結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年03月24日(水曜日)

『小売業界大研究』の見本刷りと日米小売業の明暗

サンフランシスコから帰国して、
時差を感じる間もなく、
ちょっとうれしいことが、二つ。

ひとつは、今夜の「報道ステーション」へのビデオ出演。
昨日、一昨日とこのブログには、
木曜日と間違えて書いてしまった。
もう訂正されているが、
間違った表記をご覧の方には申し訳ない。

今夜9時54分からのテレビ朝日系です。
東京キー局なら地上デジタルで5チャンネル。
多分、番組後半の特集だろうから、
30~40分経過してからの時間帯だと思う。

どう編集されているかわからないが、
まあ顔見せといった感じでしょう。
横浜の商人舎オフィスで収録しましたから、
事務所の雰囲気もわかります。

ご覧ください。

もうひとつは、単行本の見本が刷り上がってきたこと。
『小売業界大研究』(結城義晴著・産学社刊)

学生や新入社員向けの本で、
「業界もの」というジャンルに入る。

フリージャーナリストの故辻和成さんが執筆する予定で、
プロットまでつくっていた。
その辻さんが、2007年12月8日(土曜日)に、
逝ってしまった。
享年55歳で、私と同年の同志。

その結果、宙に浮いていた企画を、
フリー編集者の二宮護さんが、
私に持ってきてくれた。

ちょうど㈱商業界社長を退任したばかりで、
商人舎をつくる直前のこと。

その後、私は2008年2月1日に商人舎を立ち上げ、
2008年6月6日、コーネルジャパンが発足し、副学長に就任。
さらに昨2009年4月から立教大学大学院教授の職について、
執筆は遅れに遅れた。

結局、発刊は今年4月10日だが、全国の書店には4月1日には並ぶ予定。

私はこの本を辻和成さんに捧げている。

だから喜びもひとしお。

この本のまえがきに、私はこう、記している。
「この本は、これから小売業に入ろうとする若い人、
すでに小売業に従事する若い人、
21世紀の国民生活を支える『志』を有する若い人のために、
書かれました」

さて、アメリカ商務省の消費財売上高調査
2月の売上高(自動車、ガソリン、レストランを含む)は、
前年同月比プラスの4.1%。  

さらに全米小売業協会発表2月の売上高。
前年同月比プラス1.7%。  

アメリカの消費は、確実に戻ってきた。
それを実感して帰ってきた。
ウォルマート、コストコをはじめとして、
ウィンコ・フーズ、フード4レスといったディスカウント系は、
どの企業も好調だったが、
オーガニック・スーパーマーケットのホールフーズの回復が、
消費全体の復活トレンドを示した。

これに対して日本の三大調査。

日本百貨店協会の2月の売上高概況。
前年同月比マイナス5.4%。  

24カ月連続減少は相変わらず。

一方、日本チェーンストア協会。
2月の総合スーパー売上高、
前年同月比マイナス2.4%。  

食料品販売額が2.8%減、
衣料品2.0%減、
住関連品1.9%減で、
サービスは34.6%減。

さらに日本フランチャイズチェーン協会。
コンビニエンスストア10社の2月統計調査。
既存店ベースの売上高マイナス4.7%。  

これは9カ月連続の減少。

既存店ベースの客数はマイナス2.1%。
8カ月連続の減少。
客単価はマイナス2.6%、
こちらはもっと長く、15カ月連続減少。

日米商業の2月実績は、明と暗に分かれた。

両者を見て、触れて、感じて、
考えること。

第一は、ここでもアメリカが先行していること。  
先に不況に陥って、先に脱した。
1945年の太平洋戦争後も、
アメリカのほうがベビーブームを先行させたし、
団塊の世代のベビーブーマーもアメリカが先。
その意味では、アメリカを見ておくことは、いい。

