結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年05月03日(土曜日)

憲法記念日の「心が落ち着く過ごし方」

戦後80年、昭和100年の、
憲法記念日。

日本国憲法が施行されてから78年。

毎年の祝日だが、
結構、商人舎オフィスに出て、
原稿執筆などをすることが多い。

一昨年の2023年5月3日は、
一人で出社して原稿を書いた。

昨年は自宅にいて、
篠田英朗著『はじめての憲法』を紹介した。B081V56QT3.01._SCLZZZZZZZ_SX500_

篠田英朗さんは国際政治学者。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。

国連PKOボランティアに参加して、
身をもって人間の闘いを実感した。
さらにアジアやアフリカの紛争地域でも、
ボランティア活動に従事した。

『平和構築と法の支配』で大佛次郎論壇賞、
『「国家主権」という思想』でサントリー学芸賞、
『集団的自衛権の思想史』で読売・吉野作造賞を、
それぞれ受賞している。

日本国憲法の特長は、
「第2章 戦争の放棄」と、
その「第九条」にある。

一項。
「日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」 

二項。

「前項の目的を達成するため、
陸海空軍その他の戦力
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」

篠田さんは
第九条に以下の文面を加えて、
その部分の改憲をすればいい、
と主張する。

私はこの考え方を支持している。
だから毎年、ずっとこのブログで紹介している。

三項。
「前二項の規定は、
本条の目的にそった
軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」

憲法九条の本当の意味は、
「国際法遵守」である。
ここが大事だ。

九条はそれを宣言している。

二項の「戦力」は英語で「war potential」、
一項の「戦争(war)」と「放棄」のために、
戦力を保持しないと謳われている。

「戦争のための戦力」の放棄である。

日本の「自衛隊」はその名の通り、
自衛する組織である。
だからwar potentialではない。

憲法九条は「国際法遵守」を宣言していて、
それ以上に制約を課してはいない。

ここで「戦争の放棄」は「原理」ではない。
「戦争の放棄」は「目的」である。

だから三項を加える。
「軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」

これで「戦争の戦力」ではない「自衛隊」という組織が、
きちんと位置づけられる。

「自衛隊」という言葉を使わずに、
憲法に記すことができる。

戦後80年の今、
自衛隊の存在を否定することはできない。
だからそれを憲法上で、
「軍隊」と言う言葉に変える必要はない。

私は篠田さんに賛同しつつ、
自衛隊は憲法の中に、
きちんと位置づけられねばならないと思う。

この点が満たされることを条件に、
私は改憲を支持する。

今の自衛隊の位置づけは、
ごまかしだ。

それが立派な国家のなかで、
あいまいになっていてはいけない。

白井明大さんが、
『日本の憲法 最初の話』のなかで、
憲法を詩に訳している。
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とてもいい。

その第九条。

戦争はしないよ


戦争はしないよ。
永久にしないよ。

だって私は
正義と秩序の土台の上にある
世界の平和を
ちゃんと
心から希(ねが)っているから。

たとえ
国と国との間のもめごとでも
戦争だとか
武力による威嚇だとか
武力の行使だとか
そんな解決法なんて
永久にごめんだな。
そんなのポイッと放棄するよ。

1の誓いを守るために
陸軍も海軍も空軍もその他の戦力も
なんにももたないことに決めた。

生活、大事。家族、大事。
財産、大事。将来、大事。
人間の命が、何より大事。
でも戦争なんかじゃ、守れないから。
平和を守るのは、平和なの。

攻められたらどうする、なんて立場を煽らないで。
「せーの」でミサイル撃ち合えば
どっちの国も、ただじゃ済まないだけ。
平和を守るのは、対話なの。

私の国に、他の国と交戦する権利があるだなんて、
とんでもないこと、もうまっぴら。
IMG_2363 (002)

ここに三項を加えて、
わかりやすい詩ができるといいなあ。

今年の憲法記念日にも、
商人舎オフィスに出て、
亀谷しづえさんと二人で、
単行本の仕事をした。

働きながら、
私たちの国のことを考えると、
心が落ち着く。

働くことは、
国を守ることにつながっている。
働くことは、
生活を、財産を、将来を、
守ることにつながっている。

できうるかぎり、
嘘やごまかしやあいまいさを、
とりのぞいて、
心を落ち着かせて、
生きていきたい。

それが憲法記念日の、
私たちの一日であることを願いたい。

〈結城義晴〉


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