結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年03月28日(日曜日)

寝て起て大欠して桜哉(小林一茶)の一日

家を出て、小さな坂を登る。
そこに咲く桜。
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満開だ。

桜の木の下に、
桜の花に包まれるように立つ。

散った桜散る桜散らぬ桜哉
〈正岡子規〉
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小林一茶には桜の句が実に多い。

ちる桜けふもむちやくちやくらしけり
〈文化三年〉

桜の季節は心が落ち着かない。
宗左近(そうさこん)は一茶を読み解く。
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「あわただしい季節の移り変わりのなかに、
置かれるからでしょうか。
何か出鱈目なことを仕出かさなければ、
バランスがとれません」IMG_23541
来年はなきものゝやうに桜哉

この咲っぷりが桜だ。
来年のことなど考えずに、
今年に咲き乱れる。IMG_23581
古き日を忘るゝなとや桜咲

旧い昔を忘れるなと、
桜は説教する。
桜を見るたびに説教される。

昨夜は10時間寝た。
今朝8時半に起きて、
だらだらと過ごして、
ブランチをいただき、
また寝た。

このところハードワークが続いた。
とりわけ単行本を仕上げるという、
プレッシャーがずっしりと全身を覆っていた。

それをやり遂げたら、
ちょうど春眠暁を覚えずの季節。

しかしCOVID-19感染拡大は、
第四波を予感させる。

世の中は
地獄の上の花見哉

〈文化九年〉

花見はいいけれど、
今、宴会はいけません。
地獄の上の花見となってしまう。

けふは花見まじ
未来がおそろしき
〈文政一年〉

江戸の時代にも、
仏典には「未来永劫」の言葉があった。
現代の私たちの「未来」とは異なる。
それを一茶の感性がとらえた。

仏様の救いの届かない「無」の「地獄」。
そういう未来を心の片隅に置きながら、
一茶の日々はつづく。

だから今日は、
桜を見るのをやめよう。
目が開かれて、
未来が見えてしまう。

だらだらとした私の一日。
商売に励んでいる人たちには申し訳ない。

おそれながら申上まする桜哉
〈発句鈔追加〉
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寝て起(おき)て大欠(おおあくび)して桜哉

今日だけは、
未来を見るのをやめましょう。

〈結城義晴〉

2021年03月27日(土曜日)

埼玉県蕨市の店舗クリニックと規模拡大の「成長と膨張」

埼玉県の蕨市と戸田市。
東京都との境目。

店舗クリニックした。

その理由は、
ビバモール蕨錦町がオープンしたから。IMG_23471
核店舗はスーパービバホーム蕨錦町店。
そしてヤオコー蕨錦町店。

鈴木國朗さんとご一緒。
一瞬だけマスクを取って。IMG_23421

スマイル。
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朝の8時から夕方6時ごろまで、
10店舗を巡った。

アメリカでもヨーロッパでも、
アジアでも日本でも、
結城義晴のやり方。

時にはじっくりと1日中、
その店に腰を据えて調査することもある。

これは故森龍雄先生の方法論。

アメリカのウォルマートなど、
1日中、1店舗に張り付いて、
隅から隅まで調査する。

その結果が一冊の本になった。
森龍雄著『ウォルマートの成長戦略』
商業界刊のいい本だった。
編集担当は故高橋栄松さんだった。
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私は1978年の春先に、
関西スーパーで1週間研修を受けた。

それは開店から閉店まで、
店をウォッチングすることでもあった。

さらにロサンゼルスのラルフでは、
24時間ウォッチングをやった。
1985年だったか。

しかし最近の米国研修などでは、
通常、1日10店ほどを訪れる。
業態やフォーマットを理解するためだ。

今日もヤオコーは3店。
それからライフコーポレーション、
マルエツ、サミット、オーケー、
そして西友と東武ストア。

この蕨市は日本で一番面積が狭い市だ。
そのかわり単位当たりの人口密度は、
日本の市町村で最も高い。

そこで激戦が展開されている。

ヤオコーが新店をオープン。
競争はどう変わるか。

「埼玉蕨の陣」
月刊商人舎4月号でお届けしよう。

クリニックの途中、ここに寄った。
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㈱日本流通未来教育センター。??????????
2002年10月設立。

