結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年06月11日(金曜日)

AJS第48期定期総会と結城義晴特別講演「Tide of Time」

今日6月11日は「入梅」。
暦の上では、今日から梅雨に入る。

しかし、沖縄、奄美地方以外は、いまだ梅雨入りせず。

近畿地方の平年の梅雨入りは6日だが、
昨日の10日には、京都で最高気温32.3度、
甲府市で31.3度、名古屋で31.1度。
各地で夏のような日和。

しかし、梅雨入り前は、いい気候。

この気候を楽しみたい。

注目の夏の参議院選挙は、
「6月24日公示、7月11日投開票」と決まった。

そこで菅内閣と民主党は、
今国会での「郵政改革法案」の成立を見送る方針。
それによって、
国民新党の亀井静香代表は、
金融・郵政改革相を辞任。

鳩山政権からは、社民党の福島瑞穂代表が離脱し、
菅政権からは、亀井代表が辞任した。

「政権基盤に打撃」と報じるメディアもあるが、
「参議院選優先」の民主党の強気が表れた結果の方針。

しかし国民新党は連立政権の基本を崩さず、
後任に自見庄三郎幹事長が就任する方針で調整している。

日経新聞の経済教室。
劇作家の山崎正和さんが整理している。

門外漢の政治批評。
しかし私は以前から、山崎さんの発言に注目している。
平成時代になってから、短命内閣が続く。
最長は、小泉内閣の1980日。
次が橋本内閣の932日。
三番目が意外にも海部内閣の818日。

2年以上続いたのは、この三内閣のみ。

その理由、原因。

山崎さんの分析によると、
第一は「現代日本の真の課題が深刻なものばかり」になったこと。
経済の成熟、少子高齢化、環境破壊、技術開発の停滞……。

第二は、冷戦の終焉によって、
個人の「心のよりどころとしての政治的立場」が揺らいでいること。

「民主党の成り立ち自体がこの現象を象徴」している。

第三は、「都市化の進行」。
これが「多数の国民を孤独な群衆」に変えた。

第四は、「情報化の深まり」。
内閣支持率は毎月のように耳に入る。
インターネットは、無署名の世論を無責任に氾濫させる。

これが現代日本の大衆社会。
その結果、政治家も経済人も、社会的指導者がいなくなった。
「警世の言を発する」経済人も少なくなった。

そして「リーダーなきポピュリズム(扇情政治)」
「珍現象」が現れる。

山崎さんは言う。

「民主主義の宿命的な難しさは、
たゆみない改革と安定した連続性との均衡を図ること」。

これはまさしく、経営そのものだ。

「民主主義とは言葉による政治なのである」
だからこそ、山崎正和に発言の機会が与えられる。

山崎さんは結論付ける。
「政治の言葉は、
抽象的な理念と具体的な政策の
的確な組み合わせでなければならない」

そう考えると、何度も言うが、
菅直人の「最小不幸社会」という語法には、
どうも納得がゆかない。

さて今週は、疲れた。

月曜日から三日間、蓼科。
コーネル大学RMPジャパンの合宿。
そして木曜・金曜は、東京ドームホテル。

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午後1時から、
オール日本スーパーマーケット協会第48期定期総会。

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真ん中のひな壇には、議長の荒井伸也さん。
オール日本スーパーマーケット協会会長。

私は、今週、ずっと荒井さんと一緒。

2時10分からは、事務局による「AJS中期事業計画報告とコプロ㈱活動報告」。
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そして3時から特別講演。

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テーマは、
「米国スーパーマーケットのTide of Time」

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Tideとは潮流、Timeは時代。
すなわち「時代の潮流」。

私が好んで使う用語。

頭韻を踏んでいて、耳に心地よい。
しかもこの言葉、『販売革新』誌創刊のときの名物コラム名。

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まず、日本のスーパーマーケットの4月度実績。
これは三つの協会が協力して集計した歴史的「販売統計」。

私は、この統計を大変高く評価している。

そしてこの統計とアメリカのスーパーマーケットの経営データの比較。

さらに2009年度米国チェーンストアランキングの解説。
「鳥の目」でものを考えねばならない。

そのあと、3Wのスライド解説。
Walmart、Whole Foods Market、Wegman’s。

今回、私が強調したのは、「ポジショニング」の考え方。

マーケティングのSTP。
このブログの読者にはおなじみの概念。

(1)セグメンテーションとは、
[マーケットにおける顧客や顧客ニーズを分類し細分化すること]
(2)ターゲティングとは、
[自社の参入するセグメントを選定し、ターゲットを明確にすること]
そして(3)ポジショニングとは、
[顧客のご利益を鮮明にし、自社の位置付けを確立すること]

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ポジショニングがどんなことか、
際立ったポジショニングは「客層を広げる」。

最後は、熱が入った。

この考え方、ご理解いただけただろうか。

特別講演の後は、懇親会。

㈱日本アクセスの田中茂治社長の乾杯の挨拶。

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そのあと40分間、着座して食事を楽しむ。

40分過ぎると、満員電車並みに込み合って、
名刺交換と交流。

右から、㈱セブンスター社長の玉置泰さん、
㈱ヤマナカ社長の中野義久さん。
左は、㈱マツモトの松本隆文さん。

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みんな私の同志。

楽しい交流、あっという間に時間が来て、散会。

最後に荒井会長とツーショット。

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今週は5日間ご一緒。
お疲れ様でした。

その後、部屋で交流。

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右から、松本さん、
商人舎エグゼクティブ・プロデューサー松井康彦さん、
㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん、
㈱ダイイチ社長の小西保男さん。

忌憚のない意見が飛び交い、
ごくまじめで、活発な討論。

「ポジショニング」のおさらいができた。

皆さま、ご清聴を心から、感謝します。
「ありがとうございました」

 <結城義晴>

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