結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年12月03日(金曜日)

FSSF2日目セミナーの大久保恒夫・高倉照和・小平昭雄・結城義晴

大阪5日目の朝。

まだ暗い6時25分。
タクシーがホテルまで迎えに来て、
東大阪市へ。

12月3日の午前8時、
万代ニトリモール東大阪店オープン!!
??????????

ゴルフ専門店とAOKIの跡地への出店。
そのAOKIはモール内のユニクロ跡へ移転し、
11月19日に開店している。
??????????

390坪の店内を、
阿部秀行社長に案内してもらった。??????????
万代の幹部全員参集、
商品部も総出で、
この地元の新店開業に意欲を見せた。

朝7時から開店朝礼。
それも見学した。

万代の店づくりと商品政策。
コロナ禍2年を経て、
明らかに、劇的に変わった。
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それは明日のブログで紹介しよう。

その変わり方は、
スーパーマーケット業界にとっても、
大きな出来事であると思う。

8時に開店して、
顧客の動静を確認した後、
再びインテックス大阪前のホテルへ。
窓から大阪港が見える。
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そして、
フードストアソリューションズフェアの会場へ。IMG_91781

セミナー2日目の第1講座は、
大久保恒夫西友社長兼CEO。
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特別講演として、
「勝者総取り! ラストワンマイル戦略」を、
存分に語ってもらった。
??????????
西友の経営も極めて良好とのこと。
ネットスーパーの伸びはすごい。

そのあたりの話も、
このセミナー会場の参加者だけに、
問題ない範囲で披露してもらった。

ありがとうございました。

講演が終わると、
茨木のセンターを視察するとかで、
すぐにそちらに向かった。

相変わらず忙しい大久保さんだった。

第2講座は高倉照和さん。
スーパーサンシ㈱常務取締役、
NetMarket事業本部長。
テーマは、
「ネットスーパーの意義と黒字化への軌跡」
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高倉さんのフランチャイズ事業も好調。
講演もすごく上手で、びっくりした。??????????

受講者が何人も名刺交換を求めて並んだ。
その高倉さんと写真。
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第3講座は、マーチャンダイジング問題。
小平昭雄惣菜サミット会長。
「新常態の惣菜MDの決め手」
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小平さんは、
ヨークベニマルのライフフーズ、
ヤオコーの三味で惣菜の改革を成し遂げ、
現在は惣菜コンサルタント。

主要商品に絞り込んで、
強いアイテムをつくり出すことを強調した。??????????
この考え方には私も同感したい。
あれもこれもと品揃えを豊富にするよりも、
この1品、この2品、この3品を、
つくり出してお薦めするのが、
惣菜MDの決め手である。

小平さんとも写真。
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私はずっと舞台裏手の講師控室にいた。
そこに訪問者。
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㈱ロピアの執行役員の三人。
柴田昇さん、佐藤博和さん、古家裕さん。
ありがとう。

よく勉強する会社だ。

そして2日間の総括講演は、
結城義晴。

控室で準備。
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舞台のそでではストレッチ。IMG_93581

テーマは、
「コロナは時間を早める。」??????????

50分と限られた講演時間で、
昨日の千野和利さんの基調講演から、
全講座を総括しつつ、
2022年のフードストアを展望した。IMG_93721

コロナは時間を早める。
どんなことが早まるのか、
どんなことは早まらないか。

それらもエッセンスだけ指摘した。

たとえばM&Aは早まる。
マーチャンダイジングの変化も早まる。
この点に関しては、
10月18日オープンのロピア京都ヨドバシ店、
さらにきょう開業したばかりの万代東大阪店も、
スライドで紹介しながら指摘した。IMG_E9381

Epilogueは結城義晴の言葉。
ポスト・コロナ時代への決断とは
“不確実な成果”に対して、
目隠しで一歩、踏み込む
心の在り方である」

??????????