㈱マルエツと㈱ライフコーポレーションが、
共同でつくった教育機関だ。

ライフ会長の清水信次さんと、
当時のマルエツ社長の吉野平八郎さん。

お二人が意気投合してつくったのが、
他社にも公開する教育・訓練の場。

生鮮食品の加工技術の実務訓練、
店長・バイヤーなど中堅幹部教育、
新入従業員向けの基礎教育など。

私も一度、ここで講義する依頼を受けた。
実現しなかったけれど。

かつてこの地はマルエツの本部だったか。
私の勘違いかもしれないが。

マルエツの前身は、
高橋悦造の魚悦商店。
浦和市の魚屋として創業。

その後、1965年に、
スーパーマーケット1号店開店。
1970年、丸悦ストアーに名称を変えて、
1974年、マルエツに商号変更すると同時に、
多分、本社をここに移してきた。

その後、1977年2月、
東京証券取引所市場第2部に上場。

日本の食品スーパーマーケットで初の上場。
高橋八太郎さんが社長だった。

1978年には、
千葉県の㈱プリマートを経営統合。
首都圏で100店を超える店舗を展開して、
日本最大だった。

その後、1981年には、
神奈川の㈱サンコーと合併。
サンコーがダイエー傘下だったから、
存続会社はマルエツになったけれど、
実質的にダイエー傘下に入った。

この時点で、1都3県に145店を展開。

その後、ダイエーがイオンの子会社となり、
マルエツもイオングループの企業として、
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの一員となった。

懐かしい。??????????
私が㈱商業界に入って、
販売革新編集部に配属された1977年、
首都圏の代表的なスーパーマーケットは、
マルエツ、いなげや、
そしてサミットストアだった。
あとは北関東のカスミストアととりせん。

ヤオコーもベルクもエコスも、
まだ規模は小さかった。

マルエツは群を抜いて、
店数が多かった。

考えてみると現在も、
ユナイテッドは520店。

店舗数は日本最大のスーパーマーケットだ。

故田島義博学習院大学院長。
流通理論の権威であった。

その著『成長と膨張』にある。
「規模拡大は、
成長によってももたらされるが、
膨張によってももたらされる」

「外見的には同じような規模拡大も、
成長と膨張では、全く意味が違う」

マルエツの規模拡大が、
膨張であったとは言わないが、
常に店舗数ナンバー1ではあった。

私はその歴史を見てきた。

田島先生は書いている。
「すべての規模拡大が、
規模経済を結果するとは限らない」

規模の不経済を生むこともある。

さらに恐ろしいことを書いている。

「企業が膨張ではなく、
本当の成長をしているとしても、
成長そのものが、
成長阻害要因を生むことによって
成長を制約するようになる」

マルエツがそれだとは言わないが、
第1に規模拡大には成長と膨張があって、
膨張であってはいけない。

第2に規模拡大は、
規模の経済を成果とするだけでなく、
規模の不経済を生むことがある。

第3に、きちんとした成長そのものが、
成長阻害要因を生んで、
成長を制約することがある。

不思議なことに、
ウォルマートにはそれがない。

今回の単行本にも、
このことは書いた。

現場のクリニックは、
様々なことを考えさせてくれる。

ありがたい。

〈結城義晴〉

2021年03月26日(金曜日)

マルト安島浩さんの聖火リレーと「学ぶ集団・学習する組織」

東京オリンピック。
昨日から聖火リレーが始まった。
スタートは福島県。

いわき市では、
㈱マルトの安島浩さんが、
栄えあるリレー走者となった。
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もちろんマルト代表取締役社長。163857226_2226117980856214_4626983424565889413_n
安島さんのメッセージ。
「いわき市が世界で一番、
住みやすい市であることを
アピールしたい」

「10年前の東日本大震災の時に
日本全国そして世界から
応援していただいたことに
感謝を申し上げたい」165144534_1778787928956676_4319444241944773783_n
いい走りでした。

横浜商人舎オフィスのそばの新田間川。
川べりの桜も見ごろ。IMG_22691

家のそばの夜桜も、
そろそろ見ごろ。IMG_22771

今年の桜は散るのが早い。
コロナが時間を早めている。IMG_22801
夜桜や人静まりて雨の音
〈正岡子規〉

さて、待望のお知らせ。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
第17回を開催します。IMG_22701

