ニューヨークの朝晩、
気温はマイナス2度。
寒い。
コートのフードは、
飾りでないことを、
この気温が教えてくれる。
万代ドライデイリー会の研修。
4日目は朝からセミナー。
前田仁事務局長が、
様々な注意点を丁寧に指摘。
その後、小走りで登壇。
いつものこと。
ニューヨークにやって来てから、
17店を訪れた。
その1店1店を思い出しながら、
総括講義を行う。
ウォルマートの「Door-Buster Sale」。
それからPopUp Sale。
新しい概念が次々に生まれ、
それがアメリカ小売業を活性化させる。
帰国してから、
ドライデイリー会総会が開かれる。
その場で、10の班ごとに、
研究成果を発表する。
だからというわけではないけれど、
みんな最後まで真剣に聞いてくれた。
私の方は、一応のシナリオが、
テキストに書かれているが、
それにはこだわらずに、
最新の動向を私なりに分析し、
それが万代の店頭に、
いかに活かされるかを提案する。
もちろん私の持論、
ポジショニング戦略と、
コモディティ化戦略。
この会の幹部のみなさんには、
耳タコだろうが、重要なことは、
毎回毎回、繰り返す。
それが思想の定着には役立つ。
私はそう考えている。
その意味で、逐一、
トレンドを追いかけるわけではない。
「波は短期的に
動揺と混乱を引き起こすが、
長期的には波の下にある
潮流のほうがずっと重要である」
ご清聴を感謝したい。
講義が終わると、
自由研修の時間になる。
各班ごとに、テーマを決めて、
目的地へ散って行った。
私は事務局とランチ。
生そば。
あずま。
ラーメンの一風堂に倣って、
完璧な日本の味を提供する。
それがアメリカ人に受ける。
ほとんど日本人客はいない。
私は豚肉とキノコの味噌煮込みうどん。
何しろ、外は、
底冷えのする零下。
カリスマ添乗員、
佐藤公彦さんは、
天ぷらそば。
このてんぷらの大きさ。
大満足して、寒い街に出る。
それからメトロポリタン美術館。
そして五番街。
ティファニー本店。
隣はトランプタワー。
もうホリデーシーズンの飾り付け完了。
しかしそのティファニーのCEO。
業績不振を理由に辞任したばかり。
フレデリック・キュメナル前CEO。
今年2月7日のブログに、
その事件のことを書いた。
「マンハッタン5番街の旗艦店は、
隣接するトランプタワーの警備強化で、
来店客が激減し、売上げが14%減」
ひどすぎる。
この旗艦店の売上げは、
全店の約1割を占める。
ドナルド・トランプ大統領就任以来、
アンチトランプデモなどもあったし、
テロの危険も大いにある。
だからトランプタワーの警備は超厳重。
そこで隣接するティファニー本店から、
客足が引いてしまった。
現在は、マイケル・コワルスキー会長が、
暫定CEOを兼務して対応している。
しかしそのニューヨーク旗艦店に、
昨日の10日、カフェがお目見えした。
創業は1837年。
それ以来初めての食の導入だ。
そのカフェは4階にある。
まだオープンしたばかりだし、
見たところ100坪ほどで、
広くない。
だから顧客は外で待っている。
この4階は食器や文房具などの売場だ。
その一番奥をカフェにした。
このインショップのネーミングは、
「ブルーボックスカフェ」。
実際に店内のカラーは、
ティファニーのブルーが使われている。
ギフトボックスや包み紙の色。
食器はもちろんすべてティファニー製。
メニューは朝食、昼食、
そしてアフタヌーンティー。
ティーの需要が大きいだろう。
月刊商人舎7月号で特集した。
「内食・外食」主役のHuge SC Age
非食品のショッピングセンターに、
食品小売業や外食が入る。
そして創業180年目の、
世界のティファニー本店に、
カフェが入る。
Global規模で、
この現象が起こっている。
ご存知、「ティファニーで朝食を」。
オードリー・ヘップバーンは美しかった。
1961年の映画。
もちろんこの時代には、
カフェはなかった。
だから映画のタイトルは、
あり得ないことを表現した。
しかしいま、「食品」の時代となって、
ティファニーで朝食ができる。
どんな店も、どんな商業集積も、
食を中心に回さねばならない。
それが「ティファニーで朝食を」の、
2017年11月の意味である。
夜は、ハートランド。
ステーキハウスで、
独自のビールが旨い。
今回のサヨナラパーティーだ。
ヤタニ酒販社長の大久保善吾さんが、
乾杯の音頭。
しかし大久保さんの誕生日は、
11月11日。
そこでサプライズのケーキ登場。
毎年、必ずこの時期に、
ドライデイリー会海外研修をやっている。
だからサプライズでもないが。
おめでとう。
ニューヨークカットのステーキは絶品。
大久保さんの誕生祝いケーキ。
そして締めはまず、
(株)万代取締役の芝純さん。
そして同じく取締役、
黒田久徳さん。
最後はドライデイリー会副会長、
岡崎忠勝さん。
ケイ低温フーズ専務。
万代の下岡副社長を囲んで、
4人でハドル。
私は一緒に食事した3班の面々と写真。
万代ドライデイリー会の海外研修。
毎年、初夏と晩秋に行っている。
今回も収穫をもって、
帰国する。
楽しい最後の晩が過ぎて、
やはり底冷えの朝。
バスの中で最後の講義。
そしてすぐにJFケネディ空港に到着。
全員写真。
世界の中心に「食」がある。
それを担うのは我々だ。
そんな気概をもって、
帰国する。
私は佐藤公彦さんとふたり、
サンフランシスコに向かう。
(つづきます)
〈結城義晴〉