結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年10月22日(金曜日)

商人舎10月号「コロナは固定客化を早めた」と「働く心」

急に寒くなった。
Tシャツの上に長袖シャツを着て、
その上にパーカーを纏い、
さらにダウンベストを羽織って、
出かけた。

今週は良く働いた。
抜け殻のような気分だ。

12月下旬の気温だとか。

明日は二十四節気の霜降(そうこう)。
半月後には11月7日の「立冬」がやってくる。

霜降は「霜が降りる」と書いて、
そのとおりに露が冷気によって、
霜となって降り始めるころ。

それにしても寒くなると、
新型コロナウイルス感染の第六波が、
心配になってくる。

毎日新聞巻頭コラム「余禄」
松尾芭蕉の句を持ち出した。
秋深き隣は何をする人ぞ

芭蕉が大阪で最後の句会の席で詠んだ。
1694年(元禄7年)11月15日、
旧暦で言えば9月28日。

翌日から芭蕉は床に伏し、
2週間後に亡くなった。

赤痢にかかって体調を崩したらしい。

コラムニスト。
「秋の夜長に人恋しさを感じたのだろうか」

芭蕉の辞世の句は、
旅に病んで
夢は枯野をかけ廻る

この急な寒さに、
私もそんなことを思う。

京都新聞のコラム「凡語」

こちらは若山牧水の歌。
白玉の歯にしみとほる
秋の夜の
酒はしずかに
飲むべかりけれ

牧水は明治18年生まれの歌人。
自然を愛し、酒を愛し、
恋をして、歌を詠んだ。

しかし肝硬変によって、44歳で早世した。

現代の歌人・俵万智が、
2018年の夏の終わりに、
「牧水の恋」という評伝を書いている。
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私も買って読んだ。
いい本だ。

牧水の酒の歌で面白いのがこれ。
足音を忍ばせて
行けば台所に

わが酒の壜は
立ちて待ちをる

私は酒と言えば現在は、
ビール、ワイン、焼酎になったが、
牧水の歌を読むと、
清酒が飲みたくなる。

そんな季節だ。

今日は朝からオンライン会議。
㈱True Dataの取締役会。
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2008年からこの会社の社外取締役で、
玉生弘昌㈱プラネット会長とともに、
もう一番古い役員となってしまった。

取締役会の終わりの方で、
月刊商人舎10月号特集のお礼を言った。

[実践]コロナ禍二度目の年末年始商戦
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私が書いた特集のまえがきは、
「コロナは固定客化を早めた。」
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そしてTrue Data+商人舎で話し合った結論が、
「Big DataでCOVID-19年末年始を読み解く」
カテゴリー別MDプランと3つのシナリオ
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越尾由紀さん、烏谷正彦さん、
ありがとうございました。
素晴らしい分析となりました。

図 スーパーマーケットの売上げ推移
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図 全国1店当たりの販売金額推移
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図 全国1店当たりの客数推移202110_truedata4-2

図 調理品の1店当たりの金額推移202110_truedata5

もちろん生鮮3部門のデータも、
食品と雑貨の主要カテゴリー別データも、
このグラフで提示して分析した。
烏谷さんが考察した「3つのシナリオ」を、
最後の提案とした。

ぜひ、読んでください。
よろしければ、
購読を申し込んでください。

最後に再び若山牧水。
わがこころ
澄みゆく時に詠む歌か

詠みゆくほどに
澄めるこころか

(「樹木とその葉」から)

この歌は商売や仕事に通じる。
つまり働くことに通じる。
牧水の仕事は、
歌を詠むことだったからだ。

わがこころ
澄みゆくときに働くか
働くほどに
澄めるこころか

〈結城義晴〉

2021年10月21日(木曜日)