最後に拍手をいただいた。 IMG_93821
ご清聴、感謝したい。

総括講演が終わると、
入口のところで書籍販売。
『コロナは時間を早める』
1冊ずつ、1人ずつ、
筆で言葉を書いてサインした。
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新谷(いんがい)千里さんが聴講してくれた。
関西在住の売れっ子コンサルタント。
「生産性向上策」を得意とする。
感謝しつつ、ツーショット。IMG_93881

最後の最後は日本食糧新聞社のお二人。
社長の杉田尚さんと次長の楠木晴久さん。
楠井さんは関西ビジネスサポート部次長。
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お世話になりました。

ずいぶん長引きましたが、
やっと終わりました。

すべての講師のみなさんにも感謝したい。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2021年12月02日(木曜日)

フードストアソリューションズフェア開幕と万代/阿部秀行対談

フードストアソリューションズフェア2021。
略してFSSF。

西日本屈指の食品展示会。
それも地方創生を掲げる。

インテックス大阪で開催。

2025年大阪万国博覧会に照準を当てて、
大きな飛躍を期する。

私はそれを全面的に応援する。
大阪や関西、そして西日本が躍動すれば、
「東京一極集中の観あり」の日本社会の、
底上げが可能となる。

アメリカ合衆国はもともと、
東海岸から始まった。
ボストンやニューヨーク。
それがウェストコーストの繁栄によって、
世界のリーダー国家となった。
ロサンゼルスやサンフランシスコ。

国家も産業も企業も、
一極ではいけない。

日本では関西がその役割を果たすと思う。

今年のFSSFはコロナ禍2年目で、
3度の延期を余儀なくされた。

それでも主催者が粘りに粘って、
12月2日・3日の開催にこぎつけた。

朝9時15分ごろから、
開会のセレモニー。
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お陰様で快晴。
インテックス大阪名物のドーム型屋根。IMG_91001

主催者、来賓、そして、
副主催の企業トップのみなさんが並ぶ。??????????

副主催は西日本のスーパーマーケット、
総合スーパー、生協、合わせて18社。??????????

最初に主催者を代表して、
今野正義日本食糧新聞社CEO兼会長。
ユーモアを交えた挨拶だった。??????????

最後は千野和利さんの開会宣言。IMG_90991

千野さんはもちろん元阪急オアシス会長。
現在は離島振興地方創生協会理事長。??????????
力強いスピーチと開会宣言だった。

それから揃って記念写真。
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いよいよ始まった。

ざっと会場を巡ってから、
控室で懇談。
私の隣から千野さん、吉野芳夫さん、
今野さんと杉田尚さん。
吉野さんは元日本アクセス会長、
杉田さんは日本食糧新聞社社長。IMG_91561

それから、
セミナーセクションに移動して、
講師控室で懇談。
??????????

冒頭の基調講演は、
千野和利さん。
離島振興地方創生協会理事長。
テーマは、
「地方創生の意義と食品産業の未来」IMG_91331

千野さんは一般社団法人を発足させてから、
100回以上も離島を訪れている。
その情熱をぶつけるような講演だった。IMG_91351
ありがとうございました。

次の講座は記念対談。
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㈱万代社長の阿部秀行さんと、
結城義晴。

テーマは、
「ポスト・コロナのフードストア経営戦略」
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18社の副主催企業のトップに、
毎年、多数、登壇していくことにした。
それが一番、食品産業の人々が、
聞きたいことだし、学びたいことだ。??????????

トップバッターの阿部さんは、
万代のDNAの話から始めてくれた。

「失敗しても商売は面白い」
これが阿部さんの口癖。

若い人たちが、
そう考え、そう行動してくれることが、
小売業にとって一番必要なのだ。
??????????
コロナ禍で万代はどう考え、どう動いたか。
何を変え、何を変えなかったか。

さらにポストコロナ時代の、
商品政策、店舗政策、人材対策など、
どんどん語ってくれた。

私が話を受けて解説し、
次の話に展開させる。
??????????

阿部さんがこういった講演をするのは、
初めてのことだ。

それでもいつも通り滔々と語ってくれて、
会場の参加者は実にいい勉強になった。
??????????
ありがとうございました。

阿部さんと写真。
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副主催企業の勉強熱心なトップが会場を巡る。
㈱丸久社長の田中康夫さん。
㈱リテイルパートナーズ社長でもある。IMG_91211

それから㈱キョーエイ社長の埴渕恒平さん。IMG_E91191
5月20日の株主総会で社長に就任。
しかし11月10日に、
前会長の埴渕一夫さんが逝去。
65歳での早世だった。

