結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年05月17日(月曜日)

外食ビッグ3の三者三様政策と「むずかしいからおもしろい」

[お知らせとお詫び]

先週末から、この商人舎ホームページは、
サーバー移行と若干のリニューアルをしました。
その際、一部、アクセスできなくなるという不具合が生じました。
読者のみなさん、投稿しようという皆さんにご迷惑おかけしました。  

心より、お詫びいたします。

Everybody! Good Monday!  [vol20]

2010年第20週、5月第4週。

先週商業経営問題研究会で、
キングストアの臼井旬さんが5月の販促計画書を見せてくれた。

その計画書の今週版は「第20週」となっていた。

私は少し嬉しかった。

私の提案する「ウィークリーとクオーターをベースにしたマネジメントサイクル」を、
臼井さんが採用してくれていたからだ。

「ウィークリーは週間」
「クオーターは四半期」

マンスリーの月間は、やがて、
その中間的・過渡的なサイクルとして活用されるようになるに違いない。

今日からその第20週。

「52週マーチャンダイジング」は、
イトーヨーカ堂出身のコンサルタント鈴木哲男さんが提唱するもの。

極めて有効なマネジメントとオペレーション、
そしてプロモーションのノウハウである。

しかし、これは1年に52回の販促テーマを考え、
それを売り場に実践するということではない。

52週という区切りごとに、マーケットとカスタマーの生活をとらえ、
それを売り場に展開するもの。

したがって、時には、2週間のサイクルがいい場合もあるし、
ひとつのテーマが1カ月続く場合もある。

アメリカでは、10月31日にハロウィンがあり、
11月の下旬にサンクスギビングデーがあり、
12月の25日までクリスマス商戦が続く。

秋から冬にかけて、3つの大きなイベントがあり、
小売業やサービス業はピークに向けて店舗と売場を盛り上げていく。

しかしこの間も、数値と人員配置をはじめとしたすべてのマネジメント要素は、
ウィークリーとクオーターで管理され、実行される。

それが科学的で、実証的だからだ。

さて今週は、 ゴールデンウィークが終わり、母の日が終わり、
比較的に何もない1週間。

政治では、20日から第二弾の事業仕分けの後半が始まる。
公益法人などにメスが入れられ、
また、蓮舫議員など大活躍するのだろう。

スポーツは、プロ野球交流戦が本番に入り、
大相撲は今週最後に優勝が決まる。

朝青龍が引退したにもかかわらず、
次々にスターが登場し、
不思議なことに連綿とつづいていく。

今週から2月期決算企業の株主総会なども開催され始める。

そんな1週間。

盛り上がりがないから、難しい。

今月の標語ではないが、
「むずかしいからおもしろい」  

私はもう、言い換えている。

「むずかしいほどおもしろい」  

そんな気分で勉強や研究や仕事に勤しみたい。

さて、日経新聞調査のフードサービスの動向。
「第36回2009年度飲食業調査」  

売上高ランキングのトップは、日本マクドナルド。

①日本マクドナルド 3623億円(前年度比マイナス10.8%)
②すかいらーく 3558億円(マイナス7.6%)
③ゼンショー 3342億円(プラス7.7%)  

ビッグ3が3000億円超。

その中で前年から伸びたのは、「すき家」など展開するゼンショー。
2009年度は不況にもかかわらず、368店の出店攻勢。
ただしマクドナルドは直営店+フランチャイズ店の合計売上高は、
5319億円で、2.9%のプラス。
マクドナルドは直営店のフランチャイズ化を進めて、
経営を軽くする方策をとった。

すかいらーくは、158店の閉鎖をして、
とうとう「すかいらーく」のバナーを全面的にやめた。

④シダックス 2200億円(プラス0.7%)
⑤日清医療食品 2065億円(プラス2.7%)

2社が2000億円を超える。

そして、⑥吉野家ホールディングス 1796億円(プラス3.1%)
⑦エームサービス 1425億円(マイナス3.8%)
⑧モンテローザ 1397億円(プラス2.7%)
⑨プレナス 1176億円(マイナス1.8%) 

最後に、⑩ワタミ 1154億円(3.7%)