第二は、アメリカ人のドライ商法の強さ、復活のスピリット。  
多国籍民族は、試練に強い。
西部劇でもアクション映画でも、
叩かれ続けて、逆転する。

第三は、アメリカの優良小売企業が、
カスタマーをつかんでいること。  

自社の固定客、常連客、信奉顧客。
それが、復活を早めた。

マーケティングの三原則。
①セグメンテーション
②ターゲティング
③ポジショニング  

これは一言でいえば、
ロイヤルカスタマーづくり。  

かつて西友副社長の上野光平先生が主張したこと。
「私の店」論。  
お客様から「私の店」と思っていただくことへのひたむきな努力。

いま必要なのは、それです。

<結城義晴>  

2010年03月23日(火曜日)

「三連休とその翌日」のテーマ資源と「花見気分満開」への対策

Everybody! Good Tuesday![vol12]

2010年3月第4週です。
3月の第5週は、途中から4月の第1週。

説明が面倒ですね。

マンスリーとウィークリーを混ぜて使うと、
だから、混乱が生じやすい。

そこで、13週ごとの四半期と7日間のウィークリーを、
マネジメントとの基本として使う。

そのために私は、このブログでは、
週の初めの[Good Monday]に、
1月第1週から何度目かを意味する番号[vol]を入れて、
「今週は今年第12週ですよ」とお知らせする。
すなわち今週は[vol12]。

ちなみに、日曜ごとに登場する『ジジの気分』にも、
今年から番号を入れることにしました。
「ジジの顔を見ると、もう1週間が終わったのかと感じます」
そんな声を聞いたから。
「今年12回目のお疲れさま」といった意味を込めて。

さて、昨日帰国しました。
ほんとうに「あっ」という間の1週間。

アメリカやヨーロッパ、とにかく旅行していると、
時間が早い。

「浦島太郎」の物語も、旅行していると、
時間は速いということを教えたいのでしょう。  

充実した時間は、速く感じられる。
変化が多いと、時のゆくのが速い。

そんなものなのでしょう。

坂本竜馬や高杉晋作は、
死ぬのも早かったから、
自分自身の時間は、
矢のように速く感じられたに違いない。

歴史に名を残す人は、
自分では時間の長さを味わうことができない。

可哀そうでもありますが、
羨ましくもあります。

今回の旅行中、コーディネーターの浅野秀二先生が語った言葉。
「私の郷里の島根県選出の総理大臣・竹下登は言いました。
政治の世界では『悪名は無名に勝る』」

あくまでも政治の世界での話。
彼らにとっては、時間が短いことも、
「良しとせよ」となります。

さて、アメリカ報告はおいおい、続けていきます。
ウォルマートの現時点での戦略分析は、
『誰がウォルマートを殺すのか?』

として、書き続けます。

そのほかに小型店問題の総括。

「ナゲット・マーケット、秘密の謎解き」は、

講演や雑誌で、展開していきます。

セーフウェイの「ニューライフスタイル」の最新店、
バークレー・ボウルの報告もしなければなりません。

それは、おいおい。

重要なことを、二つ、忘れていました。
第一は、今日のこと。

先週土曜日から昨日までの三連休。
春分の日を挟んだ三連休。
こう位置づけました。
「ゴールデンウィークの前哨戦・予備戦」
しかし結果はどうだったでしょうか。

まずその分析はしっかりしておかねばならない。
どの部門のどのカテゴリーやどの商品が動いたか。
つまり商品の動向。
それ以上に、顧客の動きを知っておきたい。

ID-POSなど導入している企業では、
どんな顧客がいつ来店し、どんな購買行動をしたのかを、
詳細に分析しておく必要がある。

昨日も書いたけれど、
高速道路1000円への変化で、
「三連休なら遠出」を決め込む顧客が増えたのなら、
三連休直後の今日は、前年比二桁増になるはず。
どんな顧客が「遠出」したのかが分かれば、
今日のお勧め、売り込みは、ずいぶん変わる。

これは店ごとに違う。
もちろん共通する項目もある。

「三連休とその翌日」  
重要なテーマ資源です。

第二は、直近のこと。
今週3月第4週は、「花見気分」満開。
これから2週間が最盛期。

これ、お客様を楽しませる絶好期。

「大川に吹きあげられし桜かな」(小林一茶)  
私の大好きな句。

江戸時代の一茶も、
時間の短かった竜馬や晋作も、
一瞬の桜を楽しんだ。

そのお手伝いをするのが商業・サービス業。

アメリカでも日本でも、まだまだ、
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望  

これが生きるエネルギーをつくっている。

アメリカの方がちょっと元気が出てきたのは、
明日への希望が、
広がってきたからでしょう。

私たちも、明日への希望を胸に、
今週も、元気を出そうよ。元気を売ろうよ。 

Now, Everybody! Good Tuesday!

