結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年09月23日(火曜日)

イトキン辻村章夫「無反応消費者」とイオンのダイエー完全子会社化

9月23日、秋分の日。

2044年まで、9月23日が秋分の日。
ただし4年に1回、閏年だけ22日となる。

今日は全国的に晴れた。

いい日は、いいな。

私は頼まれ原稿を書きつつ、
自宅で過ごす。

昨日、商人舎オフィスで、
商人舎MagazineのWeb会議が開催された。

久しぶり。

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右からwebデザイナーの田中翔太さん、
webコンサルタントの猪股信吾さん、
facebookコンサルタントの内田憲一郎さん。

いいアイデアが、
次々に湧き上がって、
やっぱり、毎月やらなければ、駄目。

まず商人舎公式ホームページが、
10月初旬をめどに、
何度目だろうか、改革する。

楽しみにしてください。

それからfacebookは、
商人舎Magazineのアドレスと、
それぞれ個人のアドレスと、
両方あるが、
それらを連動させて、
もっともっとアピールする。

内田さんの提案。

素晴らしい。

それ以外にも、
さまざまな議論や提案。

ソーシャルネットワークに関して、
まだまだ情勢は固まっていない。

どんどん変わる。

それにこまめに対応しなければ、
商人舎Magazineのようなサイト運営はできない。

ありがたいメンバーだ。

私たちも変わり続ける。
その決意は固い。

Change! Or,Die!
今月の商人舎標語。

自らに向けたもの。

自ら、変われ。
さもなくば、死ね。

さて日経新聞『ニュース一言』。
イトキン社長の辻村章夫さんの言葉。

「セールに反応する消費者が減っている」。
イトキンならではの実感だろう。

2014年1月期決算で、
年商1056億5100万円。
2013年度の国内レディスアパレルランキングで、
イトキンは第4位。

ちなみに第1位はワールド、
第2位はオンワードホールディングス、
第3位はTSIホールディングス。

TSIが傘下に持つのは、
東京スタイルとサンエー・インターナショナル。

イトキンの7・8月。
主力ブランドのセール品販売は前年割れ。
半面、値下げしない正価品は1割強伸長。

だからイトキンは、
「多品種少量生産で消費を刺激する」。

そして「商品ひとつずつの生産量を減らし売り切る」。

この現象は、ひとつ、
イトキンが担当するファッション領域だけではない。

食品や住関連消費でも、
バーゲンやセール、特売に、
反応しなくなる。

つまりエブリデー・ロープライスが、
歓迎される領域が広がりつつある。

コモディティ化現象がさらに、
顕著になってきている。

これは消費者が賢くなったからでは、
断じてない。

消費者は、
ずっとずっと、
賢かった。

日本の消費者は、
バブルとその崩壊を経験して、
さらに賢くなった。

それも1990年代のことだ。
日本の消費のピークは、
1997年である。

敢えて言えば、
この1997年から、
躍らない消費者となった。

消費者を、
馬鹿な存在だと舐めてかかっていた者たちが、
今、慌て始めた。

そして消費者が賢くなったと、
騒ぎ始めた。

全体として消費者はもともと賢いから、
コモディティ化現象を見抜く。

コモディティ化は製造や生産の側が、
自らもたらした実に皮肉な現象だ。

それをアメリカの消費者は、
1991年から見抜き始めた。

私はそう考えている。

そして馬鹿げたバーゲンや特売に、
徐々に無反応となってくる。

しかし一方、理屈のある低価格には、
大いに反応し、声援すら送ってくれる。

世界のアルディやアメリカのウィンコ・フーズ。
もちろんウォルマートやテスコ・クローガー。

その理屈を追い求める。

目先の異常な売上げづくりの操作や、
子供騙しのイベントには、
反応する顧客も存在しないわけではないが、
大局は、辻村さんの言うとおり、
反応が薄まってくる。

先週の土日、今日の火曜日の祭日。
店頭の動きはどうだっただろうか。

今日の日経新聞一面トップには、
「イオン、ダイエーを完全子会社へ」

これはむしろ当然の成り行き。
その時期が2015年春と決まった。
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かつて1995年2月期には、
3兆2000億円もあったダイエー。
このロゴマークだった。
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その14年2月期連結売上高は、
8136億円。