ワタミは、前年の第13位から始めてトップテンに入ってきた。

上位100社のうち、62社が前年に比べて売上高を落としたことは、
覚えておかねばならない。

外食から内食・中食に、顧客が動いた結果だ。

こういった統計は、「身も蓋もない話」になることが多い。

しかし、それが大きな潮流であることは、
間違いない。

外食上位ビッグスリーが、三者三様の政策をとったことに、
時代が象徴されている。

自分の生き方を求める。

それが「むずかしい時代」の処し方である。

では、今週も「むずかしいからおもしろい」

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2010年05月16日(日曜日)

ジジと大仏[2010日曜版⑳]

ボクのなまえは、ジジ。
ヨコハマのユウキ家のカゾク。
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それにしても、いいキセツです。

ユウキヨシハルのおとうさん、
ナラに、いってきた。
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ナラには、
ダイブツさんが、
います。
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そのダイブツさんがいるところ。
ダイブツ殿。
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すごく、おおきい。

門のところに、こわいカオ。

「あ」 

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「うん」  

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「あうんの呼吸」は、
ここからきました。
ボクの「あ」と「うん」

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そして、ダイブツさん。
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ボクも、ダイブツさん。
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みぎの手を、
ひらいて、
まえにむけて。
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ボクも、みぎの手、
だしてみた。
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みぎの手のなかゆびだけ、
まえにだしている。
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ボクは、そんなこと、
できません。
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ダイブツさんのみぎの手。
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おおきなダイブツさん、
いがいにきれいな手。
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ひだりの手は、
うえをむけている。
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ボクは、どっちの手も、
したむき。
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それしか、できません。

ざんねんですが。

それから、
ダイブツさんの両サイドを、
ふたりがまもっている。

コウモク天。
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タモン天。
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ボクのコウモク天とタモン天。
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コウモク天とタモン天のように、
ボクもたちあがってみましょう。
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ダイブツさんは、ずっと、
すわったままだけど。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年05月15日(土曜日)

商業経営問題研究会・学習院マネジメントスクールの熱い議論・講義

ここのところ、
アメリカ出張を控えて、
忙しい。

今回は10日余りテキサス、ニューヨーク、ネバダを行くが、
その準備があるのにもかかわらず、
原稿執筆に追われ、
テキストやレジュメづくりに迫られ、
講演・講義、研究会に勤しむ。

求められていることに、
幸せと喜びを感じるものだが、
追われ追われているうちに、
心を亡くすことがないよう。

それだけを気にかけている。

さて昨日のお昼時は、
東京・日本橋。
飯能の流通仙人・杉山昭次郎先生が、
本当に久しぶりに東京のど真ん中に出てこられるので、
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「あなごめし」。

髙木和成さんとも待ち合わせて、
「箱めし」
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美味。

その後、日本スーパーマーケット協会会議室で、
商業経営問題研究会5月例会。

まず、世話人のお一人・SJ流通戦略研究所代表の和田光誉さんが、
2月期決算の総合スーパー企業の決算分析報告をしてくれた。

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和田さんならではの豊富な取材と鋭い分析。

総合スーパーは、アメリカ・ヨーロッパでは、
「ハイパーマーケット」という業態分類に属する。

ウォルマートのスーパーセンターも、
ハイパーマーケットの一つのフォーマットである。

そのアメリカのハイパーマーケット、
ヨーロッパのハイパーマーケットは、
すこぶる業績が良い。

しかし日本では、衰退業態の代表のようになってきた。

イオンの「ジャスコ」というバナーに対する政策、
セブン&アイ・ホールディングスの「イトーヨーカ堂」に対する政策。
和田さんのご報告から、みんなが意見を開帳しあう。

その後、本日のメイン講師。
杉山先生。
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杉山理論は、
「ソシオテクニカルシステム論」
マネジメントの理論。

そこに杉山流のマーケティングを展開して、
新しい杉山理論を構築中。

それが商人舎のホーム―ページにも掲載される。
ほぼ毎週、更新される。

私も杉山先生の83歳まで、
いや杉山先生に何とか勝って85歳までは、
毎日更新する決意。

杉山先生の講話は、
フィリップ・コトラー言うところの
「マーケティング・マネジメント」の領域に入ってきた。

今回の最後は、キングストア専務の臼井旬さんの報告。
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52週のマーチャンダイジングを、
実際にどんな風にやっているかの報告に、
先輩諸氏がみんな感服。