今日、各社に発送しました。IMG_22731
昨年はCOVID-19の影響によって、
開催を中止しました。

しかし今年度は、
万全の感染防止対策を講じたうえで、
実施します。

第17回は6月8日(火)~10日(木)、
第18回は9月14日(火)~16日(木)。

いずれも2泊3日。

この研修会は、
オンラインではできません。
やりません。

直接の動機づけが必須だからです。
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商人舎のミドルマネジメント研修会は、
ドラッカーのマネジメントを基本にしています。
自ら考え、自ら行動できる、
次代のリーダーを育成します。

結城義晴の言葉で言えば、
智慧と知識をもち、
行動力の備わった「知識商人」です。

将来の幹部候補生を養成します。

その一人ひとりの商人としての人生を、
豊かで尊いものとします。

これまで1200名を超える知識商人を、
輩出してきました。

国内最高の講師陣が、
モノの見方、考え方、そして行動の仕方を、
丁寧に指導します。

研修中には2回の理解度テストを行い、
受講後には課題レポートを課します。
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これによって、
SABCDの5段階で理解度を評価して、
本人と派遣企業へご報告します。

今年は講師陣も結城義晴も、
いつにもまして燃えています。

ご派遣、ご参加を、ご検討ください。

学ぶ集団、学習する組織、
それを推進する人間を養成します。

ピーター・センゲは、
「学習する組織」を提案する。
著書は『学習する組織』、
そして『最強組織の法則』。
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センゲは書いている。
「本物のビジョンがあれば、
人々は学び、力を発揮する」

しかしそのビジョンが、
個人と組織とで、
共有されねばならない。

イオンのビジョンは、
平和産業、地域産業、人間産業。

セブン&アイ・ホールディングスの社是は、
「基本の徹底と変化への対応」。

ファーストリテイリングは、
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」

そしてマルトの経営理念は、
幸せを創造する企業づくり
公正・公平・公明な企業づくり

社是は、
「商売とは
心からありがとうといってくださる
お客様という名の友人をつくること」

そして社訓は、
「私たちの進歩向上によって
会社の発展が得られ、
会社の発展によって
私たちの幸福が得られる」

安島さんが、
「いわきは、
日本で一番
住みやすい市であることを
アピール」するのは、
そのビジョンである。

東日本大震災の時に
日本全国や世界から応援されたことも、
そのビジョンに基づくものだ。

それに感謝することも、
マルトのビジョンである。

学ぶ集団、学習する組織、
それを推進する人間が、
求められる。

〈結城義晴〉

2021年03月25日(木曜日)

コロナ禍とテレワークの「animal spirits」と「若さ」

横浜の桜も八分咲き。
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駅までの通勤の道の桜。
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今日は東京駅へ。
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ちょっと雨模様もあって、
人出は少ない。
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東京都の新規感染者数は394人。IMG_22661

私は毎月、大手町プレイス内科で、
検査と診察をする。
だから東京駅を通過する。IMG_226312
この1カ月、単行本でハードワークした。
座って仕事することが多かった。
けれど検査の結果はすこぶるいい。

田嶼尚子先生にお褒めの言葉をいただいた。

さて日経新聞電子版。
「経営者ブログ」は、
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
毎週火曜日に自分で書く。
鈴木幸一

鈴木さん、このところ心配している。
IIJは日本のインターネットの草分け。
いわゆるITの会社の先駆けだ。

技術開発、事業計画など、
様々な報告事項を、
会長に向けて社員が持ってくる。

「そのスケールが
小さくまとまってきたことに対する
危惧である」

IIJのカルチャーは、
「妄想と言われようと、取りあえずは、
膨らむだけ膨らませるような
リポートや提案だった」

「それが少なくなってしまったのである」

私は大企業病の兆候だと思う。

「社員間の会話が膨らんで、
まずは妄想ともいえるほどに
膨らみ過ぎた計画を潰すのが、
私の役割だった」

それが、
「もう少しふくらみがないと、
将来が見えないなあ」
などと言わねばならない。

現実的な案が増えている。

「飲み屋のばか話を勧めるわけではない」
と断ったうえで鈴木さんは述懐。

テレワークによって、
「ひとりでいる時間が長いと、
どうしても、刺激的ではあるが
難問ばかりといった案が生まれず、
確実にできそうな案に
なってしまうのではないか」