なんと4分の1。

総合スーパーでも、
1位、イオンリテール
2位、イトーヨーカ堂、
3位、ユニーに次ぐ4位。

そのうえ営業損益は2期連続の赤字。

それでも現在のダイエーは全国約280店。

そのダイエーの強い関東、関西の都市部では、
ダイエーを中核企業にして、
イオングループの他社を再編し、
その後の再上場も視野に入れる。

それは販売力だけでなく、
物流や情報、店舗網、
そして何よりも厚い人財の最適化を図り、
賢い消費者に理論的に、
安さを提供する策でもある。

私は当然の成り行きだと思う。

ずっと賢くあり続けた消費者は、
購買局面において極めて賢いからこそ、
ダイエーのイオンへの併合を、
望むに違いない。

秋分の日。

いい日は、いいな、と考えよう。

〈結城義晴〉

2014年09月22日(月曜日)

関西スーパー福谷耕治新社長誕生と孫子の「勝ちを知るに五あり」

Everybody! Good Monday!
[2014vol37]

2014年第38週です。
9月第4週。

いい季節です。
ほんとうにいい季節。

こころざし高きに置けば秋晴るる
〈『春節』1995年3月より  山田弘子〉    
このまま、この季節のなかに、
たたずんでいたい。

そんな気持ちになってくる。
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さて月刊『商人舎』2014年9月号。
ご好評いただいております。

特集はUS Retail Industry

絶賛発売中!
価格:1冊1500円(税別)。
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鳥の目・魚の目で、
アメリカ小売業をとらえ、
業態別に複占化現象を明らかにし、
日本小売業に対しては、
その閉塞状況脱出の手掛かりとする。

先週土曜日のこのブログで、
イトーヨーカ堂の業態論を語った。

業態の衰退期を迎えたか、
そんな見方さえあるだろう総合スーパー。
日本ではずっと「GMS」といわれたりしてきた。

ペガサスクラブの故渥美俊一先生は、
「日本型スーパーストア」と呼んだ。

しかし衣食住フルラインの総合ストアは、
欧米ではハイパーマーケットと称される。
食品主体のセルフサービス店を、
「スーパー」なマーケットと称すが、
それに対して「ハイパー」なマーケット。

イトーヨーカ堂は、
衣食住フルラインの店であるから、
ではハイパーマーケット業態として、
問題を解決すればいいのか。

この業態をどんな方向に引っ張っていくか。

業態が分化したものを、
フォーマットと概念づける。

神戸大学名誉教授の田村正紀先生。
私も田村先生の定義に準じて、
フォーマットが重要な考え方だと主張する。

だから日本の総合スーパーの業態の中で、
イトーヨーカ堂は、
どんなフォーマットになったらいいか。

それは企業の戦略行動であって、
だから私は大衆百貨店になるのがいい、と考える。

つまり百貨店の商品ラインを揃えて、
それをギリギリの低価格で販売する。

百貨店にいやがられる店になる。

それがイトーヨーカ堂のフォーマットとなる。

イオンの総合スーパーは、
イオンリテールだが、
こちらは大衆百貨店ではないだろう。

そんなことが、
月刊『商人舎』を読み続けると、
分かってくる。

9月号のUS Retail Industry特集は、
特にそれが見えてくる。

しかし月刊『商人舎』は残念ながら、
書店でもアマゾンでも手に入らない。

だから㈱商人舎に直接、申込みをお願いしたい。
FAXでのご注文:
申込用紙を印刷し、FAXをお送りください。
月刊『商人舎』2014年9月号ご注文用紙ダウンロード

メールでのご注文:
お名前、送付先、ご連絡先、購入部数をご入力の上、
info@shoninsha.co.jp宛てにメールをお送りください。
〈※別途送料実費を頂戴いたします。予めご了承ください〉

さて、今週のスケジュールの目玉は、
明日の火曜日の秋分の日。
商人舎Magazineの日替り連載、
「今週の販促企画」に、
考え方を掲載。

もうひとつ先週の話題。
金曜日の19日に、
関西スーパーマーケットの人事発表。
福谷耕治さんが10月1日から、
代表取締役社長に就任。

井上保さんは取締役会長になる。

井上さん、ご苦労様でした。

福谷さん、名門・関西スーパーの、
第三代目社長就任。

おめでとう。
そして頑張れ。

福谷さんは、
コーネル大学ジャパン伝説の第一期生。
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そして今年4月の商人舎視察研修会、
ロンドン・バルセロナに参加して、
テスコとメルカドーナを、
熱心に学んでいた。