商人舎MMS最終日の「自ら変われ!」とロピア奈良の2店舗訪問

大阪に来て4日目。
新型コロナ新規感染判明者は、
全国で345人。

大阪府が42人、神奈川県39人、
そして東京都が36人。

この沈静化はなぜだろう。

東京都と大阪府は全飲食店に対して、
営業時間短縮要請を25日以降、解除する。
ただし1テーブル4人以内での会食。

東京と大阪で全面解除されるのは、
約11カ月ぶり。

ありがたい。

そのぶん、スーパーマーケットは、
食品小売業は売上げが下がる。

当たり前の状態になる。

さて、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
略称MMS。

一昨年の9月以来2年ぶり。
第17回目となる。

その最終日、3日目。
会場はホテルフクラシア大阪ベイ。

朝8時15分からいつもの理解度テスト。
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今回は計数問題と記述問題。

この真剣に取り組む姿勢がいい。IMG_76491

テストがあるから講義も真剣に聞く。
それぞれ復習も真剣に行う。
その成果を試すのが理解度テスト。IMG_76501
その結果は、本人に伝えられる。
会社にはそれぞれの受講者が、
どのレベルにいたかを報告する。

自分のための理解度テスト。

テストが終わるとすぐに、
最終日の第1講座。

高野保夫講師。IMG_76601

テーマは作業システムとLSP。IMG_76611

ミドルマネジメントにとって、
最も重要な仕事は、
作業システムを動かすことだ。
つまりOperationである。
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その作業の本質と、
作業改善、作業改革のポイント。
レイバースケジューリングプログラムは、
どのように確立されるか。

フレデリック・テイラーの科学的管理法。
この理論をベースに、
現在の日本の小売業、サービス業の、
作業システムはいかに改善されるべきか、
具体例をもとに丁寧に解き明かす。IMG_76651

講義の最後に質疑応答。
関西スーパーマーケットの中山健人さん。IMG_76701

万代の澤田裕徳さん。
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本田行弘さんは、
スリーエスコーポレーション。IMG_76771
それぞれに自分が抱える問題を、
真摯に質問した。

高野講師がまたそれに、
丁寧に応えてくれた。

ほんとうにいい講義だった。
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ありがとうございました。

講義の合間に野村雅博さんと写真。
このたび㈱やまとよ代表取締役社長に就任。
商人舎のセミナーの会場設定から、
オペレーションまでを担当してくれる。
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おめでとう。
これからもよろしく。

さて最後の2講座は、
結城義晴。
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朝一番の理解度テストの解答を説明し、
それに関する補講をする。

それからマネジメントの方法。
ドラッカーの「責任の組織化」から、
目標管理と自己管理、
コミュニケーション、
リーダーシップとその具体的な改善法。
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テストが終わり、
作業システムを理解したところで、
一気呵成にミドルのマネジメントを、
具体的な方法論に集約して語る。IMG_77011

ランチをとって、休憩をとったあと、
総括講義はチェーンストア経営理論と、
業態とフォーマット論。
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そしてすべての仕事は、
「サービス業である」として、
「ホッケースティックの関係」と、
「間接部門のサービス」。

忘れないでほしい。
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最後はイノベーションと、
「自ら変われ!」
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自分が変わらねば、
仲間を変えることはできない。
自分が変わらねば、
職場を変えることはできない。
自分が変わらねば、
店を変えることはできない。IMG_77241

3日間のご清聴を感謝して終わった。

最後に全員から拍手をもらって、
いささか、感極まった。
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ありがとう。

名残惜しいものがあるが、
それでもみんなに別れを告げて、
私は奈良へ。
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関西ロピアの最新店。
ロピア大和郡山店。
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この9月にオープンして、
1カ月ちょっと。

新しい試みをしている。
それは月刊商人舎で報告しよう。

関西ロピア社長の福島道夫さんに、
案内いただいて大満足。
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そのあとロピア ミ・ナーラ店へ。IMG_78941
1989年(平成元年)10月2日に、
奈良そごうとしてオープン。