「今更の話だが、人というのは、
ひとたび、ある観念に寄りかかってしまうと、
そこから離れることができない」

「技術開発や事業開発の考えも、
すぐに一つの考え方や観念に支配されて、
そこに閉じ込められてしまうことが多い」

小売業で言えば、
商品開発やサービス開発である。
店舗開発やフォーマットの開発である。

「余計なようでも、
仲間や知人との会話という
キャッチボールから
飛躍が生まれることも事実なのだ」

「在宅勤務のメリットはメリットとして、
自らのうちに閉じこもらないようにしないと、
発展はない」

まったく、同感だ。

「在宅勤務」は、
大企業病に陥りやすいのか。

日経新聞経済コラム「大機小機」
コラムニストは一直さん。
「出でよ 熱気ある起業家」

日経の「私の履歴書」には今月、
島精機製作所の島正博会長。
子どものころから発明家で、
手袋編み機の全自動化で大成功を収めた。

私も毎日、読んでいる。

かつて島さんは、
編み機の全自動化を目標に、
仲間とともに会社を立ち上げた。

ところが編み機の半自動装置が売れ行き好調。
自身以外の出資者は、
「現在の半自動装置で十分だ」という意見。

島さんは彼らと袂(たもと)を分かった。

一方、アイリスオーヤマの大山健太郎さん。
「ロングセラーはだめ。
それに頼るようになります」

経営学でいう「金のなる木」。
つまり現在安定して
収益を稼いでいる部門に固執する。

経営環境が読みにくい状況では
保守的になりがちだ。

経済学者ケインズは80年前、
「将来の長期間を要するような、
積極的なことをしようとする
われわれの決意の大部分は、
血気の結果としてのみ行われる」

血気は原文では「animal spirits」。
ケインズは明言している。
「将来の利益の数学的期待値ではなく、
人間本来の楽観に基づく行動だ」

「血気が鈍り、自生的楽観がくじけると、
企業は衰え、死滅する」

コラムニスト。
「デジタル社会、脱炭素社会に向けて
世界の産業界は一斉に走り出している。
熱気にあふれる島さん、大山さんが
大勢出てくることを期待したい」

同感だ。

今年の商人舎標語。
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「若返れ!」

時代と時代の節目のとき。
「断絶」を乗り切る武器は若い力である。
若さによってしか「時代の溝」は凌げない。
だから組織は若返るべきだ。

若さが「キャズム」を乗り越える
早さの鍵を握る。
若さが「キャズム」を凌ぐ
柔らかさの源である。

若さが「キャズム」をバネにする
強さの礎である。
そして若さが、
企業の生命線である。

〈結城義晴〉

2021年03月24日(水曜日)

単行本の「白焼き」とサミットの「SDX」&「ダイバーシティ」

横浜ではそろそろ夜桜も見ごろだ。IMG_22591

今日、「白焼き」が届いた。
鰻の話ではない。
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表紙もカバーも本文も、
「印刷直前のゲラ」が刷り上がって、
それらをまとめてざっとチェックする。IMG_22501
単行本をつくるとき、
この白焼きの瞬間が、
私は一番好きだ。

ご期待ください。

新型コロナウイルス感染。
今日の新規感染者は、
全国で1917人(18時30分時点)。

今日判明した新規感染者は、
東京都が420人で、
今年の3月では最多。

大阪府は262人、
神奈川県は128人、
埼玉県は121人、
兵庫県は118人
千葉県が108人。

宮城県は171人で、
過去最多となった。

今週月曜日の22日から、
1都3県の緊急事態宣言が、
解除されたばかりだ。

なんとも皮肉な現象である。
あちらを立てれば、
こちらが立たず。
こちらを立てれば、
あちらが立たず。

まだまだコロナ禍は終わらない。
「キャズム」の真っただ中だ。

商人舎流通スーパーニュース。
サミットnews|
4/1付機構改革、DX推進グループ新設

サミット㈱の4月1日付機構改革。

DX推進グループが新設される。
DXはもちろん、
Digital Transformation。

現在の経営企画室が経営企画部となり、
経営企画グループと、
DX推進グループとなる。

そしてこのグループの名称は、
「SDX」。
サミット・デジタル・トランスフォーメーション。

それを統括するのは、
山元淳平執行役員。
広報室担当でもある。
よろしく。

月刊商人舎3月号特集。
Retail「DX」
202103_coverpage[Message of March]