キョーエイの未来は、
恒平さんの双肩にかかっている。

それから川崎博道さんは、
㈱サンシャインチェーン本部会長。
74歳だがまだまだ声に張りがあって、
お元気そのもの。
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TERAOKAブースでは、
㈱寺岡精工社長の山本宏輔さん。
いつもながら先進的な展示だった。
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垣添直也さん。
マリン・エコラベル・ジャパン協議会会長。
2016年に就任して、現在、
その活動に邁進中。
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日本は海洋国家であり、漁業国家だ。
だから独自の先進的なマリン・エコラベルが必要だ。
垣添さんはそれを訴える。
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いま、サンリオとコラボしている。
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会場を歩いていたら、
㈱プログレス・デザインのみなさんと遭遇。
代表の西川隆さんと、
営業本部長の柳本浩三郎さん。
私の左は福田真由美さん。
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このFSSFは商品と店づくりの革新を、
バックボーンのテーマにしている。

プログレスデザインの力も借りることになる。

三番目の講座は、
㈱とくし丸ファウンダーの住友達也さん。??????????
テーマは、
「移動スーパーの可能性と未来」

コロナ禍は移動スーパーの普及も早めた。
イトーヨーカ堂はもう、
とくし丸が80台を超えた。

大手チェーンもローカルチェーンも、
とくし丸による社会貢献に乗り出す。

住友さんは意気軒高。
??????????

その住友さんと写真。
同じ出版業出身の同志だ。IMG_E91711

最後の講座は、
「DXとビッグデータ活用講座」
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今年のフェアだから、
このテーマは欠かせない。

講演者は越尾由紀㈱True Data執行役。
ビッグデータマーケティング教育推進協会。

ビッグデータマーケターとして第一人者。

ITやAIの壁の話も盛り込んで、
DXへの取り組み方を、
丁寧に講義してくれた。
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全講座が終わって、ほっと一安心。

最後に会場を回る。
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ヨーロッパでは何度も、
アヌーガやシアルを訪れた。

シアルでは長らく、
ヒット商品コンクールの日本代表を務めた。

アメリカではFMIに学んだ。

しかしFMIは残念ながら、
ナショナルブランドの展示会になっていった。
そしてフェア機能を弱体化させた。

アヌーガとシアルは、
地方産品の食品メッセとして、
今なお、隆々としている。

FSSFもそういった、
世界的な食品メッセになれる。
規模はまだまだだが、
そのコンセプトは、
問題解決であり、地方創生である。

それがいい。

今日のFSSFご来場、
セミナーのご聴講、
心から感謝します。

ありがとうございました。
まだつづきます。

〈結城義晴〉

2021年12月01日(水曜日)

5年ぶりの「国勢調査」の人口減・少子化・単身世帯増とその戦略

12月に入って、大阪の師走は寒い。

久しぶりの宿泊は、
リーガロイヤルホテル大阪。

昨日のニチリウの本社が近いから。

メインロビーにオブジェ。

さて、質問。

「これは何でしょう」
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回答は、
「クリスマスツリー」

京都「片山文三郎商店」と、
コラボレートしてつくられた。

老舗絞り染め専門店。

そう、絞り染めなのです。
一つひとつ職人の手によってつくられ、
やわらかい光を放つ。

絞り染めのベールの中には、
輝くシャンデリア。

クリスマスツリーに見えないけれど、
なぜか気にかかる、
暖かい雰囲気を醸し出す。

12月は毎年、時の過ぎゆくのが早い。
あっという間にクリスマス、
そして年末、年始。

「この一瞬の積み重ねが、
君という商人の全生涯」
倉本長治の言葉が実感される。

月刊商人舎の最終段階を迎えているのに、
大阪への4泊5日の出張。

ホテルをレイトチェックアウトして、
原稿執筆と入稿に勤しむ。

午後2時ごろ、タクシーで、
大阪の港南地区へ。
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インテックス大阪は、
関西地区最大の展示会場。
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そのインテックス大阪。
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明日から2日間、食品展示会が開かれる。
フードストアソリューションズフェア2021。
略称FSSF。

何度もお知らせした。
FSSF2021

そのセミナー企画を担当した。
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会場の下見。
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着々と進んでいて、
さすがに日本食糧新聞社。