だがそごうは民事再生法を申請して倒産。
2000年12月にこの店も閉店。

2003年7月には、
イトーヨーカドー奈良店として再開業。
しかし2017年9月、閉店。

さらに2018年4月、
商業集積ミ・ナーラとして再出発。
核テナントはイオン傘下の光洋だった。

しかし光洋も今年1月に撤退。

そのあとに4月29日、
関西ロピアが開業。
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相次ぐ店舗の撤退によって、
このショッピングセンターには、
「長屋王の呪い」があるとされた。

私は「ロピア十番勝負」と題して、
この間の新店開発をレポートしたが、
このミ・ナーラ店において、
「今度は呪いとの闘いに挑んだ」と書いた。

その呪いとの闘いは、どうなったか。
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夕方の閉店間際の店だったが、
「呪いに勝った」ことは明らかだった。IMG_78681

核部門の「肉のロピア」は、
閉店間際でも充実の品揃え。IMG_78691

奈良の大仏に変身した「ロピ太」。IMG_78471

チェックスタンドはつつがなく、
オペレーションされている。
全員がハロウィン向けの扮装をしている。IMG_78881

こんな感じです。IMG_E78901
福島さんには、
ホテルフクラシア大阪ベイまで迎えに来ていただいて、
奈良の店を案内してもらったうえに、
さらに京都駅まで送ってもらった。

感謝にたえない。

しかし車中でずいぶん話し込んだ。

前向きな話題ばかりだった。
ありがとうございました。

これでミドルマネジメント研修会も、
無事に終了した。

来年は2回開催します。

さらに来年は海外研修を再開し、
新しい階層や職位のためのセミナーも企画中。

全国の飲食店だけではない。
商人舎もあるべき姿に戻る。

あるべき姿とは、
コロナ禍前よりさらに、
パワーアップすることを意味する。

ご期待ください。

〈結城義晴〉

2021年10月20日(水曜日)

商人舎ミドルマネジメント研修会のコペルニクス的転回

商人舎ミドルマネジメント研修会。
その2日目。

大阪の南港にインテック大阪がある。
大阪最大の展示会場。
首都圏で言えばビッグサイトか、
幕張メッセか。

そのインテック大阪に隣接して、
ホテルフクラシア大阪ベイがある。
研修に特化したホテル。

左が宿泊棟、右が研修棟。IMG_7503-1

エントランスを入ると、
吹き抜けの空間。
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その2階の研修室が私たちの教室。IMG_7505-1

朝8時15分から、
恒例の理解度テスト開始。

商人舎の研修会では、
2日目と3日目の朝に、
理解度テストを行う。

どれだけ講義内容を理解しているのか。
それを自分自身で測るためのテストだ。

もし、わからなかったこと、
設問に解答を書けなかったことがあれば、
それを集中的に復習する。

テストはそのための指標である。

したがって前日の講義から出題される。

理解度テストのもう一つの特徴は、
記述式であること。

学んだことを記述すると同時に、
自分なりの考えも簡潔に述べる。IMG_7488-1

設問数は少ないが、
受講生にとっては大変な課題でもある。IMG_7499-1

時間はあっという間に過ぎていく。IMG_7490.J-1PG

手を止めることなく、
答えを導き出す。
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2年ぶりの開催で、
2年ぶりに見る全員の丸い背中。

その集中力。
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健闘をたたえよう。

そして2日目の講義が始まる。

午前中の3講座は、
白部和孝講師。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。
計数管理の第一人者。IMG_7512-1

データを活用した仮説と検証、
在庫コントロール、
商品回転率と交叉比率、
そして人件費コントロールの計数。
その考え方を丁寧に講義。

エクセルシートを投影して、
実践的に進めていく。IMG_7518-1

応用編では、
実際に電卓を使わせて、
現場の計数の求め方を教える。IMG_7525-1

一人一人の理解度に合わせて、
指導してくれる。
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質疑応答もその場その場で行う。IMG_7528-1