<結城義晴>  

[追伸]
今週水曜日(といっても明日ですが)のテレビ朝日系「古館伊知郎の報道ステーション」。
先週撮影したインタビュー「特集・有楽町」が放映されます。

企画モノですから、もしかしたら飛んでしまうかも知れませんし、
どんな出演なのかもわかりませんが、ご覧ください。  
  

2010年03月22日(月曜日)

アメリカ百貨店早朝散歩めぐりと帰国前の最後の三つの講義

帰国しました。  

日本は三連休最終日の3月22日、月曜日。

本来ならば、Everybody! Good Monday!なのだけれど、
それは明日に。

春分の日をはさんだ三連休。
「ゴールデンウィークの予備戦」と位置付けたけれど、
いかがだったでしょうか。

不況の中の連休。

私はむしろ、最初からのあるがままの祭日の方が、
結局はいいと思う。

三連休は、高速道路1000円制度で、
遠出する顧客が多くなった。
特に都市型店舗、都心型店舗では、
その影響が甚大。

そこで三連休明けの火曜日が重大な日となる。

そう、明日が大事。

三連休で出かけて帰ってみると、
必要なものがない。
その顧客心理を読み取って、
「待ってました」と明日の売り場をつくる。

それが顧客を感動させる。

三連休で忙しかったのはわかるが、
もう一息、明日、火曜日も頑張ってほしい。

さて、帰国の朝、サンフランシスコ。
珍しく、ブログも書き終わって、
現地時間朝6時から7時まで仮眠。
そのあと、ホテル周辺を散歩。

市内清掃の職員が集まって、ミーティング。

朝から、仕事の打ち合わせ。
「よろしく願います」

「ケーブルカーが着いて折り返すあたり」

豊田勇造の歌を思い出して、
一日、このフレーズが、口をついて出てきた。

ここから、ケーブルカーに乗って、5ドル。

この坂の街を横切って、
終点まで行くと、フィッシャーマンズワーフ。

サンフランシスコ市内の中心部が、
ユニオンスクェア。

その広場の真正面にアメリカ最大の百貨店メイシーズ

2009年全米小売業ランキング14位。
年商248億9200万ドル(1ドル100円換算2兆4892億円)、
847店舗。

ここ西海岸の百貨店はことごとくメイシーの傘下に入った。
だから圧倒的なガリバー型業態。
それがメイシー。

メイシーはこの巨大百貨店グループのレギュラー・バナー。
それに対して、アップスケールタイプを、
ブルーミングデール」と呼ぶ。

世界ファッションの発信地が、
ニューヨークのブルーミングデールだった。
それもメイシーズのグループ。

そのブルーミングデールに隣接して、
ノードストロームの店がある。

百貨店としては全米第3位、小売業ランキング第46位。
年商85億7300万ドル(8573億円)、169店舗。
純利益4億位0100万ドル。
「伝説のサービス」を誇る高級人気百貨店。

そしてユニオンスクェアのメイシーの反対側に、
サックス・フィフス・アベニュー

百貨店第5位、全米小売業100位を切ってしまった。
昨2008年度は、98位で、年商32億8300万ドル、102店舗だった。

さらに、バーニーズ
ユニクロを展開するファーストリテイリングが買収に動いたことで有名。

このほか、ユニオン広場には、
超高級百貨店ニーマンマーカスがある。

朝の散歩が、全米を代表する百貨店めぐりとなってしまった。

私も今や日本では、百貨店評論家。
先週の週刊『エコノミスト』ではメイン特集に出たし、
今週のテレビ朝日『報道ステーション』では、
有楽町西武マリオンを評価する。
[水曜日24日『報道ステーション』で放映される予定]  

