「生産性」の定義
ヨーロッパ生産性本部が1959年3月、
「ローマ会議報告書」のなかで、
「生産性」の定義を高らかに謳った。
生産性とは、何よりも精神の状態であり、
現存するものの進歩、あるいは、
不断の改善をめざす精神状態である。
それは、
今日は昨日よりも良くなるという確信であり、
明日は今日に優るという確信である。
それは、
現状がいかに優れたものと思われていて、
事実、優れていようとも、
改善していこうとする意志である。
それはまた、
条件の変化に社会経済生活を
不断に適応させていくことであり、
新しい技術と、新しい方法を
応用しようとする不断の努力であり、
人間の進歩に対する信念である。
私の好きな定義は、シンプルな公式である。
productivity(生産性)=output(産出量)÷input(投入量)
生産性は[アウトプット]と[インプット]の
相対的な比率のことだ。
Outputは製品やサービスなどの生産物のこと。
小売業ではすべてをひっくるめた
売上高、あるいは顧客満足度である。
Inputは生産を行うために必要となる生産要素のこと。
小売業ならば、店であり、売場であり、
商品であり、人である。
つまり生産性とは、
あるモノやサービスをつくり、
提供するにあたり、
それらを生産し、提供するために
いかに投資し、どんな手段を使ったか、
その投資や手段がどれだけ効果的だったかを
割合で示した指標である。
〈結城義晴〉