結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年06月23日(水曜日)

「中福祉・中負担の中産階級国家」と「家計中心の市民社会」をイメージせよ

日本記者クラブ主催の党首討論会。

毎週日曜日のNHK討論や民放での政党討論でも感じるが、
与党対野党の構図で、これは討論参加者数でいえば、
少数対多数。

もちろん現に権力の座にいるのだし、
実際に発言回数も多いのだから、
与党党首として、菅直人総理には同情の余地はないが、
論争の焦点を明確にして、
議論のプロセスから全体像が浮き上がるようにしてもらいたいと思う。

これは、様々なパネルディスカッションや座談会にも言えることだが、
それぞれが、ただ言いっ放しとなることが多い。

今回の党首討論の場合は、
来月に迫った参議院選が目的だから、
順番にお披露目のようなスピーチ。
いずれも深い議論にならないのは仕方ない。

マスコミの側も、発言の矛盾をついたり、
面白いコメントをとったりするのが、
ひとつの目的だからこれも仕方ない。

それでもメディアのサイド、記者個人の側に、
自分のスタンスと見識があって、
それが表明されていなければいけない。
仕事においても、他を批判するとき、
他を評論するときには、
自分のポジションを明確にしておかねばならない。

さらにある程度の全体像や常識的な知識を、
学んだうえで発言・発信するべきだし、
無知蒙昧の輩が評論したり解説したりすると、
それはまったくの「頓珍漢」になって、
議論にも討論にもならない。

さて、菅首相の主張に対して、
日経新聞のコラム「大機小機」。
私の好きなコラムニスト渾沌氏。
「菅流・第三の道への注文」

「民主党と自民党が選挙公約に消費税増税を掲げ、
税・財政を巡るムードは一変した」と評価している。

「神学論争から一歩踏み出したことに意義がある」

日本は、租税負担率と社会保障負担率を合計した国民負担率が低い。
消費税と所得税を国内総生産と比較しても、その率は低い。
さらに法人税への依存率が高い。
これは「先進国で際立っている」
この異常な経済環境が元に戻る保証はない。

だから今こそ、「先送りを続けた増税に踏み切る潮時」。
これが渾沌氏の分析。

その際の視点として重要なもの。
「一億総中流社会が壊れた後の日本をどうするか」
この一億総中流を支えたのは「法人支配の企業社会」で、
それを「家計中心の市民社会」に「転換」させる。

これが「日本が直面する歴史的な構造変化」だと、
渾沌氏は言う。

私も、賛成。

「健全な民主主義を支える基盤は、
広範な中産階級の存在」

商売においても全く同じ。

従って「中産階級が国の担い手となる税制への移行」が課題となる。

ここで、渾沌氏の結論。

「中産階級国家への道を目指す」
そのために、「中福祉・中負担」のナショナルミニマムの策定と、
セーフティネットの充実を図れと提言する。

「国民は中福祉・低負担の社会保障が、
持続できないことに気づいている」
これも鋭い観察だ。

「中福祉・中負担の中産階級国家」
そして「家計中心の市民社会」

この将来イメージを基本として、
商売やビジネスを組み立てたい。
さて今日の最後に、まど・みちおさん。

「なんでもない」

なんでもない ものごとを
なんでもなく かいてみたい
のに つい なんでもありそうに
かいてしまうのは
かく オレが
なんでもないとは かんけいない
なんにもない にんげんだからだ

ほら このみちばたで
ホコリのような ソバのハナたちが
そよかぜの あかちゃんとあそんでいる

こんなに うれしそうに!
なんでもないからこそ
こんなに なんでも あるんだ

天のおしごとは
いつだって こんなあんばいなんだ
 (『いわずにおれない』より)

私が文章を書くときに、
いつも、かならず、
心のなかに置いておく言葉。

自分を謙虚にしたいときに、
いつも、読み返す言葉。

「めでたさも中くらいなりおらが春」(小林一茶)

<結城義晴>

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