経験が豊富だ。

セミナー担当の楠井晴久さんと会って、
明日の打ち合わせ。

楠井さんは関西ビジネスサポート部次長。

頑張りましょう。

セミナーは事前予約制だが、
当日、欠席の人がいる場合がある。

フェアを見に来て、
セミナー会場を覗けば、
もしかしたら、
席が空いているかもしれない。

私が勝手に、
そんなことを言ってはいけない。

けれど、展示会にはぜひ、
おいでください。

昨日も書いたけれど、
『コロナは時間を早める』を販売しています。
全員にもれなく丁寧なサインをします。

結城義晴を探してください。

さて、オミクロン株。
水際対策を徹底すると言っても、
もう2人目の感染者が出た。

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

何度もなんども書いてきたけれど、
またリスクマネジメントだ。

もちろんオミクロン株は、
インフルエンザに毛の生えた程度の、
毒性の弱い感染症かもしれない。

しかし今のところは、
それもわからない。

パニックになることはまったくない。
けれど十二分にケアをしておきたい。

総務省の「2020年国勢調査」
確定値が公表された。

この調査は5年ごとに、
我が国に住む全ての人を対象として、
人口や世帯に関する基礎データを明らかにする。

日経新聞は一面トップ扱い。

総人口は1億2614万6099人。
5年前から94万8646人の減少。

総人口の減少は2調査連続。
つまり5年前の2015年と2020年。

生産年齢人口(15~64歳)は、
7508万7865人。

生産年齢を15歳にするのも、
今や現実にそぐわないが、
それでも5年前の前回調査から、
226万6232人減。

総人口に占める割合は59.5%。
1950年以来70年ぶりに、
6割を割り込んだ。

ピークの1995年からは、
13.9%減。

しかし2010年代は、
女性や高齢者の就労が増えて、
労働人口減を補った。

2020年の労働力調査では、
就業者数は6676万人。

10年前の2010年よりも6.0%増えている。

今回の国勢調査では、
少子高齢化もより鮮明になった。

65歳以上の人口は、
過去最多の3602万6632人。
私もその1人に含まれる。

5年前の前回調査に比べると6.6%増。

高齢化率は過去最高の28.6%で、
2015年比2.0ポイント上昇。

反対に14歳以下の人口は、
過去最少の1503万1602人で、
この5年間に5.8%減。

さらに日本の世帯数は5583万154。
前回比4.5%増。

1世帯あたりの人員は2.21人。
前回調査から0.12人縮小。

単身世帯は全年齢層で2115万1042。
前回調査から14.8%増。
全体の38.0%のシェア。

そのなかでも単身高齢者は、
13.3%増の671万6806人。

3人以上の世帯は減少、
特に5人以上の世帯は10%以上減。

全体を見ると7つの特長。
⑴人口減95万人
⑵高齢化6.6%増
⑶労働人口減226万人
⑷少子化5.8%減
⑸世帯数4.5%増
⑹単身世帯増14.8%増
⑺単身高齢世帯増13.3%増

小売業、サービス業は、
人口動態に直接影響を受ける。

自分の店の商圏内の変化を、
丁寧に調べる必要がある。

減り始めると、
急に減る。

それに気づかねばならない。

だから昨日と同じ店や売場に、
安住していてはいけない。

こちらも、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

けれど、
商人舎11月号で特集したように、
ヤオコーやロピアは、
その減少する人口動態に、
逆にフォーカスしていく。
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それが戦略となる。

ポジショニング競争戦略は、
マクロなトレンドだけで、
決定されるものではない。

念のために。

では、FSSF。
お待ちします。

〈結城義晴〉

2021年11月30日(火曜日)

ニチリウのバイヤー研修会で鈴木哲男巨匠と「二人羽織」

11月最後の日。
11月30日。

日本大学の田中英寿理事長、
所得税法違反容疑で逮捕された。

日本の最高学府。

日大に限らず襟を正さねばならない。

人が集まれば、
金が動く。

ストイックでなければならない。

一方、
立憲民主党代表選挙。
泉健太衆議院議員が勝利。
47歳ながら当選回数は8回。

29歳で代議士となって、
同党の政務調査会長も務めた。

中道と保守系の議員から支持を受けた。

日本の政治は、
オール中道の軌道を進む。

自民党はもとより、
共産党まで中道化して、
野党共闘に参加した。

だから泉健太代表にも、
中道のなかのポジショニングが求められる。

政治もポジショニング競争の時代である。

さらにミクロン株。
ナミビア人外交官の男性から、
日本入国の検疫で陽性反応が確認された。

それがオミクロン株だった。

家族2人は陰性だったが、
同じ航空機に乗っていた70人の乗客は、
濃厚接触者として扱われる。

水際対策は本当に難しい。

あとになって、
大したことではないとわかっても、
わからない段階では、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