関西スーパー社長就任というだけで、
また伝説をつくった。

関西スーパーこそ、
新しいポジショニングをつくって、
独自のフォーマット戦略を、
推進しなければいけない。

その役目が福谷さんに課される。

大いに期待したい。

そして井上さん。
たいへんな時期の二代目社長。

それこそ伝説の北野祐次名誉会長が、
心血を注いでつくり上げた会社を、
受け継ぎ、引き継ぎ、
ここまで持ってきた。

私は井上さんだからこそ、
それができたと思う。

これからは福谷さんを背後から支えて、
会長として会社に貢献し、
同時に業界や協会の仕事もやってほしい。

これまでは井上さんは、
ひとりで全部、やっていた。

ほんとうにご苦労様でした。

最後に日経BizGate9月17日のコラム。
東京理科大学大学院教授の伊丹敬之さんが、
『孫子』に学ぶ経営を書いている。

「勝ちを知るに五あり」

その一、戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。
その二、衆寡の用を識(し)る者は勝つ。
その三、上下の欲を同じうする者は勝つ。
その四、虞(く)を以て不虞を待つ者は勝つ。
その五、将の能にして君の御せざる者は勝つ。

この後に、最も有名な句。
「彼れを知りて己(おの)れを知れば、
百戦して殆
(あや)うからず」

この名言よりも、伊丹さんは、
「勝ちを知るに五あり」を強調する。
伊丹さんによると、
これは5つ勝者のタイプを表している。

第一は、
「戦うべき状況かどうか、
判断できる者」。

第二のタイプは、
「現場の作戦行動を
兵力の大小に応じて
適切に工夫できる者」

第三は、
「組織の上下で
同じ思いと欲を共有している者」。

第四は、
「自ら深く考えて準備をし、
相手が準備のないまま行動するのを
待ちかまえている者」

最後に第五のタイプは、
「現場の指揮官たる将の能力が高く、
最高責任者である君(経営者)は
将のたづなをとって
いちいちコントロールはしない者」

伊丹さんは言葉を変える。
「現場への権限委譲が大切」。

さらに、読み替える。
「本社が現場の事業を
コントロールしたがる企業に発展はない」。

伊丹さんは、
五つの「勝ちを知る」者のエッセンスを、
箇条書きで経営用語にする。

①環境の中の自分の立ち位置の判断
②現場での人や資源の運用
③人心の統一
④自分の側の準備や蓄積
⑤現場への権限委譲

①がまさに、
私の主張するポジショニング戦略。

そしてこの5つの概念は、
経営者だけに求められるものではない。

志高き知識商人にはすべて、
必要なことだ。

こころざし高きに置けば秋晴るる

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2014年09月21日(日曜日)

ジジと彼岸花といわし雲[日曜版2014vol39]

ジジです。
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おとうさん、
いません。
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朝はやく、
でかけました。
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「ひさしぶり」とか、
いってました。
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ヒガンバナ。
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もうすぐ、
秋分の日です。
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群れ咲くも数輪もよき彼岸花  
〈『酸漿』より 増田久子〉
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みあげると・・・・・。
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空も雲も、秋の風情。
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その秋の空気を、
いっぱいすって。
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おとうさんは、
ここです。
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名物の13番ホール。
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バンカーが13、ある。

体をうごかして、
リラックス。
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そして、帰り道。
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日が暮れる。
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そらにはいわし雲。
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いわし雲一万尺の空の丈    
〈『六花』より 貝森光大 〉
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そして、陽がしずむ。
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おとうさん、
かえってきて、すぐに、
ねてしまいました。
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つかれたのでしょう。

つかれて、ねる。
つかれて、ねる。

もちろん、ボクも、
ねました。
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朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2014年09月20日(土曜日)

