第1回商人舎バイヤーセミナー[S]獲得者と「人の寿命/制度の寿命」

Everyone, Good Monday!
[2025vol㊸]
2025年第44週。
10月第5週、
週末の土曜日から11月。
あと2カ月。
今日、ドナルド・トランプ米国大統領来日。
4回目の来訪で、大統領としては初来日。
無理難題を押しつける、
傍若無人な男だが、
天皇陛下と並ぶと静かだ。

終戦直後、ダグラス・マッカーサーが、
昭和天皇と並んだ写真をちょっと思い出した。
さて、商人舎からの発表。
第1回商人舎バイヤーセミナーは、
9月24日・25日の1泊2日で開催された。
会場は東京都中央区の「L stay&grow晴海」。
2日目の朝、理解度判定テストを行い、
セミナー終了後に課題レポートを提出してもらった。

テストは40%、レポートは60%の比率で、
総合的に判断してSABCDの5段階評価をした。
商人舎ミドルマネジメント研修会と同じだ。
15社からの参加があって、
S級獲得者は5名。
ほんとうにおめでとう。
記念すべき第1回の受賞です。
あいうえお順で紹介しよう。
内村浩佑さん
モランボン㈱営業プロモーション室課長

小山基樹さん
㈱テスク カスタマーサクセス部シニアコンサルティングセールス

中野智之さん
㈱OICグループ人事総務本部人材開発部 教育担当ネジャー

能勢拓馬さん
㈱大創産業商品本部係長

藤本健太さん
㈱平和堂衣住事業部インナーウェア課チーフバイヤー

参加者全員に修了証が贈られる。
このバイヤーセミナーでは、
とてもいいレポートが多かった。
テストの失敗をレポートで取り戻して、
A級やB級を獲得した受講者も少なくなかった。
私も事務局もそれは、
とてもうれしいことだった。
S級だけでなく、A級もB級も、
仕事に活かしてください。
成果を上げてください。
いま、トランプ関税の時代、
バイヤーの仕事こそが、
チェーンストアの社会貢献に直結している。
バイヤーだから、
具体的な商品開発の提案もあった。
バイヤーやマーチャンダイザーとして、
初めて教わった内容だった。
そんな感想もレポートに書かれていた。
バイヤーへの教育は意外なほどに少ない。
それに肝心かなめの基礎原理やノウハウが、
それほど丁寧に教授されていない。
経験主義だけで論理性にも欠けている。
そんなこともわかった。
開催してよかったと思う。
ご参加、ご派遣、
ありがとうございました。
来年の前半くらいに、
さらに内容を吟味し精査し、
少し装いを改めて、
開催したいと考えている。
ご期待ください。
今日は1日中、横浜商人舎オフィス。
珍しく一番最初に出社して、
空気を入れ替えて、
お茶を飲む。
週の初めのランチは決まっている。
秋らしい、いい天気だ。
気分は爽快。
日経新聞夕刊の「プロムナード」
慶應義塾大学商学部准教授の岩尾俊兵さん。
若い経営学者だがとてもいい。
いつも読んでいる。

「人の寿命、制度の寿命」
「人に寿命があるように、
制度にも寿命がある」
岩尾さんが言う「制度」とは、
「人間社会の行動プログラム」のこと。
「私有財産制も、資本主義も、会社も、
少し身近なところだと人事評価手法も、
大小さまざまだが全部制度だ」
「制度が時代遅れになったとき、
制度の寿命が尽きたと表現できる」
「人間の歴史は、
人間の身体寿命と社会の制度寿命の
どちらが長いかによって、
何度も大転換を経験してきた」
実に面白い視点だ。
「現代社会は技術革新の連続によって
複雑性と不確実性が高まった時代だ。
だから、制度はすぐに、
時代遅れになってしまう」
「技術革新という外的要因によって、
現代社会の諸制度の寿命は
短くなってきているわけだ」
だからこそ、現代では、
安泰に見えた巨大企業が
あっという間に衰退してしまう。
アメリカのシアーズやアルバートソン。
「一方で、現代の人間の身体的寿命は
医療の進歩によって延び続けている」
[現代社会]は、
身体寿命が制度寿命より長い時代だ。
「身体が制度より長生きする時代には、
個々人は異なる制度を自在に
移行していかなければ生きていけない」
ひとつの会社に頼りきったり、
ひとつの資格にすがったりするのは、
生きているうちに会社や資格そのものが
消えるかもしれないためリスクが高い。
[戦後の高度経済成長期]は、
制度寿命が延びていった時代だった。
「戦後の復興の中で政治から経済まで
様々な制度に改善が加えられていったし、
国際政治も良くも悪くも
超大国によって均衡が生まれていたし、
米国に追いつけ追い越せで目標も明確だった」
「その頃の身体寿命は、
制度ほどの改善はされなかった」
「だから長寿企業が数多く生まれたし、
国内政治も55年体制等に代表されるように、
比較的安定していった」
[幕末から明治維新の時代]
日本古来のあらゆる制度が、
破壊されていった時期だ。
そのさらに前の[江戸時代]
制度寿命が身体寿命よりも長い社会だった。
徳川幕府は戦国時代の動乱に凝りていた。
だから鎖国によって変化を少なくすることで
制度の寿命を伸長させた。
「人間よりも制度が長く生きる時代は、
不安が少なくなる一方で、
同じ制度が続くのだから
発展は起きづらいだろう」
「反対に制度よりも人間が長く生きる時代は、
逆転の機会も多い一方で、
常に不安が付きまとう」
「ひとつの制度の下で成功したと思っても、
それがそう長くは持続しないと
予期されるからだ」
制度がすぐに時代遅れになり、
人間の寿命が長い今。
トランプ関税もそれだ。
だからS級やA級にすがってはいけない。
不安はあるかもしれないが、
学んだ中身と実力が生きてくる時代だ。
では、みなさん、今週も、
自分を信じよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉

