良い報告と良い議論で、
今回の5月例会も満足。

例会の終わりに、
日本スーパーマーケット協会会長の川野幸夫さんが、
ご挨拶に見えた。
ご存知、㈱ヤオコー会長。
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有難いことだ。

その後、私は、学習院大学へ。
学習院マネジメントスクールの講義。
DSCMスクールの2010年開講講座。
この講座は故田島義博院長が創設された由緒あるスクール。
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上田隆穂学習院大学マネジメントスクール所長のご挨拶。
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上田先生には、コーネル・ジャパンでもご講義いただいて、
大好評。
今後ともよろしくお願いします。

そして私の講義。
「潮目の時代の流通概論」
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夕方6時40分くらいから、9時まで、
結局、140分くらい。

講義延長、ご迷惑おかけしました。
しかし大学での講義は、きっちりやります。
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私の持論「コモディティ論」と私なりの「流通論」。
いかが?

そのあと恒例のポットラック。
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ここでも上田先生のご挨拶。

そして全員で記念写真。
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20名の学生諸君とともに、
半年間の研究と勉強の成果を誓った。

心から感謝。

<結城義晴>

2010年05月14日(金曜日)

大正製薬イーグル研究会での特別講演「不況は商人をきたえる」

いい季節です。

日本のプロ野球では、
セントラルリーグとパシフィックリーグの、
交流戦が始まった。
これは面白い。

サッカーは、
ワールドカップ・モードが高まりつつある。
1カ月後、南アフリカ共和国で開催され、
ナショナリズムの高揚感が地球を包むに違いない。

政治やビジネスには低迷感、閉そく感が漂うが、
スポーツや文化には、高揚感、解放感が存在する。

仕事や商売に、
そんな高揚感、解放感を、
創り出したい。

きっと、それを、お客様は、
「店の元気」
と、受け取ってくれるのだと思う。

さて昨日は、
大正製薬の「イーグル研究会総会/セミナー」で講演。

東京の豊島区高田の大正製薬本社の「上原記念ホール」。
テレビカメラと大画面の前で、90分の講義。

テーマは「不況は商人をきたえる」
そう、商業界主幹の故倉本長治先生の言葉。
私なりに、不況の時の経営の仕方、考え方を語った。

それを全国各地の会場に集まった481名が、
テレビ会議システムの大画面で、聴いてくれた。
過去5年間で最高の参加人数だった。

直接聴いてくれた皆さんはもとより、
大画面で聴講してくれた皆さんにも、
心からご清聴を感謝したい。

午後1時30分、開始。
まず、イーグル研究会会長の細井和宏さん
ご挨拶をかねたスピーチ。
細井さんは、薬ほそい代表取締役。

細井さんは最後に「維新」という言葉を使って、
現在の薬局・薬店のおかれた状況打開の方針を語った。

次に、大正製薬㈱代表取締役会長兼社長の上原明さん
ご挨拶と情勢分析・方針の提示。
社会情勢や経済環境の分析と、
製薬メーカーや薬局・薬店の経営環境の分析、
マーケットの分析。
そして、政策の提案。

パワーポイントの資料を使って、
堂々たるレクチャー。
私、上原さんの短いスピーチは、
日本チェーンストア協会の総会などで聴いていたが、
こんなに長い話は初めて聞いた。
そして、とてもびっくりした。

見事なスピーカー。

だからだろうか、
そのあとの私の特別講演も、
いつも以上に力がこもった。

私の講演のイントロダクション。

「売れないことを不況のせいにするのは、
よく売れる時代を自分の成果にする権利を放棄したことになる」
「不況期にこそ、消費者に得をさせ、
この店こそ私たちの店と信じられるようにする好機である」
「悩まなければ人間の魂は成長しない。
不況に遭わない店には、永遠に大成はない」
「艱難が人を磨くように、不況は商人をきたえる」

(倉本長治『商業界20年』より)

「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」

(新約聖書・ローマ人への手紙5章)

そのあと、『商売十訓』とドラッカーの共通点。
それから「知識社会の知識商人」。
薬剤師、薬局・薬店の経営者、従業者は、
何よりも「ナレッジ・マーチャント」でなければならない。

