結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年05月01日(木曜日)

「Innovation」の異なる視点と異端的な変化

5月。

いい季節。

ゴールデンウィークは、
単なる連休だから喜ばれるのではなくて、
いい季節の連休だから弾けるのだ。

そこが盆の夏休みや年末年始の冬休みとは違う。

㈱商人舎は暦通り。
2日までに月刊商人舎の入稿を終わらせて、
4連休に入る。

そして連休が明けたら5月第2週の5月8日から、
私はアメリカ・ラスベガス。

商人舎US Basic研修会。
今年もお陰様でバス1台分の参加。
しっかりと学んでくる。
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第3週に帰国して、
第4週は大阪万博に行く。

そして万代知識商人大学第10期の講義。

さらにロピアの新店オープンを視察。

第5週にはもう月刊商人舎6月号の入稿。

あっという間に、
とてもいい季節の5月は終わる。

今日も一日、
原稿執筆と入稿。

さて日経新聞夕刊のエッセイ「あすへの話題」

大隅典子東北大学教授が書いている。
神経科学者で東北大学副学長でもある。
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「異なる視点を取り入れる」

大隅先生、
「innovation」という言葉を、
生成AIに訊いてみた。

日本語ベースの、あるAIの答え。
経済学者ヨーゼフ・シュンペーターが、
1911年にInnovationを定義した。
「経済活動の中で
生産手段や資源、労働力などを
それまでとは異なる仕方で新結合すること」

New Combination。

日本では1958年の『経済白書』で、
「技術革新」と翻訳して紹介された。

よくある定義。

次に大隅先生は、
英語ベースの生成AIに同じ質問をした。

回答はまず、
「いい質問ですね!」

「実はこの言葉はきわめて古いのです」と、
語源の紹介から始まった。

“novus”という「新しい」を意味するラテン語と、
「中へ」を意味する接頭辞の”in”が合わさって、
「innovation」ができた。

「中世ラテン語では、
契約や宗教的慣習の変更を指し、
法律や教会の文書で使用されていた」

英語に初めて登場したのは15世紀。
「宗教や政治における
異端的な変化に対する
否定的な文脈で用いられた」

「異端的な変化」

「産業革命が大きな転換点となり、
技術の進歩、発明、経済成長を
意味するようになった」

それをシュンペーターが活用したわけだな。

ここから、
“Gendered Innovations”の話になる。
「GI」と略される。

「性差」を知的創造と技術革新に組み込んでいくこと。

2005年、スタンフォード大学の、
ロンダ・シービンガー教授が提唱し始めた。
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新しい概念だ。

GIの例としてよく挙げられるのが、
薬の副作用の性差や、
車のシートベルトのユニバーサルデザイン。

大隅教授。
「異なる目線で見るとさまざまな気づきがあり、
それがイノベーションに繋がる」

英語の生成AIの答え。
「GIはより創造的かつ効率的な
ソリューションを導きます」

マーケティングの領域、商売の世界、
とくにスーパーマーケットこそ、
ジェンダード・イノベーションは必須だ。

これまでの主たる顧客も主たる働き手も、
ジェンダーレスだったのだから。

スタンフォード大学のGIのウェブサイト。
「GIは、発見とイノベーションのために、
性差分析の創造的な力を活用します。
ジェンダーを考慮することで、
研究に価値ある視点を加えて
新たな方向に導くことができるかもしれません」

「男性学」の権威・伊藤公雄京都産業大学教授。
「生物学的・生理学的性差への配慮と共に、
社会的に構築された性別の双方に
きちんと目配りすることで
新たな技術を生み出すこと」

男性学から見たGIの視点が貴重だ。

話は変わるが、
玉置泰さんのおすすめの映画。
『ゲッベルス』
ヒトラーをプロデュースした男
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玉置さんは電通出身で、
㈱一六(一六本舗)会長、
㈱セブンスター社長兼会長。
伊丹プロダクションの社長。

その玉置さんのコメント。
「驚いたのは、この映画のヒトラーが
トランプそっくりなんです。
考え方もやり方も全く同じ!」

男性的なるものに突っ込んでいくと、
酷似してくる。

この映画のプロデューサーや監督は、
敢えて今、アドルフ・ヒトラーを、
ドナルド・トランプのように描いたのかもしれない。

男性的なるもの、
女性的なるもの、
ジェンダーレスなるもの。

異なる視点、
異端的な変化から、
Innovationは起こる。

〈結城義晴〉

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