そして、広場に面して、五つ星ホテル。
ウェスティン・セント・フランシス

私たちは、おなじみヒルトン・サンフランシスコ・ユニオンスクェア

一応ここは四星ホテル。

私は30年前に初めてサンフランシスコを訪れた時にも、
ヒルトンに泊った。

以来、ずいぶんヒルトンに宿泊し、
昨年、今年と商人舎研修会の定宿になっている。

お世話になりました。
快適でした。

さて、今朝は比較的ゆっくり。
9時半に集合して、サンフランシスコ空港へ。

バスの中でも最後の講義。
空港でチェックインを済ませて、集合写真。

商人舎第6回アメリカ研修会だから、
みんな手で「6」をつくった。

いいツアー、いいチーム。
最高でした。
ありがとう。

最善のパートナー浅野秀二先生とも固い握手。

次は、5月の「Basic編」ラスベガスです。
よろしく。

搭乗まで1時間くらい。
その間に、買い物や喫茶。

ちょうど『Forbes』最新号に「ビリオネア特集」が出ていて、
思わず買ってしまった。
日本では第1位・柳井正さん、
第2位・佐治信忠さん。
フォーブスには、サントリーの佐治さんの顔写真が載っていた。

それを㈱万代の古川敏明さんに説明しているところ。

古川さんの隣が万代の田中正博さんと、
山口成樹さん。

最後の最後に解団式。
ここでも最後の最後の講義。
「三つのこと」
サービス・マーケティングの接点のマネジメント。  
「もしあなたが顧客にサービスを提供する仕事に就いていなかったら、
顧客にサービスを提供する人にサービスを提供するよう行動しなさい」  

クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」  
「イノベーションによって成功した企業ほど、
新たなイノベーションにチャレンジしなくなり、
その結果新たなイノベーションを果たした企業によって、
淘汰されていく」  

そして「ライホールド・ニーバーの祈り」  
変わるものを、変えられる勇気を、
変わらぬものを、受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を
お与えください。  


熱心に聞いてくれているのが、
㈱阪食の面々。
左から、岡本正博さん、志水孝行さん、西本和也さん。
志水さんの後ろが、㈱類設計室の小圷(こあくつ)敏文さん。

そして団長・阪食の松元努さん。

最後の最後の講義を聴く5人。
左から㈱TRY&TRUSTの船橋健さん、森賢一さん、
日本アクセス北海道㈱の元柳克哉さん、
佐藤賢一さんと、小玉一夫さん。

そして松元団長による「解団宣言」。

団長のお役目ありがとうございました。
団長の隣は、日本アクセスの鳶坂裕幸さん。

商人舎研修会の団長は、歴代、すごい人ばかりです。
負けないように精進してください。

ユナイテッド航空837便で約10時間。

成田について、添乗の鈴木敏さんと写真。

ご苦労様でした。

皆さん、ありがとう。

今回も、最高の研修会でした。

そして私の最高のツアーは?
「Of course, Next One!」  

<結城義晴>  

2010年03月21日(日曜日)

ジジと金門橋[2010日曜版⑫]

春分の日です。

でも、ユウキヨシハルのおとうさん、
いません。

アメリカにシュッチョーです。
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なんだか、さみしい。

みどりの山のうえに、
ならんだ風車。
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サクラメントのウィンドミル。
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これでデンキをおこす。

おとうさんは、ずいぶん、
とおくにいっています。

もうすぐ、かえってくるはずです。

みどりの山の風車から、
光る海へ。

ながいながい移動。
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それがシュッチョーです。

サンフランシスコという街。
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坂道のおおいところ。

建物のカベが、
ペイントされていた。
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おとうさんは、
いちばんユーメーなところにも、
いきました。
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バスがとまっていた。
ダブルデッカー。
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ユーメーなところは、
ユーメーなつり橋。

