帰国して、時差ボケ。
これから1週間くらい、
ボーっとしていると思う。
商人舎オフィスに出たら、
月刊商人舎5月号が届いていた。
1セット50回に増えた。
これを1日に最低1回、
できれば3回やる。
余裕ができたら1回のセットを増やす。
100回セットを朝、昼、晩と3度やりたい。
ラスベガスでもやった。
最終日はいつも郊外の日本料理店「市座」。
タクシーを待つ間に50回。
さて渡米中に注目2社の決算説明会。
山本恭広編集長が取材して報告してくれた。
ともに売上高1兆円を視野に入れている。
5月12日(月)が、
㈱ヤオコー。
会場は東京都中央区のベルサール八重洲。
2階の会見場には約50人の記者が集まった。
説明者は川野澄人社長と、
上池昌伸専務取締役管理本部長。
2025年3月期決算は、
営業収益7364億円、前期比18.9%増。
営業利益334億円、13.9%増、
経常利益326億円、12.8%増、
純利益202億円、10.6%増。
単体では36期連続の増収増益。
月次既存店売上高の昨年対比の推移では、
日本スーパーマーケット協会の平均値を、
常に3~4%上回る。
既存店の好調ぶりは突出している。
前期のテーマは「価値に集中する」
具体的には3つの政策に取り組んだ。
①各部の価格政策
②生鮮の改善
③米不足への対応
とくに③について川野社長は語る。
「バイヤーの稲作体験など、
産地との関係づくりを継続してきた。
それが供給面にも貢献した」
次期の課題も3つ挙げた。
①生鮮でまだ勝ち切れていない。
②カイゼン・育成が不十分。
③働きやすさの実現。
①の生鮮食品の競合相手として、
ロピアと生鮮市場TOPの具体名を挙げた。
「南北政策」に関しては、
首都圏の南北の地域市場の違いを説明した。
南は共働きが多く、
賃金増の恩恵を受ける世帯が多い。
北は高齢者や年金生活者が多く、
所得の伸びが見込めない。
既存店伸び率でも3%ほど開きがある。
これを川野さんは「南北格差」と表現して、
しっかりと対応する。
ヤオコーは10月から、
ホールディングス体制に移行する。
社名は「ブルーゾーンホールディングス」。
ヤオコーを親とした従来の親子関係から、
ホールディングスの下に、
ヤオコー、エイヴイ、せんどうなどが、
兄弟関係となって協力する。
いよいよ、
「500店舗 売上高1兆円」が視野に入る。
「ブルーゾーン」の名称は、
ブルーオーシャン戦略なのかと思ったが、
実は違っていた。
「100歳の人が多く暮らす、
世界5カ所の長寿地域からとった」と、
川野社長は説明した。
イタリア・サルディーニャ島、
アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ、
コスタリカ・ニコジャ半島、
ギリシア・イカリア島。
日本では沖縄がブルーゾーンだ。
澄人さんは100歳の世界を目指しているのか。
川野澄人さんは初めてテレビに出る。
日曜日朝7時半のTBS「がっちりマンデー!!」
新しい素顔が見られる。
楽しみだ。
一方、5月14日には、
㈱バローホールディングス。
決算説明会の会場は、
東京都中央区日本橋の兜町平和ビル。
2階の会場には約20人の記者が集まった。
出席者は二人。
小池孝幸社長と、
篠花明常務取締役管理本部長。
最初に篠花本部長から業績の説明。
営業収益8544億円、前期比5.8%増。
営業利益232億円、1.5%増、
経常利益262億円、2.2%増、
純利益137億円、14.3%増。
営業収益は30期連続の増収。
純利益は過去最高。
ヤオコーほどではないにしても、
高いレベルの増収増益だ。
けん引役はスーパーマーケット業態である。
売上げで56%、営業利益で84%を占める。
ドラッグストア業態とホームセンター業態は、
増収したものの減益。
販管費や投資分を吸収できなかった。
2026年3月期は、
業績を営業収益9020億円にもっていく。
27年3月期には1兆円か。
スーパーマーケットは、
関西と関東への出店を加速する。
ドラッグストアは、
生鮮食品と調剤を強化する。
続いて小池社長が、
グループ戦略を説明した。
2023年8月に、
田代正美社長(現会長)の後任として、
取締役社長に就任。
1972年生まれの52歳。
グループの成長戦略で、
核になるのはスーパーマーケット事業だ。
1店舗当たりの売上高向上にこだわる。
そのためにグループシナジーを活用する。
愛知県稲沢では複合施設が大ヒットした。
ホームセンターとスーパーマーケットを核に、
BBQ施設、農園、スイーツ工房、
さらにドッグランを組み合わせた体験型施設だ。
話題となっている関東出店については
「全く未知の領域ではない。
すでにホームセンター、ペット事業で、
180億円の売上げをもっている」
自信を見せる。
すでに「バロー横浜店」(仮称)では、
社員募集を始めている。
この店はヤマダ電機の撤退跡に出店する。
5月11日閉店のテックランド横浜本店(戸塚)だ。
ヤマダにとっては狭いけれど、
バローにとっては十分な物件だ。
バローも1兆円に向けて、
ポジティブ志向だ。
川野澄人さん49歳、
小池孝幸さん52歳。
若い経営者による積極政策、
業界に新しい局面が到来している。
〈結城義晴〉