それがリスクマネジメントである。

さて、昨日から大阪に入っている。
朝一番で、
日本流通産業㈱へ。
通称、ニチリウ。IMG_90641
プライベートブランドは、
「くらしモア」

1974年6月、7社の総合スーパー企業が、
共同仕入れ機構を発足させた。

平和堂、イズミ、オークワ、
ライフコーポレーション、
さとう、グランドタマコシ、ヤオハン。

初代社長は故夏原平次郎氏、
副社長は故大桑勇氏。

その後、
グランドタマコシは平和堂に吸収され、
ヤオハンはイオン傘下となって、
マックスバリュ東海の中核をなす。

一方、シジシー・ジャパンは、
東京の三徳を中心に、
スーパーマーケット企業10社が、
その前年の1973年に発足させている。

どちらもオイルショックに影響を受けた。

さらに1979年、
総合スーパー5社がアイク㈱をスタートさせた。
こちらは当時のジャスコ(現イオン)と、
ユニー、いづみや(現イズミヤ)、忠実屋、
そして九州のユニード。

ユニードと忠実屋はその後、
ダイエーの傘下に入り、
ユニーもイズミヤもアイクから抜けた。

ユニーは現在、PPIH傘下、
イズミヤはH2Oリテイリングの子会社。

そこでアイクは、
イオンの完全子会社となって、
2013年にマックスバリュ㈱と合併した。

面白い形で残ったのがニチリウだ。

CGCはスーパーマーケットの集団だったから、
全国から多数の企業が参集した。

ニチリウは、
総合スーパー業態を中心としたから、
現在は15チェーンと3生活協同組合によって、
強いリージョナルチェーンの集まりとなった。

そのニチリウから依頼されて、
バイヤー研修をやることになった。IMG_90181

朝9時、田淵寿専務が、
この研修の意味を説明してスタート。

午前中の3時間ほど、
結城義晴の講義。

バイイング活動は、
マーケティングそのものである。

バイヤーは、
その意識をもつことが、
何よりも必要だ。
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かつては「仕入れ方」と呼ばれたバイヤーは、
組織が成長してくると、
バイヤーとマーチャンダイザーとに、
機能分化してくる。

バイイングとマーチャンダイジング。

その両方が小売業には求められる。

商品政策のあり方から、
ベンダーの選考基準、
最後は商談のあり方、
バイヤーの行動、活動まで、
一気呵成、具体的に語った。

昼食をはさんで、
鈴木哲男先生にお出まし願った。
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「52週MD」のコンセプトを切り口に、
商品政策と販売政策、
重点商品など持論を展開。
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プライベートブランド政策に関しても、
コンサルティング事例を豊富に盛り込んで、
具体的な講義だった。
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鈴木先生とは45年の付き合いだ。
最近はペアで講義することも多い。
これを称して「二人羽織」。
最強ペアと自称している。
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実に有難いことだ。

事務局のお二人を加えて写真。
人事総務部部長の酒井幸男さんと、
人事総務担当リーダーの松吉佐知子さん。IMG_90461

最後に全体を総括して、
結城義晴の講義。
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プライベートブランド開発に関しては、
欧米のケーススタディを盛り込んで、
日本に欠けている攻撃的な政策を論じた。IMG_90491
最後はバリューエンジニアリング理論。

これが鉄壁の理屈だ。IMG_90571
質疑応答も盛り上がった。

グッド・クエッションばかりで、
ニチリウの現場の悩みもよくわかった。

しかしその問題意識は正しい。

それを解決することによって、
日本のチェーンストアをリードすることもできる。

田淵寿専務と写真。IMG_90601
平和堂の商品本部長も務め、
今年の2月からニチリウに赴任。

改革を目指す。

COVID-19は時間軸を早める。
その時期に改革に挑む。

進捗は早まるに違いない。
期待は膨らむ。

〈結城義晴〉

2021年11月29日(月曜日)

ブラックフライデーもオミクロン株水際対策も「早仕掛け」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㊽]