サービス業化とサービス・マネジメント、
業態からフォーマットへの分化。

ロイヤルカスタマー論から人間力経営まで。

最後の最後は、
「元気を出そうよ」
「元気を売ろうよ」


中小の薬局・薬店の経営者に、
私が伝えたいことのエッセンスを、
網羅して語った。

大正製薬には「紳商」という言葉がある。
『大辞林』には「教養や品位のある大商人」とある。

講演の前に、上原さんからこの言葉を聞いて、
私の唱える「知識商人」と類似していることに驚いた。

この日の講演はなぜか、
いつも以上に疲労困憊した。
全力を挙げて語ったことで、
心の中には満足感がいっぱいだった。

多謝。

<結城義晴>

2010年05月13日(木曜日)

杉村史朗、落合清四、木下潮音3講師による労働労務問題講座はコーネルの特徴

イギリスの新首相にデービッド・キャメロン。
副首相はニック・クレッグ。
ともに上流階級出身の43歳。

キャメロン首相は保守党。
クレッグ副首相は自由民主党。

戦後初の連立政権。

第3党の自由民主党が、
どちらかと言えば距離のある保守党と組んで、
新しい局面に立ち向かう。

これも反EUの姿勢を鮮明にしつつ。
若いリーダーに期待がかかる。

振り返ってみると、日本の民主党代表選挙も、
小沢一郎前代表の策略で、
1週間足らずの間に決めてしまって、
鳩山由紀夫代表となった。
岡田克也現外務相は涙をのんだ。

さて、日本の自動車メーカー10社。
3月期決算が出そろったが、
全社ともに黒字化した。  

1年前は半数の5社が赤字にあえいでいた。

エコ減税など優遇措置があった。
エコロジーではなく、エコ贔屓だなどといわれた。
しかし同時に、各社共通して、
大胆なコスト削減を断行した結果の黒字化。

日本の自動車メーカーの底力を確認するとともに、
まだまだ回復途上という認識は強い。

自動車とともに、
ファストフード上位企業の決算も、
回復基調を示す。

日本マクドナルド年商3623億円、純利益128億円、
ゼンショー 3341億円、35億円、
吉野家ホールディングス 1796億円、マイナス89億円、
日本ケンタッキーフライドチキン 1248億円、25億円、
松屋フーズ 624億円、10億円、
モスフードサービス 600億円、16億円。
  

吉野家だけ、赤字決算だが、
あれだけ苦しんだ外食産業にも、
明かりが見えてきた。

政治は混迷していても、
民間企業は立ち直る。

さて昨日は、コーネル大学RMPジャパン5月2日目。
朝9時から、東京・市谷の法政大学。

雨模様の東京、午後には雨が上がって、
晴天が現れた。

朝一番で、単行本の紹介。
第1期生の広野道子さんが本を書いた。
「フツーのOL」の私が、社長になった理由。  
これがタイトル。
洋菓子のヒロタ代表取締役。

第二期生の北川善裕さんが解説してくれた。
北川さんは現在、洋菓子のヒロタ代表取締役社長。

第一講座は杉村史朗講師。  
テーマは「人材の採用と育成 評価を中心に」

評価に関して杉村先生は二つの方法を提示した。
第一が、コンピテンシー(実力)の評価。
高い業績を継続してあげている人の行動特性の評価。
第二は、実績(業績)の評価。
これは、一定期間にあげた実績の評価。
この組み合わせの方法が新しくて一般的。
小売業に向いているかがあとで議論の対象となった。

第二講座は「労働組合問題」  
テーマは「民主的労働組合と労使関係」。
UIゼンセン同盟会長の落合清四さんが講師。

落合さんは組合員107万人の世界最大の労働組合のトップ。
日本社会のリーダーの一人。

まず、「労働者とは?」から入って、
「働くことの意義」を明快にしてくれた。
「労働は商品ではない」
日本的勤労観では「傍が楽」になること。

労働組合の意味、その現状。
そしてこれからの会社経営と労働組合の関係性。

私は労働組合は、
経営者や社員にとって必要だと考えている。

その本質が落合さんから語られた。

最後は同志共通の課題
「ワークライフバランス」について。  

第2講座終了後、飛び入りで
日本スーパーマーケット協会の大塚明専務理事が登場。
大塚さんはコーネル・ジャパンの講師でもある。
大塚さんは、政治が大きく変わる今、
スーパーマーケット業界が、
きちんと施策に対する意見を述べていく、
その必要性が問われているということをメッセージしてくれた。

