結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年06月26日(金曜日)

3月期決算企業株主総会集中の違和感と「とんがり★こだわり」

昨日のロック・フィールド静岡ファクトリー。
DSCN4387-5

快晴の磐田市の未来型SOZAI工場。 DSCN4362-5

その3基の風車。
DSCN4328-5

今日は6月最終週の金曜日。
打って変わって横浜も東京も雨。

3月期決算上場企業の株主総会、
今日がピーク。

「お足元の悪い中、
お集まりいただき、
ありがとうございます」
こんな決まり文句の総会挨拶が、
繰り返されたに違いない。

総会屋もきっと、
足元が悪い中、
忙しかったに違いない。

東京証券取引所の上場企業では、
977社で全体の41%。

警察庁の調査集計では、
全国で1013社。

昨年の株主総会のピークも、
6月第4金曜日の27日だったが、
それよりも54社多かった。

日経新聞調査では、
上場企業の業績が昨年度、
過去最高を更新。

だから足元は悪かろうがなんだろうが、
平穏無事な株主総会ばかりだったはず。

ただし今年6月1日から、
東証と金融庁が行動規範として、
「コーポレートガバナンス・コード」を、
適用した。

「企業統治指針」のガイドライン。

ただしこのコードは法律ではない。
だから強制力はない。
しかしコードに従わない場合、
その理由の説明が求められる。

「コード」という概念はおもしろい。

例えば「ドレス・コード」とは、
ある局面に参加するときの服装規定のことだが、
このルールに従わねば、
注意を受け、常識を疑われ、
仲間はずれにされてしまう。

浅野内匠頭は、
吉良上野介から、
間違ったドレス・コードを教えられ、
刃傷に及ぶ。

場合によってコードとは、
そんなところまで行ってしまうもの。

既に昨年2月には、
機関投資家に向けて、
「スチュワードシップ・コード」が、
金融庁から公表されている。

こちらは機関投資家の行動指針で、
投資先企業に対する責任が明記されている。

「スチュワードシップ・コード」と、
「コーポレートガバナンス・コード」。

二つのコードが、
株主と企業の関係の原則を示し、
両者の関係を、
国際的な基準に則ったものにする。

非上場のオーナーシップ経営企業は、
株式が公開されていない。
だから大抵の場合、
株主と企業経営者が、
ほぼイコールである。
全てはその判断に委ねられ、
それが時代の変化に対応し、
スピーディな意思決定と、
迅速な転換や実行を促して、
競争力を生み出す場合がある。

その結果、ファミリー企業が、
上場企業を凌駕することがある。

「スチュワードシップ・コード」と、
「コーポレートガバナンス・コード」は、
主に株式上場社会におけるルールだが、
だからといって非上場企業に、
企業統治の原則が必要ないというわけではない。
全ての企業に共通して重要だ。

今日の上場企業の株主総会は、
まさにその企業統治元年だった。

企業の成長発展のために、
株主と企業家とが、
真剣に語り合うことは、
理想主義的で望ましい。

問題は議論の中身ではあるけれど。

シャンシャン総会はよろしくないが、
ファミリー企業のスピードに負けたら、
上場企業にとって、立つ瀬はない。

そのことは両者ともに、
わかっているだろう。

ただし、どこの企業も、
株主総会を今日に集中して、
執り行うというのは、
ポジショニング戦略からすると、
違和感がある。

つまり、間違い。

コーポレートガバナンス・コードが適用された、
6月1日の毎日更新宣言ブログ。

私は指摘した。

「ユニークで業績のいい会社は、
決算月も他社と異なる」

ツルハホールディングスは5月。
ドン・キホーテが6月、
アルペンも6月。
ファーストリテイリングは8月、
ビックカメラも8月。

アマゾン・ジャパンは12月。
ウォルマートは1月だけれど、
西友は12月。

そしてロック・フィールドは4月。

「組織は戦略に従う」
アルフレッド・チャンドラー・ジュニア。

その戦略が、
「アウトスタンディングなポジション」を、
基本に置くならば、
組織運営のユニークさこそ、
企業の「強み」となる。

子供の頃、
学校のクラスでは、
勉強ができる子、
あるいはスポーツが上手かったり、
喧嘩が強い子が、
リーダーや親分となった。

それらがからっきしダメで、
いつもイジメられっ子。
しかし抜群に面白い子、
みんなの笑顔を誘う子。

そんな似鳥昭雄さんが、
勉強、スポーツ、喧嘩の得意な子たちを、
差し置いて実業で大成功を収めた。

時代はコンテスト型競争。
レース型競争に強い子たちは、
むしろ特徴のない平凡な人間になってしまった。

もちろんどちらの人生も、
それぞれに価値があって、
優劣をつけるべきものではない。

それこそが、
コンテスト型競争時代の、
重要な鉄則だからである。

しかし誰しも成功したい。

その成功の鍵は、いまや、
「とんがり★こだわり」にある。

今年1年の商人舎標語。

誰かがパクりまくった、
あれこれの色あせた戦略を、
取っ替え引っ替え採用する企業には、
「コーポレートガバナンス」は必須。
さらに似鳥昭雄の爪の垢を煎じて、
ぐいっと飲ませてやらねばならない。

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.