ユニクロの「キッズ強化」とイトーヨーカ堂の「大衆百貨店化作戦」

日経新聞『消費ビズ』に、
「ユニクロ、東レと子供服」の記事。

ファーストリテイリングが例によって東レと組んで、
新素材「ウォームパデット」の子供服を開発。

ポリエステル繊維を極小のボール状に加工し、
それをまたポリエステルの生地で包み込む。
絡み合った繊維の間に空気が入り込む。

だから羽毛に近い保温性が保てるし、
洗ってもいい。

この新素材を中綿に使用する。

手洗いができるジャケット。
子供は汚すから。

この商品は2015年1月から一斉に販売。
税別価格は2990~4990円。

子供は成長が早い。
タンス在庫があったとしても、
すぐにサイズが合わなくなる。
だから購買頻度が高い。

アメリカのチェーンストアは、
キッズ・ファッションが極めて重要な領域だ。

ウォルマートのJUSTベーシックスは、
Jのジーンズ、
Uのアンダーウェア、
Sのソックス、
Tのティーシャツ。

しかしそれと同じくらいキッズは重要。

ユニクロのキッズのアイテム数は、
約300から450になる。

売場は1.5倍から2倍。

さらに今月のうちに、
子供服を扱う店舗数を680店に増やす。
これは6割増。

2013年9月~14年5月の第3四半期までの、
ユニクロの国内キッズ売上高は330億円。
前年同期比プラス14%。
しかし全売上高の5.8%。

年間では単純計算すると、
440億円くらいか。

少ない。

ということは伸ばす余地がある。

日経には矢野経済研究所の市場データがある。
日本国内の子供服とベビー服の2012年の売上高、
6990億円。

ユニクロは6.3%のシェア。

「まだまだ」。

柳井正さんの声が聞こえるようだ。

しかし、スポーツを押さえ、
これでキッズを確立して、
総合スーパーの衣料品は、
さらにユニクロに侵食される。

赤ちゃん本舗や、
西松屋チェーンも、
戦々恐々だろう。

一方、イトーヨーカ堂。
これは一昨日の日経新聞。
「百貨店PBで衣料テコ入れ」

セブン&アイ・ホールシングス傘下のそごう・西武百貨店と、
ヨーカ堂が衣料品事業で共同開発をスタート。

2014年度中というから、勝負はこの秋冬。

肌着など3アイテム。
3年で50億円の売上げ目標。

ブランド名は、
「リミテッドエディション IYコラボ」シリーズ。

「上質な素材を使い、
国内工場で縫製するなど製造工程にもこだわり、
百貨店レベルの品質の高さを前面に打ち出す」。

そごう・西武の「リミテッドエディション」は既に、
2014年度売上高約1000億円。

百貨店PBとして最大規模。

そこでIYコラボは、
最初に女性向けの肌着を
税抜き1790円で販売。

さらに14年度中には、
着圧機能を備えたストッキングを500~700円、
男性向けワイシャツ4900円を投入。

イトーヨーカ堂約150店と
そごう・西武全店で販売。

価格帯は、例えばワイシャツは、
従来のヨーカ堂アイテムより2000円程度高い。

この試みは、いい。
もっともっと早く、
やるべきですらあった。

イトーヨーカ堂の2013年度、
衣料品事業売上高約2040億円


全体では赤字。

あのヨーカ堂の衣料が赤字。
隔世の感あり。

かつては圧倒的に強かったヨーカ堂の衣料。

これはすなわち、
総合スーパーの業態フォーマットの問題でもある。

今月の月刊『商人舎』9月号で、
アメリカの「百貨店」と、
「いわゆるGMS」の業態整理をした。

従来の日本の百貨店とGMSの分類が、
間違いであったことの解析。

どんな難しい問題も、
解決してみればシンプルだ。

まさにそんな感じ。

その考え方からすると、
セブン&アイのそごう・西武百貨店と、
総合スーパー・イトーヨーカ堂。

もっともっとコラボすべきだ。

アメリカのメイシーズ百貨店。
840店の巨大チェーンだが、
高級百貨店をブルーミングデール、
大衆百貨店をメイシーズにしている。

私はヨーカ堂は、
メイシーズになるべきだと思う。

つまり、もっともっと高級化せよ。
古典的なチェーンストア理論など、
まったく無視してよい。

そして、そごう・西武は、
さらにアメリカのニーマンマーカスのように、
もちろんブルーミングデールのように、
超高級百貨店になる。

今回の「リミテッドエディション」。
IYコラボなどの言葉をつけずに、
堂々と百貨店アイテムであることを、
顧客に表明したほうがよろしい。

それがユニクロを模倣しない、
ポジショニング戦略である。

〈結城義晴〉

2014年09月19日(金曜日)