2021年第48週。
11月最終週にして、
水曜日から12月。

今日の第5月曜日は、
アメリカでは、
サイバーマンデー。

オンライン販売が最大になる日。

しかし、先週金曜日の、
ブラックフライデー。

eコマース個人消費額は、
89億ドルと前年の90億ドルから1%減。

感謝祭当日のオンライン消費額も、
1年前から横ばいの51億ドル。

日経新聞の白岩ひおな記者が、
ニューヨークから報告。

アドビが、米国オンライン販売の、
上位100位の小売企業のうち、
80社のウェブサイトを対象に調べた。

アドビ社の分析。
「小売企業がセールを前倒しし、
消費者も早い時期から
ホリデーシーズンの買物を始めた」

「早仕掛け」である。

セール期間が長くなった分、
ブラックフライデー当日の支出が、
例年より伸びなかったとの分析。

しかしトータルすると、
店の売上げも顧客の支出も、
増えているに違いない。

「早仕掛け」はそんな結果を招く。

さらにブラックフライデーには、
オンライン販売の44%が、
スマートフォンからの購入に占められた。

スマホ利用は前年から11%増。

一方、実店舗の客足は、
20年の1.5倍で大幅増。
センサーマティック・ソリューションズ調査。

アメリカでも、
店に客が戻っている。
その比率は1.5倍。

さて今日は朝10時から、
㈱True Dataの臨時取締役会。

12月16日のマザーズ上場を控えて、
頻繁に取締役会で審議し、
意思決定することがある。

オンライン会議は実に便利だ。

米倉裕之社長は連日、
積極的に投資家への「IR」をしている。
IRはInvestor Relations。

ロードショー、
あるいはBook Buildingともいう。
機関投資家への説明会。

ご期待ください。

私は夕方、新幹線のぞみで、
新大阪へ。

今夜から大阪に4泊5日。
中型トランクを引っ張って、
まるでハワイかアジアへの出張のようだ。

明日の火曜日は個別企業の研修会。

それから1日置いて、
木曜日と金曜日が、
フードストアソリューションズフェア2021。
FSSF2021
略称FSSF2021。
インテックス大阪で開催。
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主催・日本食糧新聞社。
共催・一般社団法人離島振興地方創生協会、
副主催・西日本のスーパーマーケット18社。
FSSF1-448x250

西日本、関西のみなさん、
ぜひ、ご参加ください。

今年から私も2日間、会場に詰めている。

アドバイザーとなってセミナー企画を担当。
fssf2021_program
パネルディスカッションが、
対談となってしまったが、
阿部秀行㈱万代社長と、
じっくり話し合う。

テーマは、
「ポスト・コロナのフードストア経営戦略」

松元努さんは急遽、欠席。
㈱エイチ・ツー・オー食品グループ専務。
無理を言ってご参加を要請していた。
理由はよくわかる。

特別講演は、
大久保恒夫西友社長兼CEO。
「勝者総取り! ラストワンマイル戦略」

住友達也㈱とくし丸ファウンダー、
「移動スーパーの可能性と未来」

高倉照和スーパーサンシ㈱常務。
NetMarket事業本部長。
「ネットスーパーの意義と黒字化への軌跡」

マーチャンダイジング問題は、
小平昭雄惣菜サミット会長。
「新常態の惣菜MDの決め手」

マーケティングは、
越尾由紀㈱True Data執行役。
「DXとビッグデータ活用講座」

そして冒頭の基調講演は、
千野和利離島振興地方創生協会理事長。
「地方創生の意義と食品産業の未来」

総括講演は結城義晴。
最後にすべての講座を総括し、
2022年への課題を提言。
タイトルは、
「コロナは時間を早める」

なお、セミナーは事前予約制です。
セミナーお申込はこちらをクリック➡https://miceform.jp/food2021/r/

フェアの書店では、
私の本を販売してくれている。

2日間、会場にいるので、
本には筆文字でサインをします。

どうぞ、おいでください。
私を見つけてください。
お待ちします。

さて、オミクロン株。
南アフリカなど9カ国で感染が広がる、
新型コロナウイルスか。

伝染力が強ければ毒性は弱い。

それが感染症のセオリーなのだが。

「現時点では日本国内で確認されていない」

日本の今日の新規感染判明者は全国で82人。

岸田文雄首相は、
水際対策を強化する。

30日午前0時から1カ月間、
新規の外国人の入国を停止する。

原則として、
日本国籍を持つ日本人らを除いて、
入国ができなくなる。

今回は「早仕掛け」

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

オミクロン株はすでに、
アフリカの南アとボツアナ、
欧州のイギリス・ドイツ・デンマーク、
イタリア・オランダ・ベルギー、
アジアでもイスラエル・香港、
オーストラリアなどで、
感染事例が見つかっている。

イスラエルは全外国人の入国禁止を決めた。

日本でも万が一の第六波に向けて、
緊張感が高まる。

3回目のワクチン接種も、
12月1日から順次行われる予定だ。

これも「早仕掛け」。

コロナは時間を早める。
だから「早仕掛け」。

では、みなさん、年末に向けて、
今週も「早仕掛け」で。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年11月28日(日曜日)