そして昼食をはさみ、第3講座は「小売業の労務問題」
木下潮音講師。 

小売業を取り巻く労働環境の最近の特徴は、
①時間、無休営業、
②小型多店舗展開、
③パート・アルバイト中心のスタッフ構成。  

そこで、適切な労務管理が重要となる。

木下先生の講義は、主に三つに絞って行われた。
第一が長時間労働問題。  

そしてここから出てくるのが「不払残業の防止」問題。
いわゆるサービス残業の問題。
法定労働時間は、週40時間1日8時間、
法定休日は、週1日または4週4日。
これが基本。
これを超える労働をさせるためには36協定を結び、
割増賃金の支払が必要となる。
このブログでも書いたが、今年年4月1日から労基法が改正された。
残業は45時間までが、25%の割増。
45から60時間までは、25%から50%の間で労使が合意する率。
[年間360時間以上も同様]
そして60時間以上は基本賃金の50%の割増を払わねばならない。
「不払残業は労基法違反」である。

行政の是正指導だけでなく、刑事罰が適用され、
多額の遡及支払いが義務付けられる。

サービス残業の問題が解決されないことは、
会社にとって存続の危機となる。

木下先生の提起した第二は、「管理職問題」。  

いわゆるマクドナルド裁判で明らかになった問題。
労働基準法41条2号で、「管理監督者」と「管理職」の関係が明記されている。
管理職は「各企業が企業運営の必要等から置く人事制度上の役職」
管理監督者は「労基法41条2号の規程により、
労働時間・休日・休憩の規定が適用除外されるもの」

従って、「管理監督者は労基法の解釈によって決まり、管理職とは一致しない」

ちょっと難しいのは「管理監督者の判断基準」。
①名称にとらわれない
②経営者と一体と認められる権限
③勤務の裁量性
④処遇(組織における人数)

従って、日常的にオペレーションに入ることが予定されている店長は、
管理監督者とはならない。

ここが重要なところ。

だから当然ながら、残業代が払われねばならない。

木下先生の第3の問題提起は、
「 パートタイマーの活用と労働法」  

「パートタイマーのタイプ別雇用管理」が面白い。
①通常の労働者と同視すべき短時間労働者
②一定期間限定人事活用同一職務内容同一短時間労働者
③職務内容同一短時間労働者
④短時間労働者
⑤短時間労働者以外の非正規労働者
そのパートタイマーへの対応。

この問題も奥が深い。

木下先生をCDオーディオセミナーにでもお呼びして、
もっと丁寧にお伝えしたいものだ。

さて最後は、ディスカッションとまとめ。
私がコーディネートし、第二期生が意見を語り、
荒井先生がまとめる。

これも実に有意義で、面白かった。
[この項は次回に続きます]  

コーネル・ジャパンの5月の講義。
マネジメントと労務問題を掘り下げる。

他の講座もそうだが、
コーネル・ジャパンならではのカリキュラム。

私はこの5月の講座を展開するために、
コーネルを始めさせてもらったと言ってもいいくらい。

商業の現代化において、
不可欠の内容が5月の講座である。

<結城義晴>  

2010年05月12日(水曜日)

コーネル・ジャパン、上田惇生「ドラッカーの方法論」と荒井伸也・大久保恒夫「マネジメント論」

ユニクロのファーストリテイリングは、
海外戦略を強化する

日経新聞の企業欄トップに記事が載った。
だから外国人の採用が増える。

ユニクロはファッションをマス化した。
柳井正会長兼社長はかつて、言った。
「国民服をつくって売りたい」

そうして、日本のカジュアルファッション分野で高占拠を果たした。

ここから、当然ながら海外戦略が見えてくる。

一方、ゼンショーが日本マクドナルドを超えて、
日本第一位の外食企業
になるという予測。
ゼンショーが展開する牛丼の「すき家」は、
昨年12月から、売上高、客数、客単価とも急増させ、
ナンバー1の地位を築いた。