スコットランド独立否決の「直接民主制」と星野仙一引退の「幸と福」

独立に賛成が161万7989票。
反対が200万1926票。

32の自治体で投開票が終り、
NHKがBBCのニュースを和訳して、
インターネットで流し続けた最終結果。

スコットランド独立の住民投票。
登録有権者は約430万人。
投票率は多くの地区で80%を超える

賛成44.7%、
反対55.3%。

結果は「独立」が否決されたが、
投票までの動向は、
拮抗した。

そして大きな影響を、
現代社会に投げかけた。

一言でいえば、
民族主義の高揚だろう。

スペインのカタルーニャやバスク、
ベルギーのフランドル、
イタリアのシチリア。

中国では香港市民が、
現在の「一国二制度」の矛盾に、
見切りをつけかねない。

日経新聞欧州総局編集委員の大林尚さんは、
鋭い指摘をしている。

「民主政治の手続きを踏んだとはいえ、
今回の住民投票は英国という大国の帰趨(きすう)を
スコットランドの住民だけが左右する欠陥を抱えていた」。

「EU周縁には2度の大戦を経て
英仏などが決めた国境線を
覆そうという動きがうごめく」

それでも、大林さんの結びの言葉はいい。
「直接民主主義という誰もが得心する手段で
新たな国境線が引かれるのを退けたのは、
さすが英国というところだろうか」

この直接民主主義による、
禍根を残さない方法論も、
今後の国際社会に、
影響を及ぼしてもらいたいものだ。

今日は一日、
横浜商人舎オフィス。
奥歯が疼く。

夕方、東京・広尾。
フランスレストラン「ア・ニュ」。
フランス語で「ニュ」は「裸」、
「ア・ニュ」は「ありのまま」。

ミシュランの一つ星。

そのフルコース。
絶品の一品がこれ。
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フォアグラとトリュフのリゾット。

トリュフはこの固まりを、
惜しげもなくスライスしてくれる。
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彦根での松茸と鱧に続く、至上の喜び。

今夜の仲間は、
本庄周介さん(左)と小泉潤一さん(中央)。
そしてオーナーシェフの下野昌平さん。
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本庄さんは㈱伊藤園代表取締役副社長。
小泉さんはマイクロストラテジー・ジャパンの、
アカウントエグゼクティブ。
先のリテール・エグゼクティブ・サミットの事務局。
下野さんは本庄さんの義理の弟さん、
つまり妹さんのご主人。

そして本庄さんと小泉さんは、
大学時代のクラスメートで親友。
ともに私との縁で、
二人は25年ぶりの再会。

私もその仲間に入れてもらって、
超一流のフレンチとワインを堪能。

学生時代の話や、
食品業界、小売流通業界の話題、
そしてITの趨勢。

楽しいひと時だった。
酔っぱらった勢いの思いつきで、
最後に新しい「指標」づくりの提案をした。
みんな、憶えているだろうか。

帰りの首都高から見える東京タワー。
美しかった。
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さて星野仙一。
成績不振の責任を取り、
今季限りで退任。

東北楽天ゴールデンイーグルス監督。

岡山県の倉敷商業高校。
かつての名門。

この時代、岡山県には、
後の大洋ホエールズの平松政次、
ヤクルトスワローズの松岡弘など、
凄いピッチャーがいた。

明治大学時代は、
ライバルの法政大学に、
田淵幸一・山本浩二・富田勝の三羽烏がいた。

懐かしいなあ。
田淵の大きな弧を描くホームラン。
もって生まれた才能にあふれていた。

星野はそれと格闘した。

プロ野球で中日ドラゴンズに入ると、
読売巨人軍のあの9連覇。
王・長嶋が仇敵だった。

1983年4月3日、
阪急ブレーブスとのオープン戦が引退試合。
先発投手として登板し、
先頭打者の福本豊にレフト前ヒットを打たれた。

福本は小柄な盗塁王。
努力に努力を重ねて、
自分の特徴を生かした。

星野の現役時代の通算成績は、
146勝121敗34セーブ。
現役引退してからは、
二度、中日の監督でリーグ優勝。
阪神タイガース監督でもリーグ優勝。
そして楽天で日本一を勝ち取る。

