずに、
予約が取れてしまった。

東京・大手町の大規模接種センターは、
自衛隊によるワクチン接種である。
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東京23区の高齢者から始まって、
東京都全域へと順番に受け付けられた。
それでも予約は予定通りに進まず、
神奈川・千葉・埼玉に広げられた。

大手町は東京の中心部だが、
高齢者がここまでやってくることは、
なかなか骨が折れるのだろう。

横浜在住の私は毎月、
大手町プレイス内科で、
血液検査と診察を受けている。

アクセスも比較的便利で、
6月6日に接種することとなった。

ありがたいことだ。
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5月18日のブログで書いた。
渋滞学の権威・西成活裕東京大学教授の分析。
渋滞を軽減するためには、
「譲り合い」が必須である。
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同感だ。

だから私は考えていた。
それほど急ぐこともない。
慌てることもない。

だが、空きが3割となると、
今度はそれを埋めることも、
全体最適に貢献する。

ということで、
自衛隊のモデルナ接種が決まった。

正直なところほっとした。
68歳なりに万全の態勢を整えて、
それでも仕事であちこち動き回った。

ワクチン接種は、
人に迷惑をかける確率も軽減する。

ありがたいことだ。
感謝を忘れてはならない。

ワクチンの効果は4つ考えられる。

①発症予防の効果
感染しても症状が出ることを抑える。
新型コロナウイルスならば、
新型肺炎の症状が出るのを抑える。

②重症化予防の効果
症状が出ても重症にならないようにする。
現実的にはこの効果がいま、
一番期待される。

これら①②は個人の問題だ。

③感染予防の効果
感染そのものを防ぐ効果だ。
これは実証がなかなか難しいが、
感染しても発症しない人が多くいるから、
ワクチンの感染予防効果も、
ある程度考えられる。

臨床試験で調査もされている。
ワクチンを接種した人のグループと、
偽薬を投与した人のグループで、
発症した人の数を比較して、
発生予防効果を測定する。

そこでわかってきたのは、
感染予防効果もある程度見込めることだ。

④集団免疫の効果
多くの人がワクチンの接種をして、
多くの人がウイルスへの抗体を持つことで、
社会全体が守られる効果。

集団免疫は様々なもので解説されている。
山本太郎著『感染症と文明』がいい。
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国や地域などの集団の中で、
ほとんどの人が免疫を持つことで、
一部の人が免疫を持っていなくても、
感染が広がらない状態になる。

免疫を広げるための手段がワクチン接種である。

WHO(世界保健機関)は、
集団免疫の状態となる条件に関して、
人口の7割以上を基準にしている。

イスラエルは世界で最も早いペースで、
ワクチン接種が進んでいる。

そのイスラエルで効果を調べた論文では、
2回目の投与を受けたあと7日目以降では、
発症を予防する効果が94%、
重症化を防ぐ効果が92%だった。
無症状者を含む感染予防効果も92%だった。

集団免疫までは、
まだまだ時間が必要だが、
感染予防効果は心強い。

それから今日、
もう一つうれしいニュース。
結城義晴著「コロナは時間を早める」
第三刷が決定しました。
コロナ本

刷り上がりの予定は、
6月17日。

これで4月17日の初版一刷、
5月17日の二刷、
6月17日の三刷。

ありがたいことだ。

月曜日から感謝、感謝。

では、みなさん、今週も、
「ありがたい、ありがたい」で、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年05月30日(日曜日)

ワクチン開発の歴史物語とワクチンの知識

「ワクチン」は、
ルイ・パスツールが命名した言葉だ。

パスツールは「近代細菌学の開祖」とされ、
ワクチンの予防接種方法を開発した。
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低温殺菌法もパスツールの開発。
だからパスチャライゼーション(Pasteurisation)という。