そして海外戦略を展開し始めた。

さて、昨日から、東京・市谷の法政大学。
コーネル大学リテール・マネジメント・ジャパン。
その5月講義。

第二期が昨年10月に始まり、
8回目の講義となった。

5月の8講座が終了すると、
6月のシミュレーション、
7月上旬の最終講座、
そして7月下旬のコーネル大学への卒業旅行。

本当に、あっという間に1年は過ぎる。

そして第三期生が集まってくる。
結果として、徐々に「伝統」が出来上がる。

コーネル・ジャパンは産業内大学を標榜しているが、
それは講師陣がつくるのではない。
カリキュラムがつくるのでもないし、
看板のコーネルがつくるのでもない。

学生がつくっていくものだと思う。
脱グライダー人間の集団が、
コーネル大学RMPジャパンの伝統をつくっていく。

昨日の第一講座は、上田惇生先生。
コーネル大学RMPジャパン主任講師。
ドラッカー学会代表、ものつくり大学名誉教授、
立命館大学客員教授。 

テーマは、
『マネジメントの父ドラッカーの経営思想の真髄(方法論)』
上田先生は、こういった講演はほとんど、
お引受けにならない。

しかし、コーネルだから、
そして川勝利一さんの要望だから、
ご講義くださる。

川勝さん(写真左)は、㈱アイドマ東京営業本部長にして、
商人舎エグゼクティブ。

今回も、素晴らしい講義だった。

上田先生の中には、ドラッカー思想が詰まっている。
だからどこから切ってもドラッカーとなる。
話が飛ぶようでいて、すべてがつながっている。

今回上田先生が強調したことは、
「両方必要」だということ。

例えば、「変革」と「「継続」
「変革」は必要。
しかし「継続」も必要。
「変革していかねば継続できない」

ドラッカーは、「見る人」だった。
しかし「分析する人」でもあった。

「分析」で左脳が使われなければいけない。
しかし「感性」の右脳も使われねばならない。

私は、「オクシモロン」のことを思いながら、
上田先生の講義を聞いていた。

その後、
1.モダンの誕生
2.ポストモダンへの移行
3.正統保守主義
4.万人の帝王学
と講義は進み、さらに、講義は佳境に入って行った。
「ポストモダンの七つの作法」
「一流たるための七つの心得」
「ビジネスリーダーの七つの心得」

最後にドラッカーの名言。

「われわれはいつの間にか、
モダン(近代合理主義)と呼ばれる時代から、
名もない新しい時代へと移行した。
昨日までモダンと呼ばれ、
最新のものとされてきた世界観、問題意識、拠り所が、
いずれも意味をなさなくなった」
 

商業の近代化から現代化へ。
すなわちモダンからポストモダンへ。 
    
「組織に働く者は、
組織の使命が社会において重要であり、
他のあらゆるものの基盤である、
との信念をもたなければならない。

この信念がなければ、いかなる組織といえども、
自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う」

ミッションと信念。

今年最後の上田先生の講義。
とても良かった。

第二講座は、首席講師の荒井伸也先生
今回のテーマは、
「組織づくりとコミュニケーション」
荒井先生が発見し、提唱している論理が展開された。

まず、スーパーマーケットの製品(product)は何か。
それは、店舗(売場)である。
メーカーのプロダクトが商品であることと対比的。

そのために、明確にしておかねばならないのが、
第二に、スーパーマーケットの店づくりの仕組み。

そして、第三のテーマ、
「スーパーマーケット・チェーンの組織」。
ここで有名な「作」と「演」の関係が、
荒井先生ご自身の説明によって、
丁寧に明らかにされた。


荒井先生が最も強く強調したのが、次の点。
『演』が目的、『作』は手段。
これは最近、荒井先生の原稿によく出てくる概念。
「作演システム」は普及したが、
まだ本質が間違って受け止められているところがある。
「演」としての店舗づくりが目的で、
「作」としての本部は手段である。

なぜならば、
小売業の製品は、
店舗であり、
売場であるから。

荒井先生の講義は、いつもながら論理的。

第三講座は、大久保恒夫先生。
㈱成城石井社長。
テーマは、
「スーパーマーケット・マネジメント」

大久保さんの主張の出発点は、
「小売業の仕事はお客様に喜んでいただくこと」
だから「売場がお客様に満足されているか」が何よりも大切。
そこで「売場での実行」こそが最重要となる。