現役時代は不運の脇役、
マネジャーとなって花を開かせた。

サラリーマンも小売商人も、
こんな星野仙一には、
大いに共感するだろう。

体はプロとしてはふつう、
気力で闘う。

まあ、幸福な野球人生だ。

日経Web刊の『経営者ブログ』。
ユニ・チャーム社長の高原豪久さんが、
「幸福な働き方とは」と題して書いている。

1961年7月生まれの53歳。
39歳のときに、
創業者で父の高原慶一朗さんから、
社長をバトンタッチされ、
グローバル化戦略で、
ユニークな経営を進める。

井村雅代さんの言葉からブログを書き始める。
あのシンクロナイズドスイミング日本代表監督。
「超一流になりたければ、
良い点を伸ばすことは当たり前であり、
欠点を徹底的に潰さないと
超一流にはなれない」

「欠点を潰すには、
誰かが指摘しないといけない。
愛があれば叱りなさい」

まず高原さんは、この言葉を提案。
「真摯に受け止め、
勇気をもって実践すべき」。

ピーター・ドラッカーは、言う。
「自分の強みを知れ、
そしてそれを伸ばせ」

井村さんが言うのは、
「欠点を徹底的に潰せ」。

正反対。

しかし井村さんのは「超一流」の条件。
ドラッカーはすべての人へのアドバイス。

超一流は欠点があってはいけない。
だから欠点を潰すために、叱る。

長所を伸ばす。
その時には、褒める。

私は当然、ドラッカー派だ。

しかし会社には様々な人間がいる。
「愛をもって叱る」ことも必要だし、
「愛をもって褒める」ことも不可欠だ。

高原ブログは、
次の起承転結の「承」に展開。
「『幸』と『福』という二つの文字の意味は
実は大きく違います」

「幸」は、
「原因が自分にない、
偶発的に外部から与えられたこと」。

対して「福」は、
「原因が自分自身の努力や苦労によって
かち得たもの」。

「示偏(しめすへん)は神様を意味し、
旁(つく り)の部分は
『田畑の収穫で俵を積み上げた様子』を表します」

「神様が認めてくれるほどの
努力の積み重ねの結果が
福という文字の意味」。

このあたりはちょっと、
説教くさい。

余談だが、
星野の野球の話に戻ると、
田淵幸一は「幸」の人、
福本豊は「福」の人か。

「愛があるから叱る」こと、
「幸」と「福」の違い。

ユニ・チャームはもう一度、
これを徹底するようだ。

そして最後に、
「仕事の仕方を変える」ために、
「時間の長さでは勝負しない!
一人で全てを完結しようと考えない!」

それが高原流「幸福な働き方」。

私は高原さんのブログを読みながら、
星野仙一を考え続ける。

選手時代にはずっと、
自分でやり遂げようとした。

ピッチャーという役目には、
それは最大の必要条件だ。

しかしマネジャー時代には、
「一人完結」を否定した。

体力的に恵まれていたわけでもない星野の野球人生、
「幸」よりも「福」が勝っていた。

監督時代の星野は、
叱ることも、
褒めることも、
どちらも上手かった。

それは星野が「福」の人だからだ。

説教くさいけれど、
「神様が認めてくれるほどの努力の積み重ね」が、
人生を豊かにする。

〈結城義晴〉

2014年09月18日(木曜日)

スコットランド住民投票と平和堂第8回米国研修事前講義&報告会

朝目覚めると、
窓いっぱいに秋の空。
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そしてくっきりと彦根城。
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スコットランドのエディンバラ城は、
住民から見上げられ、
住民を見下ろして、
キャッスル・ロックという大岩の上に、
デンと存在する。

そのスコットランドで今日、
世紀の独立住民投票。

新しい時代がくるのか、
それとも経済優先で国が続いていくのか。

アメリカ合衆国バラク・オバマ大統領は、
「結束を望む」とコメント。
最大の盟友国の国力維持を切望する。

フランス共和国フランソワ・オランド大統領は、
「イギリスのみならず
ヨーロッパの将来を決定づける」
昔から両国は仲が良いわけではないが、
欧州全体を見通す発言。

ロシア共和国のウラジミール・プーチン大統領は、
静観の模様。
ウクライナからクリミヤを編入したり、
二度のチェチェン紛争でその独立を抑え込んだり、
後ろめたいことがあるときには、
人間は口をつぐむ。

