結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年06月25日(木曜日)

ロック・フィールド静岡ファクトリーと「他の誰でもないその人」

昨日は大阪の堺から、
東海道新幹線の最終便で、
静岡の掛川へ。

今朝、天竜浜名湖鉄道で豊岡へ。
そして磐田市下野部へ。

ロック・フィールド静岡ファクトリー。DSCN4258-5
いわゆる惣菜工場。

しかし安藤忠雄さんの設計で、
未来都市を彷彿とさせる施設。DSCN4296-5
1991年に第1期工事が始まり、
2009年の第3期までで、
おおよそ、その全貌が現れた。

7万2844㎡の敷地。
そのコンセプトは、
「風と水と緑のファクトリーパーク」。

言葉では言い表せない世界。

敷地内には3基の巨大風車が、
象徴のごとく聳える。
100キロワットの出力。

地球環境を守り、
豊かな自然を活かす。
そして働く人たちが、
心身ともに健康でいられるファクトリー。DSCN4330-5
2010年10月には、
「緑化優良工場等 経済産業大臣賞」受賞。

施設の説明を聞き、
敷地内を丁寧にご案内いただいた。

私の隣から、岩井浩明さん、
鈴木三晴さん、弓野千恵さん。
DSCN4333-5

岩井さんは静岡ファクトリーの、
総務採用教育グループ長、
鈴木さんはファクトリーマネージャー、
そして弓野さんは秘書室広報グループ。

先日、岩田弘三会長に面談した時に、
この静岡ファクトリーを訪れる約束をした。

業界関係者には公開されていないが、
地域の子供たちなどには見学してもらっている。

素晴らしい考え方と、
それが実現されたファクトリーに感動。

私の知る限り、
世界一レベルのファクトリーだ。

ランチはファクトリーのみなさんと一緒に、
従業員レストランでいただく。
DSCN4284-5
全てロック・フィールドの製品。
メインディッシュ、サラダ、
スープに五穀米のご飯。

堪能した。

鈴木さんと固い握手。
DSCN4382-5
月刊『商人舎』7月号で、
詳細を報告しよう。

そのレストランの階段で、
再び4人で写真。
DSCN4385-5

食べものは、どうあるべきなのか。
人間は環境といかに共生するべきなのか。

人はどう、働くのがいいのか。
そして会社は何のためにあるのか。

ここに来るだけで、
そんなことを感じ、
つくづくと考えさせられる。

さて、商人舎magazine、
Daily商人舎。
スーパーマーケットは
既存店プラス5.2%で

5月も好調を継続中だが…

へそ曲がりですみません。

不調なら不調で文句を言い、
好調なら好調で戒める。

それが応援団長の役目。

「ほぼ日刊イトイ新聞」
一昨日の巻頭言で、
糸井重里が「大衆論」を考察する。

「マーケティングなどの世界で、
『大衆』という場合は、
重要なのは主に『数量』である。
1万人の大衆、
10万人の大衆‥‥
100万人の大衆と」

「人間のかたちをした記号が、
たくさんそこにある」

チェーンストア業界で、
「大衆品」といえば、
エブリボディグッズ。
8割の顧客が使い食べる商品。
そう言われた。

「マス」を前提にモノが考えられた。

「ガラス玉やら、大豆やらのように、
どれがどれやら見分けがつかない
数量としての『大衆』」。

「だが、実は、記号として
数だけ数えられている『大衆』は、
誰かの大事な人であったり、
どこかの息子だったり、
今日なにかに喜んでいる人だったり、
風邪ひいていまから病院にいく子どもだったり、
なににだかガッカリしている男だったり‥‥と、
すべて、ただの豆粒じゃなく
『誰かさん』なのである」

糸井らしい言い回し。

「ひとりひとりが、
なにか感じ、
なにか思い、
なにか考え、
なにかをしようとしている。
『他の誰でもない、その人』なのだ」

数量としての、記号としての「大衆」、
糸井も認める。

「『誰かさん』であることを
省略してカウントすることで、
なにかの役に立てようとする場合だって、
たくさんある。
そして、そのやり方は、
とても便利だったりもするから、
これからもずっと必要なのだろうと思う」

「それをわかったうえで、なお、
『他の誰でもない、その人』という考え方が、
これから、とても
大事になっていくと思っている」

私もそう思う。

テスコ中興の祖テリー・リーヒー。
テスコ・クラブカードをスタートさせて、
ID-POSデータの分析と活用を始めた。

しかしリーヒーは同時に、
「カスタマー・パネル」を欠かさず展開した。

前者は人が紐付けされた定量情報。
後者は「誰かさん」である顧客の生の声、
つまり定性的な情報。

その両方が大切であることを、
リーヒーは知っていた。

糸井は告白する。
「前から、そういうことは
思っていたのだけれど、
いまごろ、また言いたくなったのは、
どうぶつのことを考えていたからだった」

「犬やら猫やらも、
豆粒のような数え方ではなくて、
『他の誰でもない、その犬(猫)』という考えで、
人間の社会で暮らせるといいなぁ
と考えていたのだ」

これを糸井は、
「アニマル・アイデンティティ」と称する。

究極のダイバーシティだろう。

会社も、従業員やパートタイマーを、
豆粒のような大衆と考えてはいけない。

しかしダイバーシティを叫びつつ、
2020年に女性管理職を3割だとか、
「誰かさん」を抜きにした数で考えては、
本末転倒だろう。

「現代化」コンセプトの中に、
「近代化」のメソッドが入り込んでくる。

もちろん、近代化メソッドがすべて、
否定されるべきものでもない。

ピーター・ドラッカー先生も、
「ポスト・モダンの七つの作法」の最後に、
「モダンの手法も使う」と指摘している。

他の誰でもないその人のために。

ロック・フィールド静岡ファクトリー、
それを感じさせてくれた。

〈結城義晴〉

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