ジョゼフ・シュトラウスという人の銅像。
このつり橋をつくるシゴトをした。

橋をつっているワイヤー。

太いですね。

おとうさんたち、
この橋を、あるくことにした。

「ホント?」  

ゴールデンゲート海峡。
サンフランシスコ湾と太平洋のあいだにある。

あるきはじめました。

ひだりには、クルマがはしっています。

ボクは、ちょっと、
シンパイです。

おとうさんは、
「コーショキョーフショー」だからです。

たかいところが、トクイではない。

じつは、ボクも、
たかいところからおりるの、
にがてなんです。

おとうさんのことをおもっていたら、
ボクもちょっと、こわくなった。

それに、このテーブルのうえには、
あがってはいけないことになっているんです。

でも、おとうさん、
ずんずん、スピードだして、
あるいていった。

そして、三分の一のところに、
つり橋の柱がある。
そこが、今日の終点。

すこし、ほっとした。
ケシキはいい。

こわいけど、のぞいてみる。

「ゼッケーかな、ゼッケーかな」

こんなに晴れわたった日はめずらしい。
サンフランシスコ湾が一望。

サンフランシスコの街がみえる。

ひだりに、アルカトラズ島。

ボクも、ちょっと、
ひくいところに。

フシギです。
ちょっとひくくなるだけで、
ぜんぜんこわくない。

さいごに写真。
アサノ先生と。

シュッチョーのシゴトは、
いそがしい。
でもそれがおとうさんのシゴトです。
ちょっと、つかれているけれど、
じぶんのシゴトに手はぬかない。

でも人にシゴトを、強(し)いたりしない。
人のシゴトは、みとめてくれる。

もうすぐかえってきます。

ボクは、まっています。

それがボクの、
シゴトです。

 <『ジジの気分』(未刊)より> 

2010年03月20日(土曜日)

フード4レスとナゲット・マーケットで発酵して謎が解けた。

アメリカに来て、4日目の深夜。
午前4時。

風呂に入りながら本を読んでいて、
凄い発見があった。

外山滋比古さんは、
『思考の整理学』の中で、
良い考えが浮かぶ状況を三つあげる。

枕上、鞍上、厠上。  
枕に頭をのせてまどろんでいるとき、
馬に乗って移動しているとき、
トイレで用を足しているとき。

そのうえで散歩など、
精神的にリラックスしているときにも、
良い考えが浮かぶという。
さらに風呂に入っている時も入っていたと思うが、
手元に本がないので、確かめることができない。

しかし、風呂に入っているだけならば、
いつものことだし、かわらない。

アメリカにいること、
そのうえで風呂に入っていること。
これがいい考えが浮かぶ状況をつくったのだと思う。

今、商人舎で5月のアメリカ研修会Basic編募集中。
是非、考えてください。

★初夏に実施![アメリカ流通視察Basic編]お知らせ
5月23日(日)~5月28日(金)。
1人29万8000円。  
「ラスベガス」でアメリカ商業の原理原則、基礎基本を学ぶコース。

締切は2010年4月5日(月)
詳細はコチラから
お問い合わせは商人舎事務局まで 045-350-6651

さて、今日20日から三日間、
「春分の日」を挟んだ三連休。

私は、「ゴールデンウィークの予備戦」と位置付ける。

今月の標語。
「すぐやる・かならずやる・できるまでやる」  
このスローガンのテストの三日間でもある。

今年の商人舎標語にも通じる。
「Practice comes first!」
[実践躬行・実行第一]