英語では「Execution」という。

大久保さんは、「マネジメントレベル」を問題にする。
「経営方針が現場で実行されているか」
「本部指示が売場で実行されているか」

「何をするか、より、実行するかどうか」
その「マネジメントレベルの差が業績の差」となる。

マネジメントレベルを上げるための考え方と方法論が、
実務経験をもとに展開された。

第四講座の講師は、弥冨拓海先生。
㈱賃金管理研究所所長。
テーマは、
「強い企業であり続けるための賃金体系と福利厚生」

弥富先生の主張は、
第一に「企業は力強く成長し続けなければならない」
そのために第二に、大切なのが、
「カスタマーサティスファクション(CS)」と、
「エンプロイーサティスファクション(ES)」。

弥富先生は「お客様満足」と「従業員の納得」と言う。

そして、第三に、何を根拠に個別給料を決めるかが、
実にわかりやすく解説され、
さらに第四に、様々な賃金体系の整理が行われた。

最後に弥富先生が提示した数値。
所定内給与が年間約329万円とすると、
賞与や福利費、退職金、教育費、募集費など加えて、
総額人件費を計算すると555万円となる。
なんと168.6%。
これは厚生労働省の「2008年就労条件総合調査」の数字。

給与体系は、会社の体系でもある。

コーネル・ジャパンの講義は、続く。

<結城義晴>

2010年05月11日(火曜日)

「普天間問題」と大岡政談「三方一両損」と「国民の増税覚悟」

鳩山由紀夫内閣の支持率。
どんどん下がってきた。

読売新聞、日経新聞だけでなく、
民主党支持の朝日新聞や、
国営放送のNHKまで、
それを報じる。

普天間の問題の解決法は、
いかにあるべきか。
本来、それが論じられねばならない。


大岡政談の「三方一両損」

この問題は、それぞれに、
損をするしかないと思う。

江戸の大岡越前のもとに、
事件が持ち込まれる。

三両の金を拾った者。
その金を落とした者。
どちらもいらないと言い張る。
江戸っ子気質だ。

そこで大岡越前は、
懐から自分の一両を出して、
四両の金にする。

四両を二両ずつ、
落とした者、
拾った者に、
分け与える。

「落とした者は三両損するところ、
二両で済んだから一両の損」
「拾った者は三両もらえるところ、
二両に減ったから一両の損」
「奉行も一両の損」

これで両者、納得。

これが、「三方一両損」の話。

普天間の問題など、
まさに三方がそれぞれ損をしなければ、
解決はない。

もっといえば、
損得を超えて、論議する。
ここに至らねば解決はない。

「損得より善悪を」
商売の極意だが、
それはまず、自ら率先して、
「損を覚悟すること」から始まる。

日経新聞のコラム「大機小機」
コラムニスト文鳥氏が語っている。
「日本国民も大増税を覚悟すべき時期を迎えている」

資本主義社会に内在する矛盾。
1世紀半も前に、それを指摘したのは、
カール・マルクス。

しかし世界恐慌を救ったのは、
ジョン・メイナード・ケインズの裁量的マクロ経済政策。

一方、社会主義はベルリンの壁の崩壊とともに、
実質的な消滅を見た。

その「冷戦後の世界秩序をリード」したのは、
新自由主義だった。
これは「市場原理的な経済システムを体現」していた。

私は、どちらかといえば、
この市場原理的な経済理論の中で育った。

しかしそれも、「サブプライム恐慌」によって、
「経済システムのメインストリームから転落」した。

そこで復活したのが、ケインズの理論。


「公的部門が民間部門の債務やリスクを引き受けた」。

文鳥氏の説明は簡潔だ。

ギリシャ問題も同様。

しかし公的部門が民間部門を助けても、
根本の問題は解決されていない。

「経済全体として大きいな債務を抱えている」ことには、
何ら変わりないからだ。

「未曾有の公的債務」を「市場が信頼する方法」で、
しかもそれを「処理する見通し」がたたねばならない。

「国民の大増税覚悟」
国民に「損得」の「損」を覚悟してもらう。

これが、現下の政権の問題解決の方法だ。

「むずかしいからおもしろい」
商人舎今月の標語。

商売の極意は、
政治の極意に通ずる。

<結城義晴>

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