結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年03月25日(木曜日)

「集権と分権」と「戦略と戦術」と「重視と蔑視」

昨日の『報道ステーション』。

ほんの15秒くらいの出演で、
ディレクターの大木茂生さんから、
恐縮のメールが入った。
「次回は是非、流通の話で先生に、と思っております」。

有楽町という街に対する朝日新聞記者たちの、
ノスタルジックな番組になっていた。
有楽町は朝日新聞と日劇があった街。
それをテレビ朝日が看板番組で取り上げた。

有楽町マリオンの西武百貨店が、
今年クリスマスの日に閉店する。
そのことへの哀愁。

「一等地からなぜ?」

この一等地発想もないまぜになって、
有楽町への思いが描かれた。

まあ、テレビ番組はあんな感じ。
お騒がせしました。

さて、今日は、
私の最初の本『メッセージ』から、
組織や戦略に関する文章を二つ。

「集権か、分権か」  

中央集権か、地方分権か。
本部集中か、個店対応か。

集めると効率が上がり、
分けると能率が下がる、のか。
いや、ムリに集めるとムダ、ムリが生じ、
分けると、キメ細やかな対応ができる、のか。

機能の集中と役割の分散。
責任の集中と無責任の分散。

続々摘発される一連の不正事件も。
会社の破産・倒産、吸収合併も。
集権と分権の論理破綻の中で起こり、
集中と分散の範囲再整備の中で蘇る。

マキュアベッリの「君主論」によれば、
最も理想的な政治とは最良の独裁者によるもの、となる。
もっとも唾棄すべきは、
衆愚政治と衆愚組織。

権力と機能の集中と分散を
時と状況に応じてスピーディに使い分ける。

そんな絶対的なカリスマの存在こそが、
社会と大衆の求めるものなのかもしれない。
最良の独裁者が、集めて、分ける。
理想のカリスマが、分けて、集める。

社長よ、部長よ、店長よ。
衆愚にまみれた長と名のつく者たちよ。
最良の独裁者たれ。
理想のカリスマたれ。

それがとりもなおさず、
集権と分権との全体最適のあり方を体現することになる。

「戦略と戦術」  

戦略上は すべての敵を蔑視せよ。
戦術上は すべての敵を重視せよ。

蔑視という言葉が、最も似合うのは、政界では小沢一郎。
敵だけでなく、味方までも蔑視してしまう。
蔑視という言葉が、最も似合うのは、流通業界では、鈴木敏文。
彼は、部下たちに他店の視察を禁じた。
戦術上の無視を意味する。
しかし、それ以前にイトーヨーカ堂は、
他社のマネにかけては追随を許さないほどうまく、
それが戦略分野を侵害しはじめていたからこその指令であったに違いない。

業態間バトルロイヤル競争時代の今、このことは極めて重要だ。
従って、店舗コンセプトや出店、店づくりの方針の面では、
例えばスーパーマーケットは、
生鮮カテゴリーキラーや“パワーセンター”、
コンビニエンスストア、そして同業他社を蔑視するくらいでなければならず、
価格や鮮度や販促などでは、
その方法論を重視しながら研究し尽くし、対策を立てねばならない。
ただし、蔑視も重視も、目を閉じてはできない。
逆に、カテゴリーキラーの側は今、
既存の業態やスーパーマーケットにテナント入居しつつ、
目を見開いて蔑視している
だから強い。

ところで、冒頭の言葉が、最も似合う歴史上の人物は誰か。
若き日の毛沢東である。
なぜなら、この言葉を残した、その人だから。
しかし彼は老いて、戦略的にも戦術的にも盲目になった。

本日夕方、
高島屋とH2Oリテイリングの破談が発表された。

「組織は戦略に従う」  
<アルフレッド・チャンドラー・ジュニア>  

まさに名言。

<結城義晴>  


2 件のコメント

  • 結城先生、お疲れ様でございます。いつもありがとうございます。

    昨晩、ニュースステーション、拝見いたしました。
    そこでのテレ朝における番組で採用された結城先生のコメントは、「おいしい生活」のリテール黄金期の情勢をお語りになるという、断片的な部分に過ぎず、番組内容は結局、とある朝日OBのノスタルジーたる自己満足に徹した有楽町の落日のスケッチに過ぎないと、僭越ながら感じました。

    この空虚さは何なのか?

    塩野七生先生のご仮説によれば、

    「興隆の要因となったと同じものが衰退の要因になる」

    のお言葉を拝借させて頂けば、重ねて僭越でございますが、
    今は「正札、掛値なし」の時代の終焉が来たのだということを、少なくとも、この番組は理解されていらっしゃらないように思えるのです。

    今宵、ちょっと酒が過ぎました。失礼いたしました。

    では。

  • 船村さま、ご投稿感謝。
    ジャーナリズムはノスタルジー、
    ビジネス・商売はリアリティー。
    この違いだったのでしょう。

    ディレクターも、次は、
    きちんと、私の流通の話を報道したいようです。

    期待しましょう。

    ありがとうございます。

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