結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年09月03日(水曜日)

新浪剛史氏の辞任とミドルマネジメント研修会の「integrity」

新浪剛史さんが辞任した。
サントリーホールディングス会長。
66歳。

東京都内の新浪家宛てに、
海外在住の知人からサプリメントが発送された。

北九州市の門司(もじ)税関がそれを発見した。
海外では正規販売されている商品だが、
日本では違法な大麻成分が検出された。

税関から福岡県警に連絡が入って、
大麻成分を含む麻薬の密輸入の疑いで、
新浪氏の自宅が捜索された。

大麻や違法薬物は発見されず、
新浪氏の尿からも薬物成分は検出されなかった。

新浪氏は県警の任意の事情聴取に答えた。
知人から「健康に良い」と紹介されて送ってもらった。
「大麻成分が含まれていることは知らなかった」

しかし、
サントリーホールディングス鳥井信宏社長。
「取締役会では捜査結果にかかわらず、
新浪氏のサプリメントに関する認識が
代表取締役という立場にある人物として
容認できないとの結論に至った」

新浪さんは1981年に三菱商事に入社した。
2002年5月、ローソン社長兼CEO。
2014年にサントリーホールディングス社長、
今年3月に会長の座に就いた。
2023年からは経済同友会代表幹事。

サントリーは健康食品・サプリメントも売っている。
その売上高は2024年12月期で3363億円。

だからマーケットへの印象はすこぶる悪い。
退任もやむを得ないのだろう。

小売りのことをよく知ったメーカーのトップ。
貴重な存在だし、その発信力も評価されていた。
真相はまだわからない。

日経新聞編集委員の田中陽さんによると、
最近の新浪さんはIntegrityを強調していたそうだ。

だからこそ余計に残念だと思う。
しかし、真のIntegrityは、
この後の態度によって判明する。

新浪さんには凛としていてほしい。

さて第25回商人舎ミドルマネジメント研修会。
2日目は朝8時15分から理解度判定テスト。IMG_8320

商人舎の研修会では、
日本のセミナーでもアメリカ視察でも、
できるだけテストを実施する。IMG_8319

学んだことをどれだけ理解しているか。
それを受講生自身がわかることが大事だからだ。

もし理解していない事柄があれば、
もう一度、理解するまで復習したり、
わかっている人に質問したりできるからだ。

受講生たちの間を見て回る。
皆、よく書いている。IMG_8323

テストが終わると一気になごむ。
IMG_8326

2日目の第1・2講義は高野保男講師。
「作業システムとL.S.P.」がテーマ。
IMG_8327

高野講師は今も、
スーパーマーケットを指導して、
全国を巡る。

すでに60社以上の作業改善に貢献してきた。IMG_8330

現場の改善事例の動画を使って、
わかりやすく講義していく。IMG_8334

ときに質問を投げかけて手を挙げさせる。
IMG_8336

これによって参加企業のレベルと課題を知り、
その実情にあわせて講義をしていく。

ありがたいことだ。
IMG_8341

午前中最後の講義は結城義晴。
IMG_8345

理解度判定テストの回答を確認する。
追加したいことも語るから、
いつも30分近くの時間を使って、
設問の解説をすることになる。IMG_8344

そのあとは働きがいのある企業ランキングと、
顧客満足・従業員満足。IMG_8346

そして戸籍を得たスーパーマーケット産業の話。IMG_8350

昼食をとって、
第3・4講義は山本恭広講師。
月刊商人舎編集長。
IMG_8353

計数の講義は白部和孝講師が担当していた。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。
データ活用のポイントを整理し、
在庫管理と人時管理の計数を教授してくれた。

それらを引き継いで、山本講師が講義する。
商品回転率と交叉比率、
さらに人時生産性の基礎知識。
計算方式。
IMG_8355

コーヒータイム。
ちょっとした菓子も提供。
皆、それぞれにくつろいで談笑している。
IMG_8357

研修ホテルのニューウェルシティ湯河原は、
講義会場自体が広くて天井が高くて快適だが、
ホワイエも広々としている。
缶詰セミナーではこの環境が大事だ。
IMG_8358

2日目の午後4時15分から8時までは、
結城義晴が一気に講義。

最初はミドルマネジメントの経営数値。
山本編集長の現場の計数に対して、
経営に関する損益計算書と貸借対照表、
キャッシュフロー計算書の基礎。

そのあと総資本回転率とROAの原理。
IMG_8361

簡潔に切り上げるつもりだが、
いつも熱が入ってしまう。

そしていよいよマネジメント講義。

まず悪い組織の兆候。
そして大企業病。
茹で蛙状態。

それらが生まれる理由の一つは、
マネジメント理論の間違いである。

古典的なマネジメント理論はすでに、
誤りが多いとされるにもかかわらず、
それを使って経営がなされ、
組織がつくられている場合が多い。

それを180度転換させねばならない。IMG_8364

一言で言えば、
アンリ・ファヨールから、
ピーター・ドラッカーへ。

これは日本の産業にとっても必要なことだ。
もちろん小売業にとっても、
製造業・卸売業にとっても、
それらの関連産業にとっても、
マネジメントにおいて必須のことだ。IMG_8369

具体的な行動に対しては、
私の著書の説明から入る。
『店長のためのやさしいドラッカー講座』

そのあと責任の組織化、
自己管理による目標管理、
そしてコミュニケーション。

ドラッカーのエッセンスを、
小売業の事例を交えて語る。
いつも自分で講義をしながら、
燃えてくる。IMG_8366

みんなよく聴いてくれた。IMG_8373

夜7時を超えて今日の最後の講義。

リーダーシップ実践法。IMG_8368
リーダーシップに関しては誤解が多い。

リーダー的資質とは関係ない。
カリスマ性とはさらに関係ない。
神秘的なものではない。
むしろ平凡で退屈なものである。
リーダーシップは手段である。
その本質は行動にある。IMG_8375

今回はジョン・マックスウェルの考え方を強調した。
「リーダーの中のリーダー」
「世界一のメンター」
そんな風に讃えられる。

マックスウェルも、
Integrityの「終始一貫」を指導してくれる。IMG_8371
2日目は朝8時15分から夜8時まで。

みんなよく聴いてくれた。
よく勉強した。

このあとも明日の理解度判定テストに向けて、
復習に余念がない。

濃密な学習によって、
自分なりの本当のIntegrityを追究してほしい。

私はそう思う。

〈結城義晴〉


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