結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年12月01日(木曜日)

「小さなことにはオプチミスト・大きなことにはペシミスト」

2016年、
うるう年の12月が、

今日から始まる。

例年よりも1日多いはずだが、
それでもひどく短い1年間だった。

1カ月を残していま、
そんな気分が膨らむ。

訃報です。

髙山邦輔先生。
DSCN4994-1

今年7月29日にご逝去。
奥様の洋子さんから、
喪中はがきが届いて、知った。

1933年生まれで、
今年83歳だった。
写真は74歳の時のもの。

西武百貨店から、
西友ストアー(現、西友)に移籍し、
営業企画部長、経営企画室長など、
重責を担って同社の、
ばく進の原動力となった。

その後、1973年、
コンサルタントへ転身。
㈱商業問題研究所を主宰し、
鋭い切り口で論述を展開した。

私が1977年に㈱商業界に入社し、
月刊販売革新編集部に入ったころ、
髙山先生は第一線の執筆者として、
毎号のように健筆を振るって、
やや難解な原稿を書き続けた。

ちょっと強面の先生で、
誤解も受けたかもしれないが、
私は実に丁寧な指導を受けた。

1978年の11月に、
私は髙山先生とともに2週間、
全米チェーンストアを巡った。

ロサンゼルスからカンザスシティ、
シカゴ、ニューヨーク、
そしてサンフランシスコ。

その時に書いたレポートが、
ウォルマートの原点的な店舗や、
アルディのアメリカ1号店、
さらに注目のマーシャルズ、
躍進のマーヴィンズなどなど。

メイシーズやブルーミングデール、
バンバーガーやマーシャルフィールド、
代表的な百貨店は、もれなく訪れた。

もちろん、シアーズ、JCペニー、
そして絶好調のKマート。

ノンフード・チェーンストアを、
総括的に学んで、
それを販売革新誌に、
半年くらい連載した。

それが今現在、
私の知識体系のベースになっている。

私はこの旅の終わりに、
サンフランシスコのシャーマンクレイで、
オベーションのギターを買って、
日本に持ち帰った。
確か10万円くらいだった。

サンフランシスコのホテルの自室で、
このギターのカラリとした音色を、
髙山先生に聴いてもらった。

全米に展開していたこの楽器店は、
2013年の春、廃業したが、
そのギターはいまも、
私の手元にある。

髙山先生は、
ダイエーの中内功さんから、
高く評価されていた。

コンサルタントの島田陽介先生、
ジャーナリストの故緒方知行さんと、
特に親しくて、いつも議論していた。

私はそれを、まぶしく見ていた。
いまでも、そのときのまぶしさを、
覚えている。

髙山先生の代表著作は、
1978年、ビジネス社刊『業態転換戦略』

私はいま、「業態」の、
「フォーマット転換」を持論として、
髙山邦輔の遺志を継いでいる。
DSCN8604-6

心からご冥福を祈りたい。
合掌。

さて、今月のスケジュール。
3日から香港出張。

5日に戻って6日には、
講演が二つ。

7日は大阪で、
これも講演や講義が二つ。
8日は大阪の店を巡って、
東京に戻り、
記者会見やインタビュー。

その後も会議や忘年会など続いて、
月刊商人舎1月号を編集・責了し、
一応、商人舎の仕事納めは12月28日。

もちろん、そのあとも、
動き回る。

さて、昨日、
Weekly商人舎で公開した、
週刊特別企画。
イオン冷食専門店
「ピカール」1号店未来度検証
http://magazine.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2016/11/S0500115.jpg

1号店の青山骨董通り店は、
11月23日にオープンしたが、
売れ行きが当初の計画より、
大幅に上回った。

その影響で、
明日の12月2日の予定だった中目黒店は、
開店を延期することになった。

珍しい。

もちろん、そのあとの、
12月8日の麻布十番店は、
予定通りにオープンする。

さて最後に、
日経オンラインの経営者ブログ。
鈴木幸一さん。
㈱インターネットイニシアティブ会長で、
日本のインターネットの草分け。

緊急入院して胆嚢摘出手術を受け、
病院のベッドで1週間横になっていた。

『パリはわが町』という本を読んだ。
フランス人のロジェ・グルニエ著。

ジャーナリストであり、作家。
そのグルニエは、
第2次大戦中、
パリ解放のレジスタンス活動で、
英雄的な働きをした。

あるインタビューに答えて、
グルニエは話した。
「小さなことについては
オプチミスト、

大きなことにについては
ペシミスト」

オプチミストは楽観主義者、
ペシミストは悲観主義者。

小さなことは楽観する、
大きなことは悲観する。

これは革命家の心構えだ。

いい。

鈴木さんは置き換えて考える。
もちろんインターネットの世界に。

「なによりもこの技術革新は、
技術そのものの高さとか深さではなく、
社会や産業、人々の暮らしに至るまで、
仕組み全体を変えることになる」

「処理速度がより高速になったAIが
汎用システムとなることで、
仮説としては、現在、
人間が仕事として従事している労働が、
人間を必要としなくなるという流れは、
加速こそすれ、止まることはない」

私はここに、
小売業・サービス業の、
大きな可能性を見出しているが。

インターネットのさらなる進化によって、
「人と人」から「人とモノ」「モノとモノ」が、
自在につながるようになる。

鈴木さんは、
「次々と実現していく、
その断片を見ている限り、
オプチミストの意見を言葉にする」

しかし、一方で、
「ほんとうの大きな変化を考えてしまうと、
極めて深刻なペシミストとなってしまう」

12月となり、
年の瀬が迫ってくると私も、
楽観主義者にもなり、
悲観主義者にもなる。

小さなことにはオプチミスト、
大きなことにはペシミスト。

そして最悪を覚悟し、
最善を尽くす。

きっと、髙山先生も、
そう指導してくれるに違いない。

〈結城義晴〉


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