サクラメントに宿泊して、明けた19日。
ここでも大きな収穫があった。
まず、朝一番で、「ウィンコ・フーズ」へ。

倉庫型ディスカウント・スーパーマーケット。

ペガサスクラブの渥美俊一先生のフォーマット用語で、
「スーパーウェアハウスストア」という。
素晴らしい店舗。

価格比較調査をして、
それを掲示している。
ウォルマート、セーブマート、ナゲット・マーケット。

バナナ売り場。圧巻。

生鮮食品もずいぶんよくなった。

冷蔵ケースもご覧の陳列線の長さ。

この日は、もうひとつ、
スーパーウェアハウスストアを訪れた。

「フード4レス」。

それもあのナゲット・マーケットが経営する店。

ここで私、一挙に、ひとつ、謎が解けた。

もったいぶっているようで大変に申し訳ないが、
一昨日の「特ダネ」と同様に、
今回の「謎解き」も、
じっくり考えてから発表しようと思っている。

外山さんは、考えを「発酵」させる必要があると説く。
「カクテル」にすることも有効だと諭す。

つまり、しばらく、寝かせるんですね。

[毎日更新宣言]などやっていると、
思ったことをすぐに書いてしまう。
発酵が足りないことになる。
熟成も不足する。

もちろん、すぐに回答を出さねばならないこと、
極めて明快なのにだれもモノを言わないこと、
そんなことに、私のブログはお役立ちしているから、
それはすぐに書く。

「すぐやる・かならずやる・できるまでやる」

しかし、発酵させたほうがいいことは、
寝かせておくことにした。

昨日は、そのほかに、
ホールフーズマーケットの最新店。

ナチュラル&オーガニックの青果売り場、
素晴らしい。

店舗中央にスペースを設けて、
プロモーション展開。

フードサービスはやはり充実。

ファサード前で、全員で写真。

ナゲット・マーケットの3号店を訪れた。

店頭では、10分間マッサージ。
「いくらでも払ってください」

売り場は素晴らしい。
ワインコ―ナー、最高。

ナゲットでは28歳の若い店長にインタビューをした。

背中にフォーチュンの2009年ランクが入っている。

そしていつものように固い握手。

さらにウォルマート環境対策店舗HE6型を視察。
昨年6月オープンの新店だが、
大繁盛・大盛況。

HE型とはHigh Efficiency、すなわち高い効率のタイプ。
HE6型とは、その6番目のタイプという意味。

環境対策店舗の第一の方法論は、
ダウンサイジング。
すなわち「サイズをダウン」させて、
店舗規模を小型化すること。


ウォルマート・スーパーセンターは、
最大30万平方フィート近く(8000坪くらい)まで拡大されているが、
この店は20万平方フィート(5600坪)。

そしてこれまで開発されてきた様々なエコ対策が施されている。

ウォルマートの21世紀への意気込みが、ひしひしと感じられた。

昼は、イン&アウトでハンバーガー。
全員が満足。

浅野秀二先生のアイデアで予定変更したが、
とても良かった。

昼食とともに、花も楽しんだ。

そうしながら、サクラメントからサンフランシスコへ。

「ウォルマート逆史」の車内講義も展開。
時間切れで、翌朝の講義につながったが、
皆、私に着いてきて、実によく勉強している。

もともと「虫の目」をもっている。
そこに「魚の目」を与える。
「ウォルマート逆史」はその典型。

さらにいつも資料を確認しながら、
「鳥の目」を養う。

すると、次の「虫の目」での視察や見学、ヒアリングが、
数段、レベルアップする。

このあたりでは、
スパイラルな成長とステップ型の成長が見られる。
これを「螺旋階段型」と、私は呼ぶ。

「虫の目」「鳥の目」「魚の目」
そして「螺旋階段型成長」

それを見ているのは、本当にうれしい。

そんな一日の終わりは、
サンフランシスコの金門橋。
全員で記念写真。

めったにない快晴。
だから、歩いた。
少し汗をかくくらいで、快適。

夜は、ちょっと軟弱に「日本料理」。
日本アクセス北海道のグループと。

右から、元柳克哉さん、
佐藤謙一さん、
浅野秀二先生、
鳶坂裕幸さん、
小玉一夫さん、
そして鈴木敏さん。

今日も充実していた。

情報・知識のフローとストック。
そして熟成・発酵。

アメリカは、私にそれを与えてくれる。
〈明日につづきます>  

(結城義晴)

2010年03月19日(金曜日)

ザ・マーケット、レイリーズ、そしてナゲット、百聞は一見に如かず

★初夏に実施![アメリカ流通視察Basic編]お知らせ
5月23日(日)~5月28日(金)。
1人29万8000円。  
「ラスベガス」でアメリカ商業の原理原則、基礎基本を学ぶコース。