受講生も手を挙げて、
先生にアドバイスを求める。IMG_7530-1

3時間にわたる計数の基礎と応用。
受講生にとっても、
目からうろこの講義だったに違いない。

たとえば「商品回転率」は、
高ければ良いのか。

高すぎる場合の問題点と、
低すぎる場合の問題点が、
明快に示される。

回転率は高ければ良いわけではない。

次の講座を担当する、
鈴木哲男講師が来場。
㈱リテイル・エンジニアリング・アソシエイツ社長。
略称REA。

2年ぶりの再会に、
お二人はうれしそうだった。

3人で再会の記念撮影。IMG_7534-1

昼食をはさんで、
午後は鈴木講師が3講座を受け持つ。

テーマは、
鈴木哲男の代名詞でもある「52週MD」。
そしてプロモーションと、
ストアコンパリゾン。

突き詰めると、リテールマーケティング。IMG_7539-1

鈴木講師はパワーポイントを使わず、
テキストとペーパーの資料を基に、
一気呵成、やや早口で講義していく。
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52週MD の考え方、
それを実践するために必須の、
重点商品の考え方と売り方、
作・演・調の仕組みづくり、
チラシ広告づくりなど、
実践的な内容を講義してくれた。

じつに、密度の濃い時間が流れていく。
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最後はプロモーションとストアコンパリゾン。IMG_7598.JPG-1

競合店対策のために、
ストアコンパリゾンは必須の技術。
受講生に店長やチーフが多いこともあって、
みな、必死にメモを取っている。IMG_7547-1

ありがとうございました。IMG_7606-1
鈴木哲男、巨匠はますます元気です。

さて2日目最後の講義は、
結城義晴。

理解度テストのおさらいをしつつ、
計数の補足講義として、
ミドルマネジメントが把握しておくべき、
経営数値の大原則を講義する。IMG_7608-1

簿記、会計、財務の違い。
貸借対照表(BS)と基本構造と
BSとPL(損益計算書)の関係を説明。 IMG_7617-1

本題の講義は、
マネジメント理論の変遷と、
日本の戦後マネジメント教育、
そしてチェーンストアのマネジメントの課題。IMG_7613-1

「管理原則の父」と呼ばれたのが、
フランスのアンリ・ファヨール。
そのファヨールが定義したのが、
5つの管理原則。

計画・組織・指揮命令・調整・統制。

1900年代の前半から今日まで、
経営管理の原則として、
世界中の企業や組織に定着した。

しかしその管理プロセスは、
組織が大きくなるにしたがって、
機能しなくなり、結局は破綻を招く。

最新のマネジメントと、
大きく乖離している。IMG_7623-1

戦後の日本にGHQが持ち込んだのが、
このファヨールの経営管理論だった。
MTP、TWI、JSTと言われた。
しかしそれらが今や弊害となっている。IMG_7634-1

ドラッカーとヘンリー・ミンツバーグは、
厳しくファヨールを批判している。
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私はチェーンストアのマネジメントを、
もっとイノベーティブにしたい。
だからついつい、力が入る。IMG_7626-1

ミドルマネジメント研修会は、
この講義が肝になる。IMG_7644-1

講義後には受講生から拍手をいただいた。
心から感謝したい。IMG_7645-1

九州では阿蘇山が噴火した。
極端気象はますます顕著になる。

COVID-19パンデミックは、
日本ではやや沈静化の気配を見せるが、
欧米ではまた爆発的感染拡大をみせている。

しかしマネジメントに関しては、
100年前のファヨールから、
現代のドラッカー、ミンツバーグに至る、
コペルニクス的転回は、
間違いのない真実だ。

そしてこの改革を成し遂げるのは、
トップマネジメントをはじめとした、
ミドルマネジメントの集団である。

2年ぶりの商人舎研修会。
絶好調を堅持して3日目へ。

〈結城義晴〉

2021年10月19日(火曜日)

商人舎ミドルマネジメント研修会、大阪で再開!!!