高津臣吾スワローズ日本一制覇のマスター・キイ

プロ野球日本シリーズ2021。

ほっともっとフィールド神戸で第6戦。
稀に見る好試合が展開され、
1点差試合が4ゲーム、2点差が1ゲーム。

最後となった第6戦も2対1。

セントラルリーグの覇者スワローズが、
パシフィックリーグのバッファローズを破って、
20年ぶり6度目の日本一となった。

おめでとう。
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東京ヤクルトスワローズ。
1950年に国鉄スワローズとして発足。

当時、最速の列車「超特急つばめ」から、
スワローズと名づけられた。

発足の50年8月に享栄商業高校から、
金田正一投手が高校を中退して入団し、
その年に8勝を挙げた。

初の日本一は1978年、
広岡達朗監督のもと。

二度目は1993年、
野村克也監督の頭脳野球のときだ。

この93年に高津臣吾投手が、
ストッパーとして大活躍。

野村スワローズは95年、97年と、
1年おきに日本シリーズを制する。

2001年の5度目は若松勉監督時代。
エースは石井一久、
捕手は古田敦也。
野手は宮本慎也、稲葉篤紀、岩村明憲。
高津の前の監督の真中満。

そして6度目が今年。

高津臣吾監督。

今年10月26日、優勝マジック「2」のとき、
ベイスターズとのナイターを迎える日。

本拠地・神宮球場のロッカールームに、
1枚の紙が貼られた。
高津の檄文
腹くくって
いったれい!!

高津監督の檄文。
IMG_90051
球団の公式Twitterに紹介され、
1万以上の「いいね」がついた。

この貼り紙の前を通って、
「大声で読む選手、心の中で叫ぶ選手、
いろいろでした」

「正直、試合前に不安がありましたが
背中を押されました。
誰の字なのかは
選手は分かってると思います」

Twitterの文章。

おめでとう。
東京ヤクルトスワローズ。

さて、倉本長治「あきないの心」
繁昌を招く88のことば。
あきないの心2
41  お客の心を心とせよ

「ホテルの支配人は、
マスター・キイを持っている。
これはどの部屋でも開けることができる」

支配人の持つマスター・キイ。

「ぬるま湯も、
いつかは沸騰して、
薬缶の蓋を
持ち上げるようになるものだ」

「情熱という言葉があるが、
お湯が火の熱でたぎるように、
人の心も情熱にたぎらせることができる」

高津臣吾はマスター・キイを、
実にうまく使った。

長治は商人を鼓舞する。
「心と心とが、
じかに触れ合うような、
愛と真実が沸き立つところ、
何で大衆が君の店へ
惹きつけられないでいよう」

「どうして、
そこらの生ぬるい、
いい加減な店で
物を買う気になるものか」

「君にも、店に来るすべてのお客の心を
たぎらすマスター・キイが持てるのだ」

高津は選手たちだけでなく、
ファンの心もたぎらせ、
そして惹きつけた。

「だが、真心そのものが、
はたして商売繁昌の
マスター・キイそのものであるだろうか」

長治は問う。
真心だけでうまくいくか。
倉本長治モノクロ

「もちろん、それだけで見事に開かれる
幾多の”心の扉”があるべきである」

「本当は商売とは
“お客の財布”が相手ではなく、
“お客の心”こそ
本当の狙うべき相手なのだから、
真心で繁昌の扉は
大きく開かれることが多いのだが……」

商品も価格も、売場も店も、
なくてはならぬ。

高津スワローズは、
投手も打者も守備者も指揮者も、
実力をそなえていた。

しかし前年は最下位だった。

プロ野球は紙一重の世界で、
だからマスター・キイの使い方が、
とても重要になる。

商売の世界も紙一重になってきた。
強いもの、良いものが残って、
さらに厳しい競争が生まれてきた。

君にも、
店に来るすべてのお客の心、
すべての店員の魂をたぎらせる、
マスター・キイが持てるのだ。

〈結城義晴〉

2021年11月27日(土曜日)

顧客となったときに「無礼な態度をとる商人」は?