ここで有名なイギリスのブックメーカー、
「ラドブロークス」では、
独立派勝利の倍率が4.5倍で、
独立反対派勝利に分が上がっている。

いずれにしても世界中が、
まさに固唾を飲んで見詰めている。

昨日夕方から、
この滋賀県彦根市。
㈱平和堂のアメリカ視察研修会の、
事前講義兼報告会。

南彦根にあるビバシティ彦根内の大ホールに
まず11月視察のメンバーが集まった。
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平和堂のアメリカ視察は
私が企画し、コーディネートを始めてから
今回で8回を数える。

毎年初夏と秋の2回、実施してきて
幹部およびバイヤー、店長・店次長、
総勢323名の参加となる。
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ダラスとラスベガスの2都市で、
アメリカの競争の本質と、
各社のポジショニングを学ぶ。

それを323名全員が体験し、
共通の認識を持って、
自店、自部門、自社の、
イノベーションと向き合う。
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平和堂がどうあるべきか、
平和堂のイノベーションはどう展開されるべきか。
どうしても私の見方、考え方がそこに入る。

そして熱が入る。

午前中に110分の事前講義。

午後は、前回7月の米国視察メンバーが、
再び三度参集してきて、
視察報告会。
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夏原平和社長をはじめとする経営幹部、
エリアマネジャー、事業部長などが
その報告を精査する。
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6班に分けられた参加者が、
アメリカで学んだこと、
その学習をもとに帰国後、実践したことを
スライドを使って次々に説明していく。
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すかさず、
エリアマネジャーたちから
鋭い質問や指摘が飛ぶ。
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その質問に代表者が答えていく。
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時には代表者以外のメンバーも答える。
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厳しい質問や指摘の中にも、
ウィットにとんだ発言がある。
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班長たちも、ほっとする。
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私もそれぞれの報告に対し、
一班ごとに講評。
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そうして午後の時間は過ぎていく。

最後は団長を務めた福嶋繫さんの総括。
食品統括兼一般食品事業部長。
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これがとてもよかった。

「本気で視察し、本気で仕事に取り組む。
11月に視察するメンバーには
自分の心をイノベーションしてほしい」
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福嶋さんはコーネル・ジャパン実行の第3期生。

私も全体を総括して講評。
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前回の参加メンバーも、
次回渡米するメンバーも、
意欲が高まってくる。
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最後は、夏原社長から、
総評と叱咤激励。
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「アメリカのスーパーマーケットが
どのように形づくられているか、
全体を見てきてほしい。
アメリカだからできる、
日本ではできない。
そう思うなら行く価値がない。
挑戦する気持ちを持って、
実行することが大事」

同じ目線で同じものを見る。
そして共通の「鳥の目と魚の目」を持つ。
それが平和堂のアメリカ視察。

現場にその成果がもたらされる。
だから平和堂の売場は、
どんどん良くなっている。

次回参加メンバーは、
事前講義と報告会の内容を踏まえ、
自分たちの視察課題を、
ディスカッションし、まとめる。
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発表し、決意表明する。
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それに対して再び、
私のコメント。
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大事なことの一つは、
「セレンディピティ」。

つまり、何かを探求しようとするとき、
当初、目論んでいたものとは「別の価値」に、
遭遇することがある。

だから、一度決めた仮説や課題も、
現場を見て修正することは構わない。
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マーケットは動いている。
顧客も動いている。

ピーター・ドラッカーは、
イノベーションの第一の種は、
「予期せぬことにある」という。

だからセレンディピティ。
これが事前講義のまとめの言葉となる。

一方、前回メンバーは、
本社の大食堂で懇親会。

私も参加。
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もちろん夏原社長も。
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私の帰り際、
最後にこの写真。
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朝からの講義や講評で、
体中を疲労感が満たしていたが、
この写真でそれが吹っ飛んだ。

いい一日だった。
ありがとう。

〈結城義晴〉

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2014年09月17日(水曜日)

彦根で食した「松茸・鱧鍋」と平和堂社長・夏原平和さんの鍋奉行

アメリカの小売業を、
鳥の目と魚の目で見る。

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特集はUS Retail Industry

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鳥の目は全体を鳥瞰しながら、
現在を見渡す。

魚の目は時代の流れを追って、
過去から未来を見通す。

そんな鳥の目・魚の目で、
アメリカ・チェーンストアをとらえ、
業態別に複占化現象を解析する。

私は今回初めて、
「競争プロセスモデル」を明らかにした。

この月刊『商人舎』は残念ながら、
書店でもアマゾンでも手に入らない。

だから㈱商人舎に直接、申込みをお願いしたい。
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さて今日は、午前中、
歯医者へ。