目覚めると、
大阪弁天町のアートホテル。
46階からの眼下の景色。IMG_74811

右が宇治川、遠景に大阪湾。IMG_74821

朝食を終えて、
ベイタワーのモールを歩く。
9時前だからガラガラ。
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1階のロピア大阪ベイタワー店。IMG_74791

10月に入って、
朝の客足がちょっと鈍った。

それでもきちんと、
売場づくりをしている。
シンプルな売場、
シンプルなオペレーション。IMG_74751

「虹のアーチを掛けろ!!」
シャインマスカットとピオーネの、
新しいプレゼンテーション。
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核売場の精肉部門には、
もちろん満載の商品。IMG_74771

本日のLINE掲載商品。
こんなことも始めた。IMG_74711

生本鮪ブーメランは、
いつも販売する。
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惣菜部門はさらに、
高速で商品化されるようになった。IMG_74781

柴田昇店長。
㈱ロピア執行役員で、
尼崎店店長を兼務する。IMG_E74741
改革の意欲は高まるばかり。

その後、大阪の南港にある、
ホテルフクラシア大阪ベイへ移動。

今日から3日間、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
コロナの影響で2年ぶり。

今回は関西からの参加者が大半を占める。

そこでコロナ禍のなか、
人流を極力抑えるために、
大阪で開催することになった。

17回開催してきたこの研修会で、
初の大阪開催となる。

ホテルフクラシア大阪ベイ2階が、
研修会場。
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ミドルマネジメント研修会は、
次代を担う中堅幹部を育成する。

ベースの考え方は、
ドラッカーのマネジメントだ。IMG_3328-1

ソーシャルディスタンシングを堅持して、
各社から派遣されたミドルマネジメントが揃う。IMG_3330-1

第1・第2講義は、
結城義晴が担当。
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私たちの小売サービス産業と題して、
商売のロマンとビジョンを訴える。

そのためにまず、
商業近代化の根本思想を語る。
いつも、どんなときにも、
倉本長治の思想から。
「店は客のためにある」

この言葉は、
ドラッカーの最も重要な概念と重なる。
「事業の目的は顧客の創造である」

それから倉本の「商売十訓」。
一訓ずつ丁寧に解説する。

そしてピーター・ドラッカーの三つの概念。
根底に流れている思想は、
倉本とドラッカーは合一する。IMG_3334-1

私自身が考えに考え抜いて発見したのが、
倉本とドラッカーの一致である。

「損得より先に善悪を考えよ」
これはドラッカーのインテグリティである。

「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
これはイノベーションを意味する。

「お客に有利な商いを毎日続けよ」
マーケティングの基本概念である。

そんな講義の中でも、
話はどんどん脱線。

今、日本の小売業界で、
加速されているM&Aについて、
私なりの見解を述べる。

「コロナは経営統合を早める」

そしてその際に重要なことは、
「商人の本籍地と現住所」。

私からのエールでもある。IMG_3340-1

第2講義は商業の近代化の歴史。
ここから浮かび上がるのは、
商業の現代化と基幹産業化である。

さらに世界産業界の趨勢を通して、
小売業のポジショニングを解説。
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あっという間に、
前半2時間の講義は終了。

2年ぶりで思いは強い。
脱線も多い。

けれどそれが面白いらしい。

第3講義の講師は、
井坂康志さん。
ものつくり大学特別客員教授で、
ドラッカー研究の第一人者。??????????

スライドを使った講義はわかりやすい。

ドラッカーとは誰か、
マネジメントとは何か、
マーケティングとは何か、
イノベーションとは何か、
戦略とは何か、
そしてフィードバックとは何か。

ドラッカーマネジメントの神髄を、
これ以上ないというくらい簡潔に語ってくれた。??????????

講義が終わると恒例のQ&A。

真っ先に質問してくれたのは、
本田行弘さん。
スリーエスコーポレーション㈱開発室。??????????

それから川田淳也さん。
㈱万代総務部事務チーフ。??????????

そして古橋早苗さん。
㈱スタジオアリス執行役員で
店舗運営統括部ゼネラルマネジャー。??????????

三人ともグッドクエスチョンだった。
井坂さんも丁寧に答えてくれた。

その井坂さんと、
お互いの著書を寄贈し合って、
ツーショット。
IMG_E74841
ありがとうございました。

井坂さんの近著は、
「Drucker for Survival」
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こちらもよろしく。

初日の第4・5講義は、
再び結城義晴。

Fotune誌が毎年調査するのが、
働きがいのある企業ランキング100。
ここに示されるものは何か。

世界最大の小売業をつくり上げた、
ウォルマートのサム・ウオルトンの10ルール。
リッツカールトンのクレド。

これらに示されているものは、
顧客満足と従業員満足である。

カスタマー・サティスファクションと、
エンプロイー・サティスファクション。
??????????

それを倉本長治は簡潔に語った。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」
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最後の最後は、
産業構造の変化と、
そこから生まれるサービスついて。
「事業所サービス」が伸びる。
どこかにそのヒントを見つけ出してほしい。
??????????

2年ぶりのミドルマネジメント研修会も、
こうして初日を終えた。

ご清聴に、心から感謝。

夕食会場は、我々の貸し切り。
一部の人は早々に食べ終えて、
自室に戻って復習をしている。
明日の理解度テストに備えるためだ。IMG_3364-1

私もみんなと一緒に同じ夕食。
それから1本だけ缶ビールを飲んで、
一日の講義の疲れを癒した。

コロナ禍を経て、
真っ先に研修を再開した。

学ぶ組織は強くなる。
学ぶ企業が生き残る。
学ぶ商人が成長する。

これだけは確かだ。

〈結城義晴〉

2021年10月18日(月曜日)

大阪出張「3時間半の足止め」も「う越貞」の鮭児に感動!!

Everybody! Good Monday!
[2021vol㊷]

2021年第42週。
10月第4週。

新型コロナウイルス検査の新規陽性判明者。
東京都も大阪府もともに29人。
神奈川県が23人。

すごい。

二桁は沖縄県16人、埼玉県14人、
北海道が11人で、
愛知県と岐阜県が10人。

信じられない。

その本当の理由は、
是非とも解明してほしい。

私は東海道新幹線で、
横浜から関西へ出張。

秋晴れにもかかわらず、
雲に覆われて富士山は見えず。
??????????

富士川にかかる富士橋だけ、
くっきりと見えた。??????????

しかし浜松に差し掛かった1時30分ごろ。
列車は急停止。

そのまま、そろりそろりと、
浜松駅に入る。

反対車線にも新幹線の上り便。244712502_4348584265264367_1837247502695125066_n

豊橋駅で人身事故。

結局、5時まで足止めされた。

京都で降りて、奈良に行く予定を変更。
新大阪に入った。

今日は㈱関西ロピア社長の福島道夫さんと、
同じ列車に乗って、連絡を取り合った。

お互いに足止めを食ったが、
福島さんはなんの動揺もなく、
新大阪に着くと、
一緒に予約の魚屋へ。IMG_74401
知る人ぞ知る「う越貞」(うおさだ)。
大阪市福島区福島の名店。

魚尽くしのお任せ料理。

お通しから、旬の刺身各種。
そして焼き魚、煮魚、揚げ魚、汁物。
最後にご飯とデザート。

魚のフルコース。

今年最後のハモや、
絶品のウニ。
今夜のマグロは漬け。

私、料理評論家ではないので、
ボキャブラリー貧困で、恐縮。

そのなかで、
驚いたのが焼き魚。

「鮭児」(けいじ)。
その名のとおり若い鮭。

1万尾に1尾の逸品。IMG_74461

No.1183とナンバーが入ったタグが付いている。IMG_74451

そしてこの、
知床半島羅臼漁協産の鮭児には、
認定のピンがついている。
う越貞の鮭児5尾のピンは、
誇らしげに飾られている。
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その証明書。
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福島さんと一緒に、
証明書を持たせてもらって写真。IMG_74531

ご主人の貞繁一さんも、
お薦めしてくれました。IMG_E74561

これがその鮭児の焼き魚。IMG_74411
私も初めて食べた。
ん~、言葉がない。

酒は焼酎の銘酒・佐藤。
右から白、黒、麦。IMG_74661
水も佐藤の特性。
先割にして瓶(かめ)に入れ、
その瓶から酌んでくれる。

私は黒をチョイス。

煮魚はノドグロとレンコン。
これがまた言葉にならないほどの逸品。IMG_74591
子持ちのノドグロで、
う越貞手詰みの山椒が絡まって、
なんとも旨かった。

吸い物は長崎のクエ。IMG_74611
上品な味だ。

さらにクジラのベーコン。IMG_74641
懐かしい旨さだ。

このあと、揚げ魚。
柿のてんぷらもいい香りだった。

最後にマグロの漬けご飯と、
追加でイクラのご飯。

これらも絶品。

ほんとうにボキャ貧で恐縮。

一度、食べに来てください。

私は食事の間ずっと、
ジェイ・バーニーの戦略論を思っていた。
「模倣困難性」。

う越貞のことだ。

ご主人の貞さんを挟んで、
福島さんと私。
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満足のほどはこの顔に表れている。IMG_74681

月曜日から、
新幹線事故で3時間半も足止めされたが、
う越貞の魚尽くしで、
元気は回復した。

明日から2年ぶりに、
商人舎ミドルマネジメント研修会。

2泊3日の缶詰セミナー。
私は12時間くらい講義する。

もちろん完璧な、
ソーシャルディスタンシング。

頑張ります。

コロナには、
絶対に負けない!

では、みなさん、今週も、
模倣困難性を求めて、
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

2012年9月の「商人舎標語」。
平櫛田中(ひらぐし・でんちゅう)の言葉。
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没の、
107歳まで生きた彫刻家。
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平櫛はこの後に続けて言う。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」

Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年10月17日(日曜日)

大衆の不幸や災害につけこんで「一時の儲け」を狙うバカ

大衆の不幸や災害につけこんで、
「一時の儲け」を狙うバカは、
店の永遠の繁栄を捨てる者である。

人というものは、
ある一時の親切をも
生涯に感じるものなのである。

それなのに、何故、
人々が困っている時、
親切を尽くすという
ほんとうの商売ができないのか。

そんなことがあるはずはない。

諸君には、毎日、
お客からありがとうと言われ、
諸君もまた、心から
お客にありがとうと言える
商売ができるはずである。

それが店を育てるのに必要な、
君たち誰でもが持っている
商売繁盛の原動力である。

非常の時なればこそ、
大衆にその店の心が
すぐわかるのだが、
ほんとうは毎日、
来る朝も来る日も、
親切で心温まる
商売であるべきだ。

商売は
人と人との心が
じかに触れあうことの
できるものである。

資本が店を有力にすることはない。

店が無力か有力かは、
実にその商売が
無情に行われるか、
美しい心で行われるかによって
定まるのである。
〈倉本長治〉
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『あきないの心』から。
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サブタイトルは、
繁盛を招く倉本長治の88のことば。

倉本長治は1889年生まれ、
1982年没。

日本商業の近代化を、
グランドデザインした人。
商業界の創設者。

その精神がここに記されている。

本書は2012年、商業界刊。

東日本大震災の翌年。
故倉本初夫商業界二代主幹によって、
編纂された。

その初夫は翌2013年12月15日に逝去した。

88の言葉の中の71番目の言葉。
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COVID-19パンデミックが、
終焉を迎えつつある今、
「一時の儲け」を狙ったバカは、
店の永遠の繁栄を、
自ら捨てた者だ。

――儲かることと、
繁盛することとは
別である。

これを一致させるのが、
商人の正しい姿である。

利益とは、
社会にために尽くす
物質的、精神的な
種火のようなものであり、
清く美しいものなのである。

長治は諭す。
「儲けは目的ではない」

真理だ。

〈結城義晴〉

2021年10月16日(土曜日)

「野菜の多品種展開」とイータリーの「食堂・市場・学校」

NHK調査の「新たに確認された感染者数」2021-10-16全国感染
全国で509人。
もう500人を切りそうだ。

大阪府が78人、東京都が66人。
神奈川県36人、愛知県33人など。

冬には第六波が来るなどと、
一部では言われているが、
それも避けられたら避けたいものだ。

東京・自由が丘。
人が戻ってきた。
街は人によって成り立っている。

街角のカウンターバー。IMG_74251

サクラバル。IMG_74271

その隣にいつもの花屋。
モンソーフルール。IMG_74281

夕方でも華やかさは失せない。IMG_74293

ハロウィンのプレゼンテーション。IMG_74323

今年のハロウィンは、
少しは楽しめそうだ。IMG_74303

朝日新聞の経済コラム。
「経済気象台」

現役で活躍する経済人などが匿名で執筆。

タイトルは、
「野菜の多品種展開」

「男爵やメークインといった昔ながらの品種に、
近年人気の”キタアカリ””インカのめざめ”、
そして流通量が少なくなかなか手に入らない
“ノーザンルビー”や”レッドムーン”」

ジャガイモのこと。

「夏の終わりから秋にかけて、
ニセコや十勝の道の駅には
驚くほど多くの種類のじゃがいもが並ぶ。
色も形も様々で、見ているだけで
豊かな気分になる」

「じゃがいも王国・北海道では
料理によって使い分ける人も多い」

「カレーは煮崩れしにくいメークイン、
ポテトサラダは冷めてもホクホクな男爵、
さつまいものように甘いレッドムーンは
スイーツに最適だ」

筆者は主張する。
北海道のスーパーマーケットでは、
「必ず品種名が書いてあり、
消費者は”じゃがいも”ではなく
品種で買っている」

北海道のジャガイモと同じように、
アメリカの顧客は、
牛肉を部位ごとに買い分ける。

だから米国のスーパーマーケットでは、
部位ごとのマーチャンダイジングが、
必須の条件となる。

最近は日本でも「希少部位」と称して、
さまざまな部位が売られるようになった。

逆に魚の多品種化は、
日本のほうがはるかに進んでいる。

「農作物の品種による差別化の先駆けは
コメだろうか」

日本は米文化の国だ。
だからコメの品種が多い。

「りんごやぶどうなど
単価が高い果物は
差別化が進む傾向にあるが、
じゃがいもに続く野菜は
なかなか現れない」

「道の駅では
品種別に売られているかぼちゃやトマトも、
街のスーパーでは
“かぼちゃ””トマト”とひとくくり」

野菜や果物は、
多品種展開を目指したい。

「費用対効果が見合わず、
生産者が二の足を踏んでいると聞いた」

生産者も流通業も小売業も、
この費用対効果を解消する協力態勢を築きたい。

そのために小売業が主導権をもつ。

「食卓にのぼることが多い
おなじみの野菜の多品種展開が進めば、
改めてその野菜を知るきっかけになり、
食の関心の高まりにも一役買うだろう」

「需要創造」とは、
こんなことを言う。

人々が「知らないこと」をお知らせする。
まるで学校の先生や大学教授のように、
マスコミやジャーナリズムのように、
商品や暮らし方を教える。

イータリーの創業者。
オスカー・ファリネッティ。
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食堂のような、
市場のような、
そして学校のような、
そんな店にしたい。

月刊商人舎2017年2月号。
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だからイータリーは、
圧倒的な多品種の店である。

野菜の多品種展開、
肉や魚の多品種展開。

そのうえで適度なSKU展開をする。

コロナ禍のあとに、
ポストコロナ時代が待っている。

店は再び、
配給所のようなものから、
食堂のような、
市場のような、
学校のようなものへと、
存在感を取り戻すに違いない。

〈結城義晴〉

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