結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年05月27日(火曜日)

備蓄米に関する「客のため」と「顧客の立場」

政府による備蓄米売渡し随意契約申込企業。

農林水産省から発表された。

商人舎流通SuperNews。

農水省news|
5/27付 随意契約による「備蓄⽶売渡し」の申し込み状況
bitikumaimousikomi

㈱諸長は6000トンを申し入れた。
新潟県魚沼市の米穀集荷・販売企業。
コシヒカリなど産地精米する。
年商259億円。

備蓄米の販売もする。

イオンとイトーヨーカ堂がリストに入っていないが、
午前9時段階の集計だからこの後、申し込む。

イオンは約2万トンの申し込みで、
グループ各社で販売する。
2000円の価格。

イトーヨーカ堂は5000トンを調達する。
イトーヨーカドーとヨークフーズなど197店で販売。
価格は5kgで税別2000円。

このほか、ロピアを経営する㈱OICグループ。

ファミリーマートも申し込みして、
コンビニ業態にふさわしく1kg400円の売価。

エイチ・ツー・オーリテイリングは1200トン。
関西フードマーケット各社で販売。

「ここは参加しなければ」
そんな空気が流れている。

店頭に「備蓄米入荷」など掲げれば、
それなりに集客につながる。

備蓄米はコモディティグッズだ。
ノンコモディティのコメと比較して、
アソートメントするのだろう。

ただし備蓄米の放出は、
JA抜きを断行して、
コメの流通革新を意図している。

全国に行きわたらせることよりも、
高騰するコメの店頭売価を下げる目的をもつ。

それを了解したうえでの対策となる。

5月22日の日経新聞「大機小機」
タイトルは、
松下翁「客が好むものを売るな」

故松下幸之助さんの言葉。
「無理に売るな。
客の好むものも売るな。
客のためになるものを売れ」

松下電器、パナソニックグループの創業者。

このコラムは、
シニア向け「プラチナNISA」の話だ。
少額投資非課税制度。

それも大事だが私は幸之助の言葉が気になる。
「売る前のお世辞より、売った後の奉仕、
これこそ永久の客をつくる」

セブン-イレブン創業の鈴木敏文さんは、
口癖のように繰り返した。
「顧客のために考えるではなく
顧客の立場で考えよ」

松下幸之助は製造業、
鈴木敏文は小売業。

備蓄米販売を顧客の立場で考えると、
さてどうなるか。

よく考えてみる必要がある。

そのセブン-イレブンを中核とするのが、
㈱セブン&アイ・ホールディングス。

株主総会で新体制が承認された。
無風総会だった。

井阪隆一前社長は退任のあいさつで、
涙ぐんでいたとか。

私は言い続けている。
伊藤雅俊から離れると、
この会社はおかしくなる。

同じように鈴木敏文の考え方を貫徹せよ。
それがとくにセブン-イレブンにとって、
最高のサバイバル戦略となる。

ただし伊藤雅俊と鈴木敏文には、
違いがある。

この違いにかかわる問題が発生した時、
現在の社長や幹部や社員が、
考えて考えて考え抜かねばならない。

「顧客のため」と言ったのは伊藤雅俊で、
それは松下幸之助と同意である。

それに対して鈴木は「顧客の立場」を強調した。

そのことを考えるべきなのだと思う。

禅問答のようになってしまって恐縮。
しかしそれがセブン&アイなのだ。

一方のイオン㈱の株主総会は、
明日の5月28日から。

こちらも順当に会社案が了承されるのだろう。
岡田卓也さんは100歳の百寿。

それだけで目出度い。

さて、今週は月曜から横浜商人舎オフィス。

月刊商人舎6月号の入稿が始まっている。

オフィス裏の遊歩道。
木々の緑が深くなってきた。
IMG_3642 (002)

ランチはラーメン「楓」
週一でここに来る。
中国人の女性店員さんと親しくなるほど。IMG_3645 (002)

モヤシとバターコーンの味噌ラーメン。
こんなにカロリーのあるものを食べてはいけないのだが。IMG_3644 (002)

夜は会社の帰り道のパスタショップ。IMG_6182 (002)

こちらもカロリー過多。IMG_3648 (002)

今日は狭いオフィスでスクワット。IMG_6188 (002)

ちょっと疲労気味なので、
40回で切り上げた。
IMG_6186 (002)
そして夕方、シェラトン横浜。
古い友人と待ち合わせ。
IMG_3649 (002)

エミリオ・グレコの「水浴の女」
1913年~1995年。
イタリア・シチリア生まれの彫刻家。
IMG_3650 (002)

30代後半のころの話をして、
盛り上がった。

それから50代中ごろの話も。

人間には人生の分岐点で、
「押す力と引く力」が働く。

私は商業界社長を押す力で辞めた。
そして引く力で立教大学大学院の特任教授になった。
コーネル大学RMPジャパンの副学長もやった。

もちろん商人舎をつくった。

引く力は、自分で想像していた以上に、
強い磁力をもっていた。

セブン&アイの鈴木さんにもあったし、
今度辞めた井阪さんにも、
「引く力」があるのだろう。

そんなことを少し考えた。

〈結城義晴〉


4 件のコメント

  • 「客のため」と「顧客の立場」の違い。
    これは、スチューレオナードとイータリーの違いとしても、よく考えさせられます。

  • 販売する意味や目的を間違えると大変な事になります。
    それは顧客、従業員共に。
    顧客に満足してもらい結果従業員に還元する事が仕事だと思うんですが、セブンはそれを忘れてしまったような気がします。
    イトーヨーカドーの従業員からは今も不満ばかり…
    本気で変えようとしているんだろうか

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