左下の奥歯が疼く。

もともと歯は丈夫だが、
1年ほど前に妹に勧められて、
歯医者を変えて総点検をした。

その後、定期的に3カ月に1度ほど、
検査と歯の掃除をし始めた。

若くて有能な歯科医で、しかも、
私が出演したNHKの番組を見たりして、
私の歯の見栄えも気にしてくれる。

その治療の過程で昨日は、
奥歯の神経を抜いた。

その後、横浜商人舎オフィスへ。
ブルーチップ㈱の宮本洋一社長から、
パネルが届けられていた。
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ドキドキ・ワクワク・ニコニコ!
NEXT BLUE CHIP

同社は次の時代の標語を、
「ドキドキ・ワクワク・ニコニコ!」に
したいと申し入れてくれた。

もちろん、私は快諾。
それでこの額が贈られてきた。

その後、夕方、
横浜駅を抜けて、
新横浜へ。
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東海道新幹線ひかりに乗り込んで、
米原まで。
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日本の稲田は美しい。

故郷は稲の匂ひと水の音
〈大阪の俳人・木村宏一〉

米原から南彦根へ。
ビバシティ彦根の割烹・秀月へ。

そこで出ました。
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松茸と鱧(ハモ)。

松茸を大胆に焼く友なりし
〈俳句通信より  熊谷利子〉

まず焼いた鱧の骨を煮て、
出汁をとる。
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そこに松茸と野菜を、
惜しみなく入れて炊く。

頃合を見計らって、
厚く大きく切った鱧を、
これも惜しみなく、
しゃぶしゃぶっとして、
すき鍋にしていただく。
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鍋奉行はこの方。
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㈱平和堂代表取締役社長の夏原平和さん。

鍋にはうるさい。

しかし、
美味。
絶品。

酒は初めは一杯だけ、
恵比寿生ビール。

それから清酒は、
氷で冷やした「菊姫 吟」。

なんということでしょう?!

最後にこれも、
鍋を煮立たせておいて、
そこにうどんを入れて、
コシが逃げないうちに、
つるつるっといただく。

大満足。

その後、夏原さんとディスカッション。
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欧米チェーンストアの動静。
日本小売業の今後。

夏原さんは、つい最近、
単独でスペインのMERCADONAを訪問。
商人舎が資料提供などした。

そのイノベーションに関して、
私から補足的な解説。

じっくり聞いて、
よく考えて、
正しく判断する。

夏原さんはそういった経営者だ。

最後に二人で写真。
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奥歯の疼きも、
すっかり忘れて、
心から堪能した宴だった。

さてさて、日経新聞『アジアBiz』。
「イオン、東南アで出店攻勢」の記事。
岡田元也社長のインタビューも掲載。

イオンの東南アジアでの売上高は、
2014年2月期決算で約2600億円。

「2017年2月期は東南アジアで
アジア全体の半分程度(約5000億円)」

それでもイオンは、
売上高や店舗数だけを
目標にしているわけではない。
「ナショナリズムが強まる可能性があり、
地元に根ざした企業として
認知されるのが大事だ」

平和堂も1998年11月、
中国湖南省長沙市に海外第1号店をオープン。
昨年、待望の4号店が開設されている。

2012年9月には、
尖閣諸島3島の国有化問題で、
反日暴動が発生。

湖南平和堂の3店舗は、
デモ参加者が暴徒化して、
甚大な被害を受けた。

しかし、現地従業員をはじめとして、
暴動から店舗再開まで、
迅速で心温まる対応を見せ、
多くの人々に感動を与えた。

こうして現地化は、
雨降って地固まる。

岡田元也さん。
「特色ある専門店など
新しい形の小売業が広がる。
メーカーが造るモノを単に仕入れて売るだけでは、
成熟した顧客のニーズに応えられない。
インターネット通販が広がるのも確実だろう」

ブルーチップも今年1月、
ベトナムのイオン・ホーチミン店に、
インショップとして専門店を開店させた。
「ドラえもんとうふファクトリー」。

ドキドキ・ワクワク・ニコニコの店として、
大盛況。

いずれも売上高や店舗数の拡大だけを、
目的とはしていない。
目的としてはいけない。

小売業はその地域特有の
社会的機能だ。

松茸と鱧の鍋をいただいたあと、
そんなことを考えた。

〈結城義晴〉

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