締切は2010年4月5日(月)
詳細はコチラから
お問い合わせは商人舎事務局まで 045-350-6651

アメリカにやって来て、三日目。
アリゾナ州フェニックスから、
カリフォルニア州サンフランシスコへ。

「夏から春へ」。  

いいもんです。

そしてサンノゼへ。
古くからあるカリフォルニアの街。

ダウンタウンの真ん中に、
セーフウェイの「ザ・マーケット」2号店。  

2007年から吹き荒れた米国小型店旋風。

セーフウェイは、ウォルマートに先駆けて、
2008年5月にロサンゼルス・ロングビーチにオープンさせた。
1万5000平方フィート(422坪)。

2号店は、2万5000平方フィートで、
マンションビルの1階を占める。

店舗の三方が道路に面していて、
それがガラス張り。
だから明るい。

まったくの都心型小型店に変身。

売り物の一つが、サンドイッチショップ。

注文に応じて、その場でつくってくれる。

私は最新のイタリアン・ビーフボールのサンドイッチとスープ。

美味ながら一人では食べきれない。

店舗の外に設けられたテーブルで、
春の光を浴びながら、堪能。

ケータリング用のバンが止まっていた。

サンノゼを後に、フリーウェイを東北に。

美しい山の上に、何か見えてきた。

風車の列。

風力発電の風車が並ぶ。

フリーウェイには、ウォルマートの10トントラック。

そして着きました。
サクラメントのレイリーズ。  
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レイリーズの店の駐車場には、巨大な古木が。
切り倒さず、店の名物にしてしまった。

そのレイリーズはサクラメント地区のナンバーワン企業。
このエリアに51店舗で28.8%のシェア。

駐車場では、顧客の車まで、
カートを押して行って、トランクに積み込むサービス。

徹底したカスタマーサービス。
ローカルチェーンには、今や必須のサービスとなってきた。

そのシェアが納得できる店づくり。
とくに青果部門が強い。

ストアディレクターのエド・ホワイトさんが、
丁寧にインタビューに答えてくれて、
さらに店内ツアー。
バックヤードまで入って、解説してくれた。

そのうえで、青果部門の真ん中で、
全員で記念写真。

最後に、固い握手。
アソシエーツがみんな明るくて、
元気。

「元気な部門マネジャーが成績を上げる」  
ホワイト店長が語った。

10分離れたショッピングセンター。
ナゲット・マーマーケットが見えてきた。  
商人舎アメリカ研修Hot編の目玉の一つ。

店舗周辺は落ち着いた住宅街。

あのひまわりのファサード。

ナゲット・マーケットは、このエリアで、
10店舗ながら4.4%のシェア。
しかし地域占拠率以上のインパクトを与えている。

企業としては9店舗のスーパーマーケットと、
3店舗のウェアハウスストア。
後者は「フード4レス」のフランチャイジー。
この陣容で、273億円。

何も言うことなし。

話や写真でなく、実際にこの店においでください。

あくまでもこのエリアの競争状況を見定めたうえで、
この店がなぜ「働きたい企業ランク全米5位」なのか、
自分で答えを見つけてください。

「百聞は一見に如かず」
一見してもわからない人には、
「猫に小判」かもしれないが。

ファンタスティックな店で、しかも安い。
それがインポッシブル。

今日の視察はナゲットで終わり。
お疲れ様。

サクラメントの議事堂前で記念写真。

探してください、二人のセレブ風ビジネスレディが合流。

その議事堂前のステーキレストラン「チョップス」へ。

シーザーサラダと地元のビール。

プライムリブのローストビーフ。
私は「レア」を頼んだ。

ポテトとニンジンの付け合わせ。
お肉を少しだけ残した。

これにアイスクリームとコーヒーがついて、50ドル。
ビールは1パイント7ドル。
私は2杯飲んで、64ドル也。
大満足。

食事が終わってレストランを出ると、
もう外には宵闇が訪れていた。

しかし3月の北カリフォルニアは、
すがすがしい。

サクラメントの空に月が浮かぶ。

今日も充実した一日だった。

誰にともいえず、感謝したくなった。
(明日につづきます)  

<結城義晴>  

2010年03月18日(木曜日)

「特ダネ」をモノにし、ホールフーズで感動する

新聞記者でいえば、
「特ダネ」をモノにした。  

私はなんてラッキーなんだろう。
そして、なんと良い仲間に恵まれたんだろう。

浅野秀二さんと五十嵐ゆう子さん、
そして鈴木敏さん。

今回の商人舎アメリカ研修会Hot編のスタッフの皆さん。

とりわけ今回は五十嵐さんのお手柄で、
「特ダネ」は生まれた。

まだ記事にはしていないし、
いつこれを報道するかは決めていないけれど。

その特ダネは、この会社に関すること。

私は、㈱商業界の社長時代に連載記事を書いていた。
まだそれは完結していない。
タイトルは、
「誰がウォルマートを殺すのか」  

私は、書き続ける気持ちでいる。
そして今回の特ダネは、一昨年昨年、
このアメリカに来て、
ウォルマートに関する調査・研究を続けてきたことの、
延長線上にある。

「ウォルマートが殺されるのか」
いや「ウォルマートは生き続けるのか」
現時点でそれを占う材料がそろい始めた。

今回の特ダネは、そのことに大きなヒントを与えてくれる。

今日も元気に、バスで走り回った。
結局、9店舗を訪れた。

私にとっては定点観測。
団員にとっては勉強。

さて昨日の続き。
「森の熊と二人の男」  
強大な熊に出会った二人の男。
一人は、連邦破産法11条。
もう一人は、虎の協力を得て、
生き延びようとしていた。

しかしそれ以外の、生き残り方をしようという者がいる。

ホールフーズだ。

ホールフーズは、熊や虎や人間といった動物の争いごとには参加しない。

たとえると植物だ。
それも高根の花。

だから熊もこの植物を食ったり、
踏みつぶしたりはしない。

ホールフーズが、蘇った。
この大不況で、業績がちょっと悪くなっていたが、
見事に復活している。
私にはそれがうれしかった。

ホールフーズは、
「原点に戻る」ことを盛んに強調している。

ジョン・マッケイCEOがそれを推進している。

鮮魚部門のチーフは、「MSC」に関する哲学を語った。

ホールフーズが「働きたい企業」であることを、
楽しく充実した働く場であることを、
この写真が物語っている。

そしてそれが、売場と商品で、
実行に移されている。

マーケティング・マネジャーのジュディさんは、
今回も熱心に丁寧に説明してくれた。

心から、感謝。

ホールフーズの買い物袋。
「健康はここから始まる!」  
とてもいい。

「今日、変化をつくる」  
これもいい。

森の熊と二人の男。
高根の花は、ブルーオーシャンを切り拓いた。

夕方、ホテルに帰ってから、
2時間のセミナー。
午後8時まで。

何時間あっても語りつくせないほど。

しかし時間通り切り上げて、
試食&交流会。

今回の団長・松元努さんの音頭で、乾杯。
松元さんは㈱阪食取締執行役。

「ワクワクが、どんどん高まってきました」

その後、全員が一人ずつスピーチ。
この模様は、商人舎ホームページの「スタッフ日記」で、
近日公開予定。
(鈴木さん宜しく)  

最後の最後に、私もスピーチ。

ドラッカーと倉本長治の話。

ドラッカーは三つのことをとても大切にした。
第一はintegrity。  
倉本は「尊徳より先に善悪を考えよう」と言った。  

第二は、innovation。  
倉本は「創意を尊びつつ良いことはまねろ」と表した。  

第三は、marketing。  
倉本は「お客に有利な商いを毎日続けよ」と諭した。  

アメリカでドラッカーと倉本に学びたい。
これが私のスピーチ。

今日もいい日だった。
「特ダネ、特ダネ」
呟きながら、私はいつの間にか、
疲れ果てて、寝入っていた。

<結城義晴>  

★初夏に実施!<アメリカ流通視察Basic編>お知らせ

5月23日(日)~5月28日(金)4泊6日に、
人口増加著しいサバーブの「ラスベガス」において
アメリカ商業の原理原則、基礎基本を学ぶコースです。
基幹となっている業態やフォーマットを理解するために
新しいショッピングセンター、新しい店舗、新しいフォーマットを
しっかりと視察します。
アメリカ人の家庭訪問を行い、実際のライフスタイルを見ます。
店舗視察の仕方、基礎調査の方法を伝授します。
ラスベガスで6日間、原理原則を学びながら、
結城義晴と一緒にアメリカ流通業のダイナミズムを味わいましょう!

締切は2010年4月5日(月)

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お問い合わせは商人舎事務局まで 045-350-6651

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