アメリカでは11月第4木曜日が、
サンクスギビングデー。
その次の金曜日に、
ブラックフライデーが来る。
「黒字の金曜日」。

そして土曜、日曜は、
感謝祭ウィークを存分に楽しむ。

家族で、親族で、
あるいはパートナーと。

日本の年末年始休暇にあたるのが、
サンクスギビング週間だ。

その楽しむ2日間。

来週からまた仕事に戻る。

そして月曜日、
オフィスから家から、学校から、
ネットでクリスマスプレゼントを買う。

それが、
サイバーマンデー。

1年でオンライン購買が最大化する日。

そしてクリスマスまでの1カ月間、
1年で一番の書き入れ時がやってくる。

この1カ月間を、
「ホリデーシーズン」と呼ぶ。

日本は11月23日の勤労感謝の日が終わって、
12月に入って年末年始商戦に突入して、
歳末へと向かう。

その合間に、
景気づけのように、
ブラックフライデーを模倣して、
採用した。

クリスマスまでほぼ1カ月間。
きっかけとするには、
悪いことではない。

北海道新聞の巻頭コラム、
「卓上四季」

「その感謝祭が一度だけ
1週間前倒しされたことがあった」

興味深い。

1939年のことだという。

変更を決めたのは時の大統領。
フランクリン・ルーズベルト。
ルーズベルト
世界恐慌のときに、
有名なニューディール政策を断行した。

そのルーズベルトは、
「クリスマス商戦を早めて
経済を活性化させようとした」

まったく、商人の発想そのものだ。
私の言う「早仕掛け」である。

アメリカのホリデーシーズンは、
全体で年間売上げの2割を占める。
宝石店など9割がこのシーズンの売上げだ。

そのスタートを早めると、
いくらかでも経済は潤う。

だから12月商戦に勢いをつける、
ブラックフライデーの採用は、
実に理にかなった販促手法なのである。

今日は午前中は家で原稿執筆、
そして月刊商人舎12月号の入稿。

昨日、9万字の原稿を仕上げた。
満足感でいっぱいだ。

今日からは休まず雑誌原稿。

昼頃、商人舎オフィスに出社。

1本の長い原稿を入稿してから、
夕方、自由ヶ丘へ。IMG_89811

いつもの花屋。
monceau fleurs(モンソーフルール)。IMG_89831

ハロウィンのプレゼンテーションとは、
がらりと変わって華やかだ。IMG_89881

クリスマスツリー。IMG_89841

プロモーションは390円のガーベラ。IMG_89851

クレープ屋は店じまいして、
花売り場に転換。
IMG_89861

大きな商戦に向かう店は、
こうした劇的変身を試みなければいけない。

商店街のクリスマスツリーにも、
人が集まる。
IMG_89931

東横線に乗って自宅に帰る。

駅前の寺院。
IMG_90041

長光山妙蓮寺。
IMG_89971

ボードに住職の今月のことば。
IMG_8994

「生きるとは
生されていること」IMG_89951
この言葉は東洋哲学だが、
ここに神の存在を挟むと、
キリスト教と同期してくる。

不思議だ。

朝日新聞一面「折々のことば」
昨日の第2215回。

もりは 
しずまりかえり

なにも 
しゃべらないけれど

いつだって 
きみを みている
(大竹英洋の写真絵本『もりはみている』から)
森は見ている

大竹英洋さんは、
北米ノースウッズの森で、
野生の動物や自然を撮り続けている写真家。

「ノースウッズ」は、
文字通り「北の森」。
アメリカ合衆国とカナダの国境付近から、
北極圏にかけての広大な湖水地方。

「樹々(きぎ)の上から、
木陰から、幹の穴から、
リスが、小鳥が、熊の親子が、
フクロウが見ている」

「いや、静まりかえった森の
全体が私を見つめている?」

編著者の鷲田清一さん。
「何かに見られているという感覚は、
見る働きよりも鋭敏だ」

「見ることは
見えないものとの探りあいであろうに、
そのことを人はもう忘れてしまったか」

街の中のお店は、
いつも見られている。

店員はすべからく、
見られているという感覚をもっている。

それは見る働きよりも鋭敏だ。

商人が顧客となったとき、
この「見られている感覚」を失う。

本来、同じ商人として、
仲間であるはずの店に対して、
「見る働き」の鈍感さを押し付けるからだ。

そして無礼な態度をとることがある。

日頃、見られている感覚に、
押しつぶされそうになっている商人ほど、
その傾向が強い。

見ることは、
見えないものとの、
探りあいである。

生きるとは、
生かされていることだ。

それを忘れてはいけない。

それを失った商人には、
真の商売はできない。

〈結城義晴〉

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