アナログとデジタルを融合させよ。

指折り数える。
それが、
「デジタル」の語源だ。

ラテン語の“digitus”。
ここから派生した英語の“digital”。
どちらにも「指」の意味がある。

デジタルは、
その指で数える「整数」のことだ。
現象を数値化して記録したものだ。

だからデジタルは劣化しにくい。
複製にも、伝送にも適している。
再現性が高い。

一方のアナログは人間的な「知覚」だ。
情報量が多い。
表現も豊かだ。

が、再現性が乏しい。
コピーしにくい。
劣化しやすい。

時計はもともとアナログだった。
温度計もアナログだった。
それがデジタルとなった。

不思議なようだが算盤はデジタルだ。
駒の種類が多い将棋はアナログだが、
黒石白石の囲碁はデジタルだ。

小売りの仕事はアナログだ。
サービスの業務もアナログだ。
近代化はそれをデジタルに変えた。

アナログは次々にデジタルとなった。
そしてデジタルが世の中を高速化させた。
デジタルが世界を爆発的に膨張させた。

アナログのデジタル化はこれからも加速する。
だから逆にデジタルのアナログ化が必須となる。
かくてアナログとデジタルの融合が進む。

それがDXの本質だ。
それがポスト・コロナの仕事の態度だ。
ポスト・モダンの商売の在り方だ。
〈結城義晴〉
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さらにサミットは、
女性活躍推進グループの名称を、
多様性推進グループに変更して、
ダイバーシティへの取り組みを明確にする。

朝日新聞のコラム「経済気象台」
今日のタイトルは、
「女性活躍が切り開く未来」

日本は少子高齢化社会である。

厚生労働省の予測。
仕事をする高齢者と女性の割合が、
今のままならば、
2040年の日本の労働人口は、
17年に比べて18.8%も減少する。

しかし試算がある。
「女性就業率が、
男性就業率と同レベルまで上昇すれば、
GDPは10%押し上げられる」

「女性活躍推進法」は、
2016年に施行された。

コラムニストは言う。
「一世代前の法律のように感じるが
最近のものである」

同感だ。
法律の名称そのものが旧い。

サミットは、
「女性活躍推進グループ」の名称をやめる。
「多様性推進グループ」とする。

いいことだと思う。

日本の女性就業率はG7で最低だった。
男女間で14ポイントほどの差があった。

「しかしここ数年の急激な上昇によって、
世界的に見ても遜色のない水準となった」

それはパートタイム労働者の増加による。

だから、
「管理職に占める女性割合は、
他国に比べると”著しく”低い」

そこで問題点が指摘される。

「かつて女性の社会進出問題は
男女平等の観点から議論されていた」

その通りだし、
今でもそう考えている人が多い。

しかし現在は、
「経済の活性化や組織の成長にとって
必要不可欠なものとされている」

男女平等も大切だが、
経済の活性化と組織の成長に、
ダイバーシティは不可欠だ。

コラム。
「立場の異なる人間による
意思決定のプロセスは、
イノベーションの源泉となる」

同感だ。

「日本の意思決定層には
この多様性が足りていないのである」

そしてこれが重要な点だ。
「女性活躍支援の制度に
賛成はしていても、
運用時には無意識に
差別してしまう例が散見される」

「女性活躍推進は
女性だけの問題ではなく
社会全体の課題である」

あなたの問題であり、
私の問題である。

以て自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2021年03月23日(火曜日)

万代知識商人大学第6期開講講座で4時間語り尽くす。

万代知識商人大学。

日本最初のスーパーマーケットの企業内大学。
2016年にスタートして、
もう、その第6期となった。

その開講式。
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これまで150人の修了生がいる。
今年度もまた32名が選抜されて、
1年間学ぶ。

幹部候補生のための講座である。

冒頭、阿部秀行社長の訓示。??????????

そして学長のあいさつ。
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学長は結城義晴。

1956年、ゼネラルエレクトリックが、
世界で初めて企業内大学を創設した。
通称「クロントンビル」。

ここから次の時代の経営者が育っていった。

その後、アメリカのほとんどの大企業で、
企業内大学はブームのように開設された。

日本では40年遅れて、
1996年、NECが企業内大学をつくった。
これは「ハーバードビジネスレビュー」の記述。

しかし小売業で言えば、
イオンの前身の岡田屋が1964年に、
「オカダヤ・マネジメント・カレッジ」を創設。
その後、ジャスコ大学、イオン大学と、
名称を変え、内容も高度化した。
私も講師に名を連ねた。

学び続けること、
学ぶ組織。

そのための教育機関。

私はそれを目指したい。
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その後、32人全員に、
辞令が発せられる。
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仕事として学ぶのだ。
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今年は女性が2人。
柏木夏紀さんは、
第7運営部フロントエンドチーフ。
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それから芝純常務の、
期待の言葉。
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加藤健常務は、受講の心構え。
3月1日に常務に就任したばかり。
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最後列には、
㈱万代の取締役が全員参集。
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万代ではこの知識商人大学が、
人事制度の一環として位置づけられている。

講話が終わると、
履修生全員が一人ひとり決意表明。

森雅人さんは松原上田店店長。
今年の級長だ。
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藤田慎吾さんは、
上野芝店グロサリーチーフ。
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全員が期待の星だ。

決意表明が終わると、
最初の講義。

阿部社長の万代のミッション。??????????

企業内大学の良いところは、
こういった企業自身の考え方を、
トップマネジメントが直接、
語りかけることができる点である。

パワーポイントを使って、
ブレない経営理念を語った。
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するともう12時。

阿部さん、加藤さんとスリーショット。
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ランチはいつも万代本部併設の渋川店。
4月1日の「スーパー月の市」が告知される。IMG_22441

一丁目一番地の新玉ねぎ98円。IMG_22381

農産部門は良いものが安い。IMG_22431

惣菜部門はどんどん改革されている。IMG_22491

照り焼きチキンステーキ。IMG_22461

迷ったけれど、
私はうなぎまぶし、500円。IMG_22481
毎月、この昼食は楽しみだ。

13時05分から午後の講義。
受講生との距離があるので、
マスクを外して話始める。
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まず学ぶことについて。
「すぐ役に立つことは、
すぐに役立たなくなる」
灘高校教頭だった橋本武先生の言葉。

それから佐藤一斉「言志四録」。
(わ)かくして学べば、
すなわち
壮にして為すこと有り、

壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず、
老いて学べば、
すなわち死して朽ちず。??????????

それから私の講義はいつも、
倉本長治とピーター・ドラッカーから。
「店は客のためにある」
そして、
「事業の目的は顧客の創造である」??????????
そのあと、一気呵成に、
17時まで4時間。

間に休憩をはさんで、
語りつくす。

15時からはパワーポイントを使った講義。
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リスクマネジメントは、
「最悪を覚悟して」
??????????

「最善を尽くす」
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最後は「サムの10ルール」、
「ベニマル商法十二章」、
そして万代の二大ビジョン。??????????

最後の最後は、
加藤徹さんとツーショット。
㈱万代ホールディングス社長で、
このナレッジマーチャントカレッジ創設者。
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一日中、講義を聞いてくださった。
心から感謝。

昨日までは単行本校正の座り仕事、
今日は講義の立ち仕事。

どちらも元気にやり遂げた。

読む人、聞く人がいる限り、
書き続けるし、語り続ける。

それが私の仕事です。
それが私の役目です。

ご清聴、ありがとう。

〈結城義晴〉

2021年03月22日(月曜日)

「渥美本」と「Message」の想いを背負って単行本責了しました。

Everybody! Good Monday!
[2021vol⑫]

2021年第12週。
そして3月第4週。

春分の日も終わって、
春本番。

今日は1日、
横浜商人舎オフィス。

単行本の校正をすべて、
責了。
240ページ。
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今日中に印刷所に渡して、
明日から刷り始める。

ほんとうに本当に、
ありがとうございました。

編集の二宮護さん、
デザインの七海真理さん。
お手数かけました。

打ち合わせをしたのは、
昨年の11月19日だった。
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それが延びに延びた。

そのうえ最後の最後まで、
内容と細部にこだわった。

そんな私のわがままを、
これも最後の最後まで、
聞き遂げてくださった。
心から感謝します。

校正の磯村ゆきさん、
編集の亀谷しづえさん。

迷惑、かけました。

それでもいい本だと思います。
自分で言うのもなんですが。

毎月毎月つくってきた雑誌は、
単行本に活かされた。

このブログで毎日毎日書いたことも、
ずいぶん単行本に活かされた。

雑誌もブログも、
読者の存在があるから、
編集し、書き続ける力が出る。

ご愛読を感謝したい。

そしてみなさん、
ご期待ください。

もうすぐ発刊します。

私が最初に手掛けたのは、
故渥美俊一著。
『商業経営の精神と技術』
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想い出深い。

1987年の夏から、
10数時間に及ぶインタビュー。
「渥美俊一語り下ろし、
結城義晴書き下ろし」

タイトルから見出しから、
もちろん本文も全部、
私がつくった。

渥美先生には全編、
校正していただいた。

まえがきとあとがきだけ、
元読売新聞記者の渥美先生にお願いした。

そして1988年(昭和63年)2月に発刊した。

だから刷り上がったばかりの本に、
渥美先生からサインをいただいた。
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この年の2月ゼミ。
正式名称は、
「商業界ゼミナール」

箱根小涌園を借り切って開催された。
商業界は40周年を迎えて、
その記念すべきゼミナールに、
渥美先生の新刊を発刊した。

この書物には、
渥美理論の骨格が明示されていた。

第1部 商業復権への道
第2部 ビジョンと経営戦略
第3部 商品と仕入れの原則
第4部 店舗の本質
第5部 成長の経営数字
第6部 組織・管理・教育

その「渥美理論」の根幹にあるのは、
「商業の復権」と「経済民主主義の実現」。

このミッションは私も受け継いでいる。

その方法論として、
「流通革命」があるし、
「チェーンストア産業づくり」がある。

この本が出来上がったとき、
私は、渥美先生に言った。

「この本の刊行によって、
最も多くのことを学ばせていただいたのは、
僕です」

渥美俊一61歳、
結城義晴35歳。

この年の箱根ゼミナールでは、
この書籍が目の前で、
またたく間に1000冊売れていった。

その後この本は、
昨年4月2日に自己破産した㈱商業界の、
その72年の歴史の中で、
三本の指に入るベストセラーとなった。

発刊の1年後、
私は『食品商業』編集長に昇格した。

出版社は通常、
自社の社員の書いた本は発刊しない。

商業界では例外はお二人。
倉本長治初代主幹と、
倉本初夫二代目主幹。

三番目の例外は結城義晴だった。

2003年8月に代表取締役社長に就任し、
次の年の2月ゼミナール向けに出版した。
『Message 店に元気を仕事に勇気を』
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この本も二宮護さんに、
編集をお願いした。

商業界にも出版部があったが、
私が最も信頼していたのが、
フリー編集者の二宮さんだった。

この本もゼミナール会場で、
渥美先生の本と同じように売れた。

今度の本も、
それらに負けない内容にしたいと、
本当にそう思ってつくった。

ご批評は読者に委ねよう。

さて昨日は久しぶりに自由が丘。
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雨模様。

いつもの花屋。
monceau fleurs(モンソーフルール)。
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春は花の季節。IMG_22341
それを感じることができる。

自由が丘から横浜商人舎オフィスに戻って、
夜中まで校正。

そして今日もまた、
ぎりぎりまで責了の仕事をして、
夜の8時39分発のぞみで、
新横浜から新大阪へ。

重い荷物を下ろした感じで、
新幹線の弁当もビールも、
凄く美味かった。

カルビ焼肉重。
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大阪に着いても、
営業自粛で食事する店がない。

だから駅弁をいただく。
それもよし。

心は軽い。

では、明日からまた、
頑張る。

みなさん、よろしく。
Good Monday!

〈結城義晴〉

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