私たちはワクチンでも、食品に関しても、
パスツールに感謝しなければならない。

しかしそのパスツールは、
エドワード・ジェンナーの功績を評価して、
ラテン語の雌牛を意味する”vaca”から、
“vaccine”という言葉をつくった。

ジェンナーは、
産業革命が進む1749年に生まれた。
そして医者になった。

そのころは天然痘が流行していた。
ジェンナーは独自の研究と人体への実験で、
「牛痘の原因と効果の調査」という報告を書いた。
このなかで天然痘の予防法が示された。

家畜の牛にも「牛痘」という病気があった。
人間の天然痘によく似た症状を示した。
そして乳搾りをする人に牛痘が感染した。

ジェンナーの生まれ故郷には、
言い伝えがあった。
「牛痘に感染すると二度はかからない。
そのうえ天然痘にもかかりにくい」

言い伝えではあったが、
科学者の態度でジェンナーは、
これを検証しようと考えた。
そこで8歳の少年で人体実験を行った。

実験は成功して、牛痘を接種した少年は、
人間の天然痘にかからなくなった。
人類初のワクチンの発見であった。

それから約200年後の1980年、
天然痘は根絶された。
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手塚治虫の「陽だまりの樹」には、
大阪の関塾の緒方洪庵が、
人々の偏見や反対を押し切って、
牛痘を接種する話が出てくる。
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私たちはジェンナーにも洪庵にも、
そして手塚治虫にも、
感謝しなければならない。

ワクチンの発明と普及は、
2021年のコロナ禍で、
唯一と言っていい救世の手立てだ。
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そのワクチンは今のところ、
3つに分類される。

第1が、
実際のウイルスを使ったワクチン。

ジェンナーや洪庵と同じものだ。

⑴生ワクチン
実際のウイルスや細菌の中から、
毒性の弱いものを選んで増やす。
そして毒性の弱いウイルスそのものを
体内に入れることで免疫が働き、
ウイルスを攻撃する抗体などを作り出す。

はしかや風疹などに使われている。

⑵不活化ワクチン
実際のウイルスをホルマリンで加工するなどして、
毒性をなくしたものを投与するワクチン。

季節性インフルエンザワクチンがこれだ。
これも実際のウイルスを使ったワクチンである。

第2は、
「スパイクたんぱく質」ワクチン。

ウイルスそのものは使わず、
「スパイクたんぱく質」を、
人工的に合成したものを投与する。

「スパイクたんぱく質」は、
ウイルスの表面に出ている突起で、
ウイルスを攻撃する抗体の目印となる。
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それを人工的に作って投与することで、
人に備わっている免疫の働きが活性化され、
抗体が作り出される。

⑶VLPワクチン
ウイルス様粒子(virus like particle:VLP)を、
ベースとして開発されたワクチン。
VLPは動物や細菌、昆虫、酵母や植物など、
さまざまな種類の細胞で製造する。

⑷組み換えたんぱく質ワクチン
遺伝子組み換え技術を使って、
人工的にたんぱく質を作って投与する。

新型コロナウイルスでは、
日本の塩野義製薬が開発を進めている。

第3が、遺伝子ワクチン。
これは人工的に合成した、
ウイルス遺伝子を使うワクチン。

⑸mRNAワクチン
COVID-19に対して、
世界で初めて実用化された。

スパイクたんぱく質を作るための
遺伝情報を伝達する物質「mRNA」を使う。

人工的に遺伝子を作って、
注射で投与することで、
体の中でスパイクたんぱく質が作られ、
それに免疫が反応して抗体が作られる。

米国のファイザーやモデルナのワクチン。
日本でも第一三共が開発中だ。

⑹DNAワクチン
DNAを人工的に作り出して、
ワクチンとする。

投与されたDNAは、
体内の細胞の中で核に入り込んで、
これもmRNAをつくる。
それによってスパイクたんぱく質が作られる。

⑺ウイルスベクターワクチン
ウイルスのスパイクたんぱく質を作る遺伝子を、
無害な別のウイルスに組み込んで、
そのウイルスごと投与するワクチン。

「ベクター(vector)」は媒介するもの。

無害なウイルスがベクターとなって、
細胞に感染して、
スパイクたんぱく質をつくり、
抗体ができる。

英国アストラゼネカのワクチンがこれだ。
ジョンソン&ジョンソンのワクチン、
ロシアの「スプートニクV」もこのタイプ。

日本では⑸のmRNAワクチンが使われている。
私の新著『コロナは時間を早める』では、
第七章でこの話を取り上げている。
コロナ本
〈お願いします。読んでみてください〉

もともと癌治療薬として開発されていたのが、
ビオンテックの「mRNA」技術だった。

それがCOVID-19に転用され、
奇跡的なスピードで実用化に至った。

私たちはこの開発に携わったトルコ人、
ウグル・サヒンとオズレム・トゥレシに、
感謝しなければならない。

遅ればせながら日本でも、
ワクチン接種が進む。

私はこのとき、
心から感謝したいと思う。

パスツールにジェンナーに、
緒方洪庵に手塚治虫に、
サヒンやトゥレシに。

〈結城義晴〉

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