結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年12月21日(水曜日)

2012年は「ポピュリズムの季節到来」と「正月の営業」、そして質問「賃金と人件費は上げるか、下げるか」

日経新聞コラム『大機小機』。
「ポピュリズムの季節が来る」のタイトル。

「来る2012年は、
世界のあちこちで
トップが交代期を迎える」

その結果、各国に共通の現象が強まる。
「国民の目先のニーズを重視するポピュリズムの傾向」
だから「内政重視に終始する」との予想。

まず3月には、ロシアの「プーチン大統領復帰」。
秋には、米国の「オバマ大統領が国民の審判を受ける」
中国では、「胡錦濤氏から習近平氏へのバトンタッチが予定」。

その結果、「ポピュリズムの季節到来」。

「ポピュリズム」とは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法、
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」

<『知恵蔵』より>

そして2012年は、
「多くの国で、グローバリゼーションの揺り戻し現象」が強まる。

ここでコラムニスト一礫氏は、
渋沢栄一を引き合いに出す。

平成20年、
㈱ヤオコー会長の川野幸夫さんが、
渋沢栄一賞を受賞して、
ご自身、「一番うれしい賞」だったというが、渋沢は、
「外国から取り入れた資本主義を
わが国の風土に根づかせるべく、
日本的価値を付加した」

いわゆる「論語算盤の経営哲学」
日本の小売業・サービス業の成長の歴史は、
まさにこれだった。

セブン‐イレブンがその典型。
ダイエーもイトーヨーカ堂も、イオンも、
ヨークベニマルも関西スーパーもサミットも、
ライフコーポレーションもヤオコーも。

ユニクロもしまむらも。

渋沢は、その中で強調した。
「公利と道理は欠くべからざるもの」

渋沢が残した言葉。
「道理に伴って事をなす者は必ず栄え、
道理にもとって事を計る者は必ず滅ぶ」

倉本長治は、きっぱり。
「損得より先に善悪を考えよう」

年の瀬が迫るにしたがって、
毎年、この気持ちが強まる。

日経MJ 「1000人の家計簿」に、
「正月の出費・消費」が出ている。
11月25日から27日の3日間、
マクロウミルが20~60代の男女1000人に、
インターネット調査で回答を得た。

まず「お年玉」
渡す人は57.4%。
その金額は「1万~3万円未満」が44.1%。
「1万円未満」が34.1%、
「3万円~5万円未満」が15.7%。
ここまでで9割を超えた。

昨日のデニーズの大久保恒夫さんの発言のように、
外食費などと同様に、お年玉も割安になってきた。

この割安感は、すべてにわたって、
「値ごろ感」とつながってくる。

ただしこのアンケートで分かったこと。
今年のお年玉、
「増やす」が「減らす」を大幅に上回った。
割安感が蔓延する中で「増やす」と、
喜ばれる。

大久保さんの認識と、同期してくる。
「700円から800円の価格帯で、
品質を上げるとPRしなくても売れる」

「初売り」に関しては、
「行かないつもり」が38.0%、
「行くつもり」の17.1%。
「行かない」が「行く」の2倍。

私も、行かない。
買いには。
見には、行くが。

初売りはどんな業態の店に行くか。
百貨店、ショッピングセンター、
ファッション・専門店ビル。
そして総合スーパー。
さらにアウトレットモール、家電専門店、
つまりディスカウント型。

大阪の㈱万代は三ガ日、営業を休む。
スーパーマーケットはそれも、大いに良し。

大晦日まで一所懸命に売りまくって、
正月元旦、二日、三日まで、
社長からパートタイマーまで、
完全に休む。

もちろん、元旦から店を開ける業態や会社、
二日や三日から初売りをする業態や会社。

それぞれ、自分の方針を貫くのがよろしい。

かつてのイトーヨーカ堂グループ。
グループ会社ごとに、面白い現象が生まれた。

元旦に一番活躍したのが、
24時間365日の業態コンビニのセブン‐イレブンだった。

二日はおせち料理に飽きた顧客に、
ファミレスのデニーズが、喜ばれた。

三日はお年玉で買い物に来る顧客に、
百貨店のロビンソンや、
ディスカウントストアのダイクマが、
大歓迎された。

そして総合スーパーのイトーヨーカ堂四日あたり。

スーパーマーケットは、
一番日常生活に密着しているから、
最後に五日くらいから売れ始めた。
ヨークベニマルやヨークマート

業態ごとの役割が、
正月明けのエンジンのかかり方と、
連動していた。

いまは全業態が元旦を目指して、
店を開けてくる傾向が強まった。

これはポピュリズムとは違う。

あなたの会社はどういう考え方で、
どういう正月の営業方針を出しているのか。

自分の在り方が、明快であれば、
それでいいと、私は思う。

ただし、一つ注文。
経営者やリーダーは、
働く人々の気持ちを、
よく考えるべきだ。

正月手当をもらって、
働くのがいい人もいるだろう。
いや正月は、家族とゆっくり迎えたい、
という人もいるだろう。

もちろんここでも、
警察官や消防士、
入院患者を持つ病院の医者や看護師は、
正月も何もない。

小売業やサービス業にも、
こんな職業と同じ業態や企業はある。

ここで、読者への質問。
正月元旦営業の考え方にも関連してくる問題だ。

今日のダイナム・ジャパン・ホールディングス事業報告会で、
社長の佐藤洋治さんが幹部に対して質問した

「賃金と人件費のそれぞれの定義を述べよ」。
みなさんにはこたえられるか。

佐藤さんは、何人かを指名した。

めいめいがそれぞれに、
一生懸命に答えた。
それぞれにいい回答だった。
賃金とは、
「雇用契約における労働の対価として、
使用者(雇用主)が労働者に支払うすべてのもの」

人件費は、
「従業員を雇用することによって発生する費用」

これは辞書に書いてある。

「では、経営するマネジメントとして、
賃金と人件費をどうしたいか?
上げたいか、下げたいか?」

このブログの読者にも質問しよう。
「賃金は上げるのがいいか、下げるのがいいか、
どうするのがいいか?
人件費は上げるのか、下げるのか、
どうするのがいいか?」

経営者も幹部も、
店長もバイヤーも。

答えなくともよいから、
考えてほしい。

ついでにコンサルタントも、
ジャーナリストも。

答えは明日、公開しよう。

乞う! ご期待。

<結城義晴>


2 件のコメント

  • 「賃金は上げるのがいいか、下げるのがいいか、どうするのがいいか?
    人件費は上げるのか、下げるのか、どうするのがいいか?」
    結城先生へ 現在の日本の賃金体系(基本給与は年功や等級別、賞与は会社や自身の業績評価を一部反映した報酬制度)では、雇用者は賃金値下げ、被雇用者は値上げを望みます。
    「米国のように法律で同一作業・同一賃金以外は違法で、正社員とパートの身分の差で賃金格差はありません。・・管理職の賃金の大部分は営業利益に比例しています。」(販売革新12月号・P13吉田繁治氏)
    私は営業職や管理職なら自分の働き(目標達成等)が会社の利益に貢献した分を賃金に反映する。スタッフ・ライン作業は同一作業・同一賃金(正社員・パートの区別無く)を日本的にアレンジ(営業職も管理職もスタッフの貢献がなければ目標達成は出来ない)したのが理想ではないか?と思います。

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