米国Basic研修の調査発表&表彰式と総括講義

Everybody, Good Monday!
[2025vol⑲]
2025年第20週。
日本ではもう火曜日だけれど、
アメリカはまだ月曜日。
だから、
Good Monday!
2025年も、もう20週。
早いものだ。
ラスベガスにやって来て5日目。
ここまで来ると、
さらに時間は速く過ぎる。
いつものように朝8時に集合。
4回目の最後のセミナー。
団員たちは8班に分かれて、
2日目と3日目の視察店で商品調査をした。
先頭を切って手を挙げたのが、
精肉担当のD班。
サーロインステーキを調査した。
調査結果をPF(Price Facing)グラフに起こして、
各社の商品戦略を分析、発表する。
D班はさらに鶏卵も調査。
日本のスーパーマーケットで、
事前に卵の調査をしてきた。
それを活用した多角的な分析だ。
私も質問をしたり、
補足の解説をしたりする。
これを8班すべてで行う。
2番手はG班のデアリー調査。
1ガロンの牛乳(ホールミルク)の品揃えを調査した。
各社の戦略が鮮明にPFグラフに出た。
ベイクドグッズ担当のF班は、
ベーグルをテーマにした。
コストコでは品揃えしていない。
そんな、調査結果を報告。
H班は冷凍食品の中から、
冷凍フライドポテトを選定して調査した。
その結論をアナログの手書きスタイルで示して、
意外な評価を得た。
デリ担当のE班はポテトサラダを選んだ。
サラダの中で最もポピュラーなカップサラダだ。
A班の加工食品チームはケチャップを調査。
作表もプレゼンも全員出場で、
しかも鋭かった。
ノンフードを担当したのはB班。
4歳児サイズのベビーオムツを調べた。
調査も分析も良かった。
凝ったプレゼン資料だったが、
トラブルもあって、
他チームの力を借りながらの発表。
すべての発表が終わると、
私と事務局とで議論して、
1・2・3位を決めて発表する。
6人が85点以上を採った。
私の隣の出口さんは100点満点だった。
㈱プラネット勤務。
レンゴー㈱の清水勇輝さんは95点。
頼もしい20代だ。
全員に月刊商人舎の年間購読をプレゼント。
そして商品調査&戦略分析では、
3位チームがデリのE班。
賞品はトレーダー・ジョーのハンドクリーム。
2位は精肉担当のD班。
賞品はトレーダー・ジョーの日焼け止めスプレー。
これ、ゴルフの時に私も愛用。
ファンファーレがひときわ高鳴るなか、
1位はケチャップを調べたA班加工食品チーム。
私の著書『チェーンストア』を贈呈。
今年は各班が、
それぞれの部門の主力商品に挑戦した。
脇役商品の調査では、
歪(いびつ)な結果が出ることがある。
しかし米国チェーンストアは、
主力商品では間違いを起こさない。
結果としてマーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
そしてニッチャーのポジショニング戦略が、
実に鮮明になった。
ボンズの凋落ぶりは、
全カテゴリーで証明されてしまった。
ウィンコフーズの健闘が光った。
発表のあとは改めて、
商品調査における注意点や戦略的な視点を解説。
視察だけではどうしても論理的な戦略論に偏る。
商品調査をすることで、実務と戦略の距離が、
近づいて、身のある勉強ができる。
この調査結果は全員に共有される。
すべてのチームに拍手を送りたい。
発表から表彰まで、
予定の時間をオーバーしたので、
総括講義は30分。
あらためて米国チェーンストアの理念を確認。
ウォルマートの基本哲学。
“サムの10ルール”
創業者サム・ウォルトンが残した十訓。
1.自己の仕事に献身・専心せよ
2.世間に逆流・逆行せよ
3.顧客の期待を超越せよ
4.競争相手よりも経費を管理せよ
5.自分たちの成功を祝福・賛美せよ
6.従業員の意見を傾聴せよ
7.パートナーと意思を疎通せよ
8.パートナーの意欲を向上させよ
9.従業員と利益を共有せよ
10.従業員の仕事すべてを評価・感謝せよ
前の5訓が、
「店が客のためにあって、成功する法」
うしろの5訓が、
「店員とともに栄える法」
サムと倉本長治はつながっている。
さらにサムの「小さく考えよ」
1.ひとつずつ考えよ
2.意思疎通せよ!意思疎通せよ!意思疎通せよ!
3.地に耳をつけよ(神は現場にあり)
4.現場に責任を、そして権限を与えよ
5.アイデアを沸き立たせよ
6.組織の贅肉を落とせ、悪しき官僚化と闘え
このあと「チェーンストア」の意味と、
その5つの基本となる特徴を解説。
さらにローゼンワールドの3つの信条と、
結城義晴の「5つの利」を紹介。
最後の最後は、
「ロイヤルカスタマー」
ロイヤルカスタマーとは、
その店、その企業の商品やサービスに満足し、
繰り返し利用してくれる顧客。
つまり固定客、常連客。
繰り返しの来店こそ商売の本質だ。
そして方程式。
[顧客ロイヤルティ]=
[Core Business Quality]×[Hospitality Quality]
顧客ロイヤルティとは、
商売の核となる商品のクオリティと、
ホスピタリティのクオリティが、
掛け算されたものだ。
ロイヤルカスタマーを増やして、
顧客ロイヤルティを高め続けてほしい。
それが最後のメッセージだ。
セミナーはこれで終了。
私は語り切った。
ご清聴を感謝して、
大きな拍手をもらった。
ミーティングルームを出ると、
マツモトの皆さんが待っていてくれた。
全員で、やる気のポーズ。
その後は各自、自由研修に散っていった。
私たち事務局は、
Omega Martに行った。
(それは明日のブログで)
では、みなさん、今週も、
ロイヤルカスタマーを増やし続けよう。
Good Monday!
(つづきます)
〈結城義晴〉