結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年06月06日(土曜日)

テスコ・セインズベリー・アズダ・アルディ、役者の少ない英国芝居

ロンドンからフランクフルト経由、
バルセロナへ移動。

主要7カ国首脳会議が、
明日の夜からドイツ南部のエルマウで開幕。

そのためか、フランクフルト国際空港は、
厳重な警戒ぶり。

ロンドンからの便は出発が遅れ、
その上、乗り継ぎでちょっと手間取った。

しかし無事、バルセロナに到着。
気温28度。

サミットでは気候変動問題がひとつのテーマ。

2030年までに日本は、
温暖化ガスを2013年比で26%削減する。

その目標を国際的に説明すると同時に、
環太平洋経済連携協定の早期合意に、
大いに努力する意思を表明する。

ブログは時差時間主義で、
ロンドンのまとめ。

まず、最大の目的の一つ、
テスコ・エクストラ訪問。
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テスコのマルチフォーマット戦略の、
最大級店舗。
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入口右手にプロモーションのいちご。DSCN2527-5
しつこくしつこくいちごを売りまくる。

そして左手のシーゾナルゾーンでは、
バーベキューの提案。
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エクストラはハイパーマーケット業態。
だから店は横に長く、
T字型のコンコースをつくる。

そのTの主通路を左に折れると、
アパレルゾーン。
テスコのブランドF&Fのアイテムが並ぶ。DSCN2539-5

入口のコンコースを突き当たると、
クリック&コレクトのコーナー。DSCN2541-5

コンコース右手は住関連やヘルス&ビューティ。DSCN2545-5

そして店舗3分の2ほどを占める食品売り場。
先頭はもちろんテスコが誇る青果売り場。
花から入る。
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その後ろのバナナの売り場。
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葉物はこのド迫力。
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クレート陳列でも、
これだけのボリュームを出すことができる。

そして果実売り場。
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カットフルーツもアメリカに先駆けて展開。DSCN2556-5

キュウリ。
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パプリカ。
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青果部門はテスコの生命線を握る。
それは世界中のスーパーマーケットに、
共通する重点課題だ。
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奥の主通路沿いは、対面売り場。
そこにオリーブのコーナーがあった。DSCN2578-5

主通路対面には、
テスコのクォリティブランド
「ファイネスト」のコーナー。DSCN2583-5

そしてファーマシーも必須。DSCN2564-5

店舗左翼の突き当たりは、
飲料のディスカウント。
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そしてアルディ旋風吹き荒れるロンドンだけに、
コンペティティブブランドを強化。-5DSCN2594

エブリデー・バリュー。
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最下段がエブリデーバリュー。
その上がテスコ・レギュラーブランド。
最上段がナショナルブランド。DSCN2596-5
この並びで、顧客の視線を釘付けにする。

そしてテスコはレジで、
3人目まで待たせない。
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アメリカのクローガーと共闘して、
ウォルマート・アズダを迎え撃ち。
その作戦がレジ対策。
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実にいい店だった。
テスコの不調を感じさせられることは、
まったくなかった。

ついでにテスコ・エクスプレス。DSCN2867-5

入口右手から、
コンコースが左回りになっている。
その青果部門。
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この充実。
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クレート陳列。
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テスコエクスプレスは、
日本で言うコンビニエンスストアではない。

エクスプレスストアなのだ。

テスコファイネストのピザ。DSCN2837-5
この店では冷蔵ケースの最上段を、
ファイネストが占めてグレード感を演出している。

レジもずらりと設置され、
顧客が並ぶとベルを鳴らして、
レジを開放する。
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テスコ・エクストラと、
テスコ・エクスプレス。

最大店舗と最小店舗。
この間にテスコ・スーパーストアと、
テスコ・メトロがある。

そしてダークストアとクリック&コレクト
これによって30%の高占拠率を確保する。

それがテスコのマルチフォーマット戦略だ。

続いて対抗馬のセインズベリー。DSCN2602-5

かつてはサバセンターと呼ぶ店を持っていた。
それが非食品強化型フォーマットだった。

いまはセインズベリー。DSCN2685-5
ハイパーマーケット業態だ。

テスコエクストラ同様に、
入口左手にシーゾナルコーナー。DSCN2684-5
しかしここが弱い。

T字型コンコースを左手に曲がると、
青果部門。
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クレート陳列で、
トマトを充実させている。DSCN2640-5

葉物の陳列線も長い。
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しかしテスコには、全然かなわない。

テスコのファイネストに位置づけられるのが、
「テースト・ザ・ディフェレンス」
クォリティブランド。DSCN2658-5

奥の主通路は対面コーナーが続く。DSCN2621-5

鮮魚、精肉担当は、
小洒落れたハットをかぶっている。DSCN2667-5

ここにサラダバー。
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しかしホールフーズやウェグマンズに比べると、
全然魅力がない。

チーズはカゴにプレゼンテーション。DSCN2670-5

店舗左手が冷凍食品のリーチインケース。DSCN2629-5

真ん中主通路沿いのエンド。DSCN2623-5

そのど真ん中が、
レギュラーのセインズベリーブランド。DSCN2625-5

左にオレンジ色のコンペティティブブランド。
セインズベリー・ベーシックスDSCN2624-5

そして上段にデルモンテ。
ナショナルブランド。
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これが定石。

店舗左サイドは、
ディスカウントを強調。
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ワインは充実。
伝統のセインズベリーらしさを見せてくれる。DSCN2632-5

レジは待たせる。
繁盛店は繁盛する分だけ、
待たせる。
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これは小売業の大いなる自己矛盾。
それがセインズベリーでは、
解決されていない。

そしてアズダ。
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ウォルマートが買収した、
ディスカウントスーパーマーケット。DSCN2831-5
セインズベリーと二番手争い。

中央入口を入ると、
コカコーラのボリューム陳列。

青果部門は充実。DSCN2772-5

一番下に「プライス・ロック」のPOP。DSCN2773-5
つまり「価格に錠を下ろした」。
これぞエブリデーロープライスの本質。
いいネーミングだ。

アメリカのウォルマートでも、
この言葉、使うんじゃないか。

真ん中主通路でもプライス・ロック。DSCN2778-5

そしてロールバック。
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奥主通路もディスカウント一色。DSCN2794-5

天井から「ラマダン」のお知らせ。DSCN2795-5

そして肉はハラル・コーナー。DSCN2792-5
このあたり、イスラム教徒が多く住む。
そしてアズダは彼らから頼りにされている。

鮮魚も氷を敷いて、鮮度感を演出。DSCN2789-5

冷凍食品はリーチインケースだが、
顧客がよく買ってくれる。DSCN2800-5
安いからだ。

そして真ん中の肉売り場。DSCN2812-5
このボリュームとプライス。

店舗左手はアパレル売り場。
ジョージ・ブランド。DSCN2779-5
アズダの独自ブランドで、
アメリカのウォルマートでも採用している。

そしてファザーズデー。
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父の日セール。
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積極的にアピールしているのは、
アズダだけだった。
ウォルマートのいいところが、
ここに出ている。

そしてレジは待たせない。DSCN2827-5

セルフレジを多用して、
顧客にストレスを感じさせない。DSCN2821-5

そのレジの前に、
即食コーナー。
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よくできたディスカウントスーパーマーケットだ。

4番目はアルディ。DSCN2724-5

イギリスで猛威を振るっている。DSCN2726-5

もしかしたらアルディが、
英国の勝利者なのかもしれない。DSCN2728-5

我々が入ると、この混み様。DSCN2688-5

しかし英国アルディは青果が強い。DSCN2695-5

この充実ぶり。
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ベーカリーも、
即日配送商品。
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そして品揃えが豊富。
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だから客数も多くて、
アメリカのトレーダー・ジョーのようなレジ。
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大繁盛のハードディスカウンター。

テスコが手を焼くわけだ。

ちょっと一休みして、
テムズ川を臨む。DSCN2762-5

汚い茶色の水。
しかし河畔は気持ちいい。DSCN2763-5

そしてテスコの新フォーマット。DSCN2738-5

実験中の店を、
みんなで見学。
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3軒隣にはプレタ・マンジェ。
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右隣にはイート。
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そして、wasabi。
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激戦区で、新しいフォーマット実験。
これもデーブ・ルイスCEOの意欲。

商人舎マガジンで、
報告しよう。

最後はディナー。DSCN2870-5
カフェ・ルージュ。

2階のベランダが気持ちいい。DSCN2872-5

そばの教会が見える。
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イギリスの食事はまずいと評判。
しかし私はそうでもなくなっていると思う。
ロンドンに来て食べてみてください。

中華料理はうまい、
イタリア料理も昔からいい。
そして最近はフランス料理が上出来。
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明るいうちから、
ワインを楽しんで、
しかもイギリスのフランス料理を堪能した。

途中で、誕生祝い。
竹内俊彦さん、おめでとう。
プリマハム㈱執行役員西日本支社長。DSCN2882-5
プレゼンターは、飯田万理江さん。
伊藤忠商事㈱食料カンパニー。

全員で拍手。
DSCN2881-5
イギリスの小売業。
顔ぶれはシンプル。
つまり役者が少ない芝居のようなもの。

しかしその役者は、みんな、
達者な演技をする。

ちょっとまずい芝居をするものは、
すぐに舞台を下ろされてしまう。

それがイギリスの競争だ。

私たちは日本の将来図を、
しっかり勉強して、
バルセロナに移動して来た。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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