結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年12月05日(月曜日)

デフレ経済の「実感とのズレ」と「生団連」のミッション「国民の生活、生命を守る」

Everybody! Good Monday!
[vol49]

2011年第49週です。

暦の上では初冬といってよい季節なのでしょうが、
横浜では晩秋の感強し。
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良い陽気です。

12月第2週。
今年も残すところあと4週間。
充実した日々を送りたいものです。

3月11日の東日本大震災直後のことは、
まだまだ生々しく覚えていますが、
あれからずいぶん、
時間が経ったようにも感じられます。

「みたび、ひとつずつ、
すこしずつ、いっぽずつ」

今月の商人舎標語。

今週と来週は、
12月第4週の黄金の三連休、
天皇誕生日からクリスマスまでの23日、24日、25日に向けて、
準備の週。

しかしこれは世界中の商売の傾向ですが、
みな、早仕掛け。

そのことを忘れてはなりません。

さて先週金曜日の「ふたりのビッグ・ショー」商人舎忘年会。
ご参加くださった皆さんに、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。

土曜日のブログは大長編のフォトレポートになりました。
商人舎写真班に加え、
立教大学大学院の結城ゼミから、
柿沼将人君と佐藤康裕君の写真、
大量に使わせてもらいました。
お礼します。

さてさて今朝の日経新聞の一面トップ記事。
「デフレ経済、実感とズレ
物価が『二極化』」

犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人間が犬を噛んだら大ニュース。

人が知らないことを知らせること、
人が知っていると思っているが誤解していること、
そんなことを教えるのがジャーナリズム。

ならば月曜日の一面トップ記事として、
「デフレ、デフレ」と思い込んでいるビジネスマンに、
そうではないですよと警鐘を鳴らす。

「10月の消費者物価指数は、
値動きが激しい生鮮食品を除くベースで前年同月比0.1%下落」
つまりはデフレ基調。

「日銀は10月の経済・物価情勢の展望で、
2011年度、12年度とも物価上昇率は0%近辺と予想」

「にもかかわらず」である。

内閣府の10月の消費動向調査。
1年後の物価見通しは「上昇する」との回答が69.6%。
これは前月比2.4ポイントの増加。

CPIの個別品目では、
「価格が上昇した品目の割合は36%に拡大。
下落は51%」

「CPIは財とサービスに分かれ、
構成比率は半々」

「財」は三つに分かれる。
第1に、家電など『耐久財』、
第2に、衣類など『半耐久財』。
これらがおのおの7%。
第3に、食料品やガソリンなど『非耐久財』で、
これが36%。

「消費者のデフレ予想が強まった2002~04年と09年は、
3つの財すべてが下落基調だったが、
最近は非耐久財が上昇している」

「下落が続く耐久財はパソコンなど家電を中心に、
メーカーが激しい価格競争を繰り広げている」
つまりコモディティ化現象は耐久財で起こっている。

「これに対し、食料品は
食パンや砂糖、コーヒーなどの価格が上昇。
東日本大震災後は電気代など公共料金の引き上げも加わった」
つまり非耐久財やサービスは、デフレ基調から脱しつつある。
これらの比率は86%。

「雇用者の現金給与は97年をピークに減り、
必需品価格の上昇で低所得世帯中心に実質購買力は下がった」

「家計調査で消費支出に占める『食料』と『光熱・水道』の割合は、
今年1~10月平均で31.4%」
これは2000年以降、最大。

必需品の重要度はますます増し、
こちらはデフレばかりとは言えない。

これが年末商戦で、顕著に表れる。
重要なポイントだ。

さてさてさて、12月2日に、
「国民生活産業・消費者団体連合会」が発足した。

以下は設立声明文の抜粋。
「日本の実情は、
我々が明治、大正、昭和、平成にいたる
今日迄の143年間の長きにわたり
御国任せ、御上頼りにしてきたことも一因であるが、
残念ながら1億2600万人の生活、生命を守るための組織団体が
未だに存在していないことにも起因している」

「本連合会の使命は、
国民の生活、生命を守ることである」

「使命を達成する為には、政府、行政の政策運営に対し、
一致団結して我々の考えを十二分に反映させるだけの
発言力、提案力、そして実現力が必要である」

会長は清水信次さん。
日本チェーンストア協会会長にして、
㈱ライフコーポレーション会長。

副会長は12名。
各協会、団体の会長、代表が名を連ねた。
荒井伸也 オール日本スーパーマーケット協会会長
大木美智子 消費科学連合会会長
横山清 新日本スーパーマーケット協会会長
坪井明治 全国商店街振興組合連合会理事長
阿南久 全国消費者団体連合会事務局長
谷茂岡正子 東京都地域婦人団体連盟会長
土方清 日本小売業協会会長
川野幸夫 日本スーパーマーケット協会会長
黒川光博 日本専門店協会会長
関口信行 日本チェーンドラッグストア協会会長
鈴木弘治 日本百貨店協会会長
小川修司 日本ボランタリーチェーン協会会長

理事は44名で、
小売業、卸売業、製造業のトップがズラリ。

発足時の会員数は、
団体会員24、企業会員454、特別会員3、
合計481社(団体)。

この日、午後、総会が開かれ、
平成23年度の事業計画が決定された。
事業活動は5つ。
1、組織基盤の強化・整備
2、東日本大震災からの復興貢献策の検討
3、「産業別協議会(仮)」の設置
4、ビジョン策定の検討
5、会員サービスの充実

そして午後5時から、
設立記念パーティが開催された。
ニューオータニの芙蓉の間は、
多くの参加者であふれかえった。
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はじめに登壇したのは、
副会長、理事の皆さん。
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そして清水会長のあいさつ。
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清水さんは85歳の大正15年生まれ。
特攻隊の生き残り。
その思いは、日本の国家の健全な発展にある。

清水さんのスピーチには、
このことへの熱いメッセージが込められていた。
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日本経済を支えてきた「経団連」は、
製造業や金融業など巨大企業の集まり。
それに対して「生団連」は、
小売流通業、食品・雑貨・衣料品メーカーなど、
半耐久財や非耐久財の提供者たち、および消費者団体。

国民の生活により近いところで仕事する人々、
およびその国民の代表者たちの集まり。

清水さんの発想力によって、
結集された連合会だ。
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連合会の生みの親は清水信次。
育てるのはすべての団体・協会、参集企業、
その経営者、従業員たち。

「生むこと」と「育てること」。
どちらも大変な事業だが、
まずは生まれた生団連。
大きく、大きく、
育てなければならない。

その時に一番大事なこと、
それはミッションの共有である。
「本連合会の使命は、
国民の生活、生命を守ることである」

政界からも与野党の議員が駆けつけた。
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まずは清水さんと旧知の麻生太郎元首相。
自民党衆議院議員。
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次に鹿野道彦農林水産大臣。
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樽床伸二民主党幹事長代行。
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最後に公明党の石井啓一衆議院議員。
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そして乾杯のあいさつは鈴木弘治副会長。高島屋社長。
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清水さんの前には長蛇の列。
握手しているのは日本食料新聞社社長の今野正義さん。
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私も列に並んで、新しい名刺をいただいた。
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そのあとは、いつもの懇親。

㈱カスミの小濵裕正会長、
㈱ライフコーポレーションの岩崎高治社長と、
並木利昭常務。
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㈱ヤオコーの川野幸夫会長。
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㈱関西スーパーマーケットの井上保社長。
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㈱エコスの平富郎会長と平邦雄社長。
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三菱食品㈱の中野勘治会長。
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同じく三菱食品㈱中嶋隆夫専務。
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中嶋さんは先日、
日本チェーンストア協会主催のパネルディスカションで、
すばらしいプレゼンをしてくれた。

日清食品㈱の中川晋社長も、
同じパネルディスカッションのパネラーを務めていただいた。
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もちろん私がコーディネーター。

そして日本スーパーマーケット協会の大塚明専務理事と
管理渉外部長の内藤俊之さん。
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使命の共有とともに、
事務方の一致協力が、
必須であることを確認したい。

年末に向けて、
あと4週間。

みなさん、今週も。
Good Monday